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訴え

第133条

条文
第133条(申立人の住所、氏名等の秘匿)
① 申立て等をする者又はその法定代理人の住所、居所その他その通常所在する場所(以下この項及び次項において「住所等」という。)の全部又は一部が当事者に知られることによって当該申立て等をする者又は当該法定代理人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることにつき疎明があった場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、住所等の全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。申立て等をする者又はその法定代理人の氏名その他当該者を特定するに足りる事項(次項において「氏名等」という。)についても、同様とする。
② 前項の申立てをするときは、同項の申立て等をする者又はその法定代理人(以下この章において「秘匿対象者」という。)の住所等又は氏名等(次条第2項において「秘匿事項」という。)その他最高裁判所規則で定める事項を書面により届け出なければならない。
③ 第1項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、当該申立てに係る秘匿対象者以外の者は、前項の規定による届出に係る書面(次条において「秘匿事項届出書面」という。)の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付の請求をすることができない。
④ 第1項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
⑤ 裁判所は、秘匿対象者の住所又は氏名について第1項の決定(以下この章において「秘匿決定」という。)をする場合には、当該秘匿決定において、当該秘匿対象者の住所又は氏名に代わる事項を定めなければならない。この場合において、その事項を当該事件並びにその事件についての反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する手続において記載したときは、この法律その他の法令の規定の適用については、当該秘匿対象者の住所又は氏名を記載したものとみなす。
過去問・解説
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第133条の2

条文
第133条の2(秘匿決定があった場合における閲覧等の制限の特則)
① 秘匿決定があった場合には、秘匿事項届出書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限る。
② 前項の場合において、裁判所は、申立てにより、決定で、訴訟記録等(訴訟記録又は第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。第133条の4第1項及び第2項において同じ。)中秘匿事項届出書面以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項が記載され、又は記録された部分(次項において「秘匿事項記載部分」という。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限ることができる。
③ 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、当該秘匿決定に係る秘匿対象者以外の者は、当該秘匿事項記載部分の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製の請求をすることができない。
④ 第2項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
過去問・解説
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第133条の3

条文
第133条の3(送達をすべき場所等の調査嘱託があった場合における閲覧等の制限の特則)
 裁判所は、当事者又はその法定代理人に対して送達をするため、その者の住所、居所その他送達をすべき場所についての調査を嘱託した場合において、当該嘱託に係る調査結果の報告が記載された書面が閲覧されることにより、当事者又はその法定代理人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることが明らかであると認めるときは、決定で、当該書面及びこれに基づいてされた送達に関する第109条の書面その他これに類する書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付の請求をすることができる者を当該当事者又は当該法定代理人に限ることができる。当事者又はその法定代理人を特定するため、その者の氏名その他当該者を特定するに足りる事項についての調査を嘱託した場合についても、同様とする。
過去問・解説
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第133条の4

条文
第133条の4(秘匿決定の取消し等)
① 秘匿決定、第133条の2第2項の決定又は前条の決定(次項及び第7項において「秘匿決定等」という。)に係る者以外の者は、訴訟記録等の存する裁判所に対し、その要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、その決定の取消しの申立てをすることができる。 
②  秘匿決定等に係る者以外の当事者は、秘匿決定等がある場合であっても、自己の攻撃又は防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、訴訟記録等の存する裁判所の許可を得て、第133条の2第1項若しくは第2項又は前条の規定により閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製の請求が制限される部分につきその請求をすることができる。 
③ 裁判所は、前項の規定による許可の申立てがあった場合において、その原因となる事実につき疎明があったときは、これを許可しなければならない。 
④ 裁判所は、第1項の取消し又は第2項の許可の裁判をするときは、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める者の意見を聴かなければならない。 
 一 秘匿決定又は第133条の2第2項の決定に係る裁判をするとき 当該決定に係る秘匿対象者
 二 前条の決定に係る裁判をするとき 当該決定に係る当事者又は法定代理人
⑤ 第1項の取消しの申立てについての裁判及び第2項の許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 
⑥ 第1項の取消し及び第2項の許可の裁判は、確定しなければその効力を生じない。 
⑦ 第2項の許可の裁判があったときは、その許可の申立てに係る当事者又はその法定代理人、訴訟代理人若しくは補佐人は、正当な理由なく、その許可により得られた情報を、当該手続の追行の目的以外の目的のために利用し、又は秘匿決定等に係る者以外の者に開示してはならない。 
過去問・解説
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第134条

条文
第134条(訴え提起の方式)
① 訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。 
② 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 
 一 当事者及び法定代理人
 二 請求の趣旨及び原因
過去問・解説
(H19 司法 第66問 1)
自然人を被告とする場合、通常は氏名と住所を訴状に記載して被告を特定するが、特定し得るのであれば、氏名の代わりに通称名を用いることができる。

(正答)

(解説)
134条2項は、柱書において、「訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。」と規定し、1号において、「当事者及び法定代理人」を掲げている。
そして、当事者の記載は、原告及び被告が他の者から識別できる程度に特定したものでなければならない。
したがって、特定の手段として、通常は氏名と住所を訴状に記載するが、特定し得るのであれば、氏名の代わりに通称名を用いることができる。

(H19 司法 第66問 3)
貸金返還請求訴訟の訴状に、弁済期の合意や弁済期の到来の事実の記載がなくても、契約当事者、貸付日及び貸付金額を記載することによって請求が特定されれば、補正を命じた上での訴状却下命令をすることはできない。

(正答)

(解説)
134条2項は、柱書において、「訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。」と規定し、2号において、「請求の…原因」を掲げている。
そして、請求の原因とは、「請求を特定するのに必要な事実」(民事訴訟規則53条1項括弧書)を指す。
したがって、弁済期の合意や弁済期の到来の事実の記載がなくても、契約当事者、貸付日及び貸付金額を記載することによって請求が特定されれば、134条2項2号の要件を満たし、補正を命じた上での訴状却下命令をすることはできない。

(H21 司法 第58問 ア)
株式会社の代表者の記載は訴状の必要的記載事項であり、これを欠く場合には、補正されない限り、訴状が却下される。

(正答)

(解説)
134条2項は、柱書において、「訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。」と規定し、1号において、「当事者及び法定代理人」を掲げている。
また、37条は、「この法律中…法定代理人に関する規定は、法人の代表者…について準用する。」と規定している。
したがって、株式会社の代表者の記載は必要的記載事項である。
そして、137条は、1項において、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
よって、株式会社の代表者の記載を欠く場合には、補正されない限り、137条2項に基づき訴状が却下される。

(H27 予備 第35問 1)
XはYに対して、甲土地の所有権確認を求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起した。
訴状の請求の趣旨欄に「『Xが甲土地の所有権を有することを確認する。』との判決を求める。」との記載があれば、請求の原因欄に甲土地の所有権の取得原因事実の記載がなくても、そのことは訴状の補正を命じる理由にはならない。

(正答)

(解説)
134条2項は、柱書において、「訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。」と規定し、2号において、「請求の趣旨及び原因」を掲げている。
そして、請求の原因とは、「請求を特定するのに必要な事実」(民事訴訟規則53条1項括弧書)を指す。
本肢における訴えは甲土地の所有権確認の訴えであるところ、訴状の請求の趣旨欄に「『Xが甲土地の所有権を有することを確認する。』との判決を求める。」との記載があれば、Xの請求が甲土地の所有権確認請求であることは特定できている。
したがって、請求の原因が記載されたこととなる。
よって、請求の原因欄に甲土地の所有権の取得原因事実の記載がなくても134条2項2号に違反せず、そのことは訴状の補正を命じる理由にはならない。
総合メモ

第134条の2

条文
第134条の2(証書真否確認の訴え)
 確認の訴えは、法律関係を証する書面の成立の真否を確定するためにも提起することができる。
過去問・解説
(H23 共通 第67問 2)
法律関係を証する書面の成立の真否を確定するために確認の訴えを提起することはできない。

(正答)

(解説)
134条の2は、「確認の訴えは、法律関係を証する書面の成立の真否を確認するためにも提起することができる。」と規定している。

(H25 予備 第37問 4)
郵便に付した信書で過去の事実を報告するものが偽造であることの確認を求める訴えについて、確認の利益が認められることはない。

(正答)

(解説)
確認の訴えの対象は、現在の権利又は法律関係の存否に限られるのが原則であり、事実の存否の確認を求める訴えは、原則として許されない。
もっとも、134条の2は、「確認の訴えは、法律関係を証する書面の成立の真否を確定するためにも提起することができる。」と規定し、例外的に書面の成立の真否という事実の確認の訴え(証書真否確認の訴え)を認めている。
同条にいう、「法律関係を証する書面」とは、それ自体で現在の法律関係を証明するのに直接役立つ書面をいい、郵便に付した信書で単に過去の事実を報告するものはこれに含まれない。
したがって、郵便に付した信書で過去の事実を報告するものが偽造であることの確認を求める訴えは、同条の対象とならず、他に確認の利益が認められることはない。
総合メモ

第135条

条文
第135条(将来の給付の訴え)
 将来の給付を求める訴えは、あらかじめその請求をする必要がある場合に限り、提起することができる。
過去問・解説
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第136条

条文
第136条(請求の併合)
 数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、1の訴えですることができる。
過去問・解説
(H18 司法 第71問 1)
数個の請求についての審判を求める一の訴えを提起するには、その請求の基礎が同一でなければならない。

(正答)

(解説)
136条は、「数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、1の訴えですることができる。」と規定している。また、7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、4条から前条まで(6条3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。
このように、請求の併合について、「同種の訴訟手続による場合」等の要件は定められているが、請求の基礎の同一性は要求されていない。
したがって、数個の請求についての審判を求める一の訴えを提起するには、その請求の基礎が同一である必要はない。

(H19 司法 第59問 1)
同一の相手方に対し、貸金債権と、それとは無関係に成立した売買代金債権とを有する者は、当初から1の訴えでこれらの貸金の返還及び売買代金の支払を求めることができる。

(正答)

(解説)
136条は、「数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、1の訴えですることができる。」と規定している。
そして、同一の相手方に対する貸金債権と売買代金債権は、いずれも通常の民事訴訟手続という同種の訴訟手続で審理されるため、請求の基礎が同一でなくても1の訴えですることができる。
したがって、同一の相手方に対し、貸金債権と、それとは無関係に成立した売買代金債権とを有する者は、当初から1の訴えでこれらの貸金の返還及び売買代金の支払を求めることができる。

(H24 共通 第72問 1)
請求の予備的併合及び選択的併合においては、弁論を分離することは許されない。

(正答)

(解説)
選択的併合は、両立し得る数個の請求につき、そのうちのいずれか1つの認容を解除条件として他の請求の審判を求める併合形態であり、予備的併合は、両立し得ない数個の請求につき、主位的請求の認容を解除条件として予備的請求の審判を求める併合形態である。これらはいずれも、数個の請求について互いに矛盾のない統一的な審理及び裁判をすることが目的とされているため、口頭弁論を分離(152条1項)することは許されないと解されている。

(H26 共通 第60問 2)
土地の所有者が地上建物の所有者に対して建物収去土地明渡しを求める訴えを当該土地の所在地を管轄する裁判所に提起する場合には、原告は、被告に対する貸金返還請求を併合することができない。

(正答)

(解説)
136条は、「数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、1の訴えですることができる。」と規定している。また、7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、4条から前条まで(6条3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。
そして、建物収去土地明渡請求と貸金返還請求は、共に通常の民事訴訟手続で審判されるため、「同種の訴訟手続による場合」に当たり、かつ、いずれも他の裁判所の専属管轄に属さず、法令上併合が禁止されてもいない。
したがって、土地の所在地を管轄する裁判所に建物収去土地明渡請求の訴えを提起する場合、これに併合して貸金返還請求の訴えを提起することができる。

(H26 共通 第60問 3)
土地の明渡請求と当該土地の明渡しまでの賃料に相当する額の損害の賠償請求とが1の訴えでされた場合には、裁判所は、各請求について判決をする必要がある。

(正答)

(解説)
単純併合とは、原告が数個の請求を並列的に主張し、そのすべてについて無条件に審判を求める併合形態である。
そして、土地の明渡請求と当該土地の明渡しまでの賃料に相当する額の損害の賠償請求とが1の訴えでされた場合、両請求は単純併合の関係に立つ。また、単純併合の場合、裁判所は、併合された各請求のすべてについて判決をする必要がある。
したがって、土地の明渡請求と当該土地の明渡しまでの賃料に相当する額の損害の賠償請求とが1の訴えでされた場合には、裁判所は、各請求について判決をする必要がある。

(H26 共通 第60問 4)
消費貸借契約に基づく貸金100万円の支払請求と、仮に当該契約が無効であるときには不当利得として同額の支払を求める請求とが1の訴えでされた場合において、裁判所は、前者の請求を認容するときは、後者の請求について判決をする必要はない。

(正答)

(解説)
予備的併合は、両立し得ない数個の請求につき、主位的請求の認容を解除条件として予備的請求の審判を求める併合形態である。
本肢における消費貸借契約に基づく貸金100万円の支払請求(主位的請求)と、仮に当該契約が無効であるときには不当利得として同額の支払を求める請求(予備的請求)とが1の訴えでされた場合、両請求は予備的併合の関係に立つ。そして、予備的併合において主位的請求を認容する場合には、予備的請求についての審判の解除条件が成就するため、裁判所は予備的請求について判決をする必要はない。
したがって、裁判所は、前者の請求を認容するときは、後者の請求について判決をする必要はない。

(H26 共通 第60問 5)
不特定物の引渡しの請求とその執行不能の場合における代償請求とが1の訴えでされた場合において、裁判所は、前者の請求を認容するときは、後者の請求について判決をする必要はない。

(正答)

(解説)
不特定物の引渡しの請求と、その執行不能の場合における代償請求とが1の訴えでされた場合、両請求の併合形態は単純併合に当たる。そして、単純併合の場合、裁判所は、併合された各請求のすべてについて判決をする必要があるため、前者の請求を認容するときにも、執行不能の場合に備えて後者の代償請求について判決をしなければならない。

(R5 予備 第38問 ア)
原告が被告に対して、主位的に売買契約に基づき代金の支払を求めるとともに、売買契約が無効であると判断される場合に備えて、主位的請求が認容されることを解除条件として、予備的に所有権に基づき目的物の返還を求めた場合には、裁判所は、目的物の返還請求権の存否に先立って、売買代金の支払請求権の存否について判断しなければならない。

(正答)

(解説)
予備的併合は、両立し得ない数個の請求につき、主位的請求の認容を解除条件として予備的請求の審判を求める併合形態である。そして、予備的併合において、原告が主位的請求と予備的請求との間に付けた審判の順位は裁判所を拘束するため、裁判所は、主位的請求の存否について先に判断し、それが理由がないと判断した場合にのみ、予備的請求について判断しなければならない。
したがって、原告が被告に対して、主位的に売買契約に基づき代金の支払を求めるとともに、売買契約が無効であると判断される場合に備えて、主位的請求が認容されることを解除条件として、予備的に所有権に基づき目的物の返還を求めた場合には、裁判所は、目的物の返還請求権の存否に先立って、売買代金の支払請求権の存否について判断しなければならない。
総合メモ

第137条

条文
第137条(裁判長の訴状審査権)
① 訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律(昭和46年法律第40号)の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。
② 前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。
③ 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。
過去問・解説
(H22 共通 第57問 イ)
裁判所書記官は、自ら訴状を審査し、不備があれば補正を命ずることができる。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条1項前段は、「訴状が第134条2項の規定に違反する合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。
したがって、訴状の審査及び補正命令は、裁判所書記官ではなく裁判長が行う。

(H22 共通 第59問 ア)
訴状に、被告である株式会社の代表者の記載がない場合、相当の期間を定めてその期間に不備を補正すべきことを命じた上でなければ、訴状を却下することはできない。

(正答)

(解説)
134条2項1号は、訴状の必要的記載事項の1つとして、「当事者及び法定代理人」を掲げている。
したがって、訴状には、被告である株式会社の法定代理人である代表者の記載が必要となる。
そして、137条は、1項前段において、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
また、株式会社の代表者の記載がない場合は、37条が準用する134条2項1号の規定に違反する場合に当たるため、裁判長はまず補正を命じなければならない。
よって、訴状に、被告である株式会社の代表者の記載がない場合、相当の期間を定めてその期間に不備を補正すべきことを命じた上でなければ、訴状を却下することはできない。

(H22 共通 第59問 イ)
原告が、訴えの提起の手数料を納付しない場合、直ちに訴状を却下することができる。

(正答)

(解説)
137条1項は、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律…の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。」と規定している。
したがって、原告が訴えの提起の手数料を納付しない場合には、裁判長は直ちに訴状を却下するのではなく、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。

(H22 共通 第59問 ウ)
訴状を却下する命令が確定した場合、原告は、その不備を補正した上で、再度訴えを提起することは妨げられない。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条は、1項前段において、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
137条2項に基づく訴状却下命令は、訴訟係属前に行われるものであるため、これが確定した場合であっても既判力は生じない。
したがって、原告は、その不備を補正した上で、再度訴えを提起することは妨げられない。

(H22 共通 第59問 オ)
訴えが提起された場合、被告にも判決を受ける利益があるから、訴状を却下する命令を発するためには、被告の意見を聴かなければならない。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条は、1項前段において、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
したがって、訴状却下命令を発するに当たり、被告の意見を聴くことは要件とされていない。

(H23 共通 第61問 1)
訴状審査の結果として訴状に不備があることが判明した場合の補正命令は、裁判所書記官がする。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条1項前段は、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。
したがって、訴状に不備があることが判明した場合の補正命令は、裁判所書記官ではなく裁判長がする。

(H23 共通 第61問 2)
訴状審査の結果、訴えが不適法でその不備を補正することができないことが判明した場合、裁判長は、直ちに訴えを却下することができる。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条2項は、「原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
したがって、訴状審査の結果、不備を補正することができないことが判明した場合には、裁判所が判決で訴えを却下するのではなく、裁判長が命令で訴状を却下する。

(H23 共通 第61問 3)
訴状審査の結果として訴状が却下された場合、訴えの提起による時効の完成猶予の効力が生じない。

(正答)

(解説)
民法147条1項柱書は、「次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から6箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。」と規定し、1号において、「裁判上の請求」を掲げている。
したがって、裁判上の請求たる訴えの提起による時効の完成猶予の効力は、訴えの却下や訴状が却下された場合であっても、その終了の時から6箇月を経過するまでは継続する。

(H23 共通 第61問 4)
訴状における立証方法に関する記載も、訴状審査の対象となる。

(正答)

(解説)
137条1項前段は、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。
そして、134条2項は、訴状の必要的記載事項について、「当事者及び法定代理人」に加え、「請求の趣旨及び原因」を掲げているものの、立証方法の記載(民事訴訟規則53条1項)は含まれていない。
したがって、訴状における立証方法に関する記載は、訴状の必要的記載事項の欠缺を調べる訴状審査の対象とはならない。

(H23 共通 第61問 5)
当事者が法人である場合において、訴状にその代表者の記載があるかどうかは、訴状審査の対象となる。

(正答)

(解説)
134条2項は、柱書において、「訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。」と規定し、1号において、「当事者及び法定代理人」を掲げている。
また、37条が準用する134条2項1号の規定により、法人の代表者の記載は「法定代理人」の記載として訴状の必要的記載事項となるため、その記載があるかどうかは裁判長の訴状審査の対象となる。
したがって、当事者が法人である場合において、訴状にその代表者の記載があるかどうかは、訴状審査の対象となる。

(H24 共通 第56問 4)
訴状が被告に送達された後は、その訴状に不備があっても、命令で訴状を却下することはできない。

(正答)

(解説)
137条2項は、「原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
この訴状却下命令は、訴状の送達前に行われる訴状審査の段階における裁判長の権限である。
そして、訴状送達により二当事者対立構造が成立し訴訟係属が生じた後は、訴状の不備は訴えの不適法事由となるため、裁判長による訴状却下命令ではなく、裁判所による訴え却下判決によることとなる。
したがって、訴状が被告に送達された後は、その訴状に不備があっても、命令で訴状を却下することはできない。

(H25 共通 第69問 ア)
訴訟物が特定されない訴状は、裁判長の命令にもかかわらず原告がその不備を補正しないときは、裁判長の命令により却下される。

(正答)

(解説)
134条2項は、柱書において、「訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。」と規定し、2号において、「請求の趣旨及び原因」を掲げている。
したがって、訴訟物が特定されない訴状は、「請求の趣旨及び原因」が記載されていないことになり、134条2項の規定に違反する。
また、137条は、1項前段において、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
よって、訴訟物が特定されない訴状は、裁判長の命令にもかかわらず原告がその不備を補正しないときは、裁判長の命令により却下される。

(H26 共通 第62問 1)
訴状の審査は、受訴裁判所が行う。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条1項は、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。
したがって、訴状の審査は、受訴裁判所ではなく、裁判長が行う。

(H26 共通 第62問 2)
証拠の引用又は添付の不備は、補正命令の対象となる。

(正答)

(解説)
137条1項前段は、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。そして、134条2項各号で訴状の必要的記載事項として掲げられているのは、「当事者及び法定代理人」と「請求の趣旨及び原因」のみである。
したがって、134条2項の規定する訴状の必要的記載事項には、証拠の引用や添付に関する事項は含まれていない。
よって、証拠の引用又は添付の不備は同項の規定に違反する場合に当たらず、裁判長による補正命令の対象とはならない。

(H26 共通 第62問 5)
訴状を却下する命令に対しては、不服を申し立てることができない。

(正答)

(解説)
137条は、2項において、「原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定し、3項において、「前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。
したがって、訴状を却下する命令に対しては、即時抗告により不服を申し立てることができる。

(H28 予備 第35問 オ)
訴状は、第1回の口頭弁論期日後は、これを却下することができない。

(正答)

(解説)
137条2項は、裁判長の訴状審査による訴状却下命令について規定している。この訴状却下命令は、訴訟係属時である被告への訴状送達時前に行われるものである。
これに対し、140条は、「訴えが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。」と規定し、訴訟係属後の訴え却下判決について規定している。
そして、訴状送達により訴訟係属が生じた後である第1回の口頭弁論期日後においては、訴状却下命令ではなく訴え却下判決によるため、訴状を却下することはできない。
したがって、訴状は、第1回の口頭弁論期日後は、これを却下することができない。

(H30 予備 第43問 ア)
簡易裁判所の裁判官の訴状却下命令に対しては、地方裁判所に即時抗告をすることができる。

(正答)

(解説)
137条3項は、同条2項に基づく訴状却下命令について、「前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。
そして、裁判所法24条4号は、地方裁判所が管轄を有する場合の1つとして、「簡易裁判所の決定及び命令に対する抗告」を掲げている。
したがって、簡易裁判所の裁判官の訴状却下命令に対する即時抗告は、地方裁判所にすることとなる。

(R5 予備 第37問 エ)
裁判長が訴状の補正を命じた場合に、原告は、その補正命令に対して不服を申し立てることができない。

(正答)

(解説)
137条3項は、同条2項に基づく訴状却下命令について、「前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。もっとも、同条1項に基づく裁判長による補正命令に対して、不服申立てを認める規定は存在しない。
したがって、裁判長が訴状の補正を命じた場合に、原告は、その補正命令に対して不服を申し立てることはできない。

(R5 予備 第37問 オ)
訴え提起の手数料の納付を命ずる補正命令を受けた者が、当該命令において定められた期間内にこれを納付しなかった場合であっても、訴状却下命令が発せられる前にこれを納付したときは、裁判長は、訴状を却下することはできない。

(正答)

(解説)
137条は、1項において、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律…の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
そして、この規定により訴状を却下することができるのは、補正命令において定められた期間内に不備が補正されなかったことだけでなく、現に訴状却下命令を発する時点においても不備が補正されていないことが必要であると解されている。
したがって、当該命令において定められた期間内にこれを納付しなかった場合であっても、訴状却下命令が発せられる前にこれを納付したときは不備が補正されたこととなるため、裁判長は訴状を却下することはできない。
総合メモ

第138条

条文
第138条(訴状の送達)
① 訴状は、被告に送達しなければならない。
② 前条の規定は、訴状の送達をすることができない場合(訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。
過去問・解説
(H24 共通 第56問 1)
裁判長が補正を命じても訴状の送達をすることができない場合には、その訴状は、命令で、却下される。

(正答)

(解説)
138条2項は、「前条の規定は、訴状の送達をすることができない場合…について準用する。」と規定している。そして、137条は、1項前段において、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
したがって、裁判長が補正を命じても訴状の送達をすることができない場合には、その訴状は、裁判長の命令で却下される。

(R5 予備 第37問 イ)
訴状において、被告の現住所の記載を欠くものの、旧住所の記載によって被告の特定ができる場合には、被告の現住所が明らかでないことにより訴状を被告に送達することができなかったとしても、裁判長は、補正を命ずることはできない。

(正答)

(解説)
138条2項は、「前条の規定は、訴状の送達をすることができない場合…について準用する。」と規定している。そして、137条1項前段は、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。
したがって、被告の現住所が明らかでないことにより訴状を被告に送達することができないときは、裁判長は原告に対し不備の補正を命じなければならない。

(R6 予備 第45問 2)
裁判所は、訴状の送達に必要な費用の予納を相当の期間を定めて原告に命じたにもかかわらず、その予納がないときは、決定で、訴状を却下しなければならない。

(正答)

(解説)
138条2項は、「前条の規定は、訴状の送達をすることができない場合(訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。」と規定している。そして、137条2項は、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
したがって、訴状の送達に必要な費用の予納を相当の期間を定めて原告に命じたにもかかわらず、その予納がないときは、裁判所が決定で却下するのではなく、裁判長が命令で訴状を却下しなければならない。
総合メモ

第139条

条文
第139条(口頭弁論期日の指定)
 訴えの提起があったときは、裁判長は、口頭弁論の期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。
過去問・解説
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総合メモ

第140条

条文
第140条(口頭弁論を経ない訴えの却下)
 訴えが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。
過去問・解説
(H21 司法 第59問 4)
訴え提起の手数料の納付額の不足が訴状送達後に明らかになり、裁判所が原告に不足分の納付を命じたが、原告がこれに従わない場合、訴え却下の判決をすべき場合に当たらない。

(正答)

(解説)
137条は、1項前段において、「民事訴訟費用等に関する法律…に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「137条1項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
そして、この裁判長による訴状却下命令は、訴状送達前の訴状審査の段階における権限である。
また、訴状送達により訴訟係属が生じた後は、手数料の納付額の不足等の不備は訴えの不適法事由となる。
加えて、140条は、「訴えが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。」と規定している。
したがって、手数料の納付額の不足等の不備は、訴え却下の判決をすべき場合にあたる。
よって、手数料の納付額の不足が訴状送達後に明らかになり、裁判所が不足分の納付を命じたが原告がこれに従わない場合には、不備を補正することができないときに当たる。
以上より、訴え提起の手数料の納付額の不足が訴状送達後に明らかになり、裁判所が原告に不足分の納付を命じたが、原告がこれに従わない場合、裁判所が訴え却下の判決をすべき場合に当たる。

(H22 共通 第59問 エ)
提訴期間が法律で定められている事件の訴えが、提訴期間経過後に提起された場合、直ちに訴状を却下することができる。

(正答)

(解説)
137条は、1項前段において、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
これに対し、140条は、「訴えが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。」と規定している。
そして、提訴期間が法律で定められている事件において提訴期間経過後に提起された訴えは不適法となるが、これは訴状の必要的記載事項の欠缺ではないため、裁判長が命令で訴状を却下するのではなく、裁判所が判決で訴えを却下することとなる。

(H26 共通 第62問 4)
訴状が被告に送達された後は、訴状を却下することができない。

(正答)

(解説)
137条2項は、「原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
そして、この裁判長による訴状却下命令は、訴状の送達前に行われる訴状審査の段階における権限である。
また、訴状送達により二当事者対立構造が成立し訴訟係属が生じた後は、訴状の不備は訴えの不適法事由となるため、裁判長による訴状却下命令ではなく、裁判所による訴え却下判決によることとなる。
したがって、訴状が被告に送達された後は、訴状を却下することができない。

(R1 予備 第36問 2)
第1審裁判所は、訴えが不適法であると認める場合には、口頭弁論を経ずに判決で訴えを却下しなければならない。

(正答)

(解説)
140条は、「訴えが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。」と規定している。
したがって、第1審裁判所は、訴えが不適法であると認める場合には、口頭弁論を経ずに判決で訴えを却下することができるのであって、必ずしも却下しなければならないわけではない。
総合メモ

第141条

条文
第141条(呼出費用の予納がない場合の訴えの却下)
① 裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて原告に命じた場合において、その予納がないときは、被告に異議がない場合に限り、決定で、訴えを却下することができる。
② 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
過去問・解説
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総合メモ

第142条

条文
第142条(重複する訴えの提起の禁止)
 裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。
過去問・解説
(H21 司法 第59問 5)
債権者が債権者代位権に基づき第三債務者に対して売買代金の支払を求める訴えを提起した後に、債務者が第三債務者に対して同一の売買代金の支払を求める訴えを別訴として提起した場合、訴え却下の判決をすべき場合に当たらない。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
そして、重複する訴えに当たるか否かは、事件の同一性を基準とし、当事者の同一性及び審判対象の同一性をもって判断される。また、この判断は、重複起訴の禁止の趣旨である訴訟経済、相手方の応訴の煩の防止、判決の矛盾抵触の回避という観点から、実質的になされる。 
本肢において、債権者が提起した債権者代位訴訟と、債務者が提起した別訴とでは、原告が異なるため、形式的には当事者の同一性は認められない。
もっとも、115条1項2号は、確定判決の効力が及ぶ者の1つとして、「当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人」を掲げており、債権者代位訴訟の既判力は債務者にも及ぶことから、実質的に当事者の同一性が認められる。
また、審判対象はともに債務者の第三債務者に対する売買契約に基づく代金支払請求権であるため、審判対象の同一性も認められる。
したがって、債権者代位訴訟における、債務者による別訴の提起は、142条に違反する。
よって、債権者が債権者代位権に基づき第三債務者に対して売買代金の支払を求める訴えを提起した後に、債務者が第三債務者に対して同一の売買代金の支払を求める訴えを別訴として提起した場合、不適法な訴えとして訴え却下の判決をすべき場合に当たる。

(H23 予備 第45問 1)
Aに対して売買代金債権を有すると主張するXが、Aに代位して、AのYに対する貸金債権に基づき、Yに対して当該貸金の返還を求める訴えを提起した。
当該訴訟の係属中に、AがYを被告として、XがYに対して求めているのと同一の貸金の返還を求める別訴を提起した場合には、Aの別訴は、重複する訴えの提起として却下される。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
そして、重複する訴えに当たるか否かは、事件の同一性を基準とし、当事者の同一性及び審判対象の同一性をもって判断される。
また、この判断は、重複起訴の禁止の趣旨である訴訟経済、相手方の応訴の煩の防止、判決の矛盾抵触の回避という観点から、実質的になされる。
本肢において、債権者Xが提起した債権者代位訴訟と、債務者Aが提起した別訴とでは、原告が異なるため形式的には当事者の同一性は認められない。
もっとも、115条1項2号は、確定判決の効力が及ぶ者の1つとして、「当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人」を掲げており、債権者代位訴訟の既判力は債務者Aにも及ぶことから、債務者に別訴提起を許すと既判力の矛盾抵触のおそれがあるため、実質的に当事者の同一性が認められる。
また、審判対象はともにAのYに対する貸金返還請求権であるため、審判対象の同一性も認められる。
したがって、債権者Xから第三債務者Yへの訴えと、債務者Aから第三債務者Yへの訴えは事件の同一性が認められ、142条に反するため、Aの別訴は、重複する訴えの提起として却下される。

(H28 予備 第37問 ア)
XのYに対する不動産の所有権確認請求訴訟の係属中に、XがZに対して当該不動産の所有権の確認を求める別訴を提起することは、許されない。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
そして、重複する訴えに当たるか否かは、事件の同一性を基準とし、当事者の同一性及び審判対象の同一性をもって判断される。
本肢において、 XのYに対する不動産の所有権確認請求訴訟と、XのZに対する同不動産の所有権確認請求訴訟とでは、被告がそれぞれY、Zであり異なるため、当事者の同一性が認められない。
したがって、XのYに対する不動産の所有権確認請求訴訟の係属中に、XがZに対して当該不動産の所有権の確認を求める別訴を提起することは、142条に反せず許される。

(H28 予備 第37問 イ)
XのYに対する貸金300万円の債務不存在確認請求訴訟の係属中に、YがXに対し当該貸金の返還を求める別訴を提起することは、許されない。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
そして、重複する訴えに当たるか否かは、事件の同一性を基準とし、当事者の同一性及び審判対象の同一性をもって判断される。
本肢において、XのYに対する貸金債務不存在確認請求訴訟と、YのXに対する当該貸金の返還請求訴訟とでは、原告と被告の立場が入れ替わっているものの、当事者はともにX及びYであるため、当事者の同一性が認められる。
また、前訴の審判対象はYのXに対する貸金返還請求権の不存在であり、後訴の審判対象はYのXに対する貸金返還請求権の存在であるから、審判対象の同一性も認められる。
したがって、XのYに対する貸金300万円の債務不存在確認請求訴訟の係属中に、YがXに対し当該貸金の返還を求める別訴を提起することは、142条に反し許されない。

(H28 予備 第37問 エ)
XのYに対する土地の所有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟の係属中に、YがXに対し当該土地の所有権の確認を求める別訴を提起することは、許されない。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
そして、重複する訴えに当たるか否かは、事件の同一性を基準とし、当事者の同一性及び審判対象の同一性をもって判断される。
本肢において、XのYに対する土地の所有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟と、YのXに対する当該土地の所有権確認請求訴訟とでは、原告と被告の立場が入れ替わっているものの、当事者はともにX及びYであるため当事者の同一性が認められる。
しかし、前訴の審判対象はXの土地所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権移転登記手続請求権であるのに対し、後訴の審判対象はYの土地所有権であるため、審判対象の同一性が認められない。 
したがって、XのYに対する土地の所有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟の係属中に、YがXに対し当該土地の所有権の確認を求める別訴を提起することは、142条に反せず許される。

(R4 予備 第36問 ア)
重複する訴えに当たるか否かの審理においては、職権証拠調べをすることができる。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
そして、重複する訴えの提起の禁止の規定に違反しないことは、公益性の高い訴訟要件であり、当事者の抗弁を待たずに裁判所が職権で調査しなければならない職権調査事項である。また、このような公益性の高い事項については、裁判所が職権で事実及び証拠の収集を行う職権探知主義が妥当すると解されている。
したがって、重複する訴えに当たるか否かの審理においては、職権証拠調べをすることができる。

(R4 予備 第36問 ウ)
原告の被告に対する土地所有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟の係属中に、被告が原告を相手方として、同一の土地について自己の所有権確認を求める訴えを提起することは、許される。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
そして、重複する訴えに当たるか否かは、事件の同一性を基準とし、当事者の同一性及び審判対象の同一性をもって判断される。
本肢において、原告の被告に対する土地所有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟と、被告の原告に対する自己の所有権確認請求訴訟とでは、原告と被告の立場が入れ替わっているものの、当事者は同一である。
しかし、前訴の訴訟物は所有権移転登記手続請求権であるのに対し、後訴の訴訟物は土地所有権であるため、審判対象の同一性が認められない。
したがって、原告の被告に対する土地所有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟の係属中に、被告が原告を相手方として、同一の土地について自己の所有権確認を求める訴えを提起することは、142条に反せず許される。

(R5 予備 第39問 4)
Xは、Yに対し、300万円を貸し付けたと主張して、消費貸借契約に基づく貸金返還請求として300万円の支払を求める訴えを甲裁判所に提起した(以下、この消費貸借契約を「本件消費貸借契約」といい、この訴えを「本件訴え」という。)。
Xが、乙裁判所にも、Yを被告とする本件消費貸借契約に基づく300万円の貸金の返還を求める訴えを提起し、その訴訟が係属中であるにもかかわらず、更に本件訴えを提起したことが判明した場合には、甲裁判所は、X及びYが乙裁判所に本件消費貸借契約に基づく貸金返還訴訟が先に係属していた事実を主張していないときであっても、本件訴えを却下することができる。

(正答)

(解説)
142条は、「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」と規定している。
そして、この重複する訴えの提起の禁止の規定に違反しないことは消極的訴訟要件であり、当事者の抗弁を待たずに裁判所が職権で調査しなければならない職権調査事項であると解されている。
また、職権調査事項については職権探知主義が妥当するため、裁判所は当事者の主張に拘束されず、職権で事実を認定することができる。
したがって、甲裁判所は、X及びYが乙裁判所に本件消費貸借契約に基づく貸金返還訴訟が先に係属していた事実を主張していないときであっても、職権で前訴係属の事実を認定し、不適法な訴えとして本件訴えを却下することができる。
総合メモ

第143条

条文
第143条(訴えの変更)
① 原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。ただし、これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない。
② 請求の変更は、書面でしなければならない。
③ 前項の書面は、相手方に送達しなければならない。
④ 裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない。
過去問・解説
(H19 司法 第59問 2)
訴えの変更及び反訴の提起は、攻撃防御方法の提出ではないので、訴訟手続を著しく遅滞させることになることを理由に不適法とされることはない。

(正答)

(解説)
143条1項は、訴えの変更について、本文において、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定する一方で、但書において、「これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない。」と規定している。
また、146条1項は、反訴の提起について、柱書において、「被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。」と規定し、2号において、「反訴の提起により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき。」を掲げている。
したがって、訴えの変更及び反訴の提起は、訴訟手続を著しく遅滞させることになることを理由に不適法とされることがある。

(H26 共通 第61問 2)
訴えの変更は、相手方の陳述した事実に基づいてする場合であっても、著しく訴訟手続を遅滞させるときは、許されない。

(正答)

(解説)
143条1項は、本文において、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定する一方で、但書において、「これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない。」と規定している。
したがって、訴えの変更は、たとえ相手方の陳述した事実に基づいてする場合であっても、著しく訴訟手続を遅滞させるときは、許されない。

(H28 予備 第38問 3)
訴えの変更は、著しく訴訟手続を遅滞させる場合であっても、相手方の同意があるときは、許される。

(正答)

(解説)
143条1項は、本文において、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定する一方で、但書において「ただし、これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない。」と規定している。
そして、訴訟手続の遅滞を防ぐことは公益的な要請であるため、著しく訴訟手続を遅滞させる場合には、相手方の同意があったとしても、訴えの変更は許されないと解されている。

(H28 予備 第38問 5)
訴えの変更を許さない旨の決定に対しては、独立の不服申立てをすることができない。

(正答)

(解説)
143条4項は、「裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない。」と規定している。
そして、この決定に対しては、即時抗告等の独立の不服申立てを認める規定が存在しない。
したがって、訴えの変更を許さない旨の決定に対しては、独立の不服申立てをすることができない。

(R1 予備 第35問 3)
裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない。

(正答)

(解説)
143条4項は、「裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない。」と規定している。

(R4 予備 第37問 2)
訴えの変更を許さない旨の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(正答)

(解説)
143条4項は、「裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない。」と規定している。
そして、この決定に対しては、即時抗告等の独立の不服申立てを認める規定が存在しない。
したがって、訴えの変更を許さない旨の決定に対しては、即時抗告をすることができない。

(R4 予備 第37問 3)
訴えの変更について、相手方が同意した場合には、著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときであっても、裁判所は、これを許さなければならない。

(正答)

(解説)
143条1項は、本文において、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定する一方で、但書において、「これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない。」と規定している。
そして、訴訟手続の遅滞を防ぐことは公益的な要請であるため、著しく訴訟手続を遅滞させる場合には、相手方の同意があったとしても、訴えの変更は許されない。

(R4 予備 第37問 5)
控訴審においては、訴えの変更をすることができない。

(正答)

(解説)
143条1項本文は、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定している。
そして、同条は第1審の訴訟手続に関する規定であるが、297条本文の「前編第1章から第7章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。」という規定により、控訴審においても準用される。
また、控訴審は事実審であって、口頭弁論が行われる。
したがって、控訴審においても、口頭弁論の終結に至るまで、訴えの変更をすることができる。
総合メモ

第144条

条文
第144条(選定者に係る請求の追加)
① 第30条第3項の規定による原告となるべき者の選定があった場合には、その者は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者のために請求の追加をすることができる。
② 第30条第3項の規定による被告となるべき者の選定があった場合には、原告は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者に係る請求の追加をすることができる。
③ 前条第1項ただし書及び第2項から第4項までの規定は、前2項の請求の追加について準用する。
過去問・解説
(H26 共通 第58問 3)
第三者が係属中の訴訟の原告を自己のためにも原告となるべき者として選定した場合には、選定当事者は、その選定者のために請求の追加をすることができる。

(正答)

(解説)
30条3項は、「係属中の訴訟の原告又は被告と共同の利益を有する者で当事者でないものは、その原告又は被告を自己のためにも原告又は被告となるべき者として選定することができる。」と規定し、144条1項は、「第30条第3項の規定による原告となるべき者の選定があった場合には、その者は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者のために請求の追加をすることができる。」と規定している。

(R1 予備 第35問 1)
係属中の訴訟の被告と共同の利益を有する者であって当事者でないものが、当該被告を自己のためにも被告となるべき者として選定した場合に、原告は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者に係る請求の追加をすることができる。

(正答)

(解説)
30条3項は、「係属中の訴訟の…被告と共同の利益を有する者で当事者でないものは、その…被告を自己のためにも…被告となるべき者として選定することができる。」と規定し、144条2項は、「第30条第3項の規定による被告となるべき者の選定があった場合には、原告は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者に係る請求の追加をすることができる。」と規定している。

(R5 予備 第32問 2)
第三者が係属中の訴訟の原告を選定当事者として選定した場合には、選定当事者は、口頭弁論の終結に至るまで、選定者となった当該第三者のために請求の追加をすることができる。

(正答)

(解説)
30条3項は、「係属中の訴訟の原告又は被告と共同の利益を有する者で当事者でないものは、その原告又は被告を自己のためにも原告又は被告となるべき者として選定することができる。」と規定している。そして、144条1項は、「30条3項の規定による原告となるべき者の選定があった場合には、その者は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者のために請求の追加をすることができる。」と規定している。
総合メモ

第145条

条文
第145条(中間確認の訴え)
① 裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。ただし、その確認の請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するときは、この限りでない。
② 前項の訴訟が係属する裁判所が第6条第1項各号に定める裁判所である場合において、前項の確認の請求が同条第1項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。
③ 日本の裁判所が管轄権の専属に関する規定により第1項の確認の請求について管轄権を有しないときは、当事者は、同項の確認の判決を求めることができない。
④ 第143条第2項及び第3項の規定は、第1項の規定による請求の拡張について準用する。
過去問・解説
(H18 司法 第67問 3)
中間確認の訴えは、上告審においては提起することができない。

(正答)

(解説)
143条1項本文は、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定し、146条1項柱書本文は、「被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。」と規定している。
そして、145条1項に基づく中間確認の訴えは、原告が提起する場合には訴えの追加的変更の一種として、被告が提起する場合には反訴の一種として解されている。
また、143条1項本文及び146条1項柱書本文の「口頭弁論」とは事実審の口頭弁論を指すため、法律審であり、原則として口頭弁論が開かれない上告審においては、中間確認の訴えを提起することはできない。
したがって、中間確認の訴えは、上告審においては提起することができない。

(H23 共通 第62問 1)
地方裁判所における中間確認の訴えは、書面でしなければならない。

(正答)

(解説)
145条4項は、「第143条第2項···の規定は、第1項の規定による請求の拡張について準用する。」と規定している。そして、同項によって準用される143条2項は、「請求の変更は、書面でしなければならない。」と規定している。
したがって、地方裁判所における中間確認の訴えは、書面でしなければならない。

(H23 共通 第62問 2)
中間確認の訴えによって、当事者間に争いがある訴訟要件の存否の確認を求めることはできない。

(正答)

(解説)
145条1項本文は、「裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。」として、中間確認の訴えについて規定している。
そして、中間確認の訴えの対象は、本案の判断の前提となる権利又は法律関係の存否に限られるため、事実関係や訴訟要件の存否の確認を求めることはできない。
したがって、中間確認の訴えによって、当事者間に争いがある訴訟要件の存否の確認を求めることはできない。

(H23 共通 第62問 3)
中間確認の訴えに対する裁判は、中間判決である。

(正答)

(解説)
145条1項本文は、「裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。」と規定している。
そして、中間確認の訴えは、新たな独立の請求を追加するものであるため、これに対する裁判は、本訴請求の判断の理由中でなされる中間判決ではなく、本訴請求とともに終局判決によってなされる。

(H23 共通 第62問 4)
中間確認の訴えを控訴審で提起する場合、相手方の同意は不要である。

(正答)

(解説)
145条1項本文は、「裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。」と規定している。
そして、控訴審において反訴を提起するには原則として相手方の同意が必要であるが、中間確認の訴えについては、本訴において既に争いとなっている先決的な法律関係を対象とするものであるため、第1審での審理の実質を経ており、相手方の審級の利益を害しない。
そのため、控訴審で提起する場合であっても、相手方の同意は不要であると解されている。
したがって、中間確認の訴えを控訴審で提起する場合、相手方の同意は不要である。

(H23 共通 第62問 5)
他の裁判所の法定の専属管轄に属する請求は、中間確認の訴えの対象とすることができない。

(正答)

(解説)
145条1項は、本文において、「裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。」と規定する一方で、但書において、「その確認の請求が他の裁判所の専属管轄…に属するときは、この限りでない。」と規定している。
したがって、他の裁判所の法定の専属管轄に属する請求は、中間確認の訴えの対象とすることができない。

(H24 共通 第72問 3)
中間確認の訴えは、その確認の請求につき他の裁判所の専属管轄とする旨の合意がある場合には、許されない。

(正答)

(解説)
145条1項は、本文において、「裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。」と規定する一方で、但書において、「その確認の請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するときは、この限りでない。」と規定している。
したがって、その確認の請求が他の裁判所の専属管轄に属するときは中間確認の訴えは許されないのが原則であるが、当事者が専属的合意管轄で定めたものである場合は例外として許される。
総合メモ

第146条

条文
第146条(反訴)
① 被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 
 一 反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するとき。
 二 反訴の提起により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき。
② 本訴の係属する裁判所が第6条第1項各号に定める裁判所である場合において、反訴の目的である請求が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項第1号の規定は、適用しない。 
③ 日本の裁判所が反訴の目的である請求について管轄権を有しない場合には、被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と密接に関連する請求を目的とする場合に限り、第1項の規定による反訴を提起することができる。ただし、日本の裁判所が管轄権の専属に関する規定により反訴の目的である請求について管轄権を有しないときは、この限りでない。 
④ 反訴については、訴えに関する規定による。 
過去問・解説
(H18 司法 第67問 1)
反訴を提起することができるのは、事実審の口頭弁論の終結に至るまでである。

(正答)

(解説)
146条1項本文は、「被告は、…口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。」と規定している。
そして、「口頭弁論」とは、事実審の口頭弁論を指すと解されている。
したがって、反訴を提起することができるのは、事実審の口頭弁論の終結に至るまでである。

(H22 共通 第69問 3)
本訴の係属する裁判所とは別の裁判所を専属管轄とする旨の合意がある請求については、これを反訴の目的とすることはできない。

(正答)

(解説)
146条1項柱書は、本文において、「被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。」と規定する一方で、但書において、「次に掲げる場合は、この限りでない。」と規定し、1号において、「反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するとき。」を掲げている。
したがって、反訴の目的である請求が他の裁判所の法定の専属管轄に属するときは反訴を提起できないが、当事者が11条の規定により合意で定めた専属管轄に属するときは、例外として反訴を提起することができる。

(R1 予備 第35問 4)
被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的として、口頭弁論の終結に至るまで、反訴を提起することができる。

(正答)

(解説)
146条1項柱書本文は、「被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。」と規定している。

(R1 予備 第35問 5)
反訴は、本訴の係属する裁判所に提起することができるが、反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄に属するときは、その限りではない。

(正答)

(解説)
146条1項は、柱書において、「被告は…、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。」と規定し、1号において、「反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄…に属するとき。」を掲げている。
したがって、反訴は、本訴の係属する裁判所に提起することができるが、反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄に属するときは、提起することができない。

(R3 予備 第36問 ウ)
反訴状は、反訴原告(本訴被告)が反訴被告(本訴原告)に対しその写しを直接送付することで足り、裁判所が送達することを要しない。

(正答)

(解説)
146条4項は、「反訴については、訴えに関する規定による。」と規定している。そして、訴えに関する規定である138条1項は、「訴状は、被告に送達しなければならない。」と規定している。また、98条は、1項において、「送達は、特別の定めがある場合を除き、職権でする。」と規定し、2項において、「送達に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。」と規定している。
したがって、反訴状の送達は、当事者である反訴原告から反訴被告に対して直接送付するのではなく、裁判所が職権で行うことを要する。

(R3 予備 第36問 オ)
上告審においては、相手方の同意がある場合に限り、反訴を提起することができる。

(正答)

(解説)
146条1項柱書本文は、「被告は、…口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。」と規定している。
そして、「口頭弁論」とは事実審の口頭弁論を指すと解されている。
また、上告審は法律審であるため、原則として口頭弁論が開かれない。
したがって、上告審においては、相手方の同意の有無にかかわらず、反訴を提起することができない。
総合メモ

第147条

条文
第147条(裁判上の請求による時効の完成猶予等)
 訴えが提起されたとき、又は第143条第2項(第144条第3項及び第145条第4項において準用する場合を含む。)の書面が裁判所に提出されたときは、その時に時効の完成猶予又は法律上の期間の遵守のために必要な裁判上の請求があったものとする。
過去問・解説
(H18 司法 第70問 1)
Aは、Bに対し、金銭債権(以下「甲債権」という。)を有している。Bが、甲債権の存否につきAB間に争いがあるとして、Aに対して甲債権に係る債務の不存在の確認を求める訴えを提起した場合、当該訴えが提起された時点で、甲債権の消滅時効は完成猶予される。

(正答)

(解説)
民法147条1項は、柱書において、「次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する…までの間は、時効は、完成しない。」と規定し、1号において、「裁判上の請求」を掲げている。
そして、147条は、裁判上の請求について、「訴えが提起されたとき…は、その時に時効の完成猶予又は法律上の期間の遵守のために必要な裁判上の請求があったものとする。」と規定している。
もっとも、債務不存在確認訴訟においては、訴えが提起された時ではなく、債権者が当該訴訟において債権の存在を主張した時点で、消滅時効の完成猶予の効力が生じると解されている。
したがって、消滅時効が完成猶予されるのは、当該訴えが提起された時点ではなく、当該訴えにおいてAが甲債権の存在を主張した時点である。

(H18 司法 第70問 3)
Aは、Bに対し、金銭債権(以下「甲債権」という。)を有している。Aは、Bに対し、金銭債権(以下「甲債権」という。)を有している。AがBに対して甲債権以外の債権に基づいて訴えを提起した後、甲債権に基づく金銭の支払請求を追加する旨の請求の変更を行ったときは、請求の変更の書面が裁判所に提出された時に、甲債権の消滅時効は完成猶予される。

(正答)

(解説)
143条2項は、「請求の変更は、書面でしなければならない。」と規定している。そして、147条は、「第143条第2項…の書面が裁判所に提出されたときは、その時に時効の完成猶予…のために必要な裁判上の請求があったものとする。」と規定している。
したがって、AがBに対して甲債権以外の債権に基づいて訴えを提起した後、甲債権に基づく金銭の支払請求を追加する旨の請求の変更を行ったときは、請求の変更の書面が裁判所に提出された時に、時効の完成猶予のために必要な裁判上の請求があったものとして、甲債権の消滅時効は完成猶予される。

(H24 共通 第56問 2)
訴えの提起による時効の完成猶予の効力は、訴状が被告に送達された時に生ずる。

(正答)

(解説)
民法147条1項は、柱書において、「次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する…までの間は、時効は、完成しない。」と規定し、1号において、「裁判上の請求」を掲げている。
そして、民事訴訟法147条は、「訴えが提起されたとき…は、その時に時効の完成猶予…のために必要な裁判上の請求があったものとする。」と規定している。
したがって、訴えの提起による時効の完成猶予の効力は、訴状が被告に送達された時ではなく、訴えが提起された時に生ずる。

(H28 予備 第35問 ア)
訴えの提起による時効の中断の効力発生の時期は、被告に対する訴状の送達の時である。

(正答)

(解説)
民法147条1項は、柱書において、「次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する…までの間は、時効は、完成しない。」と規定しており、1号において、「裁判上の請求」を掲げている。
そして、民事訴訟法147条は、「訴えが提起されたとき…は、その時に時効の完成猶予…のために必要な裁判上の請求があったものとする。」と規定している。
したがって、訴えの提起による時効の完成猶予の効力は、訴状が被告に送達された時ではなく、訴えが提起された時に生ずる。
総合メモ