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証拠(裁判上の自白)

書証の成立の真正についての自白の裁判所に対する拘束力 最二小判昭和52年4月15日

概要
書証の成立の真正についての自白は裁判所を拘束しない。
判例
事案:書証の成立の真正についての自白がなされた事案において、書証の成立の真正についての自白が裁判所に対する拘束力を有するかが問題となった。

判旨:「論旨は、所論の各書証の成立の真正についての被上告人の自白が裁判所を拘束するとの前提に立って、右自白の撤回を許した原審の措置を非難するが、書証の成立の真正についての自白は裁判所を拘束するものではないと解するのが相当であるから、論旨は、右前提を欠き、判決に影響を及ぼさない点につき原判決を非難するに帰し、失当である。」
過去問・解説
(H23 共通 第66問 エ)
判例の趣旨によれば、代理人による契約締結の事実を主張する原告が代理権授与の事実を証明するための証拠として委任状を提出し、被告がその成立の真正を認める旨の陳述をした場合であっても、裁判所は、当該委任状が真正に成立したものではないと認めることができ、被告は、その陳述をいつでも撤回することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭52.4.15)は、「書証の成立の真正についての自白は裁判所を拘束するものではない…。」としている。
また、裁判所が拘束されない以上、当事者も拘束されず、いつでも撤回することができる。
したがって、本肢の事案において、被告が成立の真正を認める旨の陳述をした場合であっても、裁判所は、当該委任状が真正に成立したものではないと認めることができ、被告は、その陳述をいつでも撤回することができる。

(H24 共通 第63問 ア)
当事者が証拠として提出した契約書について、相手方がその成立の真正を認める旨の陳述をした場合には、裁判所は、証拠によっても当該契約書の成立の真正を否定することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭52.4.15)は、「書証の成立の真正についての自白は裁判所を拘束するものではない…。」としている。
したがって、裁判所は、当事者が証拠として提出した契約書について、相手方がその成立の真正を認める旨の陳述をした場合であっても、成立の真正を否定することができる。

(H26 共通 第69問 5)
文書が作成者の意思に基づいて作成されたものであることを認めたときでも、裁判所はそれに拘束されず、当該作成者の意思に基づいて作成されたものではないと判断することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭52.4.15)は、「書証の成立の真正についての自白は裁判所を拘束するものではない…。」としている。
したがって、当該作成者の意思に基づいて作成されたものではないと判断することができる。

(R3 予備 第39問 5)
売買契約に基づく売買代金支払請求訴訟の口頭弁論の期日において、原告は、売買契約書を提出して書証の申出をし、被告がその売買契約書を作成したとの主張をした。これに対し、被告は、その期日において、その売買契約書が真正に成立したことを認めるとの陳述をした。この被告の陳述について、裁判上の自白が成立する。

(正答)

(解説)
裁判上の自白は、不要証効、裁判所拘束効、撤回排除効を有する。
これについて、判例(最判昭52.4.15)は、「書証の成立の真正についての自白は裁判所を拘束するものではない…。」として、書証の真正についての自白に関して、裁判所拘束効を否定している。
したがって、本肢における被告の陳述は、裁判上の自白に当たらない。
総合メモ

刑事上罰すべき他人の行為によってなされた裁判上の自白の撤回 最二小判昭和33年3月7日

概要
自白の撤回は、第三者の刑事上罰すべき行為によって自白をした場合にもすることができる。
判例
事案:自白が、刑法246条2項に該当する詐欺行為に因りなされた事案において、かかる自白の撤回が許されるかが問題となった。

判旨:「本件記録によれば、上告人が原審に提出した所論の準備書面には、論旨の指摘するとおり『上告人が陳述したものと看做された答弁書記載の自白は、内山良夫が訴外東一郎の刑法246条2項に該当する詐欺行為に因りなされた点において無効であり少くとも取消し得るものである』旨の記載があり、右準備書面は原審における昭和30年2月21日の口頭弁論で陳述されていることは明白である。そして、右訴外人の『刑法246条2項に該当する詐欺行為』によりて自白するに至った旨の主張は民訴420条1項5号の事由を主張するものであると認められるから、もし、証拠上右主張事実が肯認されるならば、原審としては本件自白の効力を認むべきでなかったものといわねばならぬ。(昭和15年9月31日大審院判決民集19巻1644頁参照)」
過去問・解説
(H24 共通 第63問 ウ)
自白の撤回は、第三者の刑事上罰すべき行為によって自白をした場合にもすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.3.7)は、「上告人が原審に提出した所論の準備書面には、…『上告人が陳述したものと看做された答弁書記載の自白は、…刑法246条2項に該当する詐欺行為に因りなされた点において無効であり少くとも取消し得るものである』旨の記載があり、右準備書面は…口頭弁論で陳述されていることは明白である。そして、右訴外人の『刑法246条2項に該当する詐欺行為』によりて自白するに至った旨の主張は民訴420条1項5号の事由を主張するものであると認められるから、もし、証拠上右主張事実が肯認されるならば、原審としては本件自白の効力を認むべきでなかったものといわねばならぬ。」として、第三者の刑事上罰すべき行為による自白の撤回を認めている。
総合メモ