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刑法 公用文書毀棄罪における「公務所の用に供する文書」 最三小判昭和38年12月24日 - 解答モード

概要
258条にいう「公務所の用に供する文書」とは、公務所において現に使用し又は使用に供する目的で保管している文書を総称し、その文書が証明の用に供せられるべき性質を有することを要するものではない。
判例
事案:被告人が、労働組合による文書について、勝手にこれを取りはずし、駅通路に持ち出したうえ、黒板拭をもってその記載文言を全部抹消したという事案において、「公務所の用に供する文書」に当たるかが問題となった。

判旨:「刑法258条にいわゆる『公務所ノ用ニ供スル文書』とは、その作成者、作成の目的等にかかわりなく、現に公務所において使用に供せられ、又は使用の目的をもって保管されている文書を総称するものと解すべきである。したがって、現に公務所において使用又は保管中の文書であるかぎり、それが証明の用に供せられるべき文書であっても、そうでない文書であっても、この罪の客体となりうる点に変りはない。原審の認定した本件毀棄の事実は、昭和34年2月14日A労働組合広島第二支部が可部線合理化反対斗争を行ない、同線に列車遅延等の事態が生じたさい、同線b駅助役らが、管理所長の命により、急告板に白墨を用いて『組合の不法行為により乗務員がらちされ、各列車が遅延又は運転中止にあっております。当局はできるだけ努力して列車の運転を確保していますが以上の理由により大変御迷惑をおかけしておりますことをお詫び致します』と記載し、これを同駅待合室に掲示しておいたところ、被告人は、勝手にこれを取りはずし、同駅通路に持ち出したうえ、黒板拭をもってその記載文言を全部抹消したというのであって、本件毀棄の客体となった右文言掲載の急告板は、法律上文書たるに欠けるところなく、まさしく公務所(日本国有鉄道法34条、刑法7条参照)において現に使用に供せられている文書に該当するものというべきである。原判決は、刑法258条にいう公用文書は証明の用に供せられるべき書類であることを要するとし、本件文書は、その内容が旅客に対する報道ないしは陳謝文である等の点で証明の用に供するものとは認めがたいから、同条の公用文書に当らないとするのであるが、本件文書が証明文書たる性質を全く有しないかどうかの点は別として、刑法258条の公用文書に右のような制限が存するとする解釈に誤りがあることは前叙に照らして明白である。したがって、原判決が、証拠にもとずき前記毀棄の事実を認定しながら、被告人の所為を刑法258条の公文書毀棄罪に当らないとし、これを同法261条の器物毀棄罪に問擬したのは、法令の適用を誤ったものであり、原判決を破棄しなければ著しく正義に反する場合といわなければならない。論旨は理由がある。」
過去問・解説

(R1 予備 第2問 1)
公用文書等毀棄罪における「公務所の用に供する文書」とは、公務所又は公務員が作成したもので、現に公務所において使用され、又は使用の目的をもって保管されている文書のことをいう。

(正答)

(解説)
判例(最判昭38.12.24)は、「刑法258条にいわゆる『公務所ノ用ニ供スル文書』とは、その作成者、作成の目的等にかかわりなく、現に公務所において使用に供せられ、又は使用の目的をもって保管されている文書を総称するものと解すべきである。」としている。

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