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刑法 インターネットのサイト管理者が、わいせつ画像データを、サーバに記憶、蔵置させて視聴者が閲覧可能な状態に設定し、又は、映像配信システムを利用して視聴者に配信して閲覧させた場合におけるわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪の各共同正犯の成否(R6) 最判令和3年2月1日
概要
インターネット上の動画の投稿サイト及び配信サイトを管理・運営していた被告人両名に、わいせつな動画を自ら投稿していなくとも、上記各サイト上におけるわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪の各共同正犯が成立する。
判例
事案:インターネットのサイトに投稿されたわいせつ画像データを、サーバに記憶、蔵置させて視聴者が閲覧可能な状態を設定し、又は、映像配信システムを利用して視聴者に配信して閲覧させたという事案において、同サイトの管理者らに投稿者との共謀によるわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪や公然わいせつ罪の成否が問題となった。
判旨:「被告人両名及びZ(サイト運営の統括管理者)は、本件各サイトに無修正わいせつ動画が投稿・配信される蓋然性があることを認識した上で、投稿・配信された動画が無修正わいせつ動画であったとしても、これを利用して利益を上げる目的で、本件各サイトにおいて不特定多数の利用者の閲覧又は観覧に供するという意図を有しており、前記のような本件各サイトの仕組みや内容,運営状況等を通じて動画の投稿・配信を勧誘することにより、被告人両名及びZの上記意図は本件各投稿者らに示されていたといえる。他方、本件各投稿者らは、上記の働きかけを受け、不特定多数の利用者の閲覧又は観覧に供するという意図に基づき、本件各サイトのシステムに従って前記投稿又は配信を行ったものであり、本件各投稿者らの上記意図も、本件各サイトの管理・運営を行う被告人両名及びZに対し表明されていたということができる。そうすると、被告人両名及びZと本件各投稿者らの間には、無修正わいせつ動画を投稿・配信することについて、黙示の意思連絡があったと評価することができる。
そして,本件わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪は、本件各投稿者らが無修正わいせつ動画を本件各サイトに投稿又は配信することによって初めて成立するものであり、他方、本件各投稿者らも、被告人両名及びZによる上記勧誘及び本件各サイトの管理・運営行為がなければ、無修正わいせつ動画を不特定多数の者が認識できる状態に置くことがなかったことは明らかである。加えて、被告人両名及びZは、本件公然わいせつの各犯行については、より多くの視聴料を獲得することについて、C、D及びEらとその意図を共有していたことも認められる。
以上の事情によれば、被告人両名について、Z及び本件各投稿者らとの共謀を認め、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪の各共同正犯が成立するとした原判断は正当である。」
判旨:「被告人両名及びZ(サイト運営の統括管理者)は、本件各サイトに無修正わいせつ動画が投稿・配信される蓋然性があることを認識した上で、投稿・配信された動画が無修正わいせつ動画であったとしても、これを利用して利益を上げる目的で、本件各サイトにおいて不特定多数の利用者の閲覧又は観覧に供するという意図を有しており、前記のような本件各サイトの仕組みや内容,運営状況等を通じて動画の投稿・配信を勧誘することにより、被告人両名及びZの上記意図は本件各投稿者らに示されていたといえる。他方、本件各投稿者らは、上記の働きかけを受け、不特定多数の利用者の閲覧又は観覧に供するという意図に基づき、本件各サイトのシステムに従って前記投稿又は配信を行ったものであり、本件各投稿者らの上記意図も、本件各サイトの管理・運営を行う被告人両名及びZに対し表明されていたということができる。そうすると、被告人両名及びZと本件各投稿者らの間には、無修正わいせつ動画を投稿・配信することについて、黙示の意思連絡があったと評価することができる。
そして,本件わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪は、本件各投稿者らが無修正わいせつ動画を本件各サイトに投稿又は配信することによって初めて成立するものであり、他方、本件各投稿者らも、被告人両名及びZによる上記勧誘及び本件各サイトの管理・運営行為がなければ、無修正わいせつ動画を不特定多数の者が認識できる状態に置くことがなかったことは明らかである。加えて、被告人両名及びZは、本件公然わいせつの各犯行については、より多くの視聴料を獲得することについて、C、D及びEらとその意図を共有していたことも認められる。
以上の事情によれば、被告人両名について、Z及び本件各投稿者らとの共謀を認め、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪の各共同正犯が成立するとした原判断は正当である。」
過去問・解説
(R6 司法 第13問 4)
動画配信サイトを運営していた甲は、同サイト上でわいせつな動画を不特定多数の者に閲覧させて利益を得ようと考え、わいせつな動画の投稿者を広く勧誘し、その勧誘を受けた乙が同サイトにわいせつな動画を投稿して不特定多数の者が認識できる状態にした。この場合、上記サイトを運営していた甲は、わいせつな動画を自ら投稿しておらず、甲にわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪の共同正犯が成立することはない。
動画配信サイトを運営していた甲は、同サイト上でわいせつな動画を不特定多数の者に閲覧させて利益を得ようと考え、わいせつな動画の投稿者を広く勧誘し、その勧誘を受けた乙が同サイトにわいせつな動画を投稿して不特定多数の者が認識できる状態にした。この場合、上記サイトを運営していた甲は、わいせつな動画を自ら投稿しておらず、甲にわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪の共同正犯が成立することはない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判令3.2.1)は、本肢と同種の事案において、「被告人両名及びZと本件各投稿者らの間には、無修正わいせつ動画を投稿・配信することについて、黙示の意思連絡があったと評価することができる。」として、管理者らに投稿者とのわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪の共同正犯が成立するとしている。
したがって、甲は、わいせつな動画を自ら投稿していないものの、甲にはわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪の共同正犯が成立する。
判例(最判令3.2.1)は、本肢と同種の事案において、「被告人両名及びZと本件各投稿者らの間には、無修正わいせつ動画を投稿・配信することについて、黙示の意思連絡があったと評価することができる。」として、管理者らに投稿者とのわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪の共同正犯が成立するとしている。
したがって、甲は、わいせつな動画を自ら投稿していないものの、甲にはわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪の共同正犯が成立する。