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抗告 - 解答モード
第419条
条文
抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。
第420条(判決前の決定に対する抗告)
① 裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定に対しては、この法律に特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合を除いては、抗告をすることはできない。
② 前項の規定は、勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する決定及び鑑定のためにする留置に関する決定については、これを適用しない。
③ 勾留に対しては、前項の規定にかかわらず、犯罪の嫌疑がないことを理由として抗告をすることはできない。
過去問・解説
(H18 司法 第39問 エ)
被告人甲は、第1回公判期日後、保釈の請求をしたところ、請求が却下されたため、抗告により、その取消しと請求認容の裁判を求めることができる。
(H18 司法 第39問 オ)
被告人甲は、第1回公判期日後、逃亡のおそれがあるとして勾留状が発付され勾留されたが、犯罪の嫌疑がないことを理由に、勾留状発付の取消しを求めることができる。
(H21 司法 第28問 オ)
弁護人は、勾留されている被告人の勾留の期間を更新した裁判所の決定に対して、被告人に犯罪の嫌疑がないことを理由として抗告をすることができる。
(H24 司法 第28問 オ)
地方裁判所の証拠決定について法令の違反があるときは、これに不服がある当事者から、審理の終結を待たず、高等裁判所に対して不服申立てをすることができる。
(H26 司法 第36問 オ)
傷害被告事件で勾留中の被告人につき懲役2年の実刑の有罪判決が宣告された後、宣告した裁判所のした被告人の保釈請求を却下する決定に対しては、被告人は高等裁判所に抗告をすることができる。
(正答)〇
(解説)
419条は、「抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。」と規定している。
また、420条は、1項において、「裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定に対しては、この法律に特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合を除いては、抗告をすることはできない。」と規定し、2項において、「前項の規定は…保釈…に関する決定…については、これを適用しない。」と規定している。
したがって、保釈に関する決定については、420条1項は適用されず、419条が適用され、高等裁判所に抗告できる。
(H27 予備 第21問 ア)
弁護人は、訴因変更を許可する裁判所の決定に対し、適法に即時抗告をすることができる。
(H27 予備 第21問 エ)
検察官は、保釈を許可する裁判所の決定に対し、適法に抗告をすることができる。
(正答)〇
(解説)
419条は、「抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。」と規定している。
また、420条は、1項において、「裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定に対しては、この法律に特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合を除いては、抗告をすることはできない。」と規定し、2項において、「前項の規定は…保釈…に関する決定…については、これを適用しない。」と規定している。
したがって、保釈に関する決定については、420条1項は適用されず、419条が適用され、高等裁判所に抗告できる。
(R1 予備 第20問 オ)
被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定に対して、抗告することはできない。
(R4 予備 第21問 ア)
検察官、被告人又は弁護人が事件を公判前整理手続に付することを求めたが、裁判所がその請求を却下する決定をした場合には、その検察官、被告人又は弁護人は、その却下決定に対して即時抗告をすることができる。
第429条
条文
① 裁判官が左の裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消又は変更を請求することができる。
一 忌避の申立を却下する裁判
二 勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判
三 鑑定のため留置を命ずる裁判
四 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
五 身体の検査を受ける者に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
② 第420条第3項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。
③ 第207条の2第2項(第224条第3項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による措置に関する裁判に対しては、当該措置に係る者が第201条の2第1項第1号又は第2号に掲げる者に該当しないことを理由として第1項の請求をすることができない。
④ 第1項の請求を受けた地方裁判所又は家庭裁判所は、合議体で決定をしなければならない。
⑤ 第1項第4号又は第5号の裁判の取消し又は変更の請求は、その裁判のあった日から3日以内にしなければならない。
⑥ 前項の請求期間内及びその請求があったときは、裁判の執行は、停止される。
第207条(被疑者の勾留)
① 前3条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。
②〜⑤ 略
第280条(勾留に関する処分)
① 公訴の提起があった後第1回の公判期日までは、勾留に関する処分は、裁判官がこれを行う。
②〜③ 略
通信傍受法第33条
① 裁判官がした通信の傍受に関する裁判に不服がある者は、その裁判官が所属する裁判所に、その裁判の取消し又は変更を請求することができる。
②〜⑦ 略
過去問・解説
(H18 司法 第39問 イ)
被疑者甲は、逮捕後、検察官の勾留請求に基づいて発付された勾留状により勾留されたが、先行する逮捕手続に違法があったことを理由に、準抗告により、勾留状発付の取消しを求めることができる。
(H18 司法 第39問 ウ)
逮捕後の留置中に起訴され、起訴当日発付された勾留状により勾留された被告人甲は、逃亡のおそれを認めた判断に誤りがあるとして、準抗告により、勾留状発付の取消しを求めることができる。
(H19 司法 第39問 4)
刑事訴訟法では、裁判官がした検証に関する裁判の取消し又は変更を請求することはできないが、通信傍受法では、裁判官がした通信の傍受に関する裁判の取消し又は変更を請求することができる。
(H21 司法 第28問 イ)
弁護人は、裁判官が勾留されている被疑者の勾留の期間を延長する裁判をした場合、「やむを得ない事由」がないことを理由として、準抗告をすることができる。
(H22 司法 第25問 オ)
勾留期間の延長の裁判に対する準抗告には、法令上の根拠はない。
(H24 共通 第38問 2)
検察官は、地方裁判所の裁判官がした勾留請求を却下する裁判に対して高等裁判所に準抗告をすることができる。
(H24 共通 第38問 5)
被告人又は弁護人は、第1回公判期日後の保釈請求を却下する裁判に対して準抗告をすることができる。
(H26 予備 第25問 ウ)
被疑者の弁護人は、被疑者の勾留場所を警察署の留置施設から拘置所に変更することを求めて裁判所に準抗告をすることができる。
(H27 予備 第16問 ウ)
M県N警察署の司法警察員Xは、Vから、甲に宝石をだまし取られた旨の詐欺事件の被害届を受理し、甲に対する内偵捜査を行っていたところ、平成25年3月3日午後2時頃、甲がN市内のコンビニエンスストアで万引きをしたとの通報を受けたことから、同店に急行し、同日午後2時10分、同店にいた甲を窃盗罪の現行犯人として逮捕した。甲は、逮捕後の取調べの際、Xに対し、「コンビニエンスストアで万引きはしていない。」旨供述するとともに、逮捕時に所持していた宝石について、「Vから買ったものであり、だまし取ったものではない。」旨申し立てた。Xは、前記詐欺事件及び前記窃盗事件について、それぞれ関係者の取調べを行うなどした上で、同月5日午後2時に窃盗罪で甲をM地方検察庁に送致する手続をとり、同日午後2時35分、M地方検察庁検察官Yが甲を受け取った。甲は、勾留請求を受けたM地方裁判所の裁判官が勾留状を発した場合、これに不服があるときは、同裁判所に対し、その裁判を取り消して勾留請求を却下するよう請求することができる。
(H27 予備 第16問 エ)
Yは、勾留請求を受けたM地方裁判所の裁判官が、犯罪の嫌疑が認められないものとして勾留請求を却下した場合、これに不服があるときでも、同裁判所に対し、その裁判を取り消して甲を勾留するよう請求することは許されない。
(R1 予備 第18問 ウ)
弁護人は、勾留されている被疑者の勾留の期間を延長する裁判に対して、準抗告をすることができる。
第430条
条文
① 検察官又は検察事務官のした第39条第3項の処分又は押収若しくは押収物の還付に関する処分に不服がある者は、その検察官又は検察事務官が所属する検察庁の対応する裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。
② 司法警察職員のした前項の処分に不服がある者は、司法警察職員の職務執行地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。
③ 前2項の請求については、行政事件訴訟に関する法令の規定は、これを適用しない。
第39条(被告人・被疑者との接見交通)
①〜② 略
③ 検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第1項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであってはならない。
過去問・解説
(H22 司法 第25問 エ)
検察官の接見指定に対する準抗告には、法令上の根拠はない。
(H24 共通 第38問 3)
被疑者又は弁護人は、司法警察員が録取した供述録取書の内容に不服がある場合、これに被疑者が署名したことの取消しを求める準抗告をすることができる。
(正答)✕
(解説)
430条は、1項において、「検察官又は検察事務官のした第39条第3項の処分又は押収若しくは押収物の還付に関する処分に不服がある者は、その検察官又は検察事務官が所属する検察庁の対応する裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。」と規定し、2項において、「司法警察職員のした前項の処分に不服がある者は、司法警察職員の職務執行地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。」と規定している。
したがって、「司法警察員が録取した供述録取書の内容」は、430条1項に掲げられている対象行為に該当しないから、被疑者が署名したことの取消しを求める準抗告をすることはできない。
(R1 予備 第26問 エ)
司法警察員がした差押えは、準抗告の対象となる。
(R1 予備 第26問 オ)
検察官がした、被疑者とその弁護人との接見の日時の指定は、準抗告の対象となる。
(R3 予備 第18問 エ)
弁護人は、検察官のした接見指定について、裁判所にその処分の取消し又は変更を請求することはできない。
(正答)✕
(解説)
430条1項は、「検察官…のした第39条第3項の処分…に不服がある者は、その検察官…が所属する検察庁の対応する裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。」と規定している。
そして、39条3項は、「検察官…は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第1項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであってはならない。」として、接見指定について規定している。
したがって、弁護人は、検察官のした接見指定について、裁判所にその処分の取消し又は変更を請求することができる。