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刑法 偽装心中と殺人罪 最二小判昭和33年11月21日

概要
自己に追死の意思がないにも関わらず被害者を殺害するため、これを欺罔し追死を誤信させて自殺させた行為は、通常の殺人罪に該当する。
判例
事案:被害者から心中を持ち掛けられたことを利用して、被害者を死亡させようと考え、自らは死ぬ気がないのに、被害者との心中を了承し、被害者を自殺させたという事案において、殺人罪の成否が問題となった。

判旨:「本件被害者は被告人の欺罔の結果被告人の追死を予期して死を決意したものであり、その決意は真意に添わない重大な瑕疵ある意思であることが明らかである。そしてこのように被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告入の所為は通常の殺人罪に該当する…。」
過去問・解説
(H21 司法 第4問 5)
甲は、乙に対し、同人が自殺すれば甲もその直後に後を追って自殺する旨うそをつき、乙は、その旨誤信して自殺することを決意し、甲から受け取った毒薬を服用して死亡した。この場合、乙に真実自殺する意思がある以上、甲には自殺教唆罪が成立するにとどまり、殺人罪の正犯とならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.11.21)は、「被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告入の所為は通常の殺人罪に該当する…。」としている。
乙に真実自殺する意思があったとしても、甲の追死を予期して死を決意したのであるから、その決意は真意に添わない重大な瑕疵ある意思であるといえ、甲はうそをついて乙が誤信し、自殺している。
したがって、甲は殺人罪の正犯となる。

(H27 司法 第6問 5)
甲は、Vから心中を持ち掛けられたことを利用して、Vを死亡させようと考え、自らは死ぬ気がないのに、Vとの心中を了承した。Vは、甲の真意を知っていれば死ぬことはなかったが、甲も一緒に死んでくれるものと誤信したまま、甲の目の前で、甲が用意した致死量の毒を飲んで中毒死した。甲には殺人罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.11.21)は、「被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告入の所為は通常の殺人罪に該当する…。」としている。
Vに真実心中する意思があったとしても、甲の追死を予期して死を決意したのであるから、その決意は真意に添わない重大な瑕疵ある意思であるといえ、甲は、自らは死ぬ気がないのに、Vとの心中を了承させ、自死させている。
したがって、甲には殺人罪が成立する。

(R1 共通 第9問 3)
甲は、乙との不倫関係を清算しようと考え、真実は、乙と心中するつもりはないにもかかわらず、乙に対し、「あの世で一緒になろう。私も君の後を追って死ぬから。」と言って心中を持ちかけ、その旨誤信してこれを承諾した乙に毒薬を手渡したところ、乙がそれを飲んで死亡した。この場合、甲には、自殺関与罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.11.21)は、「被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告入の所為は通常の殺人罪に該当する…。」としている。
乙に真実心中する意思があったとしても、甲の追死を予期して死を決意したのであるから、その決意は真意に添わない重大な瑕疵ある意思であるといえ、甲は、自らは死ぬ気がないのに、乙に心中を了承させ、自死させている。
したがって、甲には殺人罪が成立する。

(R2 共通 第1問 2)
甲は、追死する意思がないのにあるように装い、その旨誤信したXに心中を決意させた上で、毒物を渡し、それを飲み込ませて死亡させた。この場合、甲に、Xに対する殺人罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.11.21)は、「被告人に追死の意思がないに拘らず被害者を欺罔し被告人の追死を誤信させて自殺させた被告入の所為は通常の殺人罪に該当する…。」としている。
Xに真実心中する意思があったとしても、甲の追死を予期して死を決意したのであるから、その決意は真意に添わない重大な瑕疵ある意思であるといえ、甲は、自らは死ぬ気がないのに、Xに心中を了承させ、自死させている。
したがって、甲には殺人罪が成立する。
総合メモ
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