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判決(既判力 | 主観的範囲)
債権者代位訴訟において被保全債権の不存在を看過して下された判決の効力は債務者に及ぶか 大阪地判昭和45年5月28日
概要
債権者代位訴訟において当事者適格の不存在を看過して下された確定判決の既判力は、債務者間に拡張されない。
判例
事案:債権者代位訴訟が確定したが、確定前に被保全債権が消滅していた。その後、かかる訴訟の被告と代位されたもの(債務者)とを当事者とする訴訟が提起された事案において、債権者代位訴訟の判決の効力が債務者に及ぶか否か問題となった。
判旨:「訴外会社は右解除とともに代位訴訟における当該代位債権を失うことによって民訴法201条2項(現:115条2項)にいう他人のための訴訟担当者たるの適格を喪失し、右判示後段による本件確定判決はこれを看過してされた判決というの外ないところ、右訴訟の当事者であった本件原告と訴外会社の間においてはさておき、代位債務者であった本件被告との関係においては、右当事者適格看過の判決はその効力をこれに及ぼす由なきものと解すべきであり、しかもこの点は、右代位債務者(本件被告)自身のみならず、本件の如き場合、第三債務者(本件原告)も亦これを主張し得るものというのが相当である。」
判旨:「訴外会社は右解除とともに代位訴訟における当該代位債権を失うことによって民訴法201条2項(現:115条2項)にいう他人のための訴訟担当者たるの適格を喪失し、右判示後段による本件確定判決はこれを看過してされた判決というの外ないところ、右訴訟の当事者であった本件原告と訴外会社の間においてはさておき、代位債務者であった本件被告との関係においては、右当事者適格看過の判決はその効力をこれに及ぼす由なきものと解すべきであり、しかもこの点は、右代位債務者(本件被告)自身のみならず、本件の如き場合、第三債務者(本件原告)も亦これを主張し得るものというのが相当である。」
過去問・解説
(H18 司法 第19問 5)
乙債権が第三者弁済によって消滅していたが、そのことが明らかにならないまま甲債権が存在しないとしてXの請求を棄却する判決が確定した。その後、上記の第三者弁済の事実が明らかになったときは、Aは、前訴判決の既判力に妨げられることなく、Yに対して訴えを提起して甲債権についての支払を請求することができる。
乙債権が第三者弁済によって消滅していたが、そのことが明らかにならないまま甲債権が存在しないとしてXの請求を棄却する判決が確定した。その後、上記の第三者弁済の事実が明らかになったときは、Aは、前訴判決の既判力に妨げられることなく、Yに対して訴えを提起して甲債権についての支払を請求することができる。
(正答)〇
(解説)
115条1項2号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人」を掲げている。
債権者代位訴訟における代位債務者はこれに当たるから、判決の効力が拡張されるのが原則である。
しかし、これについて裁判例(大阪地判昭45.5.28)は、「訴外会社は右解除とともに代位訴訟における当該代位債権を失うことによって…他人のための訴訟担当者たるの適格を喪失し、右判示後段による本件確定判決はこれを看過してされた判決というの外ないところ、右訴訟の当事者であった本件原告と訴外会社の間においてはさておき、代位債務者であった本件被告との関係においては、右当事者適格看過の判決はその効力をこれに及ぼす由なきものと解すべきであ…る。」としている。
したがって、Aは、当事者適格を基礎付ける、被保全債権たる甲債権の支払請求をすることができる。
115条1項2号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人」を掲げている。
債権者代位訴訟における代位債務者はこれに当たるから、判決の効力が拡張されるのが原則である。
しかし、これについて裁判例(大阪地判昭45.5.28)は、「訴外会社は右解除とともに代位訴訟における当該代位債権を失うことによって…他人のための訴訟担当者たるの適格を喪失し、右判示後段による本件確定判決はこれを看過してされた判決というの外ないところ、右訴訟の当事者であった本件原告と訴外会社の間においてはさておき、代位債務者であった本件被告との関係においては、右当事者適格看過の判決はその効力をこれに及ぼす由なきものと解すべきであ…る。」としている。
したがって、Aは、当事者適格を基礎付ける、被保全債権たる甲債権の支払請求をすることができる。
(H23 予備 第45問 5)
Aに対して売買代金債権を有すると主張するXが、Aに代位して、AのYに対する貸金債権に基づき、Yに対して当該貸金の返還を求める訴えを提起した。
訴えの提起前にXのAに対する売買代金債権が消滅していたにもかかわらず、AのYに対する貸金債権の不存在を理由に請求を棄却する判決がされ、その判決が確定した。この場合、Aは、Yに対する訴えを提起して当該貸金債権の存在を主張することを妨げられない。
Aに対して売買代金債権を有すると主張するXが、Aに代位して、AのYに対する貸金債権に基づき、Yに対して当該貸金の返還を求める訴えを提起した。
訴えの提起前にXのAに対する売買代金債権が消滅していたにもかかわらず、AのYに対する貸金債権の不存在を理由に請求を棄却する判決がされ、その判決が確定した。この場合、Aは、Yに対する訴えを提起して当該貸金債権の存在を主張することを妨げられない。
(正答)〇
(解説)
115条1項2号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人」を掲げている。
債権者代位訴訟における代位債務者はこれに当たるから、判決の効力が拡張されるのが原則である。
これについて裁判例(大阪地判昭45.5.28)は、本肢と同種の事案において、「訴外会社は右解除とともに代位訴訟における当該代位債権を失うことによって民訴法201条2項(現:115条2項)にいう他人のための訴訟担当者たるの適格を喪失し、右判示後段による本件確定判決はこれを看過してされた判決というの外ないところ、右訴訟の当事者であった本件原告と訴外会社の間においてはさておき、代位債務者であった本件被告との関係においては、右当事者適格看過の判決はその効力をこれに及ぼす由なきものと解すべきであ…る。」として、判決効は債務者に及ばないことを示している。
本肢も同様に、被保全債権の消滅を看過したまま債権者代位訴訟の判決が確定している。
したがって、Aには係る訴訟の既判力は及ばず、Yに対して訴えを提起して、当該貸金債権の存在を主張することができる。
115条1項2号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人」を掲げている。
債権者代位訴訟における代位債務者はこれに当たるから、判決の効力が拡張されるのが原則である。
これについて裁判例(大阪地判昭45.5.28)は、本肢と同種の事案において、「訴外会社は右解除とともに代位訴訟における当該代位債権を失うことによって民訴法201条2項(現:115条2項)にいう他人のための訴訟担当者たるの適格を喪失し、右判示後段による本件確定判決はこれを看過してされた判決というの外ないところ、右訴訟の当事者であった本件原告と訴外会社の間においてはさておき、代位債務者であった本件被告との関係においては、右当事者適格看過の判決はその効力をこれに及ぼす由なきものと解すべきであ…る。」として、判決効は債務者に及ばないことを示している。
本肢も同様に、被保全債権の消滅を看過したまま債権者代位訴訟の判決が確定している。
したがって、Aには係る訴訟の既判力は及ばず、Yに対して訴えを提起して、当該貸金債権の存在を主張することができる。
総合メモ
裁判上の和解により建物を収去してその敷地を明け渡すべき義務のある者から建物を借り受けその敷地を占有する者と民事訴訟法115条1項3号にいう口頭弁論終結後の「承継人」 最二小判昭和26年4月13日
概要
裁判上の和解により建物を収去しその敷地を明け渡すべき義務のある者から建物を借り受けその敷地を占有する者は、115条1項3号の「承継人」に当たる。
判例
事案:裁判上の和解により建物を収去してその敷地を明け渡すべき義務のある者から建物を借り受けその敷地を占有をする者がある事案において、建物を借り受け占有を開始した者が115条1項3号の「承継人」に当たるかが問題となった。
判旨:「裁判上の和解により建物を収去しその敷地たる土地を明渡すべき義務のある者から建物を借受け建物の敷地たる土地を占有する者は民訴第201条第1項にいわゆる承繼人と解するを相当とする…。建物賃借人の敷地に對する占有は賃借人の敷地に對する占有と無関係に原始的に取得せられるものではなく、賃借人の敷地に對する占有に基き取得せられるものであるから占有の関係からみると一種の承繼があるとみることができるのであり賃借人が建物所有者としてその敷地に對する占有を失わない場合でもこの種の占有の承繼を認めることを妨げるものではないのである。」
判旨:「裁判上の和解により建物を収去しその敷地たる土地を明渡すべき義務のある者から建物を借受け建物の敷地たる土地を占有する者は民訴第201条第1項にいわゆる承繼人と解するを相当とする…。建物賃借人の敷地に對する占有は賃借人の敷地に對する占有と無関係に原始的に取得せられるものではなく、賃借人の敷地に對する占有に基き取得せられるものであるから占有の関係からみると一種の承繼があるとみることができるのであり賃借人が建物所有者としてその敷地に對する占有を失わない場合でもこの種の占有の承繼を認めることを妨げるものではないのである。」
過去問・解説
(H18 司法 第58問 5)
XのYに対する所有権に基づく建物収去土地明渡請求訴訟において、訴訟上の和解により、Yは建物を収去し、敷地である土地を明け渡すべき義務を負うとされた。その後、Yから当該建物を借り受け、その建物の敷地である土地を占有するZには、Zが和解調書の存在を知っていたか否かにかかわらず、当該調書の執行力が及ぶ。
XのYに対する所有権に基づく建物収去土地明渡請求訴訟において、訴訟上の和解により、Yは建物を収去し、敷地である土地を明け渡すべき義務を負うとされた。その後、Yから当該建物を借り受け、その建物の敷地である土地を占有するZには、Zが和解調書の存在を知っていたか否かにかかわらず、当該調書の執行力が及ぶ。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭26.4.13)は、「裁判上の和解により建物を収去しその敷地たる土地を明渡すべき義務のある者から建物を借受け建物の敷地たる土地を占有する者」が115条1項3号の「承継人」に当たることを認めている。
したがって、Zには、「債務名義成立後の承継人」(民事執行法23条1項3号)として、Zが和解調書の存在を知っていたか否かにかかわらず、当該調書の執行力(267条、民事執行法22条7号)が及ぶ。
判例(最判昭26.4.13)は、「裁判上の和解により建物を収去しその敷地たる土地を明渡すべき義務のある者から建物を借受け建物の敷地たる土地を占有する者」が115条1項3号の「承継人」に当たることを認めている。
したがって、Zには、「債務名義成立後の承継人」(民事執行法23条1項3号)として、Zが和解調書の存在を知っていたか否かにかかわらず、当該調書の執行力(267条、民事執行法22条7号)が及ぶ。
(R1 予備 第43問 ア)
XがYに対して土地の賃貸借契約終了に基づき建物収去土地明渡しを求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した後、ZがYから当該建物を借り受けて当該土地を占有する場合に、この判決の効力は、Zにも及ぶ。
XがYに対して土地の賃貸借契約終了に基づき建物収去土地明渡しを求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した後、ZがYから当該建物を借り受けて当該土地を占有する場合に、この判決の効力は、Zにも及ぶ。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭26.4.13)は、「裁判上の和解により建物を収去しその敷地たる土地を明渡すべき義務のある者から建物を借受け建物の敷地たる土地を占有する者」が115条1項3号の「承継人」に当たることを認めている。
したがって、Xの請求を認容する判決が確定した後、ZがYから当該建物を借り受けて当該土地を占有する場合に、この判決の効力は、「口頭弁論終結後の承継人」であるZにも及ぶ。
判例(最判昭26.4.13)は、「裁判上の和解により建物を収去しその敷地たる土地を明渡すべき義務のある者から建物を借受け建物の敷地たる土地を占有する者」が115条1項3号の「承継人」に当たることを認めている。
したがって、Xの請求を認容する判決が確定した後、ZがYから当該建物を借り受けて当該土地を占有する場合に、この判決の効力は、「口頭弁論終結後の承継人」であるZにも及ぶ。
(R6 予備 第33問 オ)
建物明渡請求事件において、建物を明け渡すことを内容とする訴訟上の和解が調書に記載されたときは、その記載の効力は、和解をした当事者のみならず、和解成立後に当事者から当該建物の占有を承継した者にも及ぶ。
建物明渡請求事件において、建物を明け渡すことを内容とする訴訟上の和解が調書に記載されたときは、その記載の効力は、和解をした当事者のみならず、和解成立後に当事者から当該建物の占有を承継した者にも及ぶ。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭26.4.13)は、「裁判上の和解により建物を収去しその敷地たる土地を明渡すべき義務のある者から建物を借受け建物の敷地たる土地を占有する者」が115条1項3号の「承継人」に当たることを認めている。そして、和解調書には「確定判決と同一の効力」が認められる(267条1項)から、その効力の主観的範囲については、115条及び民事執行法23条が適用される。
和解成立後に当事者から当該建物の占有を承継した者は、「口頭弁論終結後の承継人」(115条1項3号)及び「債務名義成立後の承継人」(民事執行法23条1項3号)に当たるから、和解調書の記載の効力は、和解をした当事者のみならず、和解成立後に当事者から当該建物の占有を承継した者にも及ぶ。
判例(最判昭26.4.13)は、「裁判上の和解により建物を収去しその敷地たる土地を明渡すべき義務のある者から建物を借受け建物の敷地たる土地を占有する者」が115条1項3号の「承継人」に当たることを認めている。そして、和解調書には「確定判決と同一の効力」が認められる(267条1項)から、その効力の主観的範囲については、115条及び民事執行法23条が適用される。
和解成立後に当事者から当該建物の占有を承継した者は、「口頭弁論終結後の承継人」(115条1項3号)及び「債務名義成立後の承継人」(民事執行法23条1項3号)に当たるから、和解調書の記載の効力は、和解をした当事者のみならず、和解成立後に当事者から当該建物の占有を承継した者にも及ぶ。
総合メモ
通謀による虚偽の登記名義を真正なものに回復するための所有権移転登記手続請求訴訟における被告敗訴の確定判決と口頭弁論終結後被告から善意で当該不動産を譲り受けた第三者 最一小判昭和48年6月21日
概要
通謀による虚偽の登記名義を真正なものに回復するための所有権移転登記手続請求訴訟における被告敗訴の確定判決は、口頭弁論終結後被告から善意で当該不動産を譲り受けた第三者に対してその効力を有しない。
判例
事案:通謀による虚偽の登記名義を真正なものに回復するための所有権移転登記手続請求訴訟において被告敗訴が敗訴したが、第三者が口頭弁論終結後被告から善意で当該不動産を譲り受けた事案において、当該訴訟の確定判決の執行力が当該第三者にも拡張されるのかが問題となった。
判旨:「以上の事実関係のもとにおいては、Xは、本件土地につきY名義でなされた前記所有権取得登記が、通謀虚偽表示によるもので無効であることを、善意の第三者であるZに対抗することはできないものであるから、Zは本件土地の所有権を取得するに至ったものであるというべきである。このことはXと訴外Yとの間の前記確定判決の存在によって左右されない。そして、Zは…訴外YのXに対する本件土地所有権移転登記義務を承継するものではないから、Xが、右確定判決につき、訴外Yの承継人としてZに対する承継執行文の付与を受けて執行することは許されないといわなければならない。」
判旨:「以上の事実関係のもとにおいては、Xは、本件土地につきY名義でなされた前記所有権取得登記が、通謀虚偽表示によるもので無効であることを、善意の第三者であるZに対抗することはできないものであるから、Zは本件土地の所有権を取得するに至ったものであるというべきである。このことはXと訴外Yとの間の前記確定判決の存在によって左右されない。そして、Zは…訴外YのXに対する本件土地所有権移転登記義務を承継するものではないから、Xが、右確定判決につき、訴外Yの承継人としてZに対する承継執行文の付与を受けて執行することは許されないといわなければならない。」
過去問・解説
(H21 司法 第68問 5)
XがYを被告として、XY間の通謀虚偽表示によりYの所有名義に登記されていた土地について、真正な登記名義回復のため所有権移転登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した。その直後、同確定判決について善意無過失のZが、競売手続により当該土地を取得し、所有権移転登記を経たとしても、判例によれば、Zは前訴の口頭弁論終結後のYの承継人であるから、Xは前訴の確定判決に基づき、Zに対する承継執行文の付与を受けて当該土地の所有名義をX名義に回復することができる。
XがYを被告として、XY間の通謀虚偽表示によりYの所有名義に登記されていた土地について、真正な登記名義回復のため所有権移転登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した。その直後、同確定判決について善意無過失のZが、競売手続により当該土地を取得し、所有権移転登記を経たとしても、判例によれば、Zは前訴の口頭弁論終結後のYの承継人であるから、Xは前訴の確定判決に基づき、Zに対する承継執行文の付与を受けて当該土地の所有名義をX名義に回復することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭48.6.21)は、本肢と同種の事案において、Zは…訴外YのXに対する本件土地所有権移転登記義務を承継するものではないから、Xが、右確定判決につき、訴外Yの承継人としてZに対する承継執行文の付与を受けて執行することは許されないといわなければならない。」として、Zに対する執行力の拡張(民事執行法23条1項3号)を否定している。
したがって、Xは、前訴確定判決に基づいてZに対する承継執行文の付与を受けて土地の所有名義をX名義に回復することができない。
判例(最判昭48.6.21)は、本肢と同種の事案において、Zは…訴外YのXに対する本件土地所有権移転登記義務を承継するものではないから、Xが、右確定判決につき、訴外Yの承継人としてZに対する承継執行文の付与を受けて執行することは許されないといわなければならない。」として、Zに対する執行力の拡張(民事執行法23条1項3号)を否定している。
したがって、Xは、前訴確定判決に基づいてZに対する承継執行文の付与を受けて土地の所有名義をX名義に回復することができない。
(R5 予備 第36問 ア)
XがYに対して、XY間の売買契約が通謀虚偽表示により無効であることを理由として、土地の所有権に基づき所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定したが、Yが事実審の口頭弁論の終結後に、通謀虚偽表示について善意無過失のZに当該土地を売却し、Zへの所有権移転登記手続をしていた場合に、この判決の効力は、Zにも及び、ZはXに対して善意無過失の第三者であることを主張することはできない。
XがYに対して、XY間の売買契約が通謀虚偽表示により無効であることを理由として、土地の所有権に基づき所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定したが、Yが事実審の口頭弁論の終結後に、通謀虚偽表示について善意無過失のZに当該土地を売却し、Zへの所有権移転登記手続をしていた場合に、この判決の効力は、Zにも及び、ZはXに対して善意無過失の第三者であることを主張することはできない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭48.6.21)は、本肢と同種の事案において、Zは…訴外YのXに対する本件土地所有権移転登記義務を承継するものではないから、Xが、右確定判決につき、訴外Yの承継人としてZに対する承継執行文の付与を受けて執行することは許されないといわなければならない。」として、Zに対する執行力の拡張(民事執行法23条1項3号)を否定しているところ、この判例の射程は既判力の拡張(115条1項3号)にも妥当する。
したがって、XのYに対する訴えの判決の効力はZに及ばず、ZはXに対して善意無過失の第三者であることを主張することができる。
判例(最判昭48.6.21)は、本肢と同種の事案において、Zは…訴外YのXに対する本件土地所有権移転登記義務を承継するものではないから、Xが、右確定判決につき、訴外Yの承継人としてZに対する承継執行文の付与を受けて執行することは許されないといわなければならない。」として、Zに対する執行力の拡張(民事執行法23条1項3号)を否定しているところ、この判例の射程は既判力の拡張(115条1項3号)にも妥当する。
したがって、XのYに対する訴えの判決の効力はZに及ばず、ZはXに対して善意無過失の第三者であることを主張することができる。
総合メモ
土地の所有権移転登記手続を命ずる判決の確定前に被告から同土地の所有権移転登記を受けた者に右確定判決の既判力が及ぶと認められた事例 大阪高判昭和46年4月8日
概要
前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたとしても、前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、「請求の目的物の所持する者」に準じ、115条1項4号の類推適用が可能である。
判例
事案:所有権移転登記手続請求訴訟が提起され、認容判決が出されたところ、判決の言い渡しの直前に、被告が他の者に対し、本件土地について贈与を原因とする所有権移転登記をしていたが、かかる贈与が通謀虚偽表示であった事案において、115条1項各号に該当しない者について、同項4号の類推適用が認められるかが問題となった。
判旨:「わが民事訴訟法第201条第1項(現:115条1項)は、確定判決の効力が当事者以外に生ずる場合の1つとして、『請求ノ目的物ヲ所持スル者』を掲げている。ところで、『登記』を『所持』または『占有』に対比して考えることは、しばしば行なわれているところであり、現に同条項にいう『口頭弁論終結後ノ承継人』の範囲を画するにあたっては、『登記名義の移転』を『占有の承継』と同列に扱うことにつき異論を見ないのである。そうすると、本件の控訴人のように、たとい前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたにしても、単に前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、請求の目的物の所持者に準じ、これに既判力を及ぼす類推解釈が可能となる。」
判旨:「わが民事訴訟法第201条第1項(現:115条1項)は、確定判決の効力が当事者以外に生ずる場合の1つとして、『請求ノ目的物ヲ所持スル者』を掲げている。ところで、『登記』を『所持』または『占有』に対比して考えることは、しばしば行なわれているところであり、現に同条項にいう『口頭弁論終結後ノ承継人』の範囲を画するにあたっては、『登記名義の移転』を『占有の承継』と同列に扱うことにつき異論を見ないのである。そうすると、本件の控訴人のように、たとい前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたにしても、単に前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、請求の目的物の所持者に準じ、これに既判力を及ぼす類推解釈が可能となる。」
過去問・解説
(R5 予備 第36問 イ)
XがYに対して、売買契約に基づき甲土地の所有権移転登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定したが、Yが事実審の口頭弁論の終結前に、Zとの通謀虚偽表示による贈与契約に基づき、Zへの甲土地の所有権移転登記手続をしていた場合に、この判決の効力は、Zにも及ぶ。
XがYに対して、売買契約に基づき甲土地の所有権移転登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定したが、Yが事実審の口頭弁論の終結前に、Zとの通謀虚偽表示による贈与契約に基づき、Zへの甲土地の所有権移転登記手続をしていた場合に、この判決の効力は、Zにも及ぶ。
(正答)〇
(解説)
115条1項4号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「前3号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者」を掲げている。
これについて、裁判例(大阪高判昭46.4.8)は、本肢と同種の事案において、「本件の控訴人のように、たとい前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたにしても、単に前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、請求の目的物の所持者に準じ、これに既判力を及ぼす類推解釈が可能となる。」としている。
したがって、115条4号の類推適用により、Zにも判決効が及ぶ。
115条1項4号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「前3号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者」を掲げている。
これについて、裁判例(大阪高判昭46.4.8)は、本肢と同種の事案において、「本件の控訴人のように、たとい前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたにしても、単に前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、請求の目的物の所持者に準じ、これに既判力を及ぼす類推解釈が可能となる。」としている。
したがって、115条4号の類推適用により、Zにも判決効が及ぶ。
総合メモ
法人格否認の法理 最一小判昭和53年9月14日
概要
法人格否認の法理に基づいて、旧会社に対する確定判決の既判力を新会社に対して及ぼすことはできない。
判例
事案:新会社の設立について旧会社の債務の支払いを免れることを目的とするなどの事情が存する事案において、旧会社に対する債務名義に対して、新会社に対する強制執行のため執行文付与を命ずることができないかが問題となった。
判旨:「上告会社の設立が訴外会社の債務の支払を免れる意図の下にされたものであり、法人格の濫用と認められる場合には、いわゆる法人格否認の法理により被上告人は自己と訴外会社間の前記確定判決の内容である損害賠償請求を上告会社に対しすることができるものと解するのが相当である。しかし、この場合においても、権利関係の公権的な確定及びその迅速確実な実現をはかるために手続の明確、安定を重んずる訴訟手続ないし強制執行手続においては、その手続の性格上訴外会社に対する判決の既判力及び執行力の範囲を上告会社にまで拡張することは許されないものというべきである(最高裁昭和43年(オ)第877号同44年2月27日第一小法廷判決・民集23巻2号511頁参照)。」
判旨:「上告会社の設立が訴外会社の債務の支払を免れる意図の下にされたものであり、法人格の濫用と認められる場合には、いわゆる法人格否認の法理により被上告人は自己と訴外会社間の前記確定判決の内容である損害賠償請求を上告会社に対しすることができるものと解するのが相当である。しかし、この場合においても、権利関係の公権的な確定及びその迅速確実な実現をはかるために手続の明確、安定を重んずる訴訟手続ないし強制執行手続においては、その手続の性格上訴外会社に対する判決の既判力及び執行力の範囲を上告会社にまで拡張することは許されないものというべきである(最高裁昭和43年(オ)第877号同44年2月27日第一小法廷判決・民集23巻2号511頁参照)。」
過去問・解説
(H18 司法 第58問 4)
XがY会社に対して有する金銭債権についてその支払を命ずる判決が確定した後、当該債務の支払を免れるためZ会社が設立された。これが法人格濫用に当たる場合、法人格否認の法理により、Y会社の有する債務をZ会社が履行する義務を負うとしても、Y会社の受けた判決の既判力がZ会社に及ぶことはない。
XがY会社に対して有する金銭債権についてその支払を命ずる判決が確定した後、当該債務の支払を免れるためZ会社が設立された。これが法人格濫用に当たる場合、法人格否認の法理により、Y会社の有する債務をZ会社が履行する義務を負うとしても、Y会社の受けた判決の既判力がZ会社に及ぶことはない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭53.9.14)は、本肢と同種の事案において、「上告会社の設立が訴外会社の債務の支払を免れる意図の下にされたものであり、法人格の濫用と認められる場合…においても、…訴訟手続ないし強制執行手続においては、その手続の性格上訴外会社に対する判決の既判力及び執行力の範囲を上告会社にまで拡張することは許されない…。」として、新たに設立された会社には既判力が及ばないことを示している。
したがって、Y会社の受けた判決の既判力がZ会社に及ぶことはない。
判例(最判昭53.9.14)は、本肢と同種の事案において、「上告会社の設立が訴外会社の債務の支払を免れる意図の下にされたものであり、法人格の濫用と認められる場合…においても、…訴訟手続ないし強制執行手続においては、その手続の性格上訴外会社に対する判決の既判力及び執行力の範囲を上告会社にまで拡張することは許されない…。」として、新たに設立された会社には既判力が及ばないことを示している。
したがって、Y会社の受けた判決の既判力がZ会社に及ぶことはない。
(H21 司法 第68問 4)
XがY会社を被告として、損害賠償を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した後、Y会社が新たに設立したZ会社にY会社の資産を移転した場合であって、法人格の濫用であるとしてZ会社の法人格が否認されるときには、判例によれば、確定判決の既判力がZに及ぶ。
XがY会社を被告として、損害賠償を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した後、Y会社が新たに設立したZ会社にY会社の資産を移転した場合であって、法人格の濫用であるとしてZ会社の法人格が否認されるときには、判例によれば、確定判決の既判力がZに及ぶ。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭53.9.14)は、本肢と同種の事案において、「上告会社の設立が訴外会社の債務の支払を免れる意図の下にされたものであり、法人格の濫用と認められる場合…においても、…訴訟手続ないし強制執行手続においては、その手続の性格上訴外会社に対する判決の既判力及び執行力の範囲を上告会社にまで拡張することは許されない…。」として、新たに設立された会社には既判力が及ばないことを示している。
したがって、法人格の濫用であるとしてZ会社の法人格が否認されるときにも、Xの請求を認容する確定判決の既判力はZに及ばない。
判例(最判昭53.9.14)は、本肢と同種の事案において、「上告会社の設立が訴外会社の債務の支払を免れる意図の下にされたものであり、法人格の濫用と認められる場合…においても、…訴訟手続ないし強制執行手続においては、その手続の性格上訴外会社に対する判決の既判力及び執行力の範囲を上告会社にまで拡張することは許されない…。」として、新たに設立された会社には既判力が及ばないことを示している。
したがって、法人格の濫用であるとしてZ会社の法人格が否認されるときにも、Xの請求を認容する確定判決の既判力はZに及ばない。
(R1 予備 第43問 イ)
XがY法人に対して損害賠償を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した後、Y法人がZ法人を新たに設立して資産を移転したが、法人格の濫用であるとしてZ法人の法人格が否認される場合に、この判決の効力は、Z法人にも及ぶ。
XがY法人に対して損害賠償を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した後、Y法人がZ法人を新たに設立して資産を移転したが、法人格の濫用であるとしてZ法人の法人格が否認される場合に、この判決の効力は、Z法人にも及ぶ。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭53.9.14)は、本肢と同種の事案において、「上告会社の設立が訴外会社の債務の支払を免れる意図の下にされたものであり、法人格の濫用と認められる場合…においても、…訴訟手続ないし強制執行手続においては、その手続の性格上訴外会社に対する判決の既判力及び執行力の範囲を上告会社にまで拡張することは許されない…。」として、新たに設立された会社には既判力が及ばないことを示している。
したがって、法人格の濫用であるとしてZ法人の法人格が否認される場合にも、Xの請求を認容する確定判決の効力は、Z法人には及ばない。
判例(最判昭53.9.14)は、本肢と同種の事案において、「上告会社の設立が訴外会社の債務の支払を免れる意図の下にされたものであり、法人格の濫用と認められる場合…においても、…訴訟手続ないし強制執行手続においては、その手続の性格上訴外会社に対する判決の既判力及び執行力の範囲を上告会社にまで拡張することは許されない…。」として、新たに設立された会社には既判力が及ばないことを示している。
したがって、法人格の濫用であるとしてZ法人の法人格が否認される場合にも、Xの請求を認容する確定判決の効力は、Z法人には及ばない。
総合メモ
保証人敗訴の判決確定後に主債務者勝訴の判決が確定した場合と保証人敗訴の確定判決に対する請求異議の訴え(反射効) 最一小判昭和51年10月21日
概要
債権者から保証人に対する保証債務履行請求訴訟における保証人敗訴の判決が確定した後に、債権者から主債務者に対する主債務履行請求訴訟における主債務者勝訴の判決が確定しても、主債務者勝訴の判決が保証債務履行請求訴訟の事実審口頭弁論終結の時までに生じた事由に基づいてされているときは、保証人は、主債務者勝訴の確定判決を保証人敗訴の確定判決に対する請求異議の事由にすることはできない。
判例
事案:保証人敗訴の判決確定後に主債務者勝訴の判決が確定した事案において、主債務者勝訴の確定判決が、保証人敗訴の確定判決に対する請求異議の事由として認められないかが問題となった。
判旨:「所論は、要するに、上告人に対する前記判決は連帯保証債務の履行を命ずるものであるところ、その主債務は、右判決確定後、主債務関係の当事者である被上告人と右相続人ら間の確定判決により不存在と確定されたから、上告人は、連帯保証債務の附従性に基づき請求異議の訴により自己に対する前記判決の執行力の排除を求めることができる筋合であると主張する。そこで案ずるに、一般に保証人が、債権者からの保証債務履行請求訴訟において、主債務者勝訴の確定判決を援用することにより保証人勝訴の判決を導きうると解せられるにしても、保証人がすでに保証人敗訴の確定判決を受けているときは、保証人敗訴の判決確定後に主債務者勝訴の判決が確定しても、同判決が保証人敗訴の確定判決の基礎となった事実審口頭弁論終結の時までに生じた事実を理由としてされている以上、保証人は右主債務者勝訴の確定判決を保証人敗訴の確定判決に対する請求異議の事由にする余地はないものと解すべきである。けだし、保証人が主債務者勝訴の確定判決を援用することが許されるにしても、これは、右確定判決の既判力が保証人に拡張されることに基づくものではないと解すべきであり、また、保証人は、保証人敗訴の確定判決の効力として、その判決の基礎となった事実審口頭弁論終結の時までに提出できたにもかかわらず提出しなかった事実に基づいてはもはや債権者の権利を争うことは許されないと解すべきところ、保証人敗訴判決の確定後において主債務者勝訴の確定判決があっても、その勝訴の理由が保証人敗訴判決の基礎となった事実審口頭弁論の終結後に生じた事由に基づくものでない限り、この主債務者勝訴判決を援用して、保証人敗訴の確定判決に対する請求異議事由とするのを認めることは、実質的には前記保証人敗訴の確定判決の効力により保証人が主張することのできない事実に基づいて再び債権者の権利を争うことを容認するのとなんら異なるところがないといえるからである。」
判旨:「所論は、要するに、上告人に対する前記判決は連帯保証債務の履行を命ずるものであるところ、その主債務は、右判決確定後、主債務関係の当事者である被上告人と右相続人ら間の確定判決により不存在と確定されたから、上告人は、連帯保証債務の附従性に基づき請求異議の訴により自己に対する前記判決の執行力の排除を求めることができる筋合であると主張する。そこで案ずるに、一般に保証人が、債権者からの保証債務履行請求訴訟において、主債務者勝訴の確定判決を援用することにより保証人勝訴の判決を導きうると解せられるにしても、保証人がすでに保証人敗訴の確定判決を受けているときは、保証人敗訴の判決確定後に主債務者勝訴の判決が確定しても、同判決が保証人敗訴の確定判決の基礎となった事実審口頭弁論終結の時までに生じた事実を理由としてされている以上、保証人は右主債務者勝訴の確定判決を保証人敗訴の確定判決に対する請求異議の事由にする余地はないものと解すべきである。けだし、保証人が主債務者勝訴の確定判決を援用することが許されるにしても、これは、右確定判決の既判力が保証人に拡張されることに基づくものではないと解すべきであり、また、保証人は、保証人敗訴の確定判決の効力として、その判決の基礎となった事実審口頭弁論終結の時までに提出できたにもかかわらず提出しなかった事実に基づいてはもはや債権者の権利を争うことは許されないと解すべきところ、保証人敗訴判決の確定後において主債務者勝訴の確定判決があっても、その勝訴の理由が保証人敗訴判決の基礎となった事実審口頭弁論の終結後に生じた事由に基づくものでない限り、この主債務者勝訴判決を援用して、保証人敗訴の確定判決に対する請求異議事由とするのを認めることは、実質的には前記保証人敗訴の確定判決の効力により保証人が主張することのできない事実に基づいて再び債権者の権利を争うことを容認するのとなんら異なるところがないといえるからである。」
過去問・解説
(H30 予備 第41問 5)
XがYに有する貸金債権の連帯保証人Zに対して提起した保証債務履行請求の訴えに対し、請求を認容する判決が確定した後、XのYに対する貸金返還請求訴訟において、保証債務履行請求訴訟の事実審の口頭弁論終結時前にYが弁済したとして、請求を棄却する判決が確定した場合に、ZがXに対して保証債務履行請求訴訟の確定判決について提起した請求異議の訴えにおいて、貸金返還請求訴訟の確定判決を請求異議の事由として援用することは、許されない。
XがYに有する貸金債権の連帯保証人Zに対して提起した保証債務履行請求の訴えに対し、請求を認容する判決が確定した後、XのYに対する貸金返還請求訴訟において、保証債務履行請求訴訟の事実審の口頭弁論終結時前にYが弁済したとして、請求を棄却する判決が確定した場合に、ZがXに対して保証債務履行請求訴訟の確定判決について提起した請求異議の訴えにおいて、貸金返還請求訴訟の確定判決を請求異議の事由として援用することは、許されない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭51.10.21)は、本肢と同種の事案において、「保証人は右主債務者勝訴の確定判決を保証人敗訴の確定判決に対する請求異議の事由にする余地はない…。」としている。
したがって、ZがXに対して保証債務履行請求訴訟の確定判決について提起した請求異議の訴えにおいて、貸金返還請求訴訟の確定判決を請求異議の事由として援用することは、許されない。
判例(最判昭51.10.21)は、本肢と同種の事案において、「保証人は右主債務者勝訴の確定判決を保証人敗訴の確定判決に対する請求異議の事由にする余地はない…。」としている。
したがって、ZがXに対して保証債務履行請求訴訟の確定判決について提起した請求異議の訴えにおいて、貸金返還請求訴訟の確定判決を請求異議の事由として援用することは、許されない。
総合メモ
不真正連帯債務者中の一人と債権者との間の訴訟において相殺を認めた確定判決の他の債務者に対する効力(反射効) 最一小判昭和53年3月23日
概要
不真正連帯債務者中の1人と債権者との間で右債務者の反対債権をもってする相殺を認める判決が確定しても、右判決の効力は他の債務者に及ぶものではない。
判例
事案: 不真正連帯債務者中の1人と債権者との間の訴訟において相殺を認めた判決が確定した事案において、かかる判決のその他の債務者に対する効力が問題となった。
判旨:「不真正連帯債務者中の1人と債権者との間の確定判決は、他の債務者にその効力を及ぼすものではなく、このことは、民訴法199条2項(現:114条2項)により確定判決の既判力が相殺のために主張された反対債権の存否について生ずる場合においても同様であると解すべきである。もとより、不真正連帯債務者の1人と債権者との間で実体法上有効な相殺がなされれば、これによって債権の消滅した限度で他の債務者の債務も消滅するが、他の債務者と債権者との間の訴訟においてこの債務消滅を認めて判決の基礎とするためには、右相殺が実体法上有効であることを認定判断することを要し、相殺の当事者たる債務者と債権者との間にその相殺の効力を肯定した確定判決が存在する場合であっても、この判決の効力は他の債務者と債権者との間の訴訟に及ぶものではないと解すべきであるから、右認定判断はこれを省略することはできない。」
判旨:「不真正連帯債務者中の1人と債権者との間の確定判決は、他の債務者にその効力を及ぼすものではなく、このことは、民訴法199条2項(現:114条2項)により確定判決の既判力が相殺のために主張された反対債権の存否について生ずる場合においても同様であると解すべきである。もとより、不真正連帯債務者の1人と債権者との間で実体法上有効な相殺がなされれば、これによって債権の消滅した限度で他の債務者の債務も消滅するが、他の債務者と債権者との間の訴訟においてこの債務消滅を認めて判決の基礎とするためには、右相殺が実体法上有効であることを認定判断することを要し、相殺の当事者たる債務者と債権者との間にその相殺の効力を肯定した確定判決が存在する場合であっても、この判決の効力は他の債務者と債権者との間の訴訟に及ぶものではないと解すべきであるから、右認定判断はこれを省略することはできない。」
過去問・解説
(R3 予備 第35問 イ)
Xが、Xに対して連帯債務を負うYとZのうちYに対してのみその債務の履行を求める訴訟において、相殺を理由として請求を一部棄却するとの判決が確定した場合に、この判決の効力は、Zに及ぶ。
Xが、Xに対して連帯債務を負うYとZのうちYに対してのみその債務の履行を求める訴訟において、相殺を理由として請求を一部棄却するとの判決が確定した場合に、この判決の効力は、Zに及ぶ。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭53.3.23)は、「不真正連帯債務者中の1人と債権者との間の確定判決は、他の債務者にその効力を及ぼすものではなく、このことは、民訴法199条2項(現:114条2項)により確定判決の既判力が相殺のために主張された反対債権の存否について生ずる場合においても同様である…。」としている。
したがって、Xが得た確定判決の効力は、他の債務者であるZに及ばない。
判例(最判昭53.3.23)は、「不真正連帯債務者中の1人と債権者との間の確定判決は、他の債務者にその効力を及ぼすものではなく、このことは、民訴法199条2項(現:114条2項)により確定判決の既判力が相殺のために主張された反対債権の存否について生ずる場合においても同様である…。」としている。
したがって、Xが得た確定判決の効力は、他の債務者であるZに及ばない。