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民事訴訟法 法人格のない社団 最一小判昭和42年10月19日

概要
普通地方公共団体の区域に属する特定地域の住民により結成された任意団体であつて、当該地方公共団体の下部行政区画でも、財産区でもなく、原判示のような規約に基づいて存続・活動しているもの(原判決理由参照)は、法人格のない社団に当たると解すべきである。
判例
事案:三田市内の特定の住民によって構成される団体が、建物の賃借人に対して賃貸借契約の解除を主張し建物の明け渡しを求める訴訟を提起した事案において、普通地方公共団体の区域に属する特定地域の住民により結成された任意団体が法人格のない社団に当たるか否か問題となった。

判旨:「法人格のない社団すなわち権利能力のない社団が成立するためには、団体としての組織をそなえ、多数決の原理が行なわれ、構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し、その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点が確定していることを要することは、当裁判所の判例とするところである(昭和35年(オ)第1029号、同39年10月15日第一小法廷判決、民集18巻8号1671頁)。原判決の確定するところによれば、被上告人区は、古くより三田市A(市制施行前はA町)B番区通称新地と称する地域に居住する住民により、その福祉のため各般の事業を営むことを目的として結成された任意団体であって、同市Aに属する最下部の行政区画でも、また財産区でもなく、区長、区長代理者(副区長)、評議員、組長等の役員の選出、役員会および区民総会の運営(その議決は多数決による)、財産の管理、事業の内容等につき規約を有し、これに基づいて存続・活動しているというのであるから、原審が以上の事実関係のもとにおいて、被上告人区をもって権利能力のない社団としての実体を有するものと認め、これにつき民訴法46条(現:29条)の適用を肯定した判断は、上記判例に照らして、正当として是認しうる。」
過去問・解説
(R4 予備 第31問 エ)
普通地方公共団体の区域に属する特定地域の住民により、その福祉のため各般の事業を営むことを目的として結成された任意団体であって、当該地方公共団体の下部行政区画ではなく、代表者たる区長、評議員等の役員の選出、多数決の原則による役員会及び区民総会の運営、財産の管理、事業の内容等につき規約を有し、これに基づいて存続・活動しているものは、当事者能力を有する。

(正答)

(解説)
29条は、「法人でない社団…で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭42.10.19)は、本肢と同種の事案において、「被上告人区は、古くより三田市A…B番区通称新地と称する地域に居住する住民により、その福祉のため各般の事業を営むことを目的として結成された任意団体であって、同市Aに属する最下部の行政区画でも、また財産区でもなく、区長、区長代理者(副区長)、評議員、組長等の役員の選出、役員会および区民総会の運営(その議決は多数決による)、財産の管理、事業の内容等につき規約を有し、これに基づいて存続・活動しているというのであるから、原審が以上の事実関係のもとにおいて、被上告人区をもって権利能力のない社団としての実体を有するものと認め、これにつき民訴法46条(現:29条)の適用を肯定した判断は…正当として是認しうる。」として、任意団体であっても、一定の条件のもと、当事者能力を肯定している。
総合メモ
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