現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

刑法 複合建造物の一体性 最三小決平成元年7月14日 - 解答モード

概要
本殿、拝殿、社務所等の建物が廻廊等により接続され、夜間も神職等が社務所等で宿直していた本件平成安神宮社殿は、全体として1個の現住建造物に当たる。
判例
事案:外観上複数の建物が接合された複合建造物の一部に現住性が認められる事案において、非現住部分の焼損をもって現住建造物放火罪の成立を肯定できるかが問題となった。

判旨:「右社殿は、その一部に放火されることにより全体に危険が及ぶと考えられる一体の構造であり、また、全体が一体として日夜人の起居に利用されていたものと認められる。そうすると、右社殿は、物理的に見ても、機能的に見ても、その全体が1個の現住建造物であったと認めるのが相当であるから、これと同旨の見解に基づいて現住建造物放火罪の成立を認めた原判決の判断は正当である。」
過去問・解説

(H24 共通 第17問 3)
甲は、深夜、本殿・祭具庫・社務所・守衛詰所が木造の回廊で接続され、一部に火を放てば他の部分に延焼する可能性がある構造の神社の祭具庫壁付近にガソリンをまいてこれに火をつけた。その結果、無人の祭具庫は全焼したものの、Vらが現在する社務所・守衛詰所には、火は燃え移らなかった。甲には現住建造物等放火既遂罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決平元.7.14)は、本肢と同種の事案において、「右社殿は、その一部に放火されることにより全体に危険が及ぶと考えられる一体の構造であり、また、全体が一体として日夜人の起居に利用されていたものと認められる。そうすると、右社殿は、物理的に見ても、機能的に見ても、その全体が1個の現住建造物であったと認めるのが相当である…。」としている。
甲は、神社の一部である祭具庫壁付近に放火しているところ、ここは、本殿・祭具庫・社務所・守衛詰所が木造の回廊で接続され、一部に火を放てば他の部分に延焼する可能性がある構造であるから、物理的に見ても、機能的に見ても、一体の構造であるといえ、その全体が1個の現住建造物であったといえる。
したがって、甲には現住建造物等放火既遂罪が成立する。


(R5 司法 第8問 1)
人が居住する木造建物Aと人が居住していない木造建物Bは、木造の渡り廊下で接合され、渡り廊下を通じて人の行き来のある構造となっていた。甲は、これらの事実を認識した上で、その当時誰もいなかった建物Bに放火して建物Bを焼損した。この場合、建物Aに延焼しなければ、甲に現住建造物等放火既遂罪が成立することはない。

(正答)

(解説)
判例(最決平元.7.14)は、本肢と同種の事案において、「右社殿は、その一部に放火されることにより全体に危険が及ぶと考えられる一体の構造であり、また、全体が一体として日夜人の起居に利用されていたものと認められる。そうすると、右社殿は、物理的に見ても、機能的に見ても、その全体が1個の現住建造物であったと認めるのが相当である…。」としている。
甲は、当時誰もいなかった建物Bに放火しているところ、人が居住する木造建物Aと人が居住していない木造建物Bは、木造の渡り廊下で接合され、渡り廊下を通じて人の行き来のある構造となっていたから、物理的に見ても、機能的に見ても、一体の構造であるといえ、AB全体が1個の現住建造物であったといえる。
したがって、甲には現住建造物等放火既遂罪が成立する。

該当する過去問がありません

前の判例 次の判例