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民事訴訟法 反訴において訴訟物となっている債権を自働債権とし本訴において相殺の抗弁を主張することの可否 最二小判平成18年4月14日

概要
本訴及び反訴が係属中に、反訴原告が、反訴請求債権を自働債権とし、本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは、異なる意思表示をしない限り、反訴を、反訴請求債権につき本訴において相殺の自働債権として既判力ある判断が示された場合にはその部分を反訴請求としない趣旨の予備的反訴に変更するものとして、142条に反せず許される。
判例
事案:本訴被告(反訴原告)が、反訴請求債権を自働債権、本訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張した事案において、かかる相殺の抗弁が、142条との関係で許されるかが問題となった。

判旨:「本訴及び反訴が係属中に、反訴請求債権を自働債権とし、本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは禁じられないと解するのが相当である。この場合においては、反訴原告において異なる意思表示をしない限り、反訴は、反訴請求債権につき本訴において相殺の自働債権として既判力ある判断が示された場合にはその部分については反訴請求としない趣旨の予備的反訴に変更されることになるものと解するのが相当であって、このように解すれば、重複起訴の問題は生じないことになるからである。そして、上記の訴えの変更は、本訴、反訴を通じた審判の対象に変更を生ずるものではなく、反訴被告の利益を損なうものでもないから、書面によることを要せず、反訴被告の同意も要しないというべきである。
 本件については、前記事実関係及び訴訟の経過に照らしても、上告人らが本件相殺を抗弁として主張したことについて、上記と異なる意思表示をしたことはうかがわれないので、本件反訴は、上記のような内容の予備的反訴に変更されたものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(R2 予備 第40問 エ)
Xは、Yに対し、金銭債権である甲債権を、Yは、Xに対し、金銭債権である乙債権をそれぞれ有しており、甲債権と乙債権とは、相殺適状にあるところ、XがYに対して甲債権に基づく金銭の支払を求める訴え(以下「本件訴え」といい、本件訴えに係る訴訟を「本件訴訟」という。)を提起した。Yが本件訴えの反訴として乙債権に基づく金銭の支払を求める訴えを提起した場合において、Yが、Xの請求に対し、乙債権を自働債権とし、甲債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは、許されない。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.4.14)は、「本訴及び反訴が係属中に、反訴請求債権を自働債権とし、本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは禁じられない…。」としている。
したがって、Yが、Xの請求に対し、乙債権を自働債権とし、甲債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することも、142条に反せず許される。

(R4 予備 第36問 エ)
本訴及び反訴の係属中に、反訴原告が、反訴請求債権を自働債権とし、本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは、許されない。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.4.14)は、「本訴及び反訴が係属中に、反訴請求債権を自働債権とし、本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは禁じられない…。」としている。
したがって、本訴及び反訴の係属中に、反訴原告が、反訴請求債権を自働債権とし、本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することも、142条に反せず許される。
総合メモ
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