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刑法 詐欺罪の既遂時期 大阪高判平成16年12月21日

概要
犯人が、預金口座から預金を引き出すことについて障害となるような事情のなかったことが明らかな場合、預金口座に詐取金が振込送金された時点で既遂に達したと解する。
判例
事案:他人所有の不動産につき、その所有者に成りすまして融資を申し込み、当該他人名義であらかじめ開設していた銀行口座に振込送金させた詐欺の事案において、その既遂がいつとなるかが問題となった。

判旨:「被告人らが本件預金口座に振込送金された詐取金を引き出すためには、更にA1本人に成りすますなどして銀行側を欺く必要があることは確かであるが、そうしたことは、既に同口座を開設し管理していた被告人らにとってさほど困難なことではないし(現に、上記詐取金は、後記のとおり、それが振込送金となった直後にそのほとんどが引き出されている。)、他に本件において、被告人らが本件預金口座から預金を引き出すことについて障害となるような事情のなかったことも明らかである。そうすると、やはり本件詐欺は、本件預金口座に詐取金が振込送金された時点で既遂に達したと解さざるを得ない…。」
過去問・解説
(H20 司法 第20問 4)
甲は、架空人である丙名義で預金口座を開設した上、乙に対し、「あなたの息子が交通事故を起こし、直ちに示談のお金が必要である。」とうそを言って、自ら通帳・印鑑を所持する上記口座に乙をして現金を振り込ませた。この場合、甲は、いまだ他人名義の口座に振込みを受けたにすぎないので、甲には詐欺未遂罪が成立するにとどまる。

(正答)

(解説)
裁判例(大阪高判平16.12.21)は、本肢と同種の事案において、「本件詐欺は、本件預金口座に詐取金が振込送金された時点で既遂に達したと解さざるを得ない…。」としている。
したがって、甲が丙名義口座に現金を振り込ませた時点で、甲に詐欺既遂罪が成立する。
総合メモ
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