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刑法 窃盗罪及び業務上横領罪の成否 大判大正7年2月6日

概要
従業員が雇い主の居宅において雇い主の物品を販売する場合、その物品は雇い主の占有に属し、従業員の占有に属するものではないから、従業員が雇い主の占有を犯すときは横領罪ではなく、窃盗罪が成立する。
判例
事案:店員が商店主の指示に基づき、単に商品の管理を機械的に補助・監視していた場合において、店員が商品を領得したという事案において、商品の占有が誰に帰属しているかが問題となった。

判旨:「雇人カ雇主ノ居宅ニ於テ雇主ノ物品ヲ販売スル場合ニ於テハ其物品ハ雇主ノ占有ニ属シ雇人ノ占有ニ属スルモノニ非ス従テ雇人カ雇主ノ右占有ヲ侵ストキハ窃盗罪ヲ成立シ横領罪ヲ以テ論スヘキモノニ非ス」
過去問・解説
(H24 共通 第1問 1)
甲の罪責について判例の立場に従って検討した場合、甲に窃盗罪が成立するか。
甲は、コンビニエンスストアでレジ係のアルバイトをしていたが、店長の乙が短時間外出していた間に、商品棚からたばこ1カートンを取り出して自分のバッグに入れ、アルバイト終了後店外へ持ち出し、これを自分のものにした。

(正答)

(解説)
判例(大判大7.2.6)は、「雇人カ雇主ノ居宅ニ於テ雇主ノ物品ヲ販売スル場合ニ於テハ其物品ハ雇主ノ占有ニ属シ雇人ノ占有ニ属スルモノニ非ス従テ雇人カ雇主ノ右占有ヲ侵ストキハ窃盗罪ヲ成立シ横領罪ヲ以テ論スヘキモノニ非ス」として、店で販売している商品の占有は雇い主の占有に属することを示している。
店長である乙は短時間の外出をしていたにとどまるから、たばこの占有は乙に認められ、甲に窃盗罪が成立する。

(R3 予備 第8問 2)
スーパーマーケットでレジ係のアルバイトをしていた者が、担当するレジ内の売上金を自己の遊興費として費消するため、店長に無断で、同レジ内から売上金を取り出し、自己のバッグに入れて店外に持ち出した場合、当該行為は、他人の占有ではなく、その所有権を侵害する行為であるから、業務上横領罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判大7.2.6)は、「雇人カ雇主ノ居宅ニ於テ雇主ノ物品ヲ販売スル場合ニ於テハ其物品ハ雇主ノ占有ニ属シ雇人ノ占有ニ属スルモノニ非ス従テ雇人カ雇主ノ右占有ヲ侵ストキハ窃盗罪ヲ成立シ横領罪ヲ以テ論スヘキモノニ非ス」として、店で販売している商品の占有は雇い主の占有に属することを示している。
したがって、店長にレジ内の売上金の占有が認められることになるから、甲には業務上横領罪ではなく窃盗罪が成立する。
総合メモ
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