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刑法 賄賂罪の「職務に関し」 最一小決平成17年3月11日

概要
警察法等の関係法令によれば、A県警察の警察官の犯罪捜査に関する職務権限は、A県警察の管轄区域であるAの全域に及ぶと解されることなどに照らすと、甲が、X警察署管内の交番に勤務しており、Y警察署刑事課の担当する上記事件の捜査に関与していなかったとしても、その職務に関し賄賂を収受したものであるというべきである。
判例
事案:公正証書原本不実記載等の事件につき告発状を提出していた者から、有利かつ便宜な取計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものと知りながら、現金の供与を受けたという事案において、その職務に関し賄賂を収受したといえるかが問題となった。

判旨:「警察法64条等の関係法令によれば、同庁警察官の犯罪捜査に関する職務権限は、同庁の管轄区域であるAの全域に及ぶと解されることなどに照らすと、被告人が、X警察署管内の交番に勤務しており、Y警察署刑事課の担当する上記事件の捜査に関与していなかったとしても、被告人の上記行為は、その職務に関し賄賂を収受したものであるというべきである。」
過去問・解説
(H26 共通 第4問 1)
判例(最決H17.3.11)は、X警察署地域課とY警察署刑事課とは一般的職務権限を異にするが、同じA県警察内であり犯罪捜査という点で職務が密接に関連することから、甲が受けた現金の供与も甲の職務に関するものと認めている。

(正答)

(解説)
判例(最決平17.3.11)は、「警察官の犯罪捜査に関する職務権限は、同庁の管轄区域…の全域に及ぶと解されることなどに照らすと、被告人が、X警察署管内の交番に勤務しており、Y警察署刑事課の担当する上記事件の捜査に関与していなかったとしても、被告人の上記行為は、その職務に関し賄賂を収受したものであるというべきである。」として、同じ管轄区域内の警察署地域課と警察署刑事課とは一般的職務権限を異にするとしていない。

(H26 共通 第4問 2)
判例(最決H17.3.11)は、職務関連性の判断において、甲が所属するA県警察の警察官に対して法令が与えた一般的職務権限に属する職務行為であるか否かを重視している。

(正答)

(解説)
判例(最決平17.3.11)は、「警察官の犯罪捜査に関する職務権限は、同庁の管轄区域…の全域に及ぶと解される…。」として、職務関連性の判断において、甲が所属するA県警察の警察官に対して法令が与えた一般的職務権限に属する職務行為であるか否かを重視している。

(H26 共通 第4問 3)
判例(最決H17.3.11)は、警察官が捜査情報を漏えいすることはそもそも禁じられているので、これが職務行為や職務密接関連行為に該当することはないと考えている。

(正答)

(解説)
判例(最決平17.3.11)は、「警察官の犯罪捜査に関する職務権限は、同庁の管轄区域…の全域に及ぶと解されることなどに照らすと、被告人が、X警察署管内の交番に勤務しており、Y警察署刑事課の担当する上記事件の捜査に関与していなかったとしても、被告人の上記行為は、その職務に関し賄賂を収受したものであるというべきである。」として、被告人の行為は職務行為や職務密接関連行為のいずれかに該当すると考えている。

(H26 共通 第4問 4)
判例(最決H17.3.11)は、甲が以前Y警察署刑事課に勤務中に扱った事件に関して、X警察署地域課に異動になった後に現金の供与を受けたとしても、供与を受けた時点で公務員である以上収賄罪が成立することを認めたものである。

(正答)

(解説)
判例(最決平17.3.11)は、「警察官の犯罪捜査に関する職務権限は、同庁の管轄区域…の全域に及ぶと解されることなどに照らすと、被告人が、X警察署管内の交番に勤務しており、Y警察署刑事課の担当する上記事件の捜査に関与していなかったとしても、被告人の上記行為は、その職務に関し賄賂を収受したものであるというべきである。」として、X警察署地域課とY警察署刑事課とは一般的職務権限を異にするとしていないことから、収賄罪を認めるものである。
したがって、両警察間における異動の有無を問題にしていない。

(H26 共通 第4問 5)
判例(最決H17.3.11)は、当該事件の捜査を担当しているY警察署刑事課所属の警察官への働き掛けは、あっせん収賄罪にいう「あっせん」であり、これが職務行為や職務密接関連行為に該当することはないと考えている。

(正答)

(解説)
判例(最決平17.3.11)は、「警察官の犯罪捜査に関する職務権限は、同庁の管轄区域…の全域に及ぶと解されることなどに照らすと、被告人が、X警察署管内の交番に勤務しており、Y警察署刑事課の担当する上記事件の捜査に関与していなかったとしても、被告人の上記行為は、その職務に関し賄賂を収受したものであるというべきである。」として、被告人のY警察署刑事課所属の警察官への働き掛けは、職務行為や職務密接関連行為のいずれかに該当すると考えている。
総合メモ
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