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株式
他人の承諾のもとにその名義を用いて株式の引受がされた場合における株主 最二小判昭和42年11月17日
概要
他人の承諾を得てその名義を用いて株式の引受けがされた場合においては、名義貸与者ではなく、実質上の引受人が株主となるものと解すべきである。
判例
事案:他人の承諾のもとにその名義を用いて株式の引受けがされた場合に、株主が名義貸与者と名義借用者のどちらであるかが問題となった。
判旨:「他人の承諾を得てその名義を用い株式を引受けた場合においては、名義人すなわち名義貸与者ではなく、実質上の引受人すなわち名義借用者がその株主となるものと解するのが相当である。…株式の引受および払込については、一般私法上の法律行為の場合と同じく、真に契約の当事者として申込をした者が引受人としての権利を取得し、義務を負担するものと解すべきであるからである。」
判旨:「他人の承諾を得てその名義を用い株式を引受けた場合においては、名義人すなわち名義貸与者ではなく、実質上の引受人すなわち名義借用者がその株主となるものと解するのが相当である。…株式の引受および払込については、一般私法上の法律行為の場合と同じく、真に契約の当事者として申込をした者が引受人としての権利を取得し、義務を負担するものと解すべきであるからである。」
総合メモ
共有株式の共有者間に意見の相違がある場合における権利行使者による議決権行使 最二小判昭和53年4月14日
概要
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び通知がされている場合には、共有者間に意見の相違があっても、権利行使者は自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
判例
事案:共有に属する株式についての権利行使者の指定及び通知がされている場合において、共有者間に意見の相違があるときに、権利行使者が自己の判断に基づいて議決権を行使することができるかが問題となった。
判旨:「有限会社において持分が数名の共有に属する場合に、その共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、社員総会における共有者の議決権の正当な行使者は、右被選定者となるのであって、共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうると解すべきである。」
判旨:「有限会社において持分が数名の共有に属する場合に、その共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、社員総会における共有者の議決権の正当な行使者は、右被選定者となるのであって、共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうると解すべきである。」
過去問・解説
(H27 予備 第18問 イ)
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、その株式に係る権利を行使する者を指定し、会社に通知した場合でも、株主総会の決議事項について共有者の間に意見の相違が生じたときは、その指定された者は、自己の判断に基づき議決権を行使することができない。
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、その株式に係る権利を行使する者を指定し、会社に通知した場合でも、株主総会の決議事項について共有者の間に意見の相違が生じたときは、その指定された者は、自己の判断に基づき議決権を行使することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭53.4.14)は、「共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、…共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうると解すべきである。」としている。
したがって、権利行使者として指定された者は、自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
判例(最判昭53.4.14)は、「共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、…共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうると解すべきである。」としている。
したがって、権利行使者として指定された者は、自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
(R3 予備 第19問 ア)
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、権利行使者の指定及び通知がされている場合であっても、株主総会の決議事項について、その株式の共有者の間に意見の相違が生じたときは、権利行使者として指定された者は、自己の判断に基づいて議決権を行使することができない。
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、権利行使者の指定及び通知がされている場合であっても、株主総会の決議事項について、その株式の共有者の間に意見の相違が生じたときは、権利行使者として指定された者は、自己の判断に基づいて議決権を行使することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭53.4.14)は、「共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、…共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうる…。」としている。
したがって、権利行使者として指定された者は自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
判例(最判昭53.4.14)は、「共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、…共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうる…。」としている。
したがって、権利行使者として指定された者は自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
総合メモ
準共有株式の権利行使者の指定の方法 最三小判平成9年1月28日
概要
有限会社の持分の準共有者が権利行使者を定めるに当たり、持分価格の過半数をもってこれを決することができる。
判例
事案:旧商法下の事案において、有限会社の持分の準共有者が権利行使者を定めるに当たり、持分価格の過半数をもってこれを決することができるのか、それとも準共有者全員の一致まで要するのかが問題となった。
判旨:「有限会社の持分を相続により準共有するに至った共同相続人が、準共有社員としての地位に基づいて社員総会の決議不存在確認の訴えを提起するには、有限会社法22条、商法203条2項により、社員の権利を行使すべき者(以下「権利行使者」という)としての指定を受け、その旨を会社に通知することを要するのであり、この権利行使者の指定及び通知を欠くときは、特段の事情がない限り、右の訴えについて原告適格を有しないものというべきである(最高裁平成元年(オ)第573号同2年12月4日第三小法廷判決・民集44巻9号1165頁参照)。そして、この場合に、持分の準共有者間において権利行使者を定めるに当たっては、持分の価格に従いその過半数をもってこれを決することができるものと解するのが相当である。けだし、準共有者の全員が一致しなければ権利行使者を指定することができないとすると、準共有者のうちの一人でも反対すれば全員の社員権の行使が不可能となるのみならず、会社の運営にも支障を来すおそれがあり、会社の事務処理の便宜を考慮して設けられた右規定の趣旨にも反する結果となるからである。」
判旨:「有限会社の持分を相続により準共有するに至った共同相続人が、準共有社員としての地位に基づいて社員総会の決議不存在確認の訴えを提起するには、有限会社法22条、商法203条2項により、社員の権利を行使すべき者(以下「権利行使者」という)としての指定を受け、その旨を会社に通知することを要するのであり、この権利行使者の指定及び通知を欠くときは、特段の事情がない限り、右の訴えについて原告適格を有しないものというべきである(最高裁平成元年(オ)第573号同2年12月4日第三小法廷判決・民集44巻9号1165頁参照)。そして、この場合に、持分の準共有者間において権利行使者を定めるに当たっては、持分の価格に従いその過半数をもってこれを決することができるものと解するのが相当である。けだし、準共有者の全員が一致しなければ権利行使者を指定することができないとすると、準共有者のうちの一人でも反対すれば全員の社員権の行使が不可能となるのみならず、会社の運営にも支障を来すおそれがあり、会社の事務処理の便宜を考慮して設けられた右規定の趣旨にも反する結果となるからである。」
総合メモ
株式を準共有する共同相続人が権利行使者の指定及び通知を欠く場合の株主総会不存在確認の訴えの原告適格 最三小判平成2年12月4日
概要
株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、106条の権利行使者の指定及びその旨の会社に対する通知を欠く場合には、特段の事情がない限り、株主総会決議不存在確認の訴えにつき原告適格を有しない。
判例
事案:株式の共同相続人が106条の権利行使者の指定及び通知を欠いた場合に、株主総会決議不存在確認の訴えの原告適格が認められるかが問題となった。
判旨:「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、商法203条2項(現:会社法106条)の定めるところに従い、右株式につき『株主ノ権利ヲ行使スベキ者1人』(以下『権利行使者』という。)を定めて会社に通知し、この権利行使者において株主権を行使することを要するところ…、右共同相続人が準共有株主としての地位に基づいて株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、右と理を異にするものではないから、権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しないものと解するのが相当である。
しかしながら、株式を準共有する共同相続人間において権利行使者の指定及び会社に対する通知を欠く場合であっても、右株式が会社の発行済株式の全部に相当し、共同相続人のうちの1人を取締役に選任する旨の株主総会決議がされたとしてその旨登記されている本件のようなときは、前述の特段の事情が存在し、他の共同相続人は、右決議の不存在確認の訴えにつき原告適格を有するものというべきである。」
判旨:「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、商法203条2項(現:会社法106条)の定めるところに従い、右株式につき『株主ノ権利ヲ行使スベキ者1人』(以下『権利行使者』という。)を定めて会社に通知し、この権利行使者において株主権を行使することを要するところ…、右共同相続人が準共有株主としての地位に基づいて株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、右と理を異にするものではないから、権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しないものと解するのが相当である。
しかしながら、株式を準共有する共同相続人間において権利行使者の指定及び会社に対する通知を欠く場合であっても、右株式が会社の発行済株式の全部に相当し、共同相続人のうちの1人を取締役に選任する旨の株主総会決議がされたとしてその旨登記されている本件のようなときは、前述の特段の事情が存在し、他の共同相続人は、右決議の不存在確認の訴えにつき原告適格を有するものというべきである。」
過去問・解説
(H27 予備 第18問 オ)
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、株式を2以上の者が共同して相続し、そのうちの1人が共有者として株主総会決議不存在確認の訴えを提起する場合において、その株式に係る権利を行使する者の指定及び会社に対する通知を欠くときは、特段の事情がない限り、原告適格は認められない。
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、株式を2以上の者が共同して相続し、そのうちの1人が共有者として株主総会決議不存在確認の訴えを提起する場合において、その株式に係る権利を行使する者の指定及び会社に対する通知を欠くときは、特段の事情がない限り、原告適格は認められない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平2.12.4)は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、…株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、…権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない…。」としている。
判例(最判平2.12.4)は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、…株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、…権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない…。」としている。
(R3 予備 第19問 オ)
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、株式を相続により共有するに至った共同相続人は、株主としての地位に基づき株主総会決議不存在確認の訴えを提起する場合であっても、権利行使者の指定及び通知がされていないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない。
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、株式を相続により共有するに至った共同相続人は、株主としての地位に基づき株主総会決議不存在確認の訴えを提起する場合であっても、権利行使者の指定及び通知がされていないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平2.12.4)は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、…株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、…権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない…。」としている。
判例(最判平2.12.4)は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、…株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、…権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない…。」としている。
総合メモ
会社法106条の趣旨 最一小判平成27年2月19日
概要
①共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において、当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない。
②共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条1項により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられる。
②共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条1項により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられる。
判例
事案:共有に属する株式について、①会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま権利が行使された場合に、同条ただし書の株式会社の同意が有効か、②議決権の行使の決定方法をどうすべきかが問題となった。
判旨:①「会社法106条本文は、『株式が2以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。』と規定しているところ、これは、共有に属する株式の権利の行使の方法について、民法の共有に関する規定に対する『特別の定め』(同法264条ただし書)を設けたものと解される。その上で、会社法106条ただし書は、『ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。』と規定しているのであって、これは、その文言に照らすと、株式会社が当該同意をした場合には、共有に属する株式についての権利の行使の方法に関する特別の定めである同条本文の規定の適用が排除されることを定めたものと解される。そうすると、共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において、当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではないと解するのが相当である。」 ②「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるものと解するのが相当である。」
判旨:①「会社法106条本文は、『株式が2以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。』と規定しているところ、これは、共有に属する株式の権利の行使の方法について、民法の共有に関する規定に対する『特別の定め』(同法264条ただし書)を設けたものと解される。その上で、会社法106条ただし書は、『ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。』と規定しているのであって、これは、その文言に照らすと、株式会社が当該同意をした場合には、共有に属する株式についての権利の行使の方法に関する特別の定めである同条本文の規定の適用が排除されることを定めたものと解される。そうすると、共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において、当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではないと解するのが相当である。」 ②「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H27 予備 第18問 エ)
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、その株式に係る権利を行使する者の指定及び会社に対する通知を欠く場合には、共有者全員が議決権を共同して行使するときでも、会社から議決権の行使を認めることは許されない。
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、その株式に係る権利を行使する者の指定及び会社に対する通知を欠く場合には、共有者全員が議決権を共同して行使するときでも、会社から議決権の行使を認めることは許されない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平27.2.19)は、権利行使者の指定及び通知を欠く権利行使について、「当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない…。」とした上で、「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるもの…。」としている。
したがって、権利行使者の指定及び通知がなくても、権利の行使が民法252条1項に従ったものであれば、会社から議決権の行使を認めることが許される。
判例(最判平27.2.19)は、権利行使者の指定及び通知を欠く権利行使について、「当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない…。」とした上で、「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるもの…。」としている。
したがって、権利行使者の指定及び通知がなくても、権利の行使が民法252条1項に従ったものであれば、会社から議決権の行使を認めることが許される。
(R3 予備 第19問 ウ)
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、権利行使者の指定及び通知を要する旨の会社法の規定は、民法の共有の規定に対する特別の定めに当たる。
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、権利行使者の指定及び通知を要する旨の会社法の規定は、民法の共有の規定に対する特別の定めに当たる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平27.2.19)は、「会社法106条本文は、…共有に属する株式の権利の行使の方法について、民法の共有に関する規定に対する『特別の定め』(同法264条ただし書)を設けたものと解される。」としている。
判例(最判平27.2.19)は、「会社法106条本文は、…共有に属する株式の権利の行使の方法について、民法の共有に関する規定に対する『特別の定め』(同法264条ただし書)を設けたものと解される。」としている。
(R3 予備 第19問 エ)
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、各共有者の持分の価格に従い、その過半数を有する株式の共有者は、権利行使者の指定及び通知がされなければ、その株式会社の同意があっても、取締役選任決議の議決権を行使することはできない。
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、各共有者の持分の価格に従い、その過半数を有する株式の共有者は、権利行使者の指定及び通知がされなければ、その株式会社の同意があっても、取締役選任決議の議決権を行使することはできない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平27.2.19)は、権利行使者の指定及び通知を欠く権利行使について、「当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない…。」とした上で、「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるもの…。」としている。
したがって、権利行使者の指定及び通知がなくても、権利の行使が民法252条1項に従ったものであり、株式会社による会社法106条ただし書の同意がある場合には、取締役選任決議の議決権を行使することができる。
判例(最判平27.2.19)は、権利行使者の指定及び通知を欠く権利行使について、「当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない…。」とした上で、「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるもの…。」としている。
したがって、権利行使者の指定及び通知がなくても、権利の行使が民法252条1項に従ったものであり、株式会社による会社法106条ただし書の同意がある場合には、取締役選任決議の議決権を行使することができる。
総合メモ
株式を譲り受けるための対価を供与する行為の利益供与該当性 最二小判平成18年4月10日
概要
会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、120条1項にいう「株主の権利の行使に関し」利益を供与する行為に当たる。
判例
事案:会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為が、120条1項にいう「株主の権利の行使に関し」利益を供与する行為に当たるかが問題となった。
判旨:「株式の譲渡は株主たる地位の移転であり、それ自体は『株主ノ権利ノ行使』とはいえないから、会社が、株式を譲渡することの対価として何人かに利益を供与しても、当然には商法294条の2第1項(現:会社法120条1項)が禁止する利益供与には当たらない。しかしながら、会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、上記規定にいう『株主ノ権利ノ行使ニ関シ』利益を供与する行為というべきである。」
判旨:「株式の譲渡は株主たる地位の移転であり、それ自体は『株主ノ権利ノ行使』とはいえないから、会社が、株式を譲渡することの対価として何人かに利益を供与しても、当然には商法294条の2第1項(現:会社法120条1項)が禁止する利益供与には当たらない。しかしながら、会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、上記規定にいう『株主ノ権利ノ行使ニ関シ』利益を供与する行為というべきである。」
過去問・解説
(H25 司法 第39問 ア)
判例によれば、会社から見て好ましくない株主が議決権を行使することを回避する目的で、会社が、自己の計算において、第三者に対してその株主から株式を譲り受けるための対価を供与した場合には、株主の権利の行使に関する利益の供与に該当する。
判例によれば、会社から見て好ましくない株主が議決権を行使することを回避する目的で、会社が、自己の計算において、第三者に対してその株主から株式を譲り受けるための対価を供与した場合には、株主の権利の行使に関する利益の供与に該当する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平18.4.10)は、「会社が、株式を譲渡することの対価として何人かに利益を供与しても、当然には商法294条の2第1項(現:会社法120条1項)が禁止する利益供与には当たらない。しかしながら、会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、上記規定にいう『株主ノ権利ノ行使ニ関シ』利益を供与する行為というべきである。」としている。
判例(最判平18.4.10)は、「会社が、株式を譲渡することの対価として何人かに利益を供与しても、当然には商法294条の2第1項(現:会社法120条1項)が禁止する利益供与には当たらない。しかしながら、会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、上記規定にいう『株主ノ権利ノ行使ニ関シ』利益を供与する行為というべきである。」としている。
総合メモ
名義書換未了の株主を会社が株主として扱うことの可否 最一小判昭和30年10月20日
概要
株式の譲渡があった場合に、株主名簿の名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。
判例
事案:株式の譲渡につき名義書換が未了の場合に、会社がその譲渡を認めることができるかが問題となった。
判旨:「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない法意と解するを相当とする。従って、本件においては、…株式…を譲り受けたことについて、株主名簿に記載してないことは所論のとおりであるが、それは右譲渡をもって…会社に対抗し得ないというに止まり、会社側においては、株主名簿の書換が何らかの都合でおくれていても、右株式の譲渡を認めて譲受人…を株主として取り扱うことを妨げるものではない。」
判旨:「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない法意と解するを相当とする。従って、本件においては、…株式…を譲り受けたことについて、株主名簿に記載してないことは所論のとおりであるが、それは右譲渡をもって…会社に対抗し得ないというに止まり、会社側においては、株主名簿の書換が何らかの都合でおくれていても、右株式の譲渡を認めて譲受人…を株主として取り扱うことを妨げるものではない。」
過去問・解説
(H18 司法 第40問 ア)
判例によれば、株式会社は、株主名簿名義書換未了の株式譲受人を株主として扱うことができる。
判例によれば、株式会社は、株主名簿名義書換未了の株式譲受人を株主として扱うことができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭30.10.20)は、「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない…。」としている。
したがって、名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。
判例(最判昭30.10.20)は、「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない…。」としている。
したがって、名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。
(H24 共通 第39問 エ)
株式の譲渡に関する株主名簿の名義書換が会社の都合で遅れている場合には、会社は、その譲渡を認め譲受人を株主として取り扱うことができない。
株式の譲渡に関する株主名簿の名義書換が会社の都合で遅れている場合には、会社は、その譲渡を認め譲受人を株主として取り扱うことができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭30.10.20)は、「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない…。」としている。
したがって、名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。
判例(最判昭30.10.20)は、「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない…。」としている。
したがって、名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。
(H30 予備 第17問 ア)
基準日前に株式の譲渡があった場合には、会社側においては、株主名簿の名義書換が何らかの都合でされていなくとも、当該譲渡を認め、基準日が定められた権利を譲受人に行使させることができる。
基準日前に株式の譲渡があった場合には、会社側においては、株主名簿の名義書換が何らかの都合でされていなくとも、当該譲渡を認め、基準日が定められた権利を譲受人に行使させることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭30.10.20)は、「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない…。」としている。
したがって、名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。
判例(最判昭30.10.20)は、「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない…。」としている。
したがって、名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。
総合メモ
過失により名義書換請求に応じていない会社による株式譲渡の効力の否認の可否 最一小判昭和41年7月28日
概要
株式譲受人から株式会社に対し名義書換の請求をした場合において、会社の過失により名義書換が行なわれなかったときは、会社は、名義書換のないことを理由として、株式の譲渡を否定することができない。
判例
事案:会社が過失により株式譲受人の名義書換請求に応じなかった場合に、当該株式の譲渡を否定することができるかが問題となった。
判旨:「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は、その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ないのであり…、従って、このような場合には、会社は株式譲受人を株主として取り扱うことを要し、株主名簿上に株主として記載されている譲渡人を株主として取り扱うことを得ない。そして、この理は会社が過失により株式譲受人から名義書換請求があったのにかかわらず、その書換をしなかったときにおいても、同様であると解すべきである。」
判旨:「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は、その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ないのであり…、従って、このような場合には、会社は株式譲受人を株主として取り扱うことを要し、株主名簿上に株主として記載されている譲渡人を株主として取り扱うことを得ない。そして、この理は会社が過失により株式譲受人から名義書換請求があったのにかかわらず、その書換をしなかったときにおいても、同様であると解すべきである。」
過去問・解説
(H24 共通 第39問 ウ)
株式の譲渡について、会社に対し適法に株主名簿の名義書換請求がされたにもかかわらず、会社の過失により名義書換が行われなかったときは、会社は、株主名簿の名義書換のないことを理由として、株式の譲渡を否定することができない。
株式の譲渡について、会社に対し適法に株主名簿の名義書換請求がされたにもかかわらず、会社の過失により名義書換が行われなかったときは、会社は、株主名簿の名義書換のないことを理由として、株式の譲渡を否定することができない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭41.7.28)は、「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は、その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ないのであり…、従って、このような場合には、会社は株式譲受人を株主として取り扱うことを要し、株主名簿上に株主として記載されている譲渡人を株主として取り扱うことを得ない。そして、この理は会社が過失により株式譲受人から名義書換請求があったのにかかわらず、その書換をしなかったときにおいても、同様である…。」としている。
判例(最判昭41.7.28)は、「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は、その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ないのであり…、従って、このような場合には、会社は株式譲受人を株主として取り扱うことを要し、株主名簿上に株主として記載されている譲渡人を株主として取り扱うことを得ない。そして、この理は会社が過失により株式譲受人から名義書換請求があったのにかかわらず、その書換をしなかったときにおいても、同様である…。」としている。
(R1 予備 第18問 ア)
判例の趣旨によれば、株式を譲り受けた株式取得者が株主名簿の名義書換の請求をしたにもかかわらず、株式会社が正当な事由なく当該請求に応じなかったときは、当該株式会社は、株主名簿の名義書換がないことを理由として、株式の譲渡を否定することができず、当該株式取得者を株主として取り扱わなければならない。
判例の趣旨によれば、株式を譲り受けた株式取得者が株主名簿の名義書換の請求をしたにもかかわらず、株式会社が正当な事由なく当該請求に応じなかったときは、当該株式会社は、株主名簿の名義書換がないことを理由として、株式の譲渡を否定することができず、当該株式取得者を株主として取り扱わなければならない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭41.7.28)は、「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は、その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ないのであり…、従って、このような場合には、会社は株式譲受人を株主として取り扱うことを要し、株主名簿上に株主として記載されている譲渡人を株主として取り扱うことを得ない。」としている。
判例(最判昭41.7.28)は、「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は、その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ないのであり…、従って、このような場合には、会社は株式譲受人を株主として取り扱うことを要し、株主名簿上に株主として記載されている譲渡人を株主として取り扱うことを得ない。」としている。
総合メモ
株式譲渡が行われたものの名義書換がなされていないまま譲渡人に配当金が配当された場合の不当利得の成否 最二小判昭和37年4月20日
概要
会社の剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、その基準日までに株主名簿の名義書換請求がされずに譲渡人が配当金を受領した場合、譲渡人は譲受人に対し、受領した配当金相当額の不当利得返還義務を負う。
判例
事案:会社の剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、その基準日までに株主名簿の名義書換請求がされずに譲渡人が配当金を受領した場合に、譲渡人が譲受人に対し、受領した配当金相当額の不当利得返還義務を負うかが問題となった。
判旨:「少くとも上告人と被上告人との関係においては、右株券に表彰される株主権は被上告人に移転すると解すべきであるから、上告人が、…本件株式につき被上告人に名義書換がなされるまでの間に、株主名簿上の株主として交付を受けた本件利益配当金及び無償交付の新株(またはその売得金)を不当利得として被上告人に返還すべき義務のあることは明らかである。」
判旨:「少くとも上告人と被上告人との関係においては、右株券に表彰される株主権は被上告人に移転すると解すべきであるから、上告人が、…本件株式につき被上告人に名義書換がなされるまでの間に、株主名簿上の株主として交付を受けた本件利益配当金及び無償交付の新株(またはその売得金)を不当利得として被上告人に返還すべき義務のあることは明らかである。」
過去問・解説
(H24 司法 第39問 オ)
株券発行会社の株式について、その会社の剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、その基準日までに株主名簿の名義書換請求がされずに譲渡人が配当金を受領したときは、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負わない。
株券発行会社の株式について、その会社の剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、その基準日までに株主名簿の名義書換請求がされずに譲渡人が配当金を受領したときは、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負わない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭37.4.20)は、本肢と同種の事案において、「上告人が、…本件株式につき被上告人に名義書換がなされるまでの間に、株主名簿上の株主として交付を受けた本件利益配当金及び無償交付の新株(またはその売得金)を不当利得として被上告人に返還すべき義務のあることは明らかである。」としている。
したがって、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負う。
判例(最判昭37.4.20)は、本肢と同種の事案において、「上告人が、…本件株式につき被上告人に名義書換がなされるまでの間に、株主名簿上の株主として交付を受けた本件利益配当金及び無償交付の新株(またはその売得金)を不当利得として被上告人に返還すべき義務のあることは明らかである。」としている。
したがって、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負う。
(R1 予備 第18問 イ)
判例の趣旨によれば、株券発行会社の株式について、株式会社が定めた剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、当該基準日までに株主名簿の名義書換の請求がされなかったときは、株主名簿上の株主である譲渡人が適法に配当金を受領することができ、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負わない。
判例の趣旨によれば、株券発行会社の株式について、株式会社が定めた剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、当該基準日までに株主名簿の名義書換の請求がされなかったときは、株主名簿上の株主である譲渡人が適法に配当金を受領することができ、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負わない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭37.4.20)は、「上告人が、…本件株式につき被上告人に名義書換がなされるまでの間に、株主名簿上の株主として交付を受けた本件利益配当金及び無償交付の新株(またはその売得金)を不当利得として被上告人に返還すべき義務のあることは明らかである。」としている。
したがって、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負う。
判例(最判昭37.4.20)は、「上告人が、…本件株式につき被上告人に名義書換がなされるまでの間に、株主名簿上の株主として交付を受けた本件利益配当金及び無償交付の新株(またはその売得金)を不当利得として被上告人に返還すべき義務のあることは明らかである。」としている。
したがって、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負う。
総合メモ
株式譲渡が行われたものの名義書換がなされていないまま譲渡人に配当金が配当された場合の不当利得の額 最一小判平成19年3月8日
概要
株式を譲渡した後、譲受人が名義書換をしない間に、譲渡人が株式の分割により新株式を取得し、第三者に当該新株式を売却した場合には、譲渡人は譲受人に対し、原則として、売却代金相当額の金員の不当利得返還義務を負う。
判例
事案:株式を譲渡した後、譲受人が名義書換をしない間に、譲渡人が株式の分割により新株式を取得し、第三者に当該新株式を売却した場合に、譲渡人は譲受人に不当利得返還義務を負うが、その返還すべき利益の額が問題となった。
判旨:「不当利得の制度は、ある人の財産的利得が法律上の原因ないし正当な理由を欠く場合に、法律が、公平の観念に基づいて、受益者にその利得の返還義務を負担させるものである…。 受益者が法律上の原因なく代替性のある物を利得し、その後これを第三者に売却処分した場合、その返還すべき利益を事実審口頭弁論終結時における同種・同等・同量の物の価格相当額であると解すると、その物の価格が売却後に下落したり、無価値になったときには、受益者は取得した売却代金の全部又は一部の返還を免れることになるが、これは公平の見地に照らして相当ではないというべきである。また、逆に同種・同等・同量の物の価格が売却後に高騰したときには、受益者は現に保持する利益を超える返還義務を負担することになるが、これも公平の見地に照らして相当ではなく、受けた利益を返還するという不当利得制度の本質に適合しない。 そうすると、受益者は、法律上の原因なく利得した代替性のある物を第三者に売却処分した場合には、損失者に対し、原則として、売却代金相当額の金員の不当利得返還義務を負うと解するのが相当である。」
判旨:「不当利得の制度は、ある人の財産的利得が法律上の原因ないし正当な理由を欠く場合に、法律が、公平の観念に基づいて、受益者にその利得の返還義務を負担させるものである…。 受益者が法律上の原因なく代替性のある物を利得し、その後これを第三者に売却処分した場合、その返還すべき利益を事実審口頭弁論終結時における同種・同等・同量の物の価格相当額であると解すると、その物の価格が売却後に下落したり、無価値になったときには、受益者は取得した売却代金の全部又は一部の返還を免れることになるが、これは公平の見地に照らして相当ではないというべきである。また、逆に同種・同等・同量の物の価格が売却後に高騰したときには、受益者は現に保持する利益を超える返還義務を負担することになるが、これも公平の見地に照らして相当ではなく、受けた利益を返還するという不当利得制度の本質に適合しない。 そうすると、受益者は、法律上の原因なく利得した代替性のある物を第三者に売却処分した場合には、損失者に対し、原則として、売却代金相当額の金員の不当利得返還義務を負うと解するのが相当である。」
総合メモ
取締役会の承認を欠く譲渡制限株式の当事者間での有効性 最二小判昭和48年6月15日
概要
①定款をもって株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨定められている場合に、その承認を得ないで株式が譲渡されても、その譲渡は、譲渡当事者間においては有効である。
②株式を譲渡担保に供することは、127条にいう株式の譲渡に当たる。
②株式を譲渡担保に供することは、127条にいう株式の譲渡に当たる。
判例
事案:①取締役会の承認を得ないで譲渡制限株式の譲渡が行われた場合に、その譲渡が譲渡当事者間で有効か、②株式を譲渡担保に供することは、127条にいう株式の譲渡に当たるかが問題となった。
判旨:①「商法204条1項但書(現:会社法107条2項1号、108条2項4号)は、株式の譲渡につき、定款をもって取締役会の承認を要する旨定めることを妨げないと規定し、株式の譲渡性の制限を許しているが、その立法趣旨は、もっぱら会社にとって好ましくない者が株主となることを防止することにあると解される。 そして、右のような譲渡制限の趣旨と、一方株式の譲渡が本来自由であるべきこととに鑑みると、定款に前述のような定めがある場合に取締役会の承認をえずになされた株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間においては有効であると解するのが相当である。」
②「株式を譲渡担保に供することは、商法204条1項(現:会社法127条)にいう株式の譲渡にあたると解すべきである…。」
判旨:①「商法204条1項但書(現:会社法107条2項1号、108条2項4号)は、株式の譲渡につき、定款をもって取締役会の承認を要する旨定めることを妨げないと規定し、株式の譲渡性の制限を許しているが、その立法趣旨は、もっぱら会社にとって好ましくない者が株主となることを防止することにあると解される。 そして、右のような譲渡制限の趣旨と、一方株式の譲渡が本来自由であるべきこととに鑑みると、定款に前述のような定めがある場合に取締役会の承認をえずになされた株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間においては有効であると解するのが相当である。」
②「株式を譲渡担保に供することは、商法204条1項(現:会社法127条)にいう株式の譲渡にあたると解すべきである…。」
過去問・解説
(H24 共通 第39問 イ)
譲渡制限株式について、会社の承認を得ないで譲渡がされた場合、その譲渡は、譲渡当事者間において、その効力を有しない。
譲渡制限株式について、会社の承認を得ないで譲渡がされた場合、その譲渡は、譲渡当事者間において、その効力を有しない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭48.6.15)は、「株式の譲渡につき、定款をもって取締役会の承認を要する旨…定めがある場合に取締役会の承認をえずになされた株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間においては有効である…。」としている。
判例(最判昭48.6.15)は、「株式の譲渡につき、定款をもって取締役会の承認を要する旨…定めがある場合に取締役会の承認をえずになされた株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間においては有効である…。」としている。
(H26 司法 第40問 ウ)
会社の承認を得ないで譲渡制限株式を譲渡担保に供した場合には、その譲渡担保権の設定は、契約当事者間においては有効である。
会社の承認を得ないで譲渡制限株式を譲渡担保に供した場合には、その譲渡担保権の設定は、契約当事者間においては有効である。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭48.6.15)は、「株式の譲渡につき、定款をもって取締役会の承認を要する旨…定めがある場合に取締役会の承認をえずになされた株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間においては有効であると解するのが相当である。…株式を譲渡担保に供することは、商法204条1項(現:会社法127条)にいう株式の譲渡にあたる…。」としている。
判例(最判昭48.6.15)は、「株式の譲渡につき、定款をもって取締役会の承認を要する旨…定めがある場合に取締役会の承認をえずになされた株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間においては有効であると解するのが相当である。…株式を譲渡担保に供することは、商法204条1項(現:会社法127条)にいう株式の譲渡にあたる…。」としている。
(R3 予備 第17問 イ)
判例の趣旨によれば、株券を発行する株式会社の株主が当該株式会社の事前の承認を得ることなくその発行する譲渡制限株式を譲渡する旨の合意をして株券を交付した場合には、当該譲渡は、当該株式会社に対する関係では効力を生じないが、当事者間では有効である。
判例の趣旨によれば、株券を発行する株式会社の株主が当該株式会社の事前の承認を得ることなくその発行する譲渡制限株式を譲渡する旨の合意をして株券を交付した場合には、当該譲渡は、当該株式会社に対する関係では効力を生じないが、当事者間では有効である。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭48.6.15)は、「株式の譲渡につき、定款をもって取締役会の承認を要する旨…定めがある場合に取締役会の承認をえずになされた株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間においては有効である…。」としている。
判例(最判昭48.6.15)は、「株式の譲渡につき、定款をもって取締役会の承認を要する旨…定めがある場合に取締役会の承認をえずになされた株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間においては有効である…。」としている。
総合メモ
一人会社の株主がした取締役会の承認を欠く譲渡制限株式の譲渡 最三小判平成5年3月30日
概要
いわゆる1人会社の株主がした株式譲渡は、定款所定の取締役会の承認がなくても、会社に対する関係においても有効である。
判例
事案:いわゆる1人会社の株主が定款所定の取締役会の承認を得ないで株式譲渡をした場合に、この譲渡が有効であるかが問題となった。
判旨:「商法204条1項ただし書(現:会社法107条1項1号)が、株式の譲渡につき定款をもって取締役会の承認を要する旨を定めることを妨げないと規定している趣旨は、専ら会社にとって好ましくない者が株主となることを防止し、もって譲渡人以外の株主の利益を保護することにあると解される…から、本件のようないわゆる1人会社の株主がその保有する株式を他に譲渡した場合には、定款所定の取締役会の承認がなくとも、その譲渡は、会社に対する関係においても有効と解するのが相当である。」
判旨:「商法204条1項ただし書(現:会社法107条1項1号)が、株式の譲渡につき定款をもって取締役会の承認を要する旨を定めることを妨げないと規定している趣旨は、専ら会社にとって好ましくない者が株主となることを防止し、もって譲渡人以外の株主の利益を保護することにあると解される…から、本件のようないわゆる1人会社の株主がその保有する株式を他に譲渡した場合には、定款所定の取締役会の承認がなくとも、その譲渡は、会社に対する関係においても有効と解するのが相当である。」
過去問・解説
(H25 司法 第38問 エ)
判例の趣旨によれば、取締役会設置会社の唯一の株主がその保有する譲渡制限株式を他に譲渡した場合には、取締役会の決議による承認がないときであっても、その譲渡は、当事者間だけではなく、会社に対する関係においても、有効である。
判例の趣旨によれば、取締役会設置会社の唯一の株主がその保有する譲渡制限株式を他に譲渡した場合には、取締役会の決議による承認がないときであっても、その譲渡は、当事者間だけではなく、会社に対する関係においても、有効である。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平5.3.30)は、「いわゆる1人会社の株主がその保有する株式を他に譲渡した場合には、定款所定の取締役会の承認がなくとも、その譲渡は、会社に対する関係においても有効…である。」としている。
判例(最判平5.3.30)は、「いわゆる1人会社の株主がその保有する株式を他に譲渡した場合には、定款所定の取締役会の承認がなくとも、その譲渡は、会社に対する関係においても有効…である。」としている。
(H29 予備 第17問 ウ)
譲渡による株式の取得について取締役会の承認を要する旨の定款の定めを設けている取締役会設置会社における株式の取得に関し、判例の趣旨によれば、いわゆる1人会社であっても、取締役会の承認がない限り、譲渡制限株式の譲渡は、会社に対し、その効力を有しない。
譲渡による株式の取得について取締役会の承認を要する旨の定款の定めを設けている取締役会設置会社における株式の取得に関し、判例の趣旨によれば、いわゆる1人会社であっても、取締役会の承認がない限り、譲渡制限株式の譲渡は、会社に対し、その効力を有しない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平5.3.30)は、「いわゆる1人会社の株主がその保有する株式を他に譲渡した場合には、定款所定の取締役会の承認がなくとも、その譲渡は、会社に対する関係においても有効…である。」としている。
判例(最判平5.3.30)は、「いわゆる1人会社の株主がその保有する株式を他に譲渡した場合には、定款所定の取締役会の承認がなくとも、その譲渡は、会社に対する関係においても有効…である。」としている。
総合メモ
従業員持株制度に基づいて取得した株式を退職時に額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の会社と従業員との合意の有効性 最三小判平成7年4月25日
概要
従業員持株制度に基づいて取得した株式を退職時に額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の会社と従業員との合意は有効である。
判例
事案:従業員持株制度に基づいて取得した株式を、退職時に額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の、会社と従業員との合意が有効であるかが問題となった。
判旨:「被上告会社は、…従業員持株制度を導入した、…上告人らは、いずれも被上告会社の従業員であったが、…右制度の趣旨、内容を了解した上で被上告会社の株式を額面額で取得し、その際、被上告会社との間で、退職に際しては、同制度に基づいて取得した株式を額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の合意(以下『本件合意』という。)をした、…本件合意は、商法204条1項(現:会社法127条)に違反するものではなく、公序良俗にも反しないから有効であ…る。」
判旨:「被上告会社は、…従業員持株制度を導入した、…上告人らは、いずれも被上告会社の従業員であったが、…右制度の趣旨、内容を了解した上で被上告会社の株式を額面額で取得し、その際、被上告会社との間で、退職に際しては、同制度に基づいて取得した株式を額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の合意(以下『本件合意』という。)をした、…本件合意は、商法204条1項(現:会社法127条)に違反するものではなく、公序良俗にも反しないから有効であ…る。」
過去問・解説
(H26 司法 第40問 エ)
会社と従業員との間で、従業員の退職に際してはその有する当該会社の譲渡制限株式を会社の指定する者に譲渡する旨の合意をした場合には、その合意は、無効である。
会社と従業員との間で、従業員の退職に際してはその有する当該会社の譲渡制限株式を会社の指定する者に譲渡する旨の合意をした場合には、その合意は、無効である。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平7.4.25)は、「被上告会社は、…従業員持株制度を導入した、…上告人らは、いずれも被上告会社の従業員であったが、…右制度の趣旨、内容を了解した上で被上告会社の株式を額面額で取得し、その際、被上告会社との間で、退職に際しては、同制度に基づいて取得した株式を額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の合意(以下『本件合意』という。)をした、…本件合意は、商法204条1項(現:会社法127条)に違反するものではなく、公序良俗にも反しないから有効であ…る。」としている。
判例(最判平7.4.25)は、「被上告会社は、…従業員持株制度を導入した、…上告人らは、いずれも被上告会社の従業員であったが、…右制度の趣旨、内容を了解した上で被上告会社の株式を額面額で取得し、その際、被上告会社との間で、退職に際しては、同制度に基づいて取得した株式を額面額で取締役会の指定する者に譲渡する旨の合意(以下『本件合意』という。)をした、…本件合意は、商法204条1項(現:会社法127条)に違反するものではなく、公序良俗にも反しないから有効であ…る。」としている。
総合メモ
株券の成立時期 最三小判昭和40年11月16日
過去問・解説
(H26 司法 第40問 イ)
株券発行会社が株券として会社法所定の要件を満たす文書を作成した場合には、その文書は、株主に交付される前であっても、株券としての効力を有する。
株券発行会社が株券として会社法所定の要件を満たす文書を作成した場合には、その文書は、株主に交付される前であっても、株券としての効力を有する。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭40.11.16)は、「商法226条(現:会社法215条)…にいう株券の発行とは、会社が商法225条(現:会社法216条)所定の形式を具備した文書を株主に交付することをいい、株主に交付したとき初めて該文書が株券となるものと解すべきである。したがって、たとえ会社が前記文書を作成しても、これを株主に交付しない間は、株券たる効力を有しないこというまでもない…。」としている。
判例(最判昭40.11.16)は、「商法226条(現:会社法215条)…にいう株券の発行とは、会社が商法225条(現:会社法216条)所定の形式を具備した文書を株主に交付することをいい、株主に交付したとき初めて該文書が株券となるものと解すべきである。したがって、たとえ会社が前記文書を作成しても、これを株主に交付しない間は、株券たる効力を有しないこというまでもない…。」としている。
(R4 予備 第18問 ア)
判例の趣旨によれば、株券としての効力が発生するのは、株式会社が会社法所定の形式を具備した文書を作成した時ではなく、当該文書を株主に交付した時である。
判例の趣旨によれば、株券としての効力が発生するのは、株式会社が会社法所定の形式を具備した文書を作成した時ではなく、当該文書を株主に交付した時である。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭40.11.16)は、「商法226条(現:会社法215条)…にいう株券の発行とは、会社が商法225条(現:会社法216条)所定の形式を具備した文書を株主に交付することをいい、株主に交付したとき初めて該文書が株券となるものと解すべきである。したがって、たとえ会社が前記文書を作成しても、これを株主に交付しない間は、株券たる効力を有しないこというまでもない…。」としている。
判例(最判昭40.11.16)は、「商法226条(現:会社法215条)…にいう株券の発行とは、会社が商法225条(現:会社法216条)所定の形式を具備した文書を株主に交付することをいい、株主に交付したとき初めて該文書が株券となるものと解すべきである。したがって、たとえ会社が前記文書を作成しても、これを株主に交付しない間は、株券たる効力を有しないこというまでもない…。」としている。
総合メモ
株式会社が株券の発行を不当に遅滞している場合における株券交付を欠く株式譲渡の効力 最大判昭和47年11月8日
概要
株式会社が株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らして、株式譲渡の効力を否定するのを相当としない状況に至つたときは、株券発行前であっても、株主は、意思表示のみにより、会社に対する関係においても有効に株式を譲渡することができる。
判例
事案:株式会社が株券の発行を不当に遅滞している場合に、意思表示のみで、会社に対する関係においても有効に株式を譲渡することができるかが問題となった。
判旨:「商法204条2項(現:会社法128条2項)の法意を考えてみると、それは、株式会社が株券を遅滞なく発行することを前提とし、その発行が円滑かつ正確に行なわれるようにするために、会社に対する関係において株券発行前における株式譲渡の効力を否定する趣旨と解すべきであって、右の前提を欠く場合についてまで、一律に株券発行前の株式譲渡の効力を否定することは、かえって、右立法の趣旨にもとるものといわなければならない。もっとも、安易に右規定の適用を否定することは、株主の地位に関する法律関係を不明確かつ不安定ならしめるおそれがあるから、これを慎しむべきであるが、少なくとも、会社が右規定の趣旨に反して株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らしても株式譲渡の効力を否定するを相当としない状況に立ちいたった場合においては、株主は、意思表示のみによって有効に株式を譲渡でき、会社は、もはや、株券発行前であることを理由としてその効力を否定することができず、譲受人を株主として遇しなければならないものと解するのが相当である。」
判旨:「商法204条2項(現:会社法128条2項)の法意を考えてみると、それは、株式会社が株券を遅滞なく発行することを前提とし、その発行が円滑かつ正確に行なわれるようにするために、会社に対する関係において株券発行前における株式譲渡の効力を否定する趣旨と解すべきであって、右の前提を欠く場合についてまで、一律に株券発行前の株式譲渡の効力を否定することは、かえって、右立法の趣旨にもとるものといわなければならない。もっとも、安易に右規定の適用を否定することは、株主の地位に関する法律関係を不明確かつ不安定ならしめるおそれがあるから、これを慎しむべきであるが、少なくとも、会社が右規定の趣旨に反して株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らしても株式譲渡の効力を否定するを相当としない状況に立ちいたった場合においては、株主は、意思表示のみによって有効に株式を譲渡でき、会社は、もはや、株券発行前であることを理由としてその効力を否定することができず、譲受人を株主として遇しなければならないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H24 共通 第39問 ア)
株券発行会社が株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らし、株券発行前にされた株式の譲渡の効力を否定するのを相当としない状況に至った場合において、株主が意思表示のみによって株式を譲渡したときは、その譲渡は、会社に対しても、その効力を有する。
株券発行会社が株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らし、株券発行前にされた株式の譲渡の効力を否定するのを相当としない状況に至った場合において、株主が意思表示のみによって株式を譲渡したときは、その譲渡は、会社に対しても、その効力を有する。
(正答)〇
(解説)
判例(最大判昭47.11.8)は、「株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らしても株式譲渡の効力を否定するを相当としない状況に立ちいたった場合においては、株主は、意思表示のみによって有効に株式を譲渡でき、会社は、もはや、株券発行前であることを理由としてその効力を否定することができず、譲受人を株主として遇しなければならない…。」としている。
判例(最大判昭47.11.8)は、「株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らしても株式譲渡の効力を否定するを相当としない状況に立ちいたった場合においては、株主は、意思表示のみによって有効に株式を譲渡でき、会社は、もはや、株券発行前であることを理由としてその効力を否定することができず、譲受人を株主として遇しなければならない…。」としている。