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刑法 器物損壊罪における「損壊」 最二小判昭和25年4月21日

概要
261条にいう「損壊」とは物質的に物の全部一部を害し又は物の本来の効用を失わせる行為をいう。盗難及び火災予防のため土中に埋設したドラム缶入ガソリン貯蔵所を発掘して土壌を排除し右ドラム缶を露出させた行為は、右貯蔵施設本来の効用を喪失するに至らせたもので、261条にいう損壊に当たる。
判例
事案:盗難及び火災予防のため土中に埋設したドラム缶入ガソリン貯蔵所を発掘して土壌を排除し右ドラム缶を露出させたという事案において、器物損壊罪における「損壊」に当たるかが問題となった。

判旨:「刑法261条に謂う損壊とは物質的に物の全部一部を害し又は物の本来の効用を失わしむる行為を言うものであるが、A炭鉱が本件ガソリンを埋設貯蔵したのは盗難及び火災予防のためであるから…、上示原判示認定程度の殿棄行為は右貯蔵施設本来の効用を喪失するに至らしめたものであることは明白である。又所論原状回復の難易如何は本罪の成立に影響あるものではないのである。」
過去問・解説
(H28 司法 第12問 ア)
Aの知人Bは、料理が趣味であり、自宅のパソコンに料理のレシピのデータを保存していた。Aは、Bと口論をした際、Bが大事にしている同データを壊してやろうと思い、同パソコンをたたき壊した。同パソコンを壊したAの行為について、電子計算機損壊等業務妨害罪は成立せず、器物損壊罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判大10.10.24)は、「刑法第233條ニ所謂業務ハ公務ヲ除ク外精神的ナルト經濟的ナルトヲ問ハス汎ク職業其他繼續シテ從事スルコトヲ要スヘキ事務又ハ事業ヲ總稱スルモノナル」として、業務妨害罪にいう業務とは、職業その他継続して従事することを要すべき事務又は事業を意味することを示している。
また、別の判例(最判昭25.4.21)は、器物破損の事案において、「261条に謂う損壊とは物質的に物の全部一部を害し又は物の本来の効用を失わしむる行為を言う…。」としている。
趣味で料理のデータを保存する行為は、職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務に当たらず、業務に含まれないから業務妨害罪は成立しない。
したがって、AがBのパソコンを壊した行為には、電子計算機損壊等業務妨害罪は成立せず、器物損壊罪が成立する。
総合メモ
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