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刑法 威力業務妨害罪における「威力」の該当性(R6) 最一小判平成23年7月7日 - 解答モード

概要
暴行や脅迫に至らない程度の威迫行為も威力に該当する。
判例
事案:卒業式の開式直前に主催者に無断で保護者らに対しビラを配布し、国歌斉唱のときに着席するよう大声で呼びかけ、制止しようとする教頭に対し怒号するなどしたとしたという事案において、威力業務妨害罪の成否が問題となった。

判旨:「被告人が大声や怒号を発するなどして、同校が主催する卒業式の円滑な遂行を妨げたことは明らかであるから、被告人の本件行為は、威力を用いて他人の業務を妨害したものというべきであり、威力業務妨害罪の構成要件に該当する。
 …表現の自由は、民主主義社会において特に重要な権利として尊重されなければならないが、憲法21条1項も、表現の自由を絶対無制限に保障したものではなく、公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認するものであって、たとえ意見を外部に発表するための手段であっても、その手段が他人の権利を不当に害するようなものは許されない。被告人の本件行為は,その場の状況にそぐわない不相当な態様で行われ、静穏な雰囲気の中で執り行われるべき卒業式の円滑な遂行に看過し得ない支障を生じさせたものであって、こうした行為が社会通念上許されず、違法性を欠くものでないことは明らかである。したがって,被告人の本件行為をもって刑法234条の罪に問うことは、憲法21条1項に違反するものではない。」
過去問・解説

(R6 司法 第1問 4)
以前A高校に勤務していた甲は、同校卒業式の開式直前に、式典会場である体育館において、予定された式典の進行を止めさせる目的で、参列の保護者らに対して大声で騒ぎ立て、これを制止しようとした教頭に怒号するなどして同会場を喧騒状態に陥れた。この場合、甲に威力業務妨害罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判平23.7.7)は、本肢と同様の事案において、「被告人が大声や怒号を発するなどして、同校が主催する卒業式の円滑な遂行を妨げたことは明らかであるから、被告人の本件行為は、威力を用いて他人の業務を妨害したものというべきであり、威力業務妨害罪の構成要件に該当する。」として、暴行や脅迫に至らない程度の威迫行為も威力に該当することを示している。
甲は、A高校の卒業式の開式直前に、予定された式典の進行を止めさせる目的で、参列の保護者らに対して大声で騒ぎ立て、これを制止しようとした教頭に怒号するなどして同会場を喧騒状態に陥れているため、威力を用いて業務を妨害したとして、甲には威力業務妨害罪が成立する。

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