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刑法 反復的な暴行による複数の傷害結果 最一小決平成26年3月17日
概要
同一被害者に対し約4か月間又は約1か月間という一定の期間内に反復累行された一連の暴行によって種々の傷害を負わせた事実については、その暴行が、被告人と被害者との一定の人間関係を背景として、共通の動機から繰り返し犯意を生じて行われたものであることなどの事情(判文参照)に鑑みると、全体を一体のものと評価し、包括して一罪と解することができる。
判例
事案:反復継続された暴行行為の事案において、一連の暴行の罪数関係が問題となった。
判旨:「一連の暴行によって各被害者に傷害を負わせた事実は、いずれの事件も、約4か月間又は約1か月間という一定の期間内に、被告人が、被害者との上記のような人間関係を背景として、ある程度限定された場所で、共通の動機から繰り返し犯意を生じ、主として同態様の暴行を反復累行し、その結果、個別の機会の暴行と傷害の発生、拡大ないし悪化との対応関係を個々に特定することはできないものの、結局は1人の被害者の身体に一定の傷害を負わせたというものであり、そのような事情に鑑みると、それぞれ、その全体を一体のものと評価し、包括して一罪と解することができる。」
判旨:「一連の暴行によって各被害者に傷害を負わせた事実は、いずれの事件も、約4か月間又は約1か月間という一定の期間内に、被告人が、被害者との上記のような人間関係を背景として、ある程度限定された場所で、共通の動機から繰り返し犯意を生じ、主として同態様の暴行を反復累行し、その結果、個別の機会の暴行と傷害の発生、拡大ないし悪化との対応関係を個々に特定することはできないものの、結局は1人の被害者の身体に一定の傷害を負わせたというものであり、そのような事情に鑑みると、それぞれ、その全体を一体のものと評価し、包括して一罪と解することができる。」
過去問・解説
(R4 司法 第17問 5)
甲は、対立する不良グループのメンバーA及びBを襲撃することを計画し、路上で発見したAをバットで1回殴打した直後、そばにいたBを同バットで1回殴打し、両名に傷害を負わせた。甲には、2個の傷害罪が成立し、これらは包括一罪となる。
甲は、対立する不良グループのメンバーA及びBを襲撃することを計画し、路上で発見したAをバットで1回殴打した直後、そばにいたBを同バットで1回殴打し、両名に傷害を負わせた。甲には、2個の傷害罪が成立し、これらは包括一罪となる。
(正答)✕
(解説)
判例(最決平26.3.17)は、「同一被害者に対し約4か月間又は約1か月間という一定の期間内に反復累行された一連の暴行によって種々の傷害を負わせた事実については、その暴行が、被告人と被害者との一定の人間関係を背景として、共通の動機から繰り返し犯意を生じて行われたものであることなどの事情に鑑みると、全体を一体のものと評価し、包括して一罪と解することができる。」としている。
甲は、異なる機会に、異なる人物であるA、Bに対して暴行を行っているのであるから、法益侵害の一体性を欠き、全体を一体として評価することはできない。
したがって、甲には、2個の傷害罪が成立し、これらは併合罪となる。
判例(最決平26.3.17)は、「同一被害者に対し約4か月間又は約1か月間という一定の期間内に反復累行された一連の暴行によって種々の傷害を負わせた事実については、その暴行が、被告人と被害者との一定の人間関係を背景として、共通の動機から繰り返し犯意を生じて行われたものであることなどの事情に鑑みると、全体を一体のものと評価し、包括して一罪と解することができる。」としている。
甲は、異なる機会に、異なる人物であるA、Bに対して暴行を行っているのであるから、法益侵害の一体性を欠き、全体を一体として評価することはできない。
したがって、甲には、2個の傷害罪が成立し、これらは併合罪となる。