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刑法 再選後の受託収賄罪の成否 最三小決昭和61年6月27日
概要
公務員の再選後に担当すべき職務に関し受託収賄罪が成立する。
判例
事案:市の発注する工事に関し入札参加者の指名および入札の執行を管理する職務権限を持つ市長が、任期満了の前に、再選された場合に具体的にその職務を執行することが予定されていた市庁舎の建設工事の入札等につき請託を受けて賄賂を収受したという事案において、受託収賄罪の成否が問題となった。
判旨:「被告人甲は、a市が発注する各種工事に関し、入札参加者の指名及び入札の執行を管理する職務権限をもつ同市市長と共謀を遂げ、近く施行される同市長選挙に立候補の決意を固めていた同市長において、再選された場合に具体的にその職務を執行することが予定されていた市庁舎の建設工事等につき、電気・管工事業者乙から入札参加者の指名、入札の執行等に便宜有利な取計いをされたい旨の請託を受けたうえ、その報酬として、同市長の職務に関し、現金3000万円の供与を受けたというのである。このように、市長が、任期満了の前に、現に市長としての一般的職務権限に属する事項に関し、再選された場合に担当すべき具体的職務の執行につき請託を受けて賄賂を収受したときは、受託収賄罪が成立すると解すべきであるから、被告人甲の本件所為について受託収賄罪の成立を認めた原判断は正当である。」
判旨:「被告人甲は、a市が発注する各種工事に関し、入札参加者の指名及び入札の執行を管理する職務権限をもつ同市市長と共謀を遂げ、近く施行される同市長選挙に立候補の決意を固めていた同市長において、再選された場合に具体的にその職務を執行することが予定されていた市庁舎の建設工事等につき、電気・管工事業者乙から入札参加者の指名、入札の執行等に便宜有利な取計いをされたい旨の請託を受けたうえ、その報酬として、同市長の職務に関し、現金3000万円の供与を受けたというのである。このように、市長が、任期満了の前に、現に市長としての一般的職務権限に属する事項に関し、再選された場合に担当すべき具体的職務の執行につき請託を受けて賄賂を収受したときは、受託収賄罪が成立すると解すべきであるから、被告人甲の本件所為について受託収賄罪の成立を認めた原判断は正当である。」
過去問・解説
(H21 司法 第5問 エ)
市長が、その任期満了前に、現に市長としての一般的職務権限に属する事項に関し、再選された後に担当すべき具体的職務について請託を受けて賄賂を収受した場合には、受託収賄罪(刑法第197条第1項後段)は成立せず、市長に再選されたときに限り、事前収賄罪(刑法第197条第2項)が成立する。
市長が、その任期満了前に、現に市長としての一般的職務権限に属する事項に関し、再選された後に担当すべき具体的職務について請託を受けて賄賂を収受した場合には、受託収賄罪(刑法第197条第1項後段)は成立せず、市長に再選されたときに限り、事前収賄罪(刑法第197条第2項)が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(最決昭61.6.27)は、本肢と同種の事案において、「市長が、任期満了の前に、現に市長としての一般的職務権限に属する事項に関し、再選された場合に担当すべき具体的職務の執行につき請託を受けて賄賂を収受したときは、受託収賄罪が成立すると解すべき…。」としている。
したがって、市長が、その任期満了前に、現に市長としての一般的職務権限に属する事項に関し、再選された後に担当すべき具体的職務について請託を受けて賄賂を収受した場合、市長に再選されたかに関係なく、受託収賄罪(197条1項後段)が成立する。
判例(最決昭61.6.27)は、本肢と同種の事案において、「市長が、任期満了の前に、現に市長としての一般的職務権限に属する事項に関し、再選された場合に担当すべき具体的職務の執行につき請託を受けて賄賂を収受したときは、受託収賄罪が成立すると解すべき…。」としている。
したがって、市長が、その任期満了前に、現に市長としての一般的職務権限に属する事項に関し、再選された後に担当すべき具体的職務について請託を受けて賄賂を収受した場合、市長に再選されたかに関係なく、受託収賄罪(197条1項後段)が成立する。