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民事訴訟法 第179条

条文
第179条(証明することを要しない事実)
 裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。
過去問・解説
(H18 司法 第65問 イ)
裁判官が他の事件を担当した結果たまたま知っている事実は、当事者が立証しない限り、判決の基礎とすることができない。

(正答)

(解説)
179条は、「裁判所において…顕著な事実は、証明することを要しない。」と規定している。、ここでいう「顕著な事実」とは、公知の事実だけでなく、裁判所が職務上知り得た事実も含まれると解されている。
そのため、裁判官が他の事件を担当した結果たまたま知っている事実は、「顕著な事実」に当たる。
したがって、裁判官が他の事件を担当した結果たまたま知っている事実は、当事者が立証しなくとも、判決の基礎とすることができる。

(H23 共通 第66問 ア)
所有権に基づく建物明渡請求訴訟の原告が、最初にすべき口頭弁論の期日において、被告との間で当該建物について使用貸借契約を締結したがその契約は終了した旨の陳述をしたのに対し、被告は、請求棄却を求め事実に対する認否は追って行う旨の答弁書を提出し、その期日には出頭しなかった。被告が次の口頭弁論の期日にも出頭しなかった場合、原告は、その期日において、使用貸借契約を締結した旨の陳述を撤回することができる。

(正答)

(解説)
裁判上の自白(179条)とは、期日における相手方の主張と一致する自己に不利益な事実の陳述をいう。
そして、当事者の一方が相手方の主張すべき自己に不利益な事実を相手方に先立って主張した場合、相手方がこれを援用して初めて双方の主張が一致することになり、裁判上の自白が成立すると解されている。
そのため、本肢において、相手方が援用する前であれば、当該陳述を撤回することができる。
したがって、原告の「使用貸借契約を締結した」旨の陳述は、被告が主張すべき占有権原の抗弁事実に関する先立った自白に当たるが、被告はこれに対する認否を留保したまま欠席しており、いまだこれを援用していないといえる。
よって、本肢において、原告は、次の口頭弁論の期日において、使用貸借契約を締結した旨の陳述を撤回することができる。

(H23 共通 第66問 ウ)
所有権に基づく建物明渡請求訴訟の原告が、原告本人の尋問において、被告が抗弁として主張した当該建物についての賃貸借契約締結の事実を認める旨の陳述をしたときは、裁判所は、その陳述に反する事実を認定することができない。

(正答)

(解説)
裁判上の自白(179条)が成立するためには、口頭弁論又は弁論準備手続における当事者の弁論としての陳述であることが必要である。そして、当事者本人の尋問における供述は、証拠調べの結果にすぎず、弁論としての陳述ではないため、相手方の主張と一致する自己に不利益な事実を認める供述をしたとしても、裁判上の自白は成立しないと解されている。
したがって、所有権に基づく建物明渡請求訴訟の原告が、原告本人の尋問において、被告が抗弁として主張した当該建物についての賃貸借契約締結の事実を認める旨の陳述をしたときであっても、裁判所は、その陳述に反する事実を認定することができる。

(H24 共通 第63問 オ)
自己に不利益な陳述をした当事者は、相手方がその陳述を援用する前においても、当該陳述を撤回することができない。

(正答)

(解説)
裁判上の自白(179条)とは、期日における相手方の主張と一致する自己に不利益な事実の陳述をいう。そして、当事者の一方が相手方の主張すべき自己に不利益な事実を相手方に先立って主張した場合、相手方がこれを援用して初めて双方の主張が一致することになり、裁判上の自白が成立すると解されている。
したがって、自己に不利益な陳述をした当事者は、相手方がその陳述を援用する前は、当該陳述を撤回することができる。

(H27 予備 第39問 3)
親子関係不存在確認の訴えにおいて、被告が、子の懐胎が可能である時期に両親が別居していたとの原告の主張を認める旨の陳述をしたときは、この事実につき裁判上の自白が成立する。

(正答)

(解説)
人事訴訟法19条1項は、「人事訴訟の訴訟手続においては、民事訴訟法…179条の規定中裁判所において当事者が自白した事実に関する部分は、適用しない」と規定している。そして、同法20条は、「人事訴訟においては、裁判所は、当事者が主張しない事実をしん酌…することができる」と規定している。
したがって、親子関係不存在確認の訴えにおいて、被告が、子の懐胎が可能である時期に両親が別居していたとの原告の主張を認める旨の陳述をしたときであっても、この事実につき裁判上の自白は成立しない。

(H30 予備 第40問 1)
文書の成立についての自白は裁判所を拘束するものではないが、私文書の成立について当事者間に争いがない場合には、裁判所は、証拠に基づかなくても、当該私文書が真正に成立したものと認めることができる。

(正答)

(解説)
裁判上の自白(179条)が成立した場合に生じる裁判所への拘束力は、自由心証主義の適用を排除する結果をもたらすため、主要事実に限られ、間接事実や補助事実には及ばないと解されている。
また、179条は、「裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。」と規定し、いわゆる不要証効について定めている。そして、不要証効は、主要事実のみならず、間接事実や補助事実にも及ぶと解されている。
加えて、文書の成立についての自白は補助事実に関するものである。
したがって、文書の成立についての自白は裁判所を拘束するものではないが、私文書の成立について当事者間に争いがない場合には、裁判所は、証拠に基づかなくても、当該私文書が真正に成立したものと認めることができる。
総合メモ
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