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刑法 住居侵入罪と殺人罪 大判明治43年6月17日

概要
被告が殺人するために家宅する侵入の行為は殺人罪の構成要素をなすものではないから殺人罪のほかに家宅侵入罪をも構成し、54条を適用し右家宅侵入の所為は右殺人行為の手段である。
判例
事案:被告が殺人するために家宅する侵入し、同住居内で住居人を殺害した事案において、住居侵入罪と殺人罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「甲者カ乙者ヲ殺害セント企テ丙者ノ住宅ニ侵入シテ其目的ヲ遂ケタルトキハ右ノ家宅侵入ノ所為ハ殺人行為ノ手段ナルカ故ニ刑法第54条ヲ適用シテ之ヲ処分スヘキモノトス」
過去問・解説
(H20 司法 第17問 3)
甲は、乙を殺害する目的で乙の住居に侵入し、同住居内で乙を殺害した。甲には、住居侵入罪及び殺人罪が成立し、両罪は併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「甲者カ乙者ヲ殺害セント企テ丙者ノ住宅ニ侵入シテ其目的ヲ遂ケタルトキハ右ノ家宅侵入ノ所為ハ殺人行為ノ手段ナルカ故ニ刑法第54条ヲ適用シテ之ヲ処分スヘキモノトス」として、住居侵入罪と殺人罪が牽連犯の関係にあることを示している。
また、判例(大判明43.6.17)は、被告が殺人するために家宅する侵入し、同住居内で住居人を殺害した事案で、54条を適用するとの旨判示している。本肢では、住居侵入罪並びに乙に対する殺人罪が成立し住居侵入罪と殺人罪の牽連犯となる。

(H24 司法 第5問 ①)
教授:犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者を殺害した場合の住居侵入罪と殺人罪の罪数関係や、犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者のお金を盗んだ場合の住居侵入罪と窃盗罪の罪数関係は、判例ではどうなるかな。
学生A:(ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)です。

(正答)イ

(解説)
判例(大判明43.6.17)は、「甲者カ乙者ヲ殺害セント企テ丙者ノ住宅ニ侵入シテ其目的ヲ遂ケタルトキハ右ノ家宅侵入ノ所為ハ殺人行為ノ手段ナルカ故ニ刑法第54条ヲ適用シテ之ヲ処分スヘキモノトス」として、住居侵入罪と殺人罪が牽連犯の関係にあることを示しており、別の判例(大判大6.6.26)は、「家宅侵入ノ行為ハ盗罪ノ要素ニ属セス単ニ盗罪遂行ノ手段ニ外ナラサレハ盗罪ノ既遂タルト未遂タルトヲ問ハス別ニ家宅侵入罪ヲ構成スルコト論ヲ竢タス」として、住居侵入罪と窃盗罪が牽連犯の関係にあることを示している。
総合メモ
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