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刑事訴訟法 弁論の分離・併合と証人尋問の関係 最二小判昭和35年9月9日

概要
弁論併合後に、弁論を分離した上で共同被告人であった乙を甲に対する被告事件の証人として尋問することは、甲の黙秘権を侵害しない。
判例
事案:被告人甲・乙の弁論が併合して審理が行われていたところ、甲・乙のそれぞれを相互に証人として尋問するため弁論が分離され、証人尋問がなされたのち、再び弁論が併合された事案において、共同被告人を分離して証人として尋問することの可否が問題となった。

判旨:「所論は原判決の憲法38条1項違反を主張する。同規定が、何人も自己が刑事上の責任を問われる虞れのある事項について供述を強要されないことを保障したものであることは昭和27年(あ)第838号、同32年2月20日大法廷判決、集11巻2号802頁に示されているとおりであるところ、共同被告人を分離して証人として尋問しても、同証人は自己に不利益な供述を拒むことができ、これを強要されるものでないこと(昭和28年(あ)第5177号、同29年6月3日第一小法廷決定、集8巻6号802頁参照)および共同被告人でも事件が分離された後、他の共同被告人の証人として証言することは差支えなく、また他の事件の証人としての証言が自己の犯罪に対しても証拠となること(昭和28年(あ)第3280号、同31年12月13日第一小法廷決定、集10巻12号1629頁参照)もまた当裁判所の判例とするところであるから、所論違憲の主張は採用できない。」
過去問・解説
(H18 司法 第31問 エ)
弁論併合後に、弁論を分離した上で甲を乙に対する被告事件の証人として尋問することは、証人となった甲に黙秘権が認められないにもかかわらず、尋問の結果作成された甲の証人尋問調書は刑事訴訟法第322条の要件を満たす限り、甲の被告事件においても証拠能力を取得することとなり、結局甲の黙秘権保障に反する結果となるから、許されない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭35.9.9)は、本肢と同種の事案において、「共同被告人を分離して証人として尋問しても、同証人は自己に不利益な供述を拒むことができ、これを強要されるものでないこと...および共同被告人でも事件が分離された後、他の共同被告人の証人として証言することは差支えなく、また他の事件の証人としての証言が自己の犯罪に対しても証拠となること...もまた当裁判所の判例とするところであるから、所論違憲の主張は採用できない。」としている。
したがって、弁論併合後に、弁論を分離した上で甲を乙に対する被告事件の証人として尋問することも、甲の黙秘権保障に反するとはいえず、許される。
総合メモ
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