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刑法 受領書と私文書偽造罪 大判昭和2年3月26日
概要
金銭の授受完了に先立ち作成した借用書を既に授受したもののように偽り、これを利用して不正の利得を得ようとして保証人としてその証書に署名捺印して交付させたときは証書騙取による詐欺罪を構成する。
判例
事案:金銭の授受完了に先立ち作成した借用書を既に授受したもののように偽り、これを利用して不正の利得を得ようとして保証人としてその証書に署名捺印して交付させたという事案において、何罪に問擬すべきかが問題となった。
判旨:「金銭ノ授受完了ニ先チ作成シタル借用証書ヲ既ニ授受アリタルモノノ如ク詐リ之ヲ利用シテ不正ノ利得ヲ為サンカ為他人ヲシテ保証人トシテ其ノ証書ニ署名捺印シテ交付セシメタルトキハ証書騙取ニ依ル詐欺罪ヲ構成ス」
判旨:「金銭ノ授受完了ニ先チ作成シタル借用証書ヲ既ニ授受アリタルモノノ如ク詐リ之ヲ利用シテ不正ノ利得ヲ為サンカ為他人ヲシテ保証人トシテ其ノ証書ニ署名捺印シテ交付セシメタルトキハ証書騙取ニ依ル詐欺罪ヲ構成ス」
過去問・解説
(R4 共通 第13問 ア)
甲は、Aから金銭を借り入れるに際し、借入金を返済する意思も能力もないのに、知人Bに対し、「借入金は必ず自分で返済する。Bには迷惑をかけないので、保証人になってほしい。」とうそを言い、その旨Bを誤信させ、Aに差し入れる予定の甲を借主とする金銭消費貸借契約書を閲読させ、その保証人欄に署名押印させた。この場合、甲には、有印私文書偽造罪が成立する。
甲は、Aから金銭を借り入れるに際し、借入金を返済する意思も能力もないのに、知人Bに対し、「借入金は必ず自分で返済する。Bには迷惑をかけないので、保証人になってほしい。」とうそを言い、その旨Bを誤信させ、Aに差し入れる予定の甲を借主とする金銭消費貸借契約書を閲読させ、その保証人欄に署名押印させた。この場合、甲には、有印私文書偽造罪が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(大判昭2.3.26)は、「金銭ノ授受完了ニ先チ作成シタル借用証書ヲ既ニ授受アリタルモノノ如ク詐リ之ヲ利用シテ不正ノ利得ヲ為サンカ為他人ヲシテ保証人トシテ其ノ証書ニ署名捺印シテ交付セシメタルトキハ証書騙取ニ依ル詐欺罪ヲ構成ス」として、署名者を欺罔して当該証書の記載事項の内容を真実であるものと誤信させた場合、有印私文書偽造罪は成立せず、詐欺罪が成立することを示している。
甲は、知人Bに対し、借金を返済する意思があるかのようにBを誤信させ、甲を借主とする金銭消費貸借契約書を閲読させ、その内容を認識させた上で保証人欄に署名押印させているから、偽造には当たらない。
したがって、甲には有印私文書偽造罪は成立しない。
判例(大判昭2.3.26)は、「金銭ノ授受完了ニ先チ作成シタル借用証書ヲ既ニ授受アリタルモノノ如ク詐リ之ヲ利用シテ不正ノ利得ヲ為サンカ為他人ヲシテ保証人トシテ其ノ証書ニ署名捺印シテ交付セシメタルトキハ証書騙取ニ依ル詐欺罪ヲ構成ス」として、署名者を欺罔して当該証書の記載事項の内容を真実であるものと誤信させた場合、有印私文書偽造罪は成立せず、詐欺罪が成立することを示している。
甲は、知人Bに対し、借金を返済する意思があるかのようにBを誤信させ、甲を借主とする金銭消費貸借契約書を閲読させ、その内容を認識させた上で保証人欄に署名押印させているから、偽造には当たらない。
したがって、甲には有印私文書偽造罪は成立しない。