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民事訴訟法 第7条

条文
第7条(併合請求における管轄)
 1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第38条前段に定める場合に限る。
過去問・解説
(H18 司法 第56問 1)
甲請求についてはA裁判所の、乙請求についてはB裁判所の専属管轄に属する旨の合意がされている場合、原告はA裁判所に提起した一の訴えで甲乙両請求につき審判を求めることはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、13条1項は、「第7条…の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。」と規定しているところ、専属的合意管轄は、「法令に専属管轄の定めがある場合」に当たらない(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版73頁)と解されている。
したがって、原告はA裁判所に提起した1の訴えで甲乙両請求につき審判を求めることができる。

(H20 司法 第59問 4)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xは、東京都千代田区において建物甲を、大阪市において建物乙をそれぞれ所有しているところ、建物甲に居住する賃借人Y及び建物乙に居住する賃借人Zに対し、その所有権に基づき、それぞれが占有する各建物の明渡しを請求する場合、Xは、Y及びZを被告として、東京地方裁判所に訴えを提起することができる。

(正答)

(解説)
4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により…定まる。」と規定している。
したがって、XのYに対する請求においては、被告Yの住所地を管轄する東京地方裁判所が管轄権を有する。 
7条は、本文において、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定する一方で、但書において、「ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第38条前段に定める場合に限る。」と規定している。そして、38条は、前段において、「訴訟の目的である権利又は義務が数人について共通であるとき、又は同一の事実上及び法律上の原因に基づくとき」と規定し、後段において、「訴訟の目的である権利又は義務が同種であって事実上及び法律上同種の原因に基づくとき」と規定している。そのため、XがYに対し建物甲の所有権に基づき明渡しを請求し、Zに対し建物乙の所有権に基づき明渡しを請求する場合、これは38条後段の場合に当たり、7条但書の要件を満たさない。 
したがって、Xは、Y及びZを被告として、東京地方裁判所に訴えを提起することはできない。

(H30 予備 第31問 1)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。ここで、民法484条1項本文は、「弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、…債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。」と規定している。もっとも、本件では、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、当該金員の支払請求に関する「義務履行地」は設計事務所であり、Xの自宅ではない。
したがって、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に管轄が認められない。
また、7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。
本肢においては、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、これが民法484条1項に規定する「別段の意思表示」に当たる。そのため、賃料や損害賠償金の支払に関する、「義務履行地」は設計事務所となり、設計事務所の所在地を管轄する裁判所は、これらの請求について管轄権を有する。
したがって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起できる。
よって、Xは、本件訴えを、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできないが、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできる。

(H30 予備 第31問 2)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、Yの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。
本肢においては、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、これが民法484条1項に規定する、「別段の意思表示」に当たる。そのため、賃料や損害賠償金の支払に関する、「義務履行地」は設計事務所となり、設計事務所の所在地を管轄する裁判所は、これらの請求について管轄権を有する。
したがって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起できる。
また、4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により、…定まる。」と規定している。本件訴えはYを被告とする訴えであり、Yの自宅の所在地は被告の普通裁判籍の所在地である。
したがって、Xは、本件訴えを、Yの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
よって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所及びYの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。

(H30 予備 第31問 3)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、Yの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により、…定まる。」と規定している。
したがって、Xは、本件訴えを、被告であるYの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
また、5条12号は、不動産に関する訴えの管轄について、「不動産の所在地」を掲げている。そして、本件訴えは甲建物の明渡しを求める「不動産に関する訴え」を含んでいる。
したがって、Xは、本件訴えを、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
よって、Xは、本件訴えを、Yの自宅の所在地を管轄する裁判所及び甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。

(H30 予備 第31問 4)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、本件訴えは甲建物の明渡しを求める「不動産に関する訴え」(5条12号)を含んでいる。
したがって、甲建物の所在地を管轄する裁判所には管轄が認められる。
また、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。ここで、民法484条1項本文は、「弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、…債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。」と規定している。
もっとも、本件では、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、当該金員の支払請求に関する「義務履行地」は設計事務所であり、Xの自宅ではない。
したがって、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に管轄が認められない。
よって、Xは、本件訴えを、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(H30 予備 第31問 5)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。
本肢においては、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、これが民法484条1項に規定する、「別段の意思表示」に当たる。そのため、賃料や損害賠償金の支払に関する、「義務履行地」は設計事務所となり、設計事務所の所在地を管轄する裁判所は、これらの請求について管轄権を有する。
したがって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起できる。
また、5条12号は、不動産に関する訴えの管轄について、「不動産の所在地」を掲げている。そして、本件訴えは甲建物の明渡しを求める、「不動産に関する訴え」を含んでいる。
したがって、Xは、本件訴えを、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
よって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所又は甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
総合メモ
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