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刑法 窃盗罪の成否(善意の第三者が売却搬出) 最三小判昭和31年7月3日
概要
他人の所有管理にかかる物件につき、管理処分権なき者が、不法領得の意思をもってあたかも自己の所有物の如く装いこれを善意の第三者に売却搬出させた行為は、窃盗罪の間接正犯を構成する。
判例
事案:他人の管理する物を鉄くずとして善意の第三者である業者に買い取らせ、搬出させた事案において、窃盗罪の間接正犯の成否が問題となった。
判旨:「本件ドラグライン1基につき、何等管理処分権なき被告人が他人と売買契約を締結しても、ただそれだけの事実に止まるならば、所論の如く、被告人に窃盗罪の成立を認めることはできないけれども、…情を知らないAに、自己に処分権がある如く装い、屑鉄として、解体運搬費等を差引いた価額、即ち、買主において解体の上これを引き取る約定で売却し、その翌日頃右Aは情を知らない古鉄回収業Bに右物件を前同様古鉄として売却し、同人において、その翌日頃から数日を要して、ガス切断等の方法により、解体の上順次搬出したものであることが明らかであるから、右解体搬出された物件につき被告人は窃盗罪の刑事責任を免れることはできない…。」
判旨:「本件ドラグライン1基につき、何等管理処分権なき被告人が他人と売買契約を締結しても、ただそれだけの事実に止まるならば、所論の如く、被告人に窃盗罪の成立を認めることはできないけれども、…情を知らないAに、自己に処分権がある如く装い、屑鉄として、解体運搬費等を差引いた価額、即ち、買主において解体の上これを引き取る約定で売却し、その翌日頃右Aは情を知らない古鉄回収業Bに右物件を前同様古鉄として売却し、同人において、その翌日頃から数日を要して、ガス切断等の方法により、解体の上順次搬出したものであることが明らかであるから、右解体搬出された物件につき被告人は窃盗罪の刑事責任を免れることはできない…。」
過去問・解説
(H21 司法 第4問 2)
甲は、乙所有の材木を自己の所有物であると偽って情を知らない丙に売却し、丙は、乙の材木置場から当該材木を搬出した。この場合、情を知らないことにつき丙に過失があったとしても、甲は窃盗罪の正犯となる。
甲は、乙所有の材木を自己の所有物であると偽って情を知らない丙に売却し、丙は、乙の材木置場から当該材木を搬出した。この場合、情を知らないことにつき丙に過失があったとしても、甲は窃盗罪の正犯となる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭31.7.3)は、本肢と同種の事案において、「解体搬出された物件につき被告人は窃盗罪の刑事責任を免れることはできない…。」として、窃盗罪の成立を認めている。
甲は、乙所有の材木を自己の所有物であると偽って、事情を知らない丙に売却し、丙を道具として利用し、丙をして、乙の材木置場から当該材木を搬出させている。
そして、丙に、情を知らないことにつき過失があったとしても間接正犯は成立しうる。
したがって、甲には、窃盗罪の間接正犯が成立する。
判例(最判昭31.7.3)は、本肢と同種の事案において、「解体搬出された物件につき被告人は窃盗罪の刑事責任を免れることはできない…。」として、窃盗罪の成立を認めている。
甲は、乙所有の材木を自己の所有物であると偽って、事情を知らない丙に売却し、丙を道具として利用し、丙をして、乙の材木置場から当該材木を搬出させている。
そして、丙に、情を知らないことにつき過失があったとしても間接正犯は成立しうる。
したがって、甲には、窃盗罪の間接正犯が成立する。
(H28 共通 第17問 5)
甲は、乙所有の建材を自己の所有物であると偽って、事情を知らない丙に売却し、丙をして、乙の建材置場から当該建材を搬出させた。窃盗罪の間接正犯が成立する。
甲は、乙所有の建材を自己の所有物であると偽って、事情を知らない丙に売却し、丙をして、乙の建材置場から当該建材を搬出させた。窃盗罪の間接正犯が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭31.7.3)は、本肢と同種の事案において、「解体搬出された物件につき被告人は窃盗罪の刑事責任を免れることはできない…。」として、窃盗罪の成立を認めている。
甲は、乙所有の建材を自己の所有物であると偽って、事情を知らない丙に売却し、丙を道具として利用し、丙をして、乙の建材置場から当該建材を搬出させている。
したがって、甲には、窃盗罪の間接正犯が成立する。
判例(最判昭31.7.3)は、本肢と同種の事案において、「解体搬出された物件につき被告人は窃盗罪の刑事責任を免れることはできない…。」として、窃盗罪の成立を認めている。
甲は、乙所有の建材を自己の所有物であると偽って、事情を知らない丙に売却し、丙を道具として利用し、丙をして、乙の建材置場から当該建材を搬出させている。
したがって、甲には、窃盗罪の間接正犯が成立する。
(R2 共通 第1問 5)
甲は、Xが管理する工事現場に保管されている同人所有の機械を、同人に成り済まして、甲をXであると誤信した中古機械買取業者Yに売却し、同人に同機械を同所から搬出させた。この場合、甲に、Xに対する窃盗罪の間接正犯が成立する。
甲は、Xが管理する工事現場に保管されている同人所有の機械を、同人に成り済まして、甲をXであると誤信した中古機械買取業者Yに売却し、同人に同機械を同所から搬出させた。この場合、甲に、Xに対する窃盗罪の間接正犯が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭31.7.3)は、本肢と同種の事案において、「解体搬出された物件につき被告人は窃盗罪の刑事責任を免れることはできない…。」として、窃盗罪の成立を認めている。
甲は、X所有の機械をXに成りすますことで、自己の所有物であると偽って、甲をXであると誤信したYに売却し、Yを道具として利用し、Yをして、Xの管理する工事現場から当該機械を搬出させている。
したがって、甲には、窃盗罪の間接正犯が成立する。
判例(最判昭31.7.3)は、本肢と同種の事案において、「解体搬出された物件につき被告人は窃盗罪の刑事責任を免れることはできない…。」として、窃盗罪の成立を認めている。
甲は、X所有の機械をXに成りすますことで、自己の所有物であると偽って、甲をXであると誤信したYに売却し、Yを道具として利用し、Yをして、Xの管理する工事現場から当該機械を搬出させている。
したがって、甲には、窃盗罪の間接正犯が成立する。