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民事訴訟法 第114条
条文
第114条(既判力の範囲)
① 確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。
② 相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。
① 確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。
② 相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。
過去問・解説
(H18 司法 第58問 1)
XのYに対する所有権に基づく特定物の引渡請求訴訟において、Xに所有権があると認定して、Xの請求を認容する判決が確定した後、YがXに対して同一物の所有権確認の訴えを提起した。この場合、Yの後訴請求に前訴判決の既判力が及び、後訴請求は退けられる。
XのYに対する所有権に基づく特定物の引渡請求訴訟において、Xに所有権があると認定して、Xの請求を認容する判決が確定した後、YがXに対して同一物の所有権確認の訴えを提起した。この場合、Yの後訴請求に前訴判決の既判力が及び、後訴請求は退けられる。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。そして、ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指す。
本肢において、前訴における訴訟物は、XのYに対する所有権に基づく特定物の引渡請求権であるため、既判力は、この請求権の存否についてのみ生じ、判決理由中の判断であるXの所有権の存否には生じない。
したがって、YのXに対する同一物の所有権確認の訴えは、前訴判決の既判力に抵触しないため、Yの後訴請求に前訴判決の既判力は及ばない。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。そして、ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指す。
本肢において、前訴における訴訟物は、XのYに対する所有権に基づく特定物の引渡請求権であるため、既判力は、この請求権の存否についてのみ生じ、判決理由中の判断であるXの所有権の存否には生じない。
したがって、YのXに対する同一物の所有権確認の訴えは、前訴判決の既判力に抵触しないため、Yの後訴請求に前訴判決の既判力は及ばない。
(H19 司法 第58問 ア)
AのBに対する売買代金の支払を求める訴訟において、BがAに対する貸金債権の一部をもって相殺する旨の抗弁を主張したところ、自働債権の成立が認められず、請求を認容する判決が確定した。その後、Bが同一の貸金債権のうち相殺をもって対抗した額を超える部分について訴えを提起して、その支払を請求することは、前訴判決の既判力により妨げられる。
AのBに対する売買代金の支払を求める訴訟において、BがAに対する貸金債権の一部をもって相殺する旨の抗弁を主張したところ、自働債権の成立が認められず、請求を認容する判決が確定した。その後、Bが同一の貸金債権のうち相殺をもって対抗した額を超える部分について訴えを提起して、その支払を請求することは、前訴判決の既判力により妨げられる。
(正答)✕
(解説)
114条2項は、「相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。」と規定している。
したがって、Bの同一の貸金債権のうち相殺をもって対抗した額を超える部分についての支払請求は、前訴判決の既判力により妨げられない。
114条2項は、「相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。」と規定している。
したがって、Bの同一の貸金債権のうち相殺をもって対抗した額を超える部分についての支払請求は、前訴判決の既判力により妨げられない。
(H19 司法 第58問 イ)
AのBに対する売買代金の支払を求める訴訟において敗訴判決を受けたBが、請求異議訴訟において、Aに対する貸金債権による相殺を主張したところ、自働債権の存在が認められず、請求を棄却する判決が確定した。その後、Bが同一の貸金債権について訴えの提起をして、その支払を請求することは、請求異議訴訟における判決の既判力により妨げられない。
AのBに対する売買代金の支払を求める訴訟において敗訴判決を受けたBが、請求異議訴訟において、Aに対する貸金債権による相殺を主張したところ、自働債権の存在が認められず、請求を棄却する判決が確定した。その後、Bが同一の貸金債権について訴えの提起をして、その支払を請求することは、請求異議訴訟における判決の既判力により妨げられない。
(正答)✕
(解説)
114条2項は、「相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。」と規定している。
本肢における請求異議訴訟において、BのAに対する自働債権たる貸金債権の存在が認められず、請求棄却判決が確定している以上、同項によりBのAに対する貸金債権の不存在について既判力が生じる。
したがって、Bが同一の貸金債権について訴えの提起をしてその支払を請求することは、請求異議訴訟における判決の既判力により妨げられる。
114条2項は、「相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。」と規定している。
本肢における請求異議訴訟において、BのAに対する自働債権たる貸金債権の存在が認められず、請求棄却判決が確定している以上、同項によりBのAに対する貸金債権の不存在について既判力が生じる。
したがって、Bが同一の貸金債権について訴えの提起をしてその支払を請求することは、請求異議訴訟における判決の既判力により妨げられる。
(H19 司法 第58問 エ)
BのAに対する貸金債権の支払を求める訴訟において、Bの訴えを却下する判決が確定した後、AのBに対する売買代金の支払を求める訴訟において、Bが前訴と同一の貸金債権をもって相殺する旨の抗弁を主張することは、前訴判決の既判力により妨げられない。
BのAに対する貸金債権の支払を求める訴訟において、Bの訴えを却下する判決が確定した後、AのBに対する売買代金の支払を求める訴訟において、Bが前訴と同一の貸金債権をもって相殺する旨の抗弁を主張することは、前訴判決の既判力により妨げられない。
(正答)〇
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
そして、訴訟判決としての訴え却下判決にも同項の既判力は生じるが、その既判力は、訴え却下の理由とされた個々の訴訟要件の欠缺についてのみ生じ、本案の権利関係には及ばない。
したがって、Bの訴えを却下する判決が確定した後に、Bが同一の貸金債権をもって相殺する旨の抗弁を主張することは、前訴判決の既判力により妨げられない。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
そして、訴訟判決としての訴え却下判決にも同項の既判力は生じるが、その既判力は、訴え却下の理由とされた個々の訴訟要件の欠缺についてのみ生じ、本案の権利関係には及ばない。
したがって、Bの訴えを却下する判決が確定した後に、Bが同一の貸金債権をもって相殺する旨の抗弁を主張することは、前訴判決の既判力により妨げられない。
(H19 司法 第68問 ア)
Xが、甲土地をYから買い受けたとして、Yを被告とする所有権確認請求訴訟を提起し、Xの敗訴判決が確定した後、Xが再びYを被告として甲土地について所有権確認を求める訴えを提起し、前訴の口頭弁論終結前に甲土地を所有者であるZから相続により取得していたと主張することは、既判力により妨げられない。
Xが、甲土地をYから買い受けたとして、Yを被告とする所有権確認請求訴訟を提起し、Xの敗訴判決が確定した後、Xが再びYを被告として甲土地について所有権確認を求める訴えを提起し、前訴の口頭弁論終結前に甲土地を所有者であるZから相続により取得していたと主張することは、既判力により妨げられない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指す。
Xが、甲土地をYから買い受けたとして、Yを被告とする所有権確認請求訴訟を提起し、Xの敗訴判決が確定した場合、訴訟物であるXの甲土地所有権の不存在について既判力が生じる。
したがって、Xが再びYを被告として甲土地について所有権確認を求める訴えを提起し、前訴の口頭弁論終結前に甲土地を所有者であるZから相続により取得していたと主張することは、前訴の基準時である口頭弁論終結時におけるXの甲土地所有権の不存在という判断内容に矛盾するため、既判力により妨げられる。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指す。
Xが、甲土地をYから買い受けたとして、Yを被告とする所有権確認請求訴訟を提起し、Xの敗訴判決が確定した場合、訴訟物であるXの甲土地所有権の不存在について既判力が生じる。
したがって、Xが再びYを被告として甲土地について所有権確認を求める訴えを提起し、前訴の口頭弁論終結前に甲土地を所有者であるZから相続により取得していたと主張することは、前訴の基準時である口頭弁論終結時におけるXの甲土地所有権の不存在という判断内容に矛盾するため、既判力により妨げられる。
(H20 司法 第69問 2)
XはYに対して、甲土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、その判決が確定したとする。
前訴判決がXの請求棄却であり、その理由がYが甲土地の所有者であるという判断に基づいていたとする。YのXに対する甲土地の所有権の確認を求める後訴でXが前訴判決基準時におけるYの所有権を争うことは、いわゆる一物一権主義により既判力によって妨げられる。
XはYに対して、甲土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、その判決が確定したとする。
前訴判決がXの請求棄却であり、その理由がYが甲土地の所有者であるという判断に基づいていたとする。YのXに対する甲土地の所有権の確認を求める後訴でXが前訴判決基準時におけるYの所有権を争うことは、いわゆる一物一権主義により既判力によって妨げられる。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢において、前訴においてXの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXの甲土地所有権の不存在という判断についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断されたYの甲土地の所有権の存在については既判力が生じない。
そして、後訴の訴訟物はYの甲土地所有権であるところ、前訴の判断内容と後訴の訴訟物は矛盾関係にないため、既判力は及ばない。
したがって、Yの所有権を争うことは、前訴におけるXの甲土地所有権の不存在という判断に矛盾抵触しないため、既判力によって妨げられない。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢において、前訴においてXの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXの甲土地所有権の不存在という判断についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断されたYの甲土地の所有権の存在については既判力が生じない。
そして、後訴の訴訟物はYの甲土地所有権であるところ、前訴の判断内容と後訴の訴訟物は矛盾関係にないため、既判力は及ばない。
したがって、Yの所有権を争うことは、前訴におけるXの甲土地所有権の不存在という判断に矛盾抵触しないため、既判力によって妨げられない。
(H20 司法 第69問 3)
XはYに対して、甲土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、その判決が確定したとする。
前訴判決がXの請求認容であったとする。XがYに対して甲土地の所有権の確認を再度求める後訴は、前訴判決の既判力に抵触するとの理由で却下されることはない。
XはYに対して、甲土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、その判決が確定したとする。
前訴判決がXの請求認容であったとする。XがYに対して甲土地の所有権の確認を再度求める後訴は、前訴判決の既判力に抵触するとの理由で却下されることはない。
(正答)〇
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
本肢において、前訴においてXの請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物であるXの甲土地所有権の存在について既判力が生じる。そして、前訴と後訴の訴訟物は同一であるため、後訴にも前訴の既判力が及ぶ。
もっとも、後訴においてXの主張している甲土地の所有権の存在は、前訴の判断内容と一致しており、前訴判決に矛盾抵触するものではない。
したがって、XがYに対して甲土地の所有権の確認を再度求める後訴は、前訴判決の既判力に抵触するとの理由で却下されることはない。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
本肢において、前訴においてXの請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物であるXの甲土地所有権の存在について既判力が生じる。そして、前訴と後訴の訴訟物は同一であるため、後訴にも前訴の既判力が及ぶ。
もっとも、後訴においてXの主張している甲土地の所有権の存在は、前訴の判断内容と一致しており、前訴判決に矛盾抵触するものではない。
したがって、XがYに対して甲土地の所有権の確認を再度求める後訴は、前訴判決の既判力に抵触するとの理由で却下されることはない。
(H21 司法 第69問 1)
被告の相殺の抗弁を認めて、原告の売買代金請求を棄却する前訴判決が確定した後に、前訴の原告が、前訴と同一の売買契約に基づく代金の支払を求めて提起した後訴について、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
被告の相殺の抗弁を認めて、原告の売買代金請求を棄却する前訴判決が確定した後に、前訴の原告が、前訴と同一の売買契約に基づく代金の支払を求めて提起した後訴について、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
そして、前訴において原告の売買代金請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物である原告の被告に対する売買契約に基づく代金支払請求権の不存在について既判力が生じる。
また、後訴の訴訟物も同一の売買契約に基づく代金支払請求権であり、前訴と後訴の訴訟物は同一であるため、後訴にも前訴の既判力が作用する。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
そして、前訴において原告の売買代金請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物である原告の被告に対する売買契約に基づく代金支払請求権の不存在について既判力が生じる。
また、後訴の訴訟物も同一の売買契約に基づく代金支払請求権であり、前訴と後訴の訴訟物は同一であるため、後訴にも前訴の既判力が作用する。
(H21 司法 第69問 2)
取得時効を認めて、甲土地が原告の所有であることを確認する前訴判決が確定した後に、前訴の被告が時効の中断を主張して、前訴の原告に対して、甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴について、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
取得時効を認めて、甲土地が原告の所有であることを確認する前訴判決が確定した後に、前訴の被告が時効の中断を主張して、前訴の原告に対して、甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴について、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
そして、前訴において原告の請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物である原告の甲土地所有権の存在について既判力が生じる。
また、後訴の訴訟物は被告の甲土地所有権であるところ、前訴の判断内容である原告の所有と、後訴の訴訟物は、一物一権主義を媒介として矛盾関係にあるため、後訴にも前訴の既判力が及ぶ。
したがって、前訴の確定判決の既判力は、後訴の請求に関する判断に作用する。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
そして、前訴において原告の請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物である原告の甲土地所有権の存在について既判力が生じる。
また、後訴の訴訟物は被告の甲土地所有権であるところ、前訴の判断内容である原告の所有と、後訴の訴訟物は、一物一権主義を媒介として矛盾関係にあるため、後訴にも前訴の既判力が及ぶ。
したがって、前訴の確定判決の既判力は、後訴の請求に関する判断に作用する。
(H21 司法 第69問 3)
売買契約によって被告から甲土地を取得したことを理由に、原告の所有権移転登記手続請求を認める前訴判決が確定した後に、前訴の被告が前訴の原告に対して、当該売買契約に錯誤があったとして、甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴について、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
売買契約によって被告から甲土地を取得したことを理由に、原告の所有権移転登記手続請求を認める前訴判決が確定した後に、前訴の被告が前訴の原告に対して、当該売買契約に錯誤があったとして、甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴について、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
(正答)〇
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。そして、同項にいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢において、前訴における原告の請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物である原告の被告に対する売買契約に基づく所有権移転登記請求権の存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断された原告の甲土地所有権の存在については既判力が生じない。
そして、後訴の訴訟物は被告の甲土地所有権であるところ、前訴の判断内容と後訴の訴訟物は同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、後訴に前訴の既判力は及ばない。
したがって、前訴の被告が、前訴の原告に対して、当該売買契約に錯誤があったとして、甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴について、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。そして、同項にいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢において、前訴における原告の請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物である原告の被告に対する売買契約に基づく所有権移転登記請求権の存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断された原告の甲土地所有権の存在については既判力が生じない。
そして、後訴の訴訟物は被告の甲土地所有権であるところ、前訴の判断内容と後訴の訴訟物は同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、後訴に前訴の既判力は及ばない。
したがって、前訴の被告が、前訴の原告に対して、当該売買契約に錯誤があったとして、甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴について、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
(H21 司法 第69問 4)
被告から絵画を買い受けたことを理由として、当該絵画の原告への引渡しを命じる前訴判決が確定した後に、前訴の被告が、詐欺を理由とする売買契約の取消しを主張して、前訴確定判決について提起した請求異議の訴えについて、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
被告から絵画を買い受けたことを理由として、当該絵画の原告への引渡しを命じる前訴判決が確定した後に、前訴の被告が、詐欺を理由とする売買契約の取消しを主張して、前訴確定判決について提起した請求異議の訴えについて、前訴確定判決の既判力は後訴の請求に関する判断に作用しない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
本肢における前訴において、原告の請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物である原告の被告に対する売買契約に基づく目的物引渡請求権の存在について既判力が生じる。
そして、請求異議の訴え(民事執行法35条2項)においては、確定判決の既判力が及ぶため、既判力の基準時である事実審の口頭弁論終結時より前に存在した事由を異議の事由とすることはできない。
したがって、前訴の被告が主張する詐欺を理由とする売買契約の取消しは、前訴の基準時前に存在した事由であるため、前訴の既判力により遮断される。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
本肢における前訴において、原告の請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物である原告の被告に対する売買契約に基づく目的物引渡請求権の存在について既判力が生じる。
そして、請求異議の訴え(民事執行法35条2項)においては、確定判決の既判力が及ぶため、既判力の基準時である事実審の口頭弁論終結時より前に存在した事由を異議の事由とすることはできない。
したがって、前訴の被告が主張する詐欺を理由とする売買契約の取消しは、前訴の基準時前に存在した事由であるため、前訴の既判力により遮断される。
(H27 予備 第35問 4)
XはYに対して、甲土地の所有権確認を求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起した。
本件訴えについて、Xの請求を棄却する判決が確定した後に、Yが、Xに対して、Yが甲土地の所有権を有することの確認を求める訴えを提起した場合、当該判決の既判力の作用により、Xは、Yが甲土地の所有権を有することを争うことができない。
XはYに対して、甲土地の所有権確認を求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起した。
本件訴えについて、Xの請求を棄却する判決が確定した後に、Yが、Xに対して、Yが甲土地の所有権を有することの確認を求める訴えを提起した場合、当該判決の既判力の作用により、Xは、Yが甲土地の所有権を有することを争うことができない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
本件訴えにおいてXの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXの甲土地所有権の不存在について既判力が生じる。後訴の訴訟物はYの甲土地所有権であるところ、Xの甲土地所有権が不存在であってもYが所有権を有するとは限らないため、前訴の判断内容であるXの所有権の不存在と、後訴の訴訟物は一物一権主義を媒介としても矛盾関係に立たない。
したがって、Yの後訴に本件訴えの既判力は及ばず、XはYが甲土地の所有権を有することを争うことができる。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
本件訴えにおいてXの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXの甲土地所有権の不存在について既判力が生じる。後訴の訴訟物はYの甲土地所有権であるところ、Xの甲土地所有権が不存在であってもYが所有権を有するとは限らないため、前訴の判断内容であるXの所有権の不存在と、後訴の訴訟物は一物一権主義を媒介としても矛盾関係に立たない。
したがって、Yの後訴に本件訴えの既判力は及ばず、XはYが甲土地の所有権を有することを争うことができる。
(H28 予備 第36問 3)
甲土地の所有権を主張するXが、Xからの贈与を原因とする所有権移転登記を有するYに対して贈与の不存在を理由に当該登記の抹消登記を求める抹消登記手続請求訴訟を提起した場合において、判決の理由中の判断においてXに甲土地の所有権があるとして、請求を認容する判決が確定したときは、YはXに対して甲土地の明渡しを求める後訴においてYが甲土地を所有する旨を主張することはできない。
甲土地の所有権を主張するXが、Xからの贈与を原因とする所有権移転登記を有するYに対して贈与の不存在を理由に当該登記の抹消登記を求める抹消登記手続請求訴訟を提起した場合において、判決の理由中の判断においてXに甲土地の所有権があるとして、請求を認容する判決が確定したときは、YはXに対して甲土地の明渡しを求める後訴においてYが甲土地を所有する旨を主張することはできない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢における前訴において、Xの請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権移転登記抹消登記請求権の存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断されたXの甲土地所有権の存在については既判力が生じない。
そして、前訴と後訴は、訴訟物が異なり同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、既判力は及ばない。
したがって、後訴においてYが甲土地を所有する旨を主張することは既判力の作用により遮断されない。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢における前訴において、Xの請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権移転登記抹消登記請求権の存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断されたXの甲土地所有権の存在については既判力が生じない。
そして、前訴と後訴は、訴訟物が異なり同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、既判力は及ばない。
したがって、後訴においてYが甲土地を所有する旨を主張することは既判力の作用により遮断されない。
(H30 予備 第41問 4)
XY間の甲土地の売買契約が錯誤により無効であるとしてXがYに対して提起した所有権に基づく所有権移転登記抹消登記手続を求める訴えに対し、要素の錯誤がないとして、請求を棄却する判決が確定した場合に、YがXに対して当該売買契約に基づき甲土地の引渡しを求める後訴において、Xが要素の錯誤の存在を主張することは、前訴の確定判決の既判力に抵触し、許されない。
XY間の甲土地の売買契約が錯誤により無効であるとしてXがYに対して提起した所有権に基づく所有権移転登記抹消登記手続を求める訴えに対し、要素の錯誤がないとして、請求を棄却する判決が確定した場合に、YがXに対して当該売買契約に基づき甲土地の引渡しを求める後訴において、Xが要素の錯誤の存在を主張することは、前訴の確定判決の既判力に抵触し、許されない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢における前訴において、Xの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権移転登記抹消登記請求権の不存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断された要素の錯誤がないことについては既判力が生じない。
そして、前訴と後訴は、訴訟물이異なり同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、既判力は及ばない。
したがって、後訴においてXが要素の錯誤の存在を主張することは既判力の作用により遮断されない。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢における前訴において、Xの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権移転登記抹消登記請求権の不存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断された要素の錯誤がないことについては既判力が生じない。
そして、前訴と後訴は、訴訟물이異なり同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、既判力は及ばない。
したがって、後訴においてXが要素の錯誤の存在を主張することは既判力の作用により遮断されない。
(R2 予備 第37問 1)
XがYに対して所有権に基づき建物の明渡しを求める訴えを提起し、Xの建物の所有権の取得が認められないとして請求を棄却する判決が確定した後、XがYに対して当該建物について同一の取得原因を主張して所有権の確認を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所がXの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
XがYに対して所有権に基づき建物の明渡しを求める訴えを提起し、Xの建物の所有権の取得が認められないとして請求を棄却する判決が確定した後、XがYに対して当該建物について同一の取得原因を主張して所有権の確認を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所がXの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢における前訴において、Xの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する所有権に基づく返還請求権としての建物明渡請求権の不存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断されたXの建物の所有権の不存在については既判力が生じない。
そして、後訴の訴訟物はXの建物の所有権であるところ、前訴と後訴は訴訟物が異なり同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、後訴に前訴の既判力は及ばない。
したがって、後訴裁判所がXの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反せず、許される。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢における前訴において、Xの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する所有権に基づく返還請求権としての建物明渡請求権の不存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断されたXの建物の所有権の不存在については既判力が生じない。
そして、後訴の訴訟物はXの建物の所有権であるところ、前訴と後訴は訴訟物が異なり同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、後訴に前訴の既判力は及ばない。
したがって、後訴裁判所がXの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反せず、許される。
(R2 予備 第37問 2)
XがYに対して売買契約の詐欺取消しを理由として売買代金相当額の不当利得の返還を求める訴えを提起し、詐欺の事実が認められないとして請求を棄却する判決が確定した後、XがYに対して当該売買契約について通謀虚偽表示による無効を理由として売買代金相当額の不当利得の返還を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所がXの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
XがYに対して売買契約の詐欺取消しを理由として売買代金相当額の不当利得の返還を求める訴えを提起し、詐欺の事実が認められないとして請求を棄却する判決が確定した後、XがYに対して当該売買契約について通謀虚偽表示による無効を理由として売買代金相当額の不当利得の返還を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所がXの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
(正答)〇
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指す。
本肢における前訴において、Xの不当利得返還請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する不当利得返還請求権の不存在について既判力が生じる。
そして、後訴の訴訟物も、詐欺取消しか通謀虚偽表示による無効かという理由は異なるものの、同一の売買代金相当額の不当利得返還請求権であり、前訴の訴訟物と同一であるため、後訴にも前訴の既判力が及ぶ。
したがって、後訴裁判所がXの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指す。
本肢における前訴において、Xの不当利得返還請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する不当利得返還請求権の不存在について既判力が生じる。
そして、後訴の訴訟物も、詐欺取消しか通謀虚偽表示による無効かという理由は異なるものの、同一の売買代金相当額の不当利得返還請求権であり、前訴の訴訟物と同一であるため、後訴にも前訴の既判力が及ぶ。
したがって、後訴裁判所がXの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
(R2 予備 第37問 3)
XがYに対して消費貸借契約に基づき貸金の返還を求める訴えを提起し、YのXに対する金員の支払が弁済に当たるとして請求を棄却する判決が確定した後、YがXに対して当該消費貸借契約に基づく貸金債務についてその金員の支払の前に債務免除があったとして、支払った金員の額の不当利得の返還を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所がYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
XがYに対して消費貸借契約に基づき貸金の返還を求める訴えを提起し、YのXに対する金員の支払が弁済に当たるとして請求を棄却する判決が確定した後、YがXに対して当該消費貸借契約に基づく貸金債務についてその金員の支払の前に債務免除があったとして、支払った金員の額の不当利得の返還を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所がYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指す。
本肢における前訴において、Xの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する消費貸借契約に基づく貸金返還請求権の不存在について既判力が生じる。
これに対し、後訴の訴訟物はYのXに対する不当利得返還請求権であるため、前訴と後訴は訴訟物が異なり、同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらない。
したがって、後訴に前訴の既判力は及ばない。よって、後訴裁判所がYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反せず、許される。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指す。
本肢における前訴において、Xの請求を棄却する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する消費貸借契約に基づく貸金返還請求権の不存在について既判力が生じる。
これに対し、後訴の訴訟物はYのXに対する不当利得返還請求権であるため、前訴と後訴は訴訟物が異なり、同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらない。
したがって、後訴に前訴の既判力は及ばない。よって、後訴裁判所がYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反せず、許される。
(R2 予備 第37問 4)
XがYに対して土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、請求を認容する判決が確定した後、YがXに対して当該土地の所有権の確認を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所が、当該土地について前訴の口頭弁論の終結後にXから所有権を取得したとのYの主張を認めてYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
XがYに対して土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、請求を認容する判決が確定した後、YがXに対して当該土地の所有権の確認を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所が、当該土地について前訴の口頭弁論の終結後にXから所有権を取得したとのYの主張を認めてYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。確定判決の既判力は、前訴の基準時である事実審の口頭弁論終結時における権利関係の存否についてのみ生じるため、基準時後に発生した事由は既判力によって遮断されない。
本肢における前訴において、Xの請求を認容する判決が確定した場合、基準時におけるXの土地所有権の存在について既判力が生じる。そして、後訴においてYが主張しているのは、前訴の口頭弁論終結後にXから所有権を取得したという事由であるため、前訴の確定判決の既判力によって遮断されない。
したがって、後訴裁判所が当該土地について前訴の口頭弁論の終結後にXから所有権を取得したとのYの主張を認めてYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反せず、許される。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。確定判決の既判力は、前訴の基準時である事実審の口頭弁論終結時における権利関係の存否についてのみ生じるため、基準時後に発生した事由は既判力によって遮断されない。
本肢における前訴において、Xの請求を認容する判決が確定した場合、基準時におけるXの土地所有権の存在について既判力が生じる。そして、後訴においてYが主張しているのは、前訴の口頭弁論終結後にXから所有権を取得したという事由であるため、前訴の確定判決の既判力によって遮断されない。
したがって、後訴裁判所が当該土地について前訴の口頭弁論の終結後にXから所有権を取得したとのYの主張を認めてYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反せず、許される。
(R2 予備 第37問 5)
XがYに対して消費貸借契約に基づき貸金の返還を求める訴えを提起し、請求を認容する判決が確定した後、Yが、当該消費貸借契約に基づく貸金債務についてその訴訟の口頭弁論の終結前に時効期間が経過していたとして消滅時効を援用し、Xに対して債務の不存在確認を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所が当該貸金債務の時効消滅を理由にYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
XがYに対して消費貸借契約に基づき貸金の返還を求める訴えを提起し、請求を認容する判決が確定した後、Yが、当該消費貸借契約に基づく貸金債務についてその訴訟の口頭弁論の終結前に時効期間が経過していたとして消滅時効を援用し、Xに対して債務の不存在確認を求める訴えを提起した場合において、後訴裁判所が当該貸金債務の時効消滅を理由にYの請求を認容する判決をすることは、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
(正答)〇
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。確定判決の既判力は、前訴の基準時である事実審の口頭弁論終結時における権利関係の存否についてのみ生じるため、基準時前に存在した事由を後訴で主張することは既判力によって遮断される。
本肢における前訴において、Xの請求を認容する判決が確定した場合、基準時におけるXのYに対する消費貸借契約に基づく貸金返還請求権の存在について既判力が生じる。
そして、Yが主張する消滅時効の完成は、前訴の口頭弁論終結前に生じていた事由であるため、これを後訴で主張することは前訴の確定判決の既判力により遮断される。
したがって、後訴裁判所が当該貸金債務の時効消滅を理由にYの請求を認容する判決をすることは、前訴の判断と矛盾する判決をすることになるため、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。確定判決の既判力は、前訴の基準時である事実審の口頭弁論終結時における権利関係の存否についてのみ生じるため、基準時前に存在した事由を後訴で主張することは既判力によって遮断される。
本肢における前訴において、Xの請求を認容する判決が確定した場合、基準時におけるXのYに対する消費貸借契約に基づく貸金返還請求権の存在について既判力が生じる。
そして、Yが主張する消滅時効の完成は、前訴の口頭弁論終結前に生じていた事由であるため、これを後訴で主張することは前訴の確定判決の既判力により遮断される。
したがって、後訴裁判所が当該貸金債務の時効消滅を理由にYの請求を認容する判決をすることは、前訴の判断と矛盾する判決をすることになるため、前訴の確定判決の既判力に反し許されない。
(R4 予備 第33問 ア)
XがYに対して取得時効による所有権取得を主張して提起した甲土地の所有権確認を求める訴え(前訴)について請求を棄却する判決が確定した後、XがYに対して甲土地の共有持分権確認を求める訴え(後訴)を提起した場合に、後訴裁判所が、前訴基準時前の相続による共有持分権の取得を理由としてXの請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触しない。
XがYに対して取得時効による所有権取得を主張して提起した甲土地の所有権確認を求める訴え(前訴)について請求を棄却する判決が確定した後、XがYに対して甲土地の共有持分権確認を求める訴え(後訴)を提起した場合に、後訴裁判所が、前訴基準時前の相続による共有持分権の取得を理由としてXの請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触しない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。確定判決の既判力は、前訴の基準時である事実審の口頭弁論終結時における権利関係の存否についてのみ生じるため、基準時前に存在した事由を後訴で主張することは既判力によって遮断される。
本肢における前訴において、Xの所有権確認請求を棄却する判決が確定した場合、基準時におけるXの甲土地所有権の不存在について既判力が生じる。
したがって、甲土地の共有持分権は所有権の一部であるため、後訴で甲土地の共有持分権の存在を主張することは、甲土地の所有権が全部不存在であるとの前訴確定判決の判断と矛盾する。
また、Xが後訴で主張する相続による共有持分権の取得は、前訴基準時前に生じていた事由であるため、既判力により遮断される。
よって、後訴裁判所が前訴基準時前の相続による共有持分権の取得を理由としてXの請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触する。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。確定判決の既判力は、前訴の基準時である事実審の口頭弁論終結時における権利関係の存否についてのみ生じるため、基準時前に存在した事由を後訴で主張することは既判力によって遮断される。
本肢における前訴において、Xの所有権確認請求を棄却する判決が確定した場合、基準時におけるXの甲土地所有権の不存在について既判力が生じる。
したがって、甲土地の共有持分権は所有権の一部であるため、後訴で甲土地の共有持分権の存在を主張することは、甲土地の所有権が全部不存在であるとの前訴確定判決の判断と矛盾する。
また、Xが後訴で主張する相続による共有持分権の取得は、前訴基準時前に生じていた事由であるため、既判力により遮断される。
よって、後訴裁判所が前訴基準時前の相続による共有持分権の取得を理由としてXの請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触する。
(R4 予備 第33問 エ)
XがYに対して提起した所有権に基づく甲建物に係るY名義の所有権保存登記抹消登記手続を求める訴え(前訴)について請求を認容する判決が確定した後、YがXに対して甲建物の所有権確認を求める訴え(後訴)を提起した場合に、後訴裁判所が、前訴基準時前の相続による所有権取得を理由にYの請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触し、許されない。
XがYに対して提起した所有権に基づく甲建物に係るY名義の所有権保存登記抹消登記手続を求める訴え(前訴)について請求を認容する判決が確定した後、YがXに対して甲建物の所有権確認を求める訴え(後訴)を提起した場合に、後訴裁判所が、前訴基準時前の相続による所有権取得を理由にYの請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触し、許されない。
(正答)✕
(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢における前訴において、Xの請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権保存登記抹消登記請求権の存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断されたXの甲建物の所有権の存在については既判力が生じない。
そして、後訴の訴訟物はYの甲建物の所有権であるところ、前訴と後訴は訴訟物が異なり同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、後訴に前訴の既判力は及ばない。
したがって、後訴裁判所が前訴基準時前の相続による所有権取得を理由にYの請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触せず、許される。
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。ここにいう「主文に包含するもの」とは訴訟物を指すため、既判力は、訴訟物たる権利関係の存否についての判断にのみ生じ、判決理由中の判断には生じないのが原則である。
本肢における前訴において、Xの請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物であるXのYに対する所有権に基づく妨害排除請求権としての所有権保存登記抹消登記請求権の存在についてのみ既判力が生じるため、判決理由中で判断されたXの甲建物の所有権の存在については既判力が生じない。
そして、後訴の訴訟物はYの甲建物の所有権であるところ、前訴と後訴は訴訟物が異なり同一・先決・矛盾関係のいずれにも当たらないため、後訴に前訴の既判力は及ばない。
したがって、後訴裁判所が前訴基準時前の相続による所有権取得を理由にYの請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触せず、許される。
(R4 予備 第33問 オ)
XのYに対する甲債権に係る500万円の支払請求訴訟(前訴)において、Yが800万円の乙債権による相殺の抗弁を提出したところ、裁判所は、甲債権、乙債権双方とも全額認められ、相殺により対当額で消滅したとの理由で、Xの請求を棄却する判決をし、同判決は確定した。その後、Yが、乙債権のうち前訴で対当額による相殺に供しなかった300万円の支払を求める訴え(後訴)を提起した場合に、後訴裁判所が、前訴基準時前に乙債権は消滅していたという理由でYの請求を棄却することは、前訴の確定判決の既判力に抵触しない。
XのYに対する甲債権に係る500万円の支払請求訴訟(前訴)において、Yが800万円の乙債権による相殺の抗弁を提出したところ、裁判所は、甲債権、乙債権双方とも全額認められ、相殺により対当額で消滅したとの理由で、Xの請求を棄却する判決をし、同判決は確定した。その後、Yが、乙債権のうち前訴で対当額による相殺に供しなかった300万円の支払を求める訴え(後訴)を提起した場合に、後訴裁判所が、前訴基準時前に乙債権は消滅していたという理由でYの請求を棄却することは、前訴の確定判決の既判力に抵触しない。
(正答)〇
(解説)
114条2項は、「相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。」と規定している。
本肢における前訴において、Yが相殺の抗弁として主張した800万円の乙債権のうち、同項にいう「相殺をもって対抗した額」はXの請求額である500万円の限度にとどまるため、残額の300万円については既判力が生じない。
したがって、Yが、乙債権のうち前訴で対当額による相殺に供しなかった300万円の支払を求める後訴を提起した場合に、後訴裁判所が、前訴基準時前に乙債権は消滅していたという理由でYの請求を棄却することは、前訴の確定判決の既判力に抵触しない。
114条2項は、「相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。」と規定している。
本肢における前訴において、Yが相殺の抗弁として主張した800万円の乙債権のうち、同項にいう「相殺をもって対抗した額」はXの請求額である500万円の限度にとどまるため、残額の300万円については既判力が生じない。
したがって、Yが、乙債権のうち前訴で対当額による相殺に供しなかった300万円の支払を求める後訴を提起した場合に、後訴裁判所が、前訴基準時前に乙債権は消滅していたという理由でYの請求を棄却することは、前訴の確定判決の既判力に抵触しない。
(R5 予備 第39問 5)
Xは、Yに対し、300万円を貸し付けたと主張して、消費貸借契約に基づく貸金返還請求として300万円の支払を求める訴えを甲裁判所に提起した(以下、この消費貸借契約を「本件消費貸借契約」といい、この訴えを「本件訴え」という。)。
Xが、本件訴えの提起に先立ち、乙裁判所にも、Yを被告とする本件消費貸借契約に基づく300万円の貸金の返還を求める訴えを提起したが、貸付けの事実が認められないとして、請求を全部棄却する判決を受け、これが確定していることが判明した場合でも、甲裁判所は、X及びYが乙裁判所の確定判決の存在を主張していないときは、乙裁判所の確定判決の既判力の存在を判決の基礎とすることはできない。
Xは、Yに対し、300万円を貸し付けたと主張して、消費貸借契約に基づく貸金返還請求として300万円の支払を求める訴えを甲裁判所に提起した(以下、この消費貸借契約を「本件消費貸借契約」といい、この訴えを「本件訴え」という。)。
Xが、本件訴えの提起に先立ち、乙裁判所にも、Yを被告とする本件消費貸借契約に基づく300万円の貸金の返還を求める訴えを提起したが、貸付けの事実が認められないとして、請求を全部棄却する判決を受け、これが確定していることが判明した場合でも、甲裁判所は、X及びYが乙裁判所の確定判決の存在を主張していないときは、乙裁判所の確定判決の既判力の存在を判決の基礎とすることはできない。
(正答)✕
(解説)
確定判決の既判力の有無は、公益に関する事項であるため、当事者の主張を待たずに裁判所が職権で調査すべき事項(職権調査事項)であると解されている。
したがって、甲裁判所は、X及びYが乙裁判所の確定判決の存在を主張していないときであっても、職権で乙裁判所の確定判決の既判力の存在を判決の基礎とすることができる。
確定判決の既判力の有無は、公益に関する事項であるため、当事者の主張を待たずに裁判所が職権で調査すべき事項(職権調査事項)であると解されている。
したがって、甲裁判所は、X及びYが乙裁判所の確定判決の存在を主張していないときであっても、職権で乙裁判所の確定判決の既判力の存在を判決の基礎とすることができる。