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刑法 公務執行妨害罪と傷害罪 最三小決昭和43年9月17日

概要
傷害の手段として監禁がなされたものであっても、その行為の性質からみて、両者が通常手段結果の関係にあるものとは認められないから、54条1項の牽連犯にはあたらない。
判例
事案:暴力団組員である被告人4名が、同組員の被害者を取り囲んでタクシーに乗せ、同人の逃走を不能にして組事務所に連れ込み、同人の左小指を切断したという事案において、傷害罪と監禁罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「傷害の手段として監禁がなされたものであっても、その行為の性質からみて、両者が通常手段結果の関係にあるものとは認められないから、刑法54条1項の牽連犯にはあたらないものとした原判決の判断は相当である。」
過去問・解説
(H25 司法 第2問 4)
甲は、自己の所属する暴力団の配下組員Aに指を詰めさせることとし、嫌がるAを無理やり普通乗用自動車に乗せて組事務所に連行し、約1時間半にわたってAを監視したが、その間に、組事務所内において、Aの左腕を押さえ付け、包丁でAの小指を切断した。甲には監禁致傷罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決昭43.9.17)は、本肢と同種の事案において、「傷害の手段として監禁がなされたものであっても、その行為の性質からみて、両者が通常手段結果の関係にあるものとは認められないから、刑法54条1項の牽連犯にはあたらない…。」として、傷害の手段として監禁がなされても、監禁致傷罪は成立せず、監禁罪と傷害罪がそれぞれ成立するとしている。
甲は、Aを無理やり自動車に乗せて組事務所に連行し、約1時間半にわたってAを監視し、包丁でAの小指を切断しているから、Aの小指切断の結果は監禁から生じたものとはいえない。
したがって、甲には傷害罪及び監禁罪が成立する。
総合メモ
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