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民事訴訟法 第115条

条文
第115条(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)
① 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。 
 一 当事者
 二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人
 三 前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人
 四 前3号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者
② 前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。 
過去問・解説
(H19 司法 第68問 ウ)
XのYに対する自動車引渡請求訴訟において、Xの勝訴判決が確定した場合には、Yからの依頼を受けて自動車を保管しているZについては、請求の目的物の所持者として、XとYとの間の確定判決の効力が及ぶ。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、1号において、「当事者」を、4号において、「前号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者」を、それぞれ掲げている。
したがって、Yからの依頼を受けて自動車を保管しているZは、当事者であるYのために請求の目的物を所持する者であるため、4号の「前3号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者」に当たる。
よって、XのYに対する自動車引渡請求訴訟においてXの勝訴判決が確定した場合には、Yからの依頼を受けて自動車を保管しているZについては、請求の目的物の所持者として、XとYとの間の確定判決の効力が及ぶ。

(H20 司法 第69問 4)
XはYに対して、甲土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、その判決が確定したとする。
前訴判決がXの請求認容であったとする。その後Xから甲土地を借り受けたZが債権者代位権の行使としてYに対して甲土地の引渡しを求めたときには、Yは前訴判決基準時におけるXの所有権の存在と矛盾しない攻撃防御方法のみ提出できる。

(正答)

(解説)
114条1項は、「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。」と規定している。
本肢における前訴において、Xの請求を認容する判決が確定した場合、訴訟物であるXの甲土地所有権の存在について既判力が生じる。
また、115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、3号において、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
したがって、前訴の口頭弁論終結後にXから甲土地を借り受けたZは、3号の「口頭弁論終結後の承継人」に当たる。そして、後訴においてZは債権者代位権を行使してYに対して引渡しを求めているところ、前訴の訴訟物と後訴は先決関係にあるため、後訴にも前訴の既判力が及ぶ。
よって、その後Xから甲土地を借り受けたZが債権者代位権の行使としてYに対して甲土地の引渡しを求めたときには、Yは前訴判決基準時におけるXの所有権の存在と矛盾しない攻撃防御方法のみ提出できる。

(H21 司法 第68問 1)
XがYを被告として、建物収去土地明渡しを求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した場合、その後にYからその建物を譲り受けたZに対して、確定判決の既判力は及ばない。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定しており、3号において、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
したがって、Zは、XのYに対する請求を認容する判決が確定した後に当事者であるYから建物を譲り受けているため、3号の「口頭弁論終結後の承継人」に当たる。
よって、Zに対しても確定判決の既判力が及ぶ。

(H21 司法 第68問 2)
XがYを被告として、建物収去土地明渡しを求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した場合、訴訟係属前にその建物につきYとの間において使用貸借契約を締結し、占有を継続しているZに対して、確定判決の既判力は及ばない。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、3号において、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
したがって、Zは、前訴の口頭弁論終結前にYとの間において使用貸借契約を締結し、占有を継続しているため、3号の「口頭弁論終結後の承継人」に当たらない。
よって、XがYを被告として建物収去土地明渡しを求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した場合、訴訟係属前にその建物につきYとの間において使用貸借契約を締結し、占有を継続しているZに対して、確定判決の既判力は及ばない。

(H22 共通 第70問 2)
選定当事者が当事者となった訴訟の確定判決の既判力は、選定者にも及ぶ。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、2号において、「当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人」を掲げている。
そして、選定当事者は選定者のために原告又は被告となっているため、選定者は2号にいう「当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人」に当たる。
したがって、選定当事者が当事者となった訴訟の確定判決の既判力は、選定者にも及ぶ。

(H27 予備 第35問 5)
XはYに対して、甲土地の所有権確認を求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起した。
本件訴えについて、Xの請求を棄却する判決が確定した後に、甲土地を占有するYがZに対しその占有を移転したため、XがZに対し、所有権に基づく甲土地の明渡しを請求することは、当該判決の既判力により妨げられない。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、3号において、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
したがって、Zは、本件訴えの判決が確定した後に当事者であるYから占有の移転を受けているため、3号の「口頭弁論終結後の承継人」に当たり、Zに対しても本件訴えの確定判決の既判力が及ぶ。
また、本件訴えにおいてXの請求を棄却する判決が確定したことにより、訴訟物であるXの甲土地所有権の不存在について既判力が生じている。
よって、Xが後訴で自己の所有権を主張することは前訴の判断内容と矛盾するため、既判力により遮断される。

(H29 予備 第42問 2)
BがAから賃借した土地上に建物を建築し所有していたところ、Aは、Bに対し、土地賃貸借契約の終了に基づく建物収去土地明渡請求訴訟を提起した。
民事訴訟法第115条第1項第3号の「承継人」の範囲を訴訟物たる権利の譲受け又は義務の引受けをした者と解すると、口頭弁論終結後にBがCに当該建物を貸し渡した事案では、Cに確定判決の効力が及ぶこととなる。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、3号において、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
本肢において、AのBに対する前訴の訴訟物は、土地賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡請求権である。そして、口頭弁論終結後にBがCに当該建物を貸し渡した場合、AがCに対して提起する後訴の訴訟物は、所有権に基づく返還請求権としての建物退去土地明渡請求権となるため、Cは前訴の訴訟物たる義務そのものを引き受けたわけではない。
したがって、3号の「承継人」の範囲を訴訟物たる権利の譲受け又は義務の引受けをした者に限定して解する見解によれば、Cは「承継人」に当たらない。
よって、かかる見解に立った場合における確定判決の効力は、Cに対して及ばない。

(H29 予備 第42問 5)
BがAから賃借した土地上に建物を建築し所有していたところ、Aは、Bに対し、土地賃貸借契約の終了に基づく建物収去土地明渡請求訴訟を提起した。
民事訴訟法第115条第1項第3号の「承継人」の範囲を紛争の主体たる地位の移転を受けた者と解すると、口頭弁論終結後にBがCに当該建物を売却してこれを引き渡し、その所有権移転登記をした事案では、Cに確定判決の効力が及ぶこととなる。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、3号において、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
本肢におけるAのBに対する前訴の訴訟物は、土地賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡請求権である。そして、口頭弁論終結後にBがCに当該建物を売却してこれを引き渡した場合、Cは当該建物を取得することで建物収去土地明渡義務を実体法上承継し、紛争の主体たる地位の移転を受けたといえる。
したがって、3号の「承継人」の範囲を紛争の主体たる地位の移転を受けた者と解する見解によれば、Cは同号の「承継人」に当たる。
よって、民事訴訟法115条1項3号の「承継人」の範囲を紛争の主体たる地位の移転を受けた者と解すると、口頭弁論終結後にBがCに当該建物を売却してこれを引き渡し、その所有権移転登記をした事案では、Cに確定判決の効力が及ぶこととなる。

(R1 予備 第43問 エ)
XがYに対して動産の引渡しを求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した場合に、この判決の効力は、その訴えに係る第1審の口頭弁論の終結前にYから当該動産を賃借したZにも及ぶ。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、3号において、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
したがって、Zは、第1審の口頭弁論の終結前に当事者であるYから当該動産を賃借しているため、3号の「口頭弁論終結後の承継人」に当たらない。
よって、Zには判決の効力は及ばない。

(R1 予備 第43問 オ)
XがYに対して所有権移転登記の原因となる行為の不存在を理由として所有権に基づき不動産の所有権移転登記抹消登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した後、YがZに対して当該不動産の所有権移転登記手続をした場合に、この判決の効力は、Zにも及ぶ。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、3号において、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
また、口頭弁論終結後に、当事者から訴訟物の目的となる不動産について所有権移転登記手続を受けた者は、3号の「口頭弁論終結後の承継人」に当たる。
そして、Zは、Xの請求を認容する判決が確定した後に、当事者であるYから当該不動産の所有権移転登記手続を受けている。
したがって、「口頭弁論終結後の承継人」に当たり、判決の効力はZにも及ぶ。

(R3 予備 第35問 ア)
Aを債務者とする債権がXに帰属することの確認を求める旨のXのYに対する訴訟において、請求を認容するとの判決が確定した場合に、この判決の効力は、Aに対して及ぶ。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、各号において、確定判決の効力が及ぶ者を掲げている
そして、Aを債務者とする債権がXに帰属することの確認を求める旨のXのYに対する訴訟において、債務者Aは当事者ではなく、同項各号に掲げられる者のいずれにも当たらない。
したがって、請求を認容するとの判決が確定した場合であっても、この判決の効力はAには及ばない。

(R3 予備 第35問 ウ)
XのYに対する賃貸借契約の終了に基づく土地明渡請求訴訟において、賃料不払による解除を理由として請求を認容するとの判決が確定した場合に、この判決の効力は、この訴訟の口頭弁論終結の前からその土地を転借しているZに対しては及ばない。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、3号において、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
そして、Zは、この訴訟の口頭弁論終結の前からその土地を転借しているため、3号の「口頭弁論終結後の承継人」に当たらない。
したがって、この判決の効力は、この訴訟の口頭弁論終結の前からその土地を転借しているZに対しては及ばない。

(R3 予備 第35問 エ)
XのYに対する動産引渡請求訴訟において、請求を認容するとの判決が確定した場合に、この判決の効力は、この訴訟の口頭弁論終結の前から、Yの委託に基づき無償でその動産を保管しているZに及ぶ。

(正答)

(解説)
115条1項柱書は、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、4号において、「前3号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者」を掲げている。
そして、Yの委託に基づき無償でその動産を保管しているZは、当事者であるYのために請求の目的物を所持する者に当たるため、4号に該当する。
したがって、この判決の効力は、この訴訟の口頭弁論終結の前から、Yの委託に基づき無償でその動産を保管しているZに及ぶ。

(R5 予備 第36問 ウ)
破産管財人XがYに対して、破産財団に属する破産者ZのYに対する不当利得返還請求権について、Zに代わって訴えを提起し、Xの請求を棄却する判決が確定した場合に、この判決の効力は、Zにも及ぶ。

(正答)

(解説)
破産法80条は、破産財団に関する訴えについて、「破産管財人を原告又は被告とする。」と規定している。これに基づき、破産管財人Xは、破産者Zの訴訟担当者として当事者適格が認められる。
そして、115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、2号において、「当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人」を掲げている。
したがって、破産管財人XがZに代わって訴えを提起した本件は、2号にいう「当事者が他人のために原告となった場合」に当たる。
よって、その確定判決の効力は、「その他人」である破産者Zに及ぶ。

(R5 予備 第36問 エ)
XがYに対して、売買契約に基づき動産の引渡しを求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定したが、Yが事実審の口頭弁論の終結前に、寄託契約に基づき、Zへ当該動産を引き渡し、占有を移転していた場合に、この判決の効力は、Zには及ばない。

(正答)

(解説)
115条1項は、柱書において、「確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。」と規定し、4号において、「前3号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者」を掲げている。
そして、4号にいう、「所持する」とは、目的物の所持について自己固有の利益が認められないことをいう。
したがって、Zは、当事者であるYとの寄託契約に基づき当該動産を引き渡され占有している受寄者であり、目的物の所持について自己固有の利益を有しないため、4号に該当する。
よって、Zには確定判決の効力が及ぶ。

(R5 予備 第36問 オ)
Xが、自ら認知した子であるYを被告として、認知無効の訴えを提起し、Xの請求を棄却する判決が確定した場合に、この判決の効力は、Xの推定相続人であるZにも及ぶ。

(正答)

(解説)
人事訴訟法24条1項本文は、人事訴訟の確定判決について、「第三者に対してもその効力を有する。」と規定している。
そして、認知無効の訴えは人事訴訟であるため、同項本文により、その請求を棄却する判決が確定した場合には、当事者以外の第三者に対しても判決の効力が及ぶ。
したがって、この判決の効力は、第三者であるXの推定相続人Zにも及ぶ。
総合メモ
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