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刑事訴訟法 被告人の署名のない弁護人選任届の効力 最三小決昭和40年7月20日

概要
氏名を記載することができない合理的な理由がないのに、署名のない弁護人選任届によってした被告人の弁護人選任は、無効である。
判例
事案:被告人が、合理的な理由なく、被告人の署名のない弁護人選任届を裁判所に提出した事案において、弁護人選任の効力が問題となった。

判旨:「被告人の氏名について黙秘権がないことは当裁判所大法廷の判例(昭和27年(あ)第838号同32年2月20日判決、刑集11巻2号802頁)とするところであり、法が上告の申立を前記のように要式行為としている理由は、手続を厳格丁重にして過誤のないようにしようとするためであり、被告人が訴訟の主体として誠実に訴訟上の権利を行使しなければならないものであることは、同規則1条2項の明定するところである...(中略)...公訴提起後における私選弁護人の選任は、弁護人になろうとする者と被告人とが連署した書面を差出してしなければならないことは、刑訴法30条1項、刑訴規則18条の明定するところであり、ここに連署とは、弁護人になろうとする者と被告人とがそれぞれ自己の氏名を自書し押印することであることは、同規則60条によって明らかである。 ところが、原審に提出された同弁護士の弁護人選任届の被告人の署名欄には、『氏名不詳』という記載があるだけで、被告人の署名は存在しない。 しかして、被告人の氏名について黙秘権がないこと、および被告人に氏名を記載することができない合理的な理由がないことは、被告人氏名不詳者の上告申立について説示したとおりであり、法が弁護人の選任を前記のように要式行為としている理由および訴訟法上の権利を誠実に行使しなければならないことは、前記被告人氏名不詳者の上告申立について説示したところと同様であるから、被告人の署名のない前記弁護人選任届によってした弁護人の選任は無効であり、同弁護士は原審における弁護人ではないものといわなければならない…。」
過去問・解説
(H20 司法 第30問 ア)
被告人に氏名を記載することができない合理的な理由がないのに、被告人の署名のない弁護人選任届によってした弁護人の選任は無効である。

(正答)

(解説)
判例(最決昭40.7.20)は、「被告人に氏名を記載することができない合理的な理由がないことは、...説示した通りであ...るから、被告人の署名のない前記弁護人選任届によってした弁護人の選任は無効であり、同弁護士は原審における弁護人ではないものといわなければならない…。」として、被告人の署名のない弁護人選任届によってした弁護人の選任が無効であることを示している。
総合メモ
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