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民事訴訟法 第281条

条文
第281条(控訴をすることができる判決等)
① 控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。
② 第11条第2項及び第3項の規定は、前項の合意について準用する。
過去問・解説
(H18 司法 第56問 5)
第1審終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意が成立した場合、当該合意により控訴権が消滅するので、控訴が提起されてもその控訴は不適法である。

(正答)

(解説)
281条1項は、「控訴は、地方裁判所が第1審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。」と規定している。
したがって、第1審終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意が成立した場合、当該合意により控訴権が消滅するので、控訴が提起されてもその控訴は不適法である。

(H18 司法 第61問 ウ)
建物収去土地明渡請求訴訟の係属中に、原告が土地所有権についての中間確認の訴えを提起し、原告の請求をいずれも認容する判決がされた場合には、被告は控訴して、この判決のうちの建物収去土地明渡請求についての部分のみならず、所有権確認請求についての部分に対しても不服を申し立てることができる。

(正答)

(解説)
281条1項本文は、「控訴は、地方裁判所が第1審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。」と規定している。
そして、中間確認の訴え(145条1項本文)に対する判決は、「終局判決」に当たる。
したがって、建物収去土地明渡請求訴訟の係属中に、原告が土地所有権についての中間確認の訴えを提起し、原告の請求をいずれも認容する判決がされた場合には、被告は控訴して、この判決のうちの建物収去土地明渡請求についての部分のみならず、所有権確認請求についての部分に対しても不服を申し立てることができる。

(H18 司法 第61問 エ)
甲建物及び乙建物の明渡しを求める訴訟で、先に裁判をするのに熟した甲建物の明渡請求について弁論を分離してされた請求棄却判決に対しては、独立して上訴することはできない。

(正答)

(解説)
281条1項本文は、「控訴は、地方裁判所が第1審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。」と規定している。
そして、本肢において分離してされた請求棄却判決は、243条2項が規定している一部判決に当たり、これは「終局判決」に当たる。
したがって、甲建物及び乙建物の明渡しを求める訴訟で、先に裁判をするのに熟した甲建物の明渡請求について弁論を分離してされた請求棄却判決に対しては、独立して上訴することができる。

(H23 共通 第72問 1)
Xは、Yに 1000 万円を貸し付けたとして、Yに対して、そのうち 400 万円の貸金の返還を求める訴えを提起した。これに対し、Yは、請求棄却の判決を求め、当該貸付けの事実を否認するとともに、消滅時効又は相殺による当該貸金債権の消滅を主張した。
第1審裁判所が、XのYに対する貸付けの事実を認めた上で、Yの主張する消滅時効を理由にXの請求を全部棄却した場合、Yは、貸付けの事実を認めたことを不服として控訴することができる。

(正答)

(解説)
控訴の利益の有無は、原則として、原審における当事者の申立てと原判決の内容とを形式的に比較して判断されると解されている。
そして、本肢において、被告Yは第1審で請求棄却の判決を求めており、第1審裁判所はYの主張する消滅時効を理由にXの請求を全部棄却している。
したがって、Yは全部勝訴しており形式的な不服がないため、控訴の利益は認められない。
よって、本肢において、Yは貸付けの事実を認めたことを不服として控訴することはできない。

(H23 共通 第72問 2)
Xは、Yに 1000 万円を貸し付けたとして、Yに対して、そのうち 400 万円の貸金の返還を求める訴えを提起した。これに対し、Yは、請求棄却の判決を求め、当該貸付けの事実を否認するとともに、消滅時効又は相殺による当該貸金債権の消滅を主張した。
第1審裁判所がXの請求を全部認容した場合、Xは、Yに対する請求を1000万円に拡張するために控訴することができる。

(正答)

(解説)
控訴の利益の有無は、原則として、原審における当事者の申立てと原判決の内容とを形式的に比較して判断されると解されている。
そして、本肢において、原告Xは400万円の貸金の返還を求めており、第1審裁判所はXの請求を全部認容している。
そのため、Xは全部勝訴しており形式的な不服が認められない。
また、判例(最判昭 37.8.10)は、一部請求であることが明示されている場合には、残部について別訴を提起することが許されることを判示しており、例外的に控訴の利益を認める必要性もない。
したがって、本肢において、Xは、Yに対する請求を1000万円に拡張するために控訴することができない。

(H23 共通 第72問 3)
Xは、Yに 1000 万円を貸し付けたとして、Yに対して、そのうち 400 万円の貸金の返還を求める訴えを提起した。これに対し、Yは、請求棄却の判決を求め、当該貸付けの事実を否認するとともに、消滅時効又は相殺による当該貸金債権の消滅を主張した。
第1審裁判所がYの主張する相殺を理由にXの請求を全部棄却した場合、Yは、これを不服として控訴することができる。

(正答)

(解説)
控訴の利益の有無は、原則として、原審における当事者の申立てと原判決の内容とを形式的に比較して判断されると解されている。
そして、本肢において、相殺の抗弁のみが認められて請求棄却判決を受けた被告は、原審の申立てが形式的には全部認められているものの、既判力により自己の反対債権を実体法上犠牲にしているため、実質的に敗訴しているといえる。そのため、例外的に控訴の利益が認められると解されている。
したがって、本肢において、第1審裁判所がYの主張する相殺を理由にXの請求を全部棄却した場合、Yは、これを不服として控訴することができる。

(H24 共通 第73問 エ)
控訴審において提出することができる攻撃又は防御の方法は、第一審の口頭弁論終結後に生じた事由に関するものに限られない。

(正答)

(解説)
297条は、第1審の口頭弁論に関して定めた156条等の規定を控訴審に準用している。
また、控訴審は、続審制であると解されている。
したがって、当事者は、第1審において提出しなかった攻撃又は防御の方法を控訴審において新たに提出することができる。
よって、控訴審において提出することができる攻撃又は防御の方法は、第1審の口頭弁論終結後に生じた事由に関するものに限られない。

(H26 共通 第73問 5)
当事者双方が、第1審の終局判決の後、共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、その合意は、有効である。

(正答)

(解説)
281条1項は、「控訴は、地方裁判所が第1審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。」と規定している。

(H28 予備 第43問 1)
終局判決後にされた当事者双方が共に上告する権利を留保する不控訴の合意は、書面又はその内容を記録した電磁的記録によってされなければならない。

(正答)

(解説)
281条1項は、「控訴は、地方裁判所が第1審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。」と規定している。
また、11条2項は、「合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。」と規定し、同条3項は、「1項の合意がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。」と規定している。
そして、281条2項は、11条2項及び3項を不控訴の合意に準用している。
したがって、終局判決後にされた当事者双方が共に上告する権利を留保する不控訴の合意は、書面又はその内容を記録した電磁的記録によってされなければならない。

(R5 予備 第44問 5)
第1審の終局判決の言渡し前に、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この合意は有効である。

(正答)

(解説)
281条1項は、「控訴は、地方裁判所が第1審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。」と規定している。
そして、本規定は、不控訴の合意について「終局判決後」としているため、この合意は、終局判決がされた後に限ってすることができる。
したがって、第1審の終局判決の言渡し前に、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、その合意は無効である。
総合メモ
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