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刑法 傷害罪と器物損壊罪 東京地判平成7年1月31日

概要
傷害行為に伴い、被害者が着用していたメガネが破損した場合、器物損壊罪は重い傷害罪に包括される。
判例
事案:殴られたことにより負傷し、これにより着用していたメガネが破損していた事案において、器物損壊罪と傷害罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「眼鏡レンズの損壊は、顔面を手拳で殴打して傷害を負わせるという通常の行為態様による傷害に随伴するものと評価できること、傷害罪と器物損壊罪の保護法益及び法定刑の相違に加え、本件における結果も、傷害は加療約2週間を要する顔面挫創兼脳震盪症等であるのに対し、レンズ破損による被害額は1万円であることに照らすと、本件のような場合は検察官主張のような観念的競合の関係を認める必要はなく、重い傷害罪によって包括的に評価し(量刑にあたってレンズを破損させた点も考慮されることはもちろんである)、同罪の罰条を適用すれば足りると解すべきである。」
過去問・解説
(H23 司法 第6問 3)
甲は、眼鏡を掛けた乙の顔面を、眼鏡の上から拳で殴打し、眼鏡を損壊するとともに、乙に全治1週間を要する顔面打撲の傷害を負わせた。この場合、甲には傷害罪と器物損壊罪が成立し、両罪は併合罪となる。

(正答)

(解説)
裁判例(東京地判平7.1.31)は、本肢と同種の事案において、「観念的競合の関係を認める必要はなく、重い傷害罪によって包括的に評価し…、同罪の罰条を適用すれば足りると解すべきである。」として、傷害罪のみが成立するとしている。
甲は、眼鏡を掛けた乙の顔面を、眼鏡の上から拳で殴打し、眼鏡を損壊するとともに、乙に全治1週間を要する顔面打撲の傷害を負わせている。
したがって、甲には傷害罪のみが成立する。
総合メモ
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