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刑法 権利行使と恐喝 最二判昭和30年10月14日
概要
債権取立てのためにとった手段が、権利行使の手段として社会通念上一般に認容すべきものと認められる程度を逸脱した手段である場合には、債権額のいかんにかかわらず、債務者から交付を受けた金額について恐喝罪が成立する。
判例
事案:Vに対して金銭債権を有するAが、Vを恐喝して、当該債権額を超える額の金銭を交付させた事案において、権利行使として正当な債権の範囲についても恐喝罪が成立するかが問題となった。
判旨:「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする(昭和26年(れ)2482号同27年5月20日第三小法廷判決参照)。」
判旨:「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする(昭和26年(れ)2482号同27年5月20日第三小法廷判決参照)。」
過去問・解説
(R7 司法 第10問 オ)
甲は、Aに対する貸金5万円を取り立てるとともに、Aから現金を喝取しようと考え、Aに対し、自己の要求に応じなければAの身体に危害を加える態度を示して同貸金分を含む現金20万円の交付を要求し、これによりAを畏怖させ、Aから現金20万円の交付を受けた。この場合、甲が交付を受けた現金20万円のうち5万円は正当な債権の行使によるものであるから、同貸金額を超える15万円について甲に恐喝罪が成立するにとどまる。
甲は、Aに対する貸金5万円を取り立てるとともに、Aから現金を喝取しようと考え、Aに対し、自己の要求に応じなければAの身体に危害を加える態度を示して同貸金分を含む現金20万円の交付を要求し、これによりAを畏怖させ、Aから現金20万円の交付を受けた。この場合、甲が交付を受けた現金20万円のうち5万円は正当な債権の行使によるものであるから、同貸金額を超える15万円について甲に恐喝罪が成立するにとどまる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭30.10.14)は、権利行使と恐喝における被害額について、「原判決が…金6万円を交付せしめた被告人等の行為に対し、被告人…の…債権額のいかんにかかわらず、右金6万円の金額について恐喝罪の成立をみとめたのは正当…。」として、交付を受けた額が被害額となることを示している。
したがって、甲には、Aから交付を受けた20万円について恐喝罪が成立する。
判例(最判昭30.10.14)は、権利行使と恐喝における被害額について、「原判決が…金6万円を交付せしめた被告人等の行為に対し、被告人…の…債権額のいかんにかかわらず、右金6万円の金額について恐喝罪の成立をみとめたのは正当…。」として、交付を受けた額が被害額となることを示している。
したがって、甲には、Aから交付を受けた20万円について恐喝罪が成立する。