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刑法 判断能力の欠如に乗じた文書偽造罪 大判明治44年9月14日

概要
人の文盲に乗じて証書の作成名義人を欺罔しこれの内容を了知させないでその署名の下に捺印させ、もって証書を作成したときは文書偽造罪を構成する。
判例
事案:人の文盲に乗じて証書の作成名義人を欺罔しこれの内容を了知させないでその署名の下に捺印させ、もって証書を作成したという事案において、文書偽造罪の成否が問題となった。

判旨:「人ノ文盲ナルニ乗シ証書ノ作成名義人ヲ欺罔シ之カ内容ヲ了知セシメスシテ其署名ノ下ニ捺印セシメ以テ証書ヲ作成シタルトキハ文書偽造罪ヲ構成シ証書騙取罪ヲ構成スルモノニ非ス」
過去問・解説
(H25 共通 第6問 3)
甲は、行使の目的で、高齢のため視力が衰え文字の判読が十分にできない乙に対し、公害反対の署名であると偽り、その旨誤信した乙に、甲を貸主、乙を借主とする100万円の借用証書の借主欄に署名押印させた。甲には私文書偽造罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.9.14)は、「人ノ文盲ナルニ乗シ証書ノ作成名義人ヲ欺罔シ之カ内容ヲ了知セシメスシテ其署名ノ下ニ捺印セシメ以テ証書ヲ作成シタルトキハ文書偽造罪ヲ構成シ証書騙取罪ヲ構成スルモノニ非ス」として、文字の判読ができない者に文書を作成させた場合にも、文書偽造罪が成立することを示している。
甲は、高齢のため視力が衰え文字の判読が十分にできない乙を利用し、甲を貸主、乙を借主とする100万円の借用証書の借主欄に署名押印させており、これは偽造に当たる。
したがって、甲には私文書偽造罪が成立する。
総合メモ
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