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刑法 偽計業務妨害罪の成立要件 大阪高判昭和39年10月5日

概要
電話による架空注文は偽計業務妨害罪にいう「偽計」に当たる。また、業務妨害罪の犯意は、行為者が積極的に他人の業務を妨害することを意欲する場合に限られるものではなく、業務妨害の結果を惹起することの認識があるだけでも足りる。
判例
事案:Aを困惑させる目的でA名義で虚構の注文をして、被害者に徒労の物品配達を行わせ、被害者の業務を妨害したという事案において、軽犯罪法第1条第31号又は業務妨害罪のいずれが成立するかが問題となった。

判旨:「さればこそ、被告人は右結果の招来を意に介することなく、本件各被害者らに対し電話によって真実前認定の如き注文依頼があったように慎重巧妙に同人らを欺きとおし、その錯誤を利用するという策略手段に訴えた次第であり、その動機、目的、態様に照し右の手段は軽犯罪法第1条第31号にいう悪戯と目しうる程度を超え、刑法第233条にいう偽計に該ると解するのが相当である。又、同法条の規定する業務妨害罪の犯意は行為者が積極的に他人の業務を妨害することを意欲する場合に限られるものではなく、業務妨害の結果を惹起することの認識があるだけでも足りると解すべきことは他の犯罪一般におけると同様であって、業務妨害罪の成立には業務を妨害せんとする意図を要する旨の所論見解は採用できない。」
過去問・解説
(H19 司法 第11問 3)
弁当屋に電話をかけ、弁当を受け取る意思もなく、代金を支払う意思もないのに、偽名を名のって弁当100個を注文し、これを架空の住所まで配達することを依頼して、同弁当屋の店員に弁当100個を作らせ、配達に赴かせた場合、偽計業務妨害罪が成立する。

(正答)

(解説)
裁判例(大阪高判昭39.10.5)は、本肢と同種の事案において、「被害者らに対し電話によって真実前認定の如き注文依頼があったように慎重巧妙に同人らを欺きとおし、その錯誤を利用するという策略手段に訴えた次第であり、…233条にいう偽計に該ると解するのが相当である。」としている。
弁当を受け取る意思もなく、代金を支払う意思もないのに、偽名を名のって弁当100個を注文し、架空の住所へ配達に赴かせた場合、弁当屋の錯誤を利用し業務を妨害したとして、偽計業務妨害罪が成立する。

(R2 司法 第12問 4)
知人Aに対する嫌がらせの目的で、同人に成り済まし、同人に無断で宅配ピザ店に電話をかけてピザ50枚を注文し、これを同人宅まで配達することを依頼して、同店店員にピザ50枚を作らせ、配達させた場合、偽計業務妨害罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(大阪高判昭39.10.5)は、本肢と同種の事案において、「被害者らに対し電話によって真実前認定の如き注文依頼があったように慎重巧妙に同人らを欺きとおし、その錯誤を利用するという策略手段に訴えた次第であり、…233条にいう偽計に該ると解するのが相当である。」としている。
知人Aに対する嫌がらせの目的で、同人に成り済ましてピザ50枚を注文し、配達させた場合、ピザ店の錯誤を利用し業務を妨害したとして、偽計業務妨害罪が成立する。
総合メモ
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