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刑法 無銭飲食 最一小判昭和30年7月7日

概要
246条2項の詐欺罪において、財産上不法の利益が、債務の支払を免れたことであるとするには、相手方たる債権者を欺罔して債務免除の意思表示をさせることを要し、単に逃走して事実上支払をしなかっただけで足りるものではない。
判例
事案:無銭宿泊、無線飲食の事案において、246条2項の詐欺罪の成立には相手方たる債権者を欺罔して債務免除の意思表示をさせることを要するかが問題となった。

判旨:「刑法246条2項にいわゆる『財産上不法の利益を得』とは、同法236条2項のそれとはその趣を異にし、すべて相手方の意思によって財産上不法の利益を得る場合をいうものである。従って、詐欺罪で得た財産上不法の利益が、債務の支払を免れたことであるとするには、相手方たる債権者を欺罔して債務免除の意思表示をなさしめることを要するものであって、単に逃走して事実上支払をしなかっただけで足りるものではないと解すべきである。…宿泊、飲食等をしたときに刑法246条の詐欺罪が既遂に達したと判示したものと認めることができる。」
過去問・解説
(H28 司法 第13問 ア)
判例の立場に従って検討し、詐欺罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
甲は、所持金がなかったことから代金を支払わずに食事をしようと考え、飲食店に行って料理を注文し、これを食べた後、代金を請求した店員に対し、財布を忘れたので自宅に取りに帰ると嘘を言ったが、店員にその嘘を見破られた。

(正答)1

(解説)
判例(最決昭30.7.7)は、「詐欺罪で得た財産上不法の利益が、債務の支払を免れたことであるとするには、相手方たる債権者を欺罔して債務免除の意思表示をなさしめることを要するものであって、単に逃走して事実上支払をしなかっただけで足りるものではない…。」として、代金を払うつもりがないのに店員に料理を注文し、飲食した時点で1項詐欺罪の既遂に達することを示している。
したがって、飲食店に行って料理を注文し、飲食物の交付を受けた時点で、甲に詐欺既遂罪が成立する。
総合メモ
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