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刑事訴訟法 弁護人と被疑者との接見交通に関する一般的指定 最二小判平成3年5月31日

概要
①39条3項の規定にいう「捜査のため必要のあるとき」には、捜査機関が、弁護人から被疑者との接見等の申出を受けた時に、現に被疑者を取調べ中であるとか、実況見分、検証等に立ち会わせているような場合だけでなく、間近い時に右取調べ等をする確実な予定があって、弁護人の必要とする接見を認めたのでは、右取調べ等が予定どおり開始できなくなるおそれがある場合が含まれる。
②弁護人等からの被疑者との接見の申出が接見の日時等の指定権限のない者に対してされた場合、右の者は、指定権限のある捜査官に対して申出のあったことを連絡し、具体的指示を受ける等の手続を採る必要があり、こうした手続を要することによって弁護人等が待機することになり、又はそれだけ接見が遅れることがあったとしても、それが合理的な範囲内にとどまる限り違法とはいえない。
判例
事例:弁護人が被疑者との接見を申し出た際に、接見指定の判断を仰ぐために弁護人を一定時間待機させた。弁護人がかかる措置により接見交通権が妨害されたとして国家賠償請求訴訟を提起した事案において、①39条3項の「捜査のため必要があるとき」の意義、②弁護人からの被疑者との接見の申出が接見の日時等の指定権限のない捜査官に対してされた場合に捜査官のとるべき措置の内容が問題となった。

判旨:①「弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(以下『弁護人等』という。)と被疑者との接見交通権が憲法上の保障に由来するものであることにかんがみれば、刑訴法39条3項の規定による捜査機関のする接見又は書類若しくは物の授受の日時、場所及び時間の指定は、あくまで必要やむを得ない例外的措置であって、右指定に当たっては、被疑者が防御の準備をする権利を不当に制限されることがないように配慮することは当然である。したがって、捜査機関は、弁護人等から被疑者との接見等の申出があったときは、原則としていつでも接見等の機会を与えなければならないのであり、これを認めると捜査の中断による支障が顕著な場合には、弁護人等と協議してできる限り速やかな接見等のための日時等を指定し、被疑者が弁護人等と防御の準備をすることができるような措置を採るべきである(最高裁昭和49年(オ)第1088号昭和53年7月10日第一小法廷判決・民集32巻5号820頁)。そして、右にいう捜査の中断による支障が顕著な場合には、捜査機関が、弁護人等の接見等の申出を受けた時に、現に被疑者を取調べ中であるとか、実況見分、検証等に立ち会わせているというような場合だけでなく、間近い時に右取調べ等をする確実な予定があって、弁護人等の必要とする接見等を認めたのでは、右取調べ等が予定どおり開始できなくなるおそれがある場合も含むものと解すべきである。」
 ②「捜査機関は、弁護人等から被疑者との接見等の申出を受けたときは、速やかに当該被疑者についての取調状況等を調査して、右のような接見等の日時等を指定する要件が存在するか否かを判断し、適切な措置を採るべきであるが、弁護人等から接見等の申出を受けた者が接見等の日時等の指定につき権限のある捜査官(以下『権限のある捜査官』という。)でないため右の判断ができないときは、権限のある捜査官に対し右の申出のあったことを連絡し、その具体的措置について指示を受ける等の手続を採る必要があり、こうした手続を要することにより弁護人等が待機することになり又はそれだけ接見が遅れることがあったとしても、それが合理的な範囲内にとどまる限り、許容されているものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H19 司法 第25問 ア)
勾留中の被疑者の弁護人から接見の申出を受けた司法警察職員が、接見のための日時等の指定につき権限のある捜査機関である検察官に連絡し、それに対する具体的措置について指示を受ける等の手続を採る間、弁護人を待機させることは、合理的な範囲内にとどまる限り許される。

(正答)

(解説)
判例(最判平3.5.31)は、捜査官による接見指定の判断について、「弁護人等から接見等の申出を受けた者が接見等の日時等の指定につき権限のある捜査官…でないでないため右の判断ができないときは、権限のある捜査官に対し右の申出のあったことを連絡し、その具体的措置について指示を受ける等の手続を採る必要があり、こうした手続を要することにより弁護人等が待機することになり又はそれだけ接見が遅れることがあったとしても、それが合理的な範囲内にとどまる限り、許容されている…。」としている。
総合メモ
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