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短答判例

偽証罪と非身分者の共同正犯 大判昭和9年11月20日

概要
法律により宣誓した証人ではない者であっても、同証人と共謀して偽証を遂行した場合、65条1項により偽証罪の共同正犯が成立する。
判例
事案:法律により宣誓した証人ではない被告人が、証人らと偽証を共謀し、証人らに民事訴訟で宣誓の上、虚偽の陳述をさせた事案において、被告人に偽証罪の共同正犯が成立するかが問題となった。

判旨:「犯人ノ身分ニ因リ構成スヘキ犯罪行爲ニ身分ナキ者カ加功シタルトキハ其ノ身分ナキ者ト雖仍共犯ヲ以テ論スヘキモノナルコトハ刑法第六十五條第一項ノ明定スル所ニシテ其ノ加功行爲ノ種類如何ニ依リ或ハ共同正犯タル場合アルヘク或ハ教唆若ハ從犯タル場合アルヘキハ當然ナリトス而シテ僞證罪ハ法律ニ依リ宣誓シタル者ニ非サレハ犯スコトヲ得サル犯罪ナルヲ以テ同條項ニ所謂身分ニ因リ構成スヘキ犯罪行爲ニ該當スルモノト謂フヘク身分ナキ者カ此ノ犯罪行爲ニ加功シ相共ニ僞證ヲ爲サムコトヲ謀議シ以テ之ヲ遂行シタルトキハ前示第一點ニ於テ説明シタル如ク右身分ナキ者モ亦僞證罪ノ共同正犯ヲ以テ律スヘキモノ」
過去問・解説
(R8 司法 第10問 ア)
刑法第65条にいう身分は、男女の性別、内外国人の別、親族の関係、公務員の資格のような関係に限られ、一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係である特殊の地位又は状態までは含まないことから、偽証罪における「法律により宣誓した証人」は、同条の身分に該当しない。

(正答)✕

(解説)
判例(最判昭27.9.19)は、「刑法65条にいわゆる身分は、男女の性別内外国人の別、親族の関係、公務員たるの資格のような関係のみに限らず、総て一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係である特殊の地位又は状態を指称するもの…。」としている。
また、判例(大判昭9.11.20)は、偽証罪における「法律により宣誓した証人」が、同条の身分に該当する旨判示している。

(R8 司法 第10問 イ)
刑法第65条第1項は、共同正犯にのみ適用され、狭義の共犯には適用されないことから、非公務員が公務員に収賄を教唆した場合は、同条項は適用されない。

(正答)✕

(解説)
判例(大判昭9.11.20)は、「犯人ノ身分ニ因リ構成スヘキ犯罪行爲ニ身分ナキ者カ加功シタルトキハ其ノ身分ナキ者ト雖仍共犯ヲ以テ論スヘキモノナルコトハ刑法第六十五條第一項ノ明定スル所ニシテ其ノ加功行爲ノ種類如何ニ依リ或ハ共同正犯タル場合アルヘク或ハ教唆若ハ從犯タル場合アルヘキハ當然ナリトス」として、65条1項が、共同正犯だけでなく、教唆犯及び従犯にも適用される旨判示している。
総合メモ