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短答判例

所有権保存登記及びその後順次経由された所有権移転登記の抹消登記手続請求訴訟において一部の被告に敗訴した場合におけるその余の被告に対する請求についての訴の利益の有無 最二小判昭和41年3月18日

概要
所有権保存登記及びその後順次経由された所有権移転登記の抹消登記手続請求訴訟において、最終登記名義人を被告とする請求について敗訴の判決があった場合でも、その余の被告らに対する請求は、訴えの利益を失うものではない。
判例
事案:所有権保存登記及びその後順次経由された所有権移転登記の抹消登記手続請求訴訟において一部の被告に敗訴した事案において、その余の被告に対する請求についての訴えの利益の有無が問題となった。

判旨:「不動産登記の抹消登記手続を求める請求は、被告の抹消登記申請という意思表示を求める請求であって、その勝訴の判決が確定すれば、それによって、被告が右意思表示をしたものとみなされ(民訴法736条)、その判決の執行が完了するものである。したがって、抹消登記の実行をもって、右判決の執行と考える必要はないから、右抹消登記の実行が可能であるかどうかによって、右抹消登記手続を求める請求についての訴の利益の有無が左右されるものではない。」
過去問・解説
(H21 司法 第60問 エ)
A所有の建物について、Bが所有権保存登記をし、更にBからCへ、CからDへ所有権移転登記が経由された場合において、AがDに対し所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起し請求を棄却する判決が確定したときは、Aが新たにB及びCに対し所有権保存登記及び所有権移転登記の各抹消登記手続を求める訴えを提起したとしても、その各請求を認容する判決によってB及びC名義の各登記を抹消することはできないから、AのB及びCに対する各請求は、訴えの利益を欠く。

(正答)✕

(解説)
判例(最判昭41.3.18)は、「不動産登記の抹消登記手続を求める請求は…抹消登記の実行をもって、右判決の執行と考える必要はないから、右抹消登記の実行が可能であるかどうかによって、右抹消登記手続を求める請求についての訴の利益の有無が左右されるものではない。」としている。
したがって、本肢の事案において、AがDに対し所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起し請求を棄却する判決が確定し、B及びC名義の各登記を抹消することができなくなったとしても、AのB及びCに対する各請求は訴えの利益が認められる。

(R7 予備 第35問 エ)
甲建物について、XからYに所有権移転登記がされ、更にYからZに所有権移転登記がされた。Xは、XからYへの所有権移転登記はXに無断でされたものであり、Xが甲建物を所有していると主張して、Zを被告とし、YからZへの所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起したものの、Xの請求を棄却する判決が確定した。さらに、Xが、Yを被告として、XからYへの所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起した場合において、当該訴えには訴えの利益が認められる。

(正答)〇

(解説)
判例(最判昭41.3.18)は、「不動産登記の抹消登記手続を求める請求は…抹消登記の実行をもって、右判決の執行と考える必要はないから、右抹消登記の実行が可能であるかどうかによって、右抹消登記手続を求める請求についての訴の利益の有無が左右されるものではない。」としている。
したがって、本肢の事例において、Xは、甲建物についてZ名義の所有権移転登記を抹消することができないものの、XのYに対する所有権移転登記の抹消登記手続請求訴訟には、訴えの利益が認められる。
総合メモ