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民事訴訟法 第137条

条文
第137条(裁判長の訴状審査権)
① 訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律(昭和46年法律第40号)の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。
② 前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。
③ 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。
過去問・解説
(H22 共通 第57問 イ)
裁判所書記官は、自ら訴状を審査し、不備があれば補正を命ずることができる。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条1項前段は、「訴状が第134条2項の規定に違反する合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。
したがって、訴状の審査及び補正命令は、裁判所書記官ではなく裁判長が行う。

(H22 共通 第59問 ア)
訴状に、被告である株式会社の代表者の記載がない場合、相当の期間を定めてその期間に不備を補正すべきことを命じた上でなければ、訴状を却下することはできない。

(正答)

(解説)
134条2項1号は、訴状の必要的記載事項の1つとして、「当事者及び法定代理人」を掲げている。
したがって、訴状には、被告である株式会社の法定代理人である代表者の記載が必要となる。
そして、137条は、1項前段において、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
また、株式会社の代表者の記載がない場合は、37条が準用する134条2項1号の規定に違反する場合に当たるため、裁判長はまず補正を命じなければならない。
よって、訴状に、被告である株式会社の代表者の記載がない場合、相当の期間を定めてその期間に不備を補正すべきことを命じた上でなければ、訴状を却下することはできない。

(H22 共通 第59問 イ)
原告が、訴えの提起の手数料を納付しない場合、直ちに訴状を却下することができる。

(正答)

(解説)
137条1項は、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律…の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。」と規定している。
したがって、原告が訴えの提起の手数料を納付しない場合には、裁判長は直ちに訴状を却下するのではなく、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。

(H22 共通 第59問 ウ)
訴状を却下する命令が確定した場合、原告は、その不備を補正した上で、再度訴えを提起することは妨げられない。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条は、1項前段において、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
137条2項に基づく訴状却下命令は、訴訟係属前に行われるものであるため、これが確定した場合であっても既判力は生じない。
したがって、原告は、その不備を補正した上で、再度訴えを提起することは妨げられない。

(H22 共通 第59問 オ)
訴えが提起された場合、被告にも判決を受ける利益があるから、訴状を却下する命令を発するためには、被告の意見を聴かなければならない。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条は、1項前段において、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
したがって、訴状却下命令を発するに当たり、被告の意見を聴くことは要件とされていない。

(H23 共通 第61問 1)
訴状審査の結果として訴状に不備があることが判明した場合の補正命令は、裁判所書記官がする。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条1項前段は、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。
したがって、訴状に不備があることが判明した場合の補正命令は、裁判所書記官ではなく裁判長がする。

(H23 共通 第61問 2)
訴状審査の結果、訴えが不適法でその不備を補正することができないことが判明した場合、裁判長は、直ちに訴えを却下することができる。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条2項は、「原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
したがって、訴状審査の結果、不備を補正することができないことが判明した場合には、裁判所が判決で訴えを却下するのではなく、裁判長が命令で訴状を却下する。

(H23 共通 第61問 3)
訴状審査の結果として訴状が却下された場合、訴えの提起による時効の完成猶予の効力が生じない。

(正答)

(解説)
民法147条1項柱書は、「次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から6箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。」と規定し、1号において、「裁判上の請求」を掲げている。
したがって、裁判上の請求たる訴えの提起による時効の完成猶予の効力は、訴えの却下や訴状が却下された場合であっても、その終了の時から6箇月を経過するまでは継続する。

(H23 共通 第61問 4)
訴状における立証方法に関する記載も、訴状審査の対象となる。

(正答)

(解説)
137条1項前段は、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。
そして、134条2項は、訴状の必要的記載事項について、「当事者及び法定代理人」に加え、「請求の趣旨及び原因」を掲げているものの、立証方法の記載(民事訴訟規則53条1項)は含まれていない。
したがって、訴状における立証方法に関する記載は、訴状の必要的記載事項の欠缺を調べる訴状審査の対象とはならない。

(H23 共通 第61問 5)
当事者が法人である場合において、訴状にその代表者の記載があるかどうかは、訴状審査の対象となる。

(正答)

(解説)
134条2項は、柱書において、「訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。」と規定し、1号において、「当事者及び法定代理人」を掲げている。
また、37条が準用する134条2項1号の規定により、法人の代表者の記載は「法定代理人」の記載として訴状の必要的記載事項となるため、その記載があるかどうかは裁判長の訴状審査の対象となる。
したがって、当事者が法人である場合において、訴状にその代表者の記載があるかどうかは、訴状審査の対象となる。

(H24 共通 第56問 4)
訴状が被告に送達された後は、その訴状に不備があっても、命令で訴状を却下することはできない。

(正答)

(解説)
137条2項は、「原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
この訴状却下命令は、訴状の送達前に行われる訴状審査の段階における裁判長の権限である。
そして、訴状送達により二当事者対立構造が成立し訴訟係属が生じた後は、訴状の不備は訴えの不適法事由となるため、裁判長による訴状却下命令ではなく、裁判所による訴え却下判決によることとなる。
したがって、訴状が被告に送達された後は、その訴状に不備があっても、命令で訴状を却下することはできない。

(H25 共通 第69問 ア)
訴訟物が特定されない訴状は、裁判長の命令にもかかわらず原告がその不備を補正しないときは、裁判長の命令により却下される。

(正答)

(解説)
134条2項は、柱書において、「訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。」と規定し、2号において、「請求の趣旨及び原因」を掲げている。
したがって、訴訟物が特定されない訴状は、「請求の趣旨及び原因」が記載されていないことになり、134条2項の規定に違反する。
また、137条は、1項前段において、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
よって、訴訟物が特定されない訴状は、裁判長の命令にもかかわらず原告がその不備を補正しないときは、裁判長の命令により却下される。

(H26 共通 第62問 1)
訴状の審査は、受訴裁判所が行う。

(正答)

(解説)
134条2項は、訴状の必要的記載事項について規定している。
そして、137条1項は、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。
したがって、訴状の審査は、受訴裁判所ではなく、裁判長が行う。

(H26 共通 第62問 2)
証拠の引用又は添付の不備は、補正命令の対象となる。

(正答)

(解説)
137条1項前段は、「訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定している。そして、134条2項各号で訴状の必要的記載事項として掲げられているのは、「当事者及び法定代理人」と「請求の趣旨及び原因」のみである。
したがって、134条2項の規定する訴状の必要的記載事項には、証拠の引用や添付に関する事項は含まれていない。
よって、証拠の引用又は添付の不備は同項の規定に違反する場合に当たらず、裁判長による補正命令の対象とはならない。

(H26 共通 第62問 5)
訴状を却下する命令に対しては、不服を申し立てることができない。

(正答)

(解説)
137条は、2項において、「原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定し、3項において、「前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。
したがって、訴状を却下する命令に対しては、即時抗告により不服を申し立てることができる。

(H28 予備 第35問 オ)
訴状は、第1回の口頭弁論期日後は、これを却下することができない。

(正答)

(解説)
137条2項は、裁判長の訴状審査による訴状却下命令について規定している。この訴状却下命令は、訴訟係属時である被告への訴状送達時前に行われるものである。
これに対し、140条は、「訴えが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。」と規定し、訴訟係属後の訴え却下判決について規定している。
そして、訴状送達により訴訟係属が生じた後である第1回の口頭弁論期日後においては、訴状却下命令ではなく訴え却下判決によるため、訴状を却下することはできない。
したがって、訴状は、第1回の口頭弁論期日後は、これを却下することができない。

(H30 予備 第43問 ア)
簡易裁判所の裁判官の訴状却下命令に対しては、地方裁判所に即時抗告をすることができる。

(正答)

(解説)
137条3項は、同条2項に基づく訴状却下命令について、「前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。
そして、裁判所法24条4号は、地方裁判所が管轄を有する場合の1つとして、「簡易裁判所の決定及び命令に対する抗告」を掲げている。
したがって、簡易裁判所の裁判官の訴状却下命令に対する即時抗告は、地方裁判所にすることとなる。

(R5 予備 第37問 エ)
裁判長が訴状の補正を命じた場合に、原告は、その補正命令に対して不服を申し立てることができない。

(正答)

(解説)
137条3項は、同条2項に基づく訴状却下命令について、「前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。もっとも、同条1項に基づく裁判長による補正命令に対して、不服申立てを認める規定は存在しない。
したがって、裁判長が訴状の補正を命じた場合に、原告は、その補正命令に対して不服を申し立てることはできない。

(R5 予備 第37問 オ)
訴え提起の手数料の納付を命ずる補正命令を受けた者が、当該命令において定められた期間内にこれを納付しなかった場合であっても、訴状却下命令が発せられる前にこれを納付したときは、裁判長は、訴状を却下することはできない。

(正答)

(解説)
137条は、1項において、「訴状が第134条第2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律…の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。」と規定し、2項において、「前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。」と規定している。
そして、この規定により訴状を却下することができるのは、補正命令において定められた期間内に不備が補正されなかったことだけでなく、現に訴状却下命令を発する時点においても不備が補正されていないことが必要であると解されている。
したがって、当該命令において定められた期間内にこれを納付しなかった場合であっても、訴状却下命令が発せられる前にこれを納付したときは不備が補正されたこととなるため、裁判長は訴状を却下することはできない。
総合メモ
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