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刑法 強盗罪における暴行・脅迫の程度 最二小判昭和23年6月26日
概要
強盗罪における暴行・脅迫は、社会通念上一般に相手方の反抗を抑圧するに足りる程度であれば足り、相手方が実際に反抗を抑圧されているか否かは問題とならない。
判例
事案:AがVから現金を強取するために、反抗を抑圧するに足りる程度の脅迫を加え、Vから現金を受け取ったが、Vは実際には反抗を抑圧されていなかったという事案において、強盗既遂罪の成立のために、被害者が実際に反抗を抑圧されることまで必要であるかが問題となった。
判旨:「被告人の右脅迫の所為たるや、相手方たる鈴木鉄雄の意思の自由を抑圧するに足るものであったことが明かであるから、同人が偶ゝ被告人の要求に応ぜず、従って意思の自由を抑圧されなかったとしても、被告人の判示所為は強盗罪の実行をもって目さなければならない。それ故、右脅迫の結果金員を強取するに至らなかった被告人は、強盗未遂の刑責に服すべきこと、固より論なき所である。してみれば、原判決が右事実に対し刑法第236条第1項第243条を適用して被告人を処断したのは、まことに、その所であり、毫も擬律錯誤の廉はない。」
判旨:「被告人の右脅迫の所為たるや、相手方たる鈴木鉄雄の意思の自由を抑圧するに足るものであったことが明かであるから、同人が偶ゝ被告人の要求に応ぜず、従って意思の自由を抑圧されなかったとしても、被告人の判示所為は強盗罪の実行をもって目さなければならない。それ故、右脅迫の結果金員を強取するに至らなかった被告人は、強盗未遂の刑責に服すべきこと、固より論なき所である。してみれば、原判決が右事実に対し刑法第236条第1項第243条を適用して被告人を処断したのは、まことに、その所であり、毫も擬律錯誤の廉はない。」
過去問・解説
(R7 司法 第10問 ウ)
甲は、Aから現金を強取しようと考え、Aに対し、社会通念上一般に反抗を抑圧するに足りる程度の脅迫を加えて現金を要求し、Aから現金5万円を受け取ったが、その際、同脅迫によりAは反抗を抑圧されるに至らなかった。この場合、現実にAが反抗を抑圧されるに至っていないから、甲に強盗未遂罪が成立するにとどまる。
甲は、Aから現金を強取しようと考え、Aに対し、社会通念上一般に反抗を抑圧するに足りる程度の脅迫を加えて現金を要求し、Aから現金5万円を受け取ったが、その際、同脅迫によりAは反抗を抑圧されるに至らなかった。この場合、現実にAが反抗を抑圧されるに至っていないから、甲に強盗未遂罪が成立するにとどまる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭23.6.26)は、本肢と同種の事案において、「被告人の右脅迫の所為たるや、相手方たる鈴木鉄雄の意思の自由を抑圧するに足るものであったことが明かであるから、同人が偶ゝ被告人の要求に応ぜず、従って意思の自由を抑圧されなかったとしても、被告人の判示所為は強盗罪の実行をもって目さなければならない。」としている。
したがって、現実にAが反抗を抑圧されるに至っていないとしても、甲に強盗既遂罪が成立する。
判例(最判昭23.6.26)は、本肢と同種の事案において、「被告人の右脅迫の所為たるや、相手方たる鈴木鉄雄の意思の自由を抑圧するに足るものであったことが明かであるから、同人が偶ゝ被告人の要求に応ぜず、従って意思の自由を抑圧されなかったとしても、被告人の判示所為は強盗罪の実行をもって目さなければならない。」としている。
したがって、現実にAが反抗を抑圧されるに至っていないとしても、甲に強盗既遂罪が成立する。