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刑法 「罰金以上の刑にあたる罪を犯した者」の意義 最三小判昭和24年8月9日 - 解答モード

概要
犯人蔵匿・隠避罪は司法に関係する国権の作用を妨害する書を処罰しようとするのであるから、「罪を犯した者」は犯罪の嫌疑によって捜査中の者をも含むと解釈すべきである。
判例
事案:恐喝の被疑者を匿ったという事案において、犯罪の嫌疑によって捜査中の者と犯人蔵匿・隠避罪の「罰金以上の刑にあたる罪を犯した者」の意義が問題となった。

判旨:「刑法第103条は蔵匿の対象者を『罰金以上ノ罪ヲ犯シタル者』と規定しているのであるから、その者が罪を犯したという事実が確定されるまでは犯人蔵匿は成立しない、と主張する。なるほどその趣旨の学説もないではないが、刑法第103条は司法に関する国権の作用を妨害する者を処罰しようとするのであるから、『罪ヲ犯シタル者』は犯罪の嫌疑によって捜査中の者をも含むと解釈しなくては、立法の目的を達し得ない。」
過去問・解説

(H19 司法 第7問 ア)
甲は、Aが被疑者として捜査の対象となっている殺人未遂事件に関し、Aの部下でAと被害者との関係について知っているBがいずれは参考人として警察の取調べを受けることを予期しつつ、Bを隠匿した。この場合、(a. 犯人隠避罪が成立する・b. 証拠隠滅罪が成立する)。

(正答)b

(解説)
判例(最判昭24.8.9)は、「『罪ヲ犯シタル者』は犯罪の嫌疑によって捜査中の者をも含む…。」としている。
また、別の判例(最決昭36.8.17)は、「104条の証憑湮滅罪は犯罪者に対する司法権の発動を阻害する行為を禁止しようとする法意に出ているものであるから、捜査段階における参考人に過ぎない者も右法条にいわゆる他人の刑事被告事件に関する証憑たるに妨げなく、これを隠匿すれば証憑湮滅罪が成立する…。」としている。
Bは、Aを被疑者とする殺人未遂事件の参考人であるから、Bは、「罪を犯した者」に当たらず、捜査段階における参考人について隠匿したことになる。
したがって、甲に証拠隠滅罪が成立する。


(H22 司法 第17問 1)
甲は、殺人事件の被疑者として逮捕状が発付されている乙が犯人ではないと信じ、乙に隠れ家を提供して同人をかくまったが、その後、発見逮捕された乙が真犯人であることが明らかとなり、同人に対する有罪判決が確定した。甲は乙が犯人ではないと誤信していたので、甲に犯人蔵匿罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭24.8.9)は、「『罪ヲ犯シタル者』は犯罪の嫌疑によって捜査中の者をも含む…。」としている。
乙は、殺人事件の被疑者として逮捕状が発付されていたから、「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」に当たり、甲もこの事実を認識し隠れ家を提供して同人をかくまった。
したがって、甲に犯人蔵匿罪が成立する。

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