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刑法 詐欺罪の成否 最二小判昭和25年2月24日 - 解答モード

概要
窃取又は騙取した郵便貯金通帳を利用して、郵便局係員を欺罔し、真実名義人において貯金の払戻請求するものと誤信させて、貯金の払戻名義の下に金員を騙取したときは、通帳の窃盗罪のほかに金員の詐欺罪が成立する。窃取した預金通帳を用いて預金を引き出した場合、先行する預金通帳の窃取と預金の引き出し行為とは併合罪の関係にある。
判例
事案:窃取又は騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し、真実名義人において貯金の払戻請求するものと誤信させて、金員を交付させたという事案において、詐欺罪の成否が問題となった。

判旨:「贓物を処分することは財産罪に伴う事後処分に過ぎないから別罪を構成しないことは勿論であるが窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し真実名義人において貯金の払戻を請求するものと誤信せしめて貯金の払戻名義の下に金員を騙取することは更に新法益を侵害する行為であるからここに亦犯罪の成立を認むべきであってこれをもって贓物の単なる事後処分と同視することはできないのである。然らば原審が所論郵便貯金通帳を利用して預金を引出した行為に対し詐欺罪をもって問擬したことは正当であるから論旨は理由がない。」
過去問・解説

(H18 司法 第17問 4)
他人から預金通帳と届出印鑑を一時的に預かったにすぎない者が、それを利用して勝手に銀行窓口で銀行員から預金払戻名下に金員の交付を受けた場合、預金の払戻権限がないのにそれがあるように偽っているので、銀行員を相手方とする詐欺罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.2.24)は、本肢と同種の事案において、「窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し真実名義人において貯金の払戻を請求するものと誤信せしめて貯金の払戻名義の下に金員を騙取することは更に新法益を侵害する行為であるからここに亦犯罪の成立を認むべきであってこれをもって賍物の単なる事後処分と同視することはできない…。」として、詐欺罪が成立するとしている。


(R6 司法 第7問 5)
甲は、他人から盗んだクレジットカードを使用して商品をだまし取ろうと考え、A名義のクレジットカードを窃取し、家電量販店において、店員に対し、Aに成り済まして同クレジットカードを提示して商品の購入を申し込んだが、同店員に盗難カードであることを見破られたため、商品を手に入れることができなかった。この場合、甲に窃盗罪及び詐欺未遂罪が成立し、両罪は牽連犯となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.2.24)は、被告人が窃取又は騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し、真実名義人において貯金の払戻請求するものと誤信させて、金員を交付させた事案において、「窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し真実名義人において貯金の払戻を請求するものと誤信せしめて貯金の払戻名義の下に金員を騙取することは更に新法益を侵害する行為であるからここに亦犯罪の成立を認むべきであってこれをもって賍物の単なる事後処分と同視することはできない…。」として、詐欺罪は窃盗罪によって評価されておらず、別個詐欺罪が成立することを示している。
したがって、甲には窃盗罪と詐欺未遂罪が成立し、両者は手段・結果の関係にはないため、併合罪となる。

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