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刑法 通称と文書偽造罪 最三小決昭和56年12月22日
概要
遁刑中であることが発覚するのを恐れて義弟と同一の氏名を使用して生活していた被告人が、右氏名を使用して交通切符中の供述書を作成した場合は、その氏名がたまたまある限られた範囲において被告人を指称するものとして通用していたとしても、私文書偽造罪が成立する。
判例
事案:他人の氏名が限られた範囲で被告人を指称するものとして通用していた場合において右氏名を用いて交通切符中の供述書を作成したという事案において、私文書偽造罪の成否が問題となった。
判旨:「被告人は、窃盗罪で服役中逃走し、遁刑中であることが発覚するのを恐れ、かねてから義弟と同一の氏名を使用して生活していたものであるところ、道路交通法違反(無免許運転)の罪を犯して警察官の取調を受けた際、右氏名を名乗り、義弟の生年月日及び本籍を告げ、右警察官が前記違反についての交通事件原票を作成するにあたりその旨記載させた上、その下欄の供述書に右氏名を使用して署名した、というのである。右の事実関係のもとにおいては、仮りに右氏名がたまたまある限られた範囲において被告人を指称するものとして通用していたとしても、被告人が右供述書の作成名義を偽り、他人の名義でこれを作成したことにかわりはなく、被告人の右所為について私文書偽造罪が成立するとした原判断は相当である…。」
判旨:「被告人は、窃盗罪で服役中逃走し、遁刑中であることが発覚するのを恐れ、かねてから義弟と同一の氏名を使用して生活していたものであるところ、道路交通法違反(無免許運転)の罪を犯して警察官の取調を受けた際、右氏名を名乗り、義弟の生年月日及び本籍を告げ、右警察官が前記違反についての交通事件原票を作成するにあたりその旨記載させた上、その下欄の供述書に右氏名を使用して署名した、というのである。右の事実関係のもとにおいては、仮りに右氏名がたまたまある限られた範囲において被告人を指称するものとして通用していたとしても、被告人が右供述書の作成名義を偽り、他人の名義でこれを作成したことにかわりはなく、被告人の右所為について私文書偽造罪が成立するとした原判断は相当である…。」