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刑法 被告人の行為と被害者の不適当な行為により生じた結果との間の因果関係 最三小判平成16年10月19日 - 解答モード

概要
被告人の行為と密接な関係を有する被害者が不適当な行為により危険が誘発された場合、被告人の行為と被害者の不適当な行為により生じた結果との間には因果関係が認められる。
判例
事案:被告人が、被害者が運転する車を高速道路上で止め、その後被告人が立ち去った後被害者が高速道路上でエンジンキーを探していたところ被害者が後続車にはねられたという事案において、被告人の行為と被害者の死亡との間の因果関係が問題となった。

判旨:「Aに文句を言い謝罪させるため、夜明け前の暗い高速道路の第3通行帯上に自車及びA車を停止させたという被告人の本件過失行為は、それ自体において後続車の追突等による人身事故につながる重大な危険性を有していたというべきである。そして、本件事故は、被告人の上記過失行為の後、Aが、自らエンジンキーをズボンのポケットに入れたことを失念し周囲を捜すなどして、被告人車が本件現場を走り去ってから7、8分後まで、危険な本件現場に自車を停止させ続けたことなど、少なからぬ他人の行動等が介在して発生したものであるが、それらは被告人の上記過失行為及びこれと密接に関連してされた一連の暴行等に誘発されたものであったといえる。そうすると、被告人の過失行為と被害者らの死傷との間には因果関係があるというべきである…。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H23 司法 第2問 ア)
甲の行為とVの死亡との間に因果関係が認められるか。
甲は、深夜、高速道路上で自動車(甲車)を運転中、大型トレーラー(乙車)を運転中の乙とトラブルになり、乙車の進路を妨害した上、追越車線上に乙車を停止させた。甲は、甲車から降り、乙を降車させた上、路上で乙に暴行を加えた後、甲車を運転して立ち去った。乙は、甲が立ち去った後、甲に奪われないためにズボンのポケットにエンジンキーを入れていたのを失念し、乙車を追越車線上に停車させたまま、エンジンキーを探していた。甲が立ち去ってから約5分後、後方から自動車を運転してきたVは、乙車を発見するのが遅れて自車を追突させ、Vはそれにより死亡した。

(正答)

(解説)
判例(最判平16.10.19)は、本肢と同種の事案において、「少なからぬ他人の行動等が介在して発生したものであるが、それらは被告人の上記過失行為及びこれと密接に関連してされた一連の暴行等に誘発されたものであったといえる。そうすると、被告人の過失行為と被害者らの死傷との間には因果関係があるというべきである。」としている。
乙は、車を高速道路の追越車線上に停車させたまま、エンジンキーを探していたという乙の危険な行動が介在しているが、甲が乙を停車させ暴行した行為に誘発されたものであるといえ、甲の行為とVの死亡との間に因果関係が認められる。

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