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刑法 実行行為者でない者の共謀の成否 最一小決昭和57年7月16日

概要
大麻の密輸入を計画した乙からその実行担当者になって欲しい旨頼まれた甲が、大麻を入手したい欲求にかられ、執行猶予中の身であることを理由にこれを断ったものの、知人の丙に対し事情を明かして協力を求め、同人を自己の身代わりとして乙に引き合わせるとともに、密輸入した大麻の一部をもらい受ける約束のもとにその資金の一部を乙に提供したときは、甲は、これらの行為を通じ乙及び丙らと大麻密輸入の謀議を遂げたものといえる。
判例
事案:大麻密輸入の事案において、犯罪の実行行為者でない者に共謀が認められるかが問題となった。

判旨:「被告人甲は、タイ国からの大麻密輸入を計画した乙からその実行担当者になって欲しい旨頼まれるや、大麻を入手したい欲求にかられ、執行猶予中の身であることを理由にこれを断ったものの、知人の丙に対し事情を明かして協力を求め、同人を自己の身代りとして乙に引き合わせるとともに、密輸入した大麻の一部をもらい受ける約束のもとにその資金の一部(金20万円)を乙に提供したというのであるから、これらの行為を通じ被告人甲が右乙及び丙らと本件大麻密輸入の謀議を遂げたと認めた原判断は、正当である。」
過去問・解説
(H28 予備 第12問 1)
共謀共同正犯が成立するためには、実行行為を行わない者が実行行為者に対して指揮命令をすることが必要である。

(正答)

(解説)
判例(最決昭57.7.16)は、「被告人甲は、タイ国からの大麻密輸入を計画した乙からその実行担当者になって欲しい旨頼まれるや、大麻を入手したい欲求にかられ、執行猶予中の身であることを理由にこれを断ったものの、知人の丙に対し事情を明かして協力を求め、同人を自己の身代りとして乙に引き合わせるとともに、密輸入した大麻の一部をもらい受ける約束のもとにその資金の一部(金20万円)を乙に提供したというのであるから、これらの行為を通じ被告人甲が右乙及び丙らと本件大麻密輸入の謀議を遂げたと認めた原判断は、正当である。」として、指揮命令をしていない者に対しても共同正犯の成立を認めている。
したがって、共謀共同正犯が成立するために、実行行為を行わない者が実行行為者に対して指揮命令をすることは必ずしも必要ではない。
総合メモ
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