現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
刑法 ファクシミリと有印公文書偽造罪 広島高岡山支判平成8年5月22日 - 解答モード
概要
ファクシミリを使用して印字した文書は、機械的方法により,あたかも真正な原本を原形どおり性格に複写したかのような形式,外観を有し,文書の性質上,原本と同様の社会的機能と信用性を有するものであって,複写機械による写しと原本再現性に差異があるとはいえないから、155条1項の有印公文書偽造罪の客体に当たる。
判例
事案:公文書の内容を改ざんしこれを原稿としてファクシミリで送信し受信先のファクシミリで印字させて作成したという事案において、当該文書の写しが有印公文書偽造罪の客体に当たるかが問題となった。
判旨:「ファクシミリによる文書の写しの社会的機能と信用性についてみると、真正な原本を原形のまま正確に複写したかのような形式、外観を有するファクシミリによる文書の写しは、一般には、同一内容の原本が存在することを信用させ、原本作成者の意識内容が表示されているものと受け取られて、証明用文書としての社会的機能と信用性があることは否定できず、その信用性の程度については、文書の作成名義、文書の様式及び規格等の体裁、記載内容、文書を行使する人物等の要素によって異なるものである。もとより、文書の本来の性質上、その存在自体が法律上又は社会生活上重要な意味をもっている文書、或いは人の重要な権利の行使に関して必要な文書などにおいては、ファクシミリによる文書の写しを原本の代用としてまでは認められないとしても、その他の分野においては、隔地者間における即時性のある証明用文書として有用なものとして利用されていることは明らかである。この点においても、複写機械による写しとの間に格別の差異があるとはいえない。
本件の被告人が作成した通知書写しについても、岡山市の母子福祉担当課から被告人に対する支払金が振り込まれることを証明する原本文書の存在を信用させ、金融業者から借入れをするについて、保証書的役割を果たしたのである。
…以上のとおりであるので、本件通知書写しは、公文書偽造罪の客体としての文書としての要件を満たした公文書に当たるものというべきである。」
判旨:「ファクシミリによる文書の写しの社会的機能と信用性についてみると、真正な原本を原形のまま正確に複写したかのような形式、外観を有するファクシミリによる文書の写しは、一般には、同一内容の原本が存在することを信用させ、原本作成者の意識内容が表示されているものと受け取られて、証明用文書としての社会的機能と信用性があることは否定できず、その信用性の程度については、文書の作成名義、文書の様式及び規格等の体裁、記載内容、文書を行使する人物等の要素によって異なるものである。もとより、文書の本来の性質上、その存在自体が法律上又は社会生活上重要な意味をもっている文書、或いは人の重要な権利の行使に関して必要な文書などにおいては、ファクシミリによる文書の写しを原本の代用としてまでは認められないとしても、その他の分野においては、隔地者間における即時性のある証明用文書として有用なものとして利用されていることは明らかである。この点においても、複写機械による写しとの間に格別の差異があるとはいえない。
本件の被告人が作成した通知書写しについても、岡山市の母子福祉担当課から被告人に対する支払金が振り込まれることを証明する原本文書の存在を信用させ、金融業者から借入れをするについて、保証書的役割を果たしたのである。
…以上のとおりであるので、本件通知書写しは、公文書偽造罪の客体としての文書としての要件を満たした公文書に当たるものというべきである。」
過去問・解説
(R1 予備 第6問 エ)
公文書の内容を改ざんし、これを原稿としてファクシミリで相手方に送信した場合、送信に供した当該原稿が公文書偽造罪の客体であって、受信書面は同罪の客体とならない。