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刑法 傷害罪と暴力行為等処罰に関する法律1条の罪 最二小判昭和53年2月16日

概要
数人共同して2人以上に対しそれぞれ暴行を加え、一部の者に傷害を負わせた場合には、傷害を受けた者の数だけの傷害罪と暴行を受けるにとどまった者の数だけの暴力行為等処罰に関する法律1条の罪が成立し、以上は併合罪として処断すべきである。
判例
事案:複数の者が複数の者に暴行を加え、負傷ないし負傷しなかった事案において、罪数関係が問題となった。

判旨:「本件のように、数人共同して2人以上に対しそれぞれ暴行を加え、一部の者に傷害を負わせた場合には、傷害を受けた者の数だけの傷害罪と暴行を受けるにとどまった者の数だけの暴力行為等処罰に関する法律1条の罪が成立し、以上は併合罪として処断すべきであるから、原判決のこの点の判断は正当である。」
過去問・解説
(H27 共通 第17問 2)
甲及び乙は、対立する暴走族の構成員を襲撃することを共謀し、同構成員であるX、Y及びZに対し、殴る蹴るの暴行を加え、それぞれに傷害を負わせた。甲及び乙にはそれぞれ3個の傷害罪が成立し、これらは併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭53.2.16)は、「数人共同して2人以上に対しそれぞれ暴行を加え、一部の者に傷害を負わせた場合には、傷害を受けた者の数だけの傷害罪と暴行を受けるにとどまった者の数だけの暴力行為等処罰に関する法律1条の罪が成立し、以上は併合罪として処断すべきである…。」としている。
甲及び乙は、共謀し、X、Y及びZに対し、殴る蹴るの暴行を加え、それぞれに傷害を負わせているから、傷害を受けた者の数と同じ3個の傷害罪が成立し、これらは併合罪となる。

(R5 共通 第5問 ウ)
暴力団員甲及び乙は、対立する暴力団員A及びBを襲撃して殺害することを共謀し、路上を連れ立って歩いていたA及びBを待ち構えた上で、甲がAを、乙がBを、それぞれ殺害した。この場合、甲及び乙を共同正犯とする2個の殺人罪が成立し、これらは併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭53.2.16)は、「数人共同して2人以上に対しそれぞれ暴行を加え、一部の者に傷害を負わせた場合には、傷害を受けた者の数だけの傷害罪と暴行を受けるにとどまった者の数だけの暴力行為等処罰に関する法律1条の罪が成立し、以上は併合罪として処断すべきである…。」としている。
そして、殺人罪においても、同様に被害者ごとに個別に考えることとなる。
したがって、甲及び乙を共同正犯とするAに対する殺人罪とBに対する殺人罪の2個の殺人罪が成立し、これらは併合罪となる。
総合メモ
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