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株式(総則)
他人の承諾のもとにその名義を用いて株式の引受がされた場合における株主 最二小判昭和42年11月17日
概要
他人の承諾を得てその名義を用いて株式の引受けがされた場合においては、名義貸与者ではなく、実質上の引受人が株主となるものと解すべきである。
判例
事案:他人の承諾のもとにその名義を用いて株式の引受けがされた場合に、株主が名義貸与者と名義借用者のどちらであるかが問題となった。
判旨:「他人の承諾を得てその名義を用い株式を引受けた場合においては、名義人すなわち名義貸与者ではなく、実質上の引受人すなわち名義借用者がその株主となるものと解するのが相当である。…株式の引受および払込については、一般私法上の法律行為の場合と同じく、真に契約の当事者として申込をした者が引受人としての権利を取得し、義務を負担するものと解すべきであるからである。」
判旨:「他人の承諾を得てその名義を用い株式を引受けた場合においては、名義人すなわち名義貸与者ではなく、実質上の引受人すなわち名義借用者がその株主となるものと解するのが相当である。…株式の引受および払込については、一般私法上の法律行為の場合と同じく、真に契約の当事者として申込をした者が引受人としての権利を取得し、義務を負担するものと解すべきであるからである。」
総合メモ
共有株式の共有者間に意見の相違がある場合における権利行使者による議決権行使 最二小判昭和53年4月14日
概要
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び通知がされている場合には、共有者間に意見の相違があっても、権利行使者は自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
判例
事案:共有に属する株式についての権利行使者の指定及び通知がされている場合において、共有者間に意見の相違があるときに、権利行使者が自己の判断に基づいて議決権を行使することができるかが問題となった。
判旨:「有限会社において持分が数名の共有に属する場合に、その共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、社員総会における共有者の議決権の正当な行使者は、右被選定者となるのであって、共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうると解すべきである。」
判旨:「有限会社において持分が数名の共有に属する場合に、その共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、社員総会における共有者の議決権の正当な行使者は、右被選定者となるのであって、共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうると解すべきである。」
過去問・解説
(H27 予備 第18問 イ)
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、その株式に係る権利を行使する者を指定し、会社に通知した場合でも、株主総会の決議事項について共有者の間に意見の相違が生じたときは、その指定された者は、自己の判断に基づき議決権を行使することができない。
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、その株式に係る権利を行使する者を指定し、会社に通知した場合でも、株主総会の決議事項について共有者の間に意見の相違が生じたときは、その指定された者は、自己の判断に基づき議決権を行使することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭53.4.14)は、「共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、…共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうると解すべきである。」としている。
したがって、権利行使者として指定された者は、自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
判例(最判昭53.4.14)は、「共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、…共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうると解すべきである。」としている。
したがって、権利行使者として指定された者は、自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
(R3 予備 第19問 ア)
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、権利行使者の指定及び通知がされている場合であっても、株主総会の決議事項について、その株式の共有者の間に意見の相違が生じたときは、権利行使者として指定された者は、自己の判断に基づいて議決権を行使することができない。
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、権利行使者の指定及び通知がされている場合であっても、株主総会の決議事項について、その株式の共有者の間に意見の相違が生じたときは、権利行使者として指定された者は、自己の判断に基づいて議決権を行使することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭53.4.14)は、「共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、…共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうる…。」としている。
したがって、権利行使者として指定された者は自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
判例(最判昭53.4.14)は、「共有者が社員の権利を行使すべき者1人を選定し、それを会社に届け出たときは、…共有者間で総会における個々の決議事項について逐一合意を要するとの取決めがされ、ある事項について共有者の間に意見の相違があっても、被選定者は、自己の判断に基づき議決権を行使しうる…。」としている。
したがって、権利行使者として指定された者は自己の判断に基づいて議決権を行使することができる。
総合メモ
準共有株式の権利行使者の指定の方法 最三小判平成9年1月28日
概要
有限会社の持分の準共有者が権利行使者を定めるに当たり、持分価格の過半数をもってこれを決することができる。
判例
事案:旧商法下の事案において、有限会社の持分の準共有者が権利行使者を定めるに当たり、持分価格の過半数をもってこれを決することができるのか、それとも準共有者全員の一致まで要するのかが問題となった。
判旨:「有限会社の持分を相続により準共有するに至った共同相続人が、準共有社員としての地位に基づいて社員総会の決議不存在確認の訴えを提起するには、有限会社法22条、商法203条2項により、社員の権利を行使すべき者(以下「権利行使者」という)としての指定を受け、その旨を会社に通知することを要するのであり、この権利行使者の指定及び通知を欠くときは、特段の事情がない限り、右の訴えについて原告適格を有しないものというべきである(最高裁平成元年(オ)第573号同2年12月4日第三小法廷判決・民集44巻9号1165頁参照)。そして、この場合に、持分の準共有者間において権利行使者を定めるに当たっては、持分の価格に従いその過半数をもってこれを決することができるものと解するのが相当である。けだし、準共有者の全員が一致しなければ権利行使者を指定することができないとすると、準共有者のうちの一人でも反対すれば全員の社員権の行使が不可能となるのみならず、会社の運営にも支障を来すおそれがあり、会社の事務処理の便宜を考慮して設けられた右規定の趣旨にも反する結果となるからである。」
判旨:「有限会社の持分を相続により準共有するに至った共同相続人が、準共有社員としての地位に基づいて社員総会の決議不存在確認の訴えを提起するには、有限会社法22条、商法203条2項により、社員の権利を行使すべき者(以下「権利行使者」という)としての指定を受け、その旨を会社に通知することを要するのであり、この権利行使者の指定及び通知を欠くときは、特段の事情がない限り、右の訴えについて原告適格を有しないものというべきである(最高裁平成元年(オ)第573号同2年12月4日第三小法廷判決・民集44巻9号1165頁参照)。そして、この場合に、持分の準共有者間において権利行使者を定めるに当たっては、持分の価格に従いその過半数をもってこれを決することができるものと解するのが相当である。けだし、準共有者の全員が一致しなければ権利行使者を指定することができないとすると、準共有者のうちの一人でも反対すれば全員の社員権の行使が不可能となるのみならず、会社の運営にも支障を来すおそれがあり、会社の事務処理の便宜を考慮して設けられた右規定の趣旨にも反する結果となるからである。」
総合メモ
株式を準共有する共同相続人が権利行使者の指定及び通知を欠く場合の株主総会不存在確認の訴えの原告適格 最三小判平成2年12月4日
概要
株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、106条の権利行使者の指定及びその旨の会社に対する通知を欠く場合には、特段の事情がない限り、株主総会決議不存在確認の訴えにつき原告適格を有しない。
判例
事案:株式の共同相続人が106条の権利行使者の指定及び通知を欠いた場合に、株主総会決議不存在確認の訴えの原告適格が認められるかが問題となった。
判旨:「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、商法203条2項(現:会社法106条)の定めるところに従い、右株式につき『株主ノ権利ヲ行使スベキ者1人』(以下『権利行使者』という。)を定めて会社に通知し、この権利行使者において株主権を行使することを要するところ…、右共同相続人が準共有株主としての地位に基づいて株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、右と理を異にするものではないから、権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しないものと解するのが相当である。
しかしながら、株式を準共有する共同相続人間において権利行使者の指定及び会社に対する通知を欠く場合であっても、右株式が会社の発行済株式の全部に相当し、共同相続人のうちの1人を取締役に選任する旨の株主総会決議がされたとしてその旨登記されている本件のようなときは、前述の特段の事情が存在し、他の共同相続人は、右決議の不存在確認の訴えにつき原告適格を有するものというべきである。」
判旨:「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、商法203条2項(現:会社法106条)の定めるところに従い、右株式につき『株主ノ権利ヲ行使スベキ者1人』(以下『権利行使者』という。)を定めて会社に通知し、この権利行使者において株主権を行使することを要するところ…、右共同相続人が準共有株主としての地位に基づいて株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、右と理を異にするものではないから、権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しないものと解するのが相当である。
しかしながら、株式を準共有する共同相続人間において権利行使者の指定及び会社に対する通知を欠く場合であっても、右株式が会社の発行済株式の全部に相当し、共同相続人のうちの1人を取締役に選任する旨の株主総会決議がされたとしてその旨登記されている本件のようなときは、前述の特段の事情が存在し、他の共同相続人は、右決議の不存在確認の訴えにつき原告適格を有するものというべきである。」
過去問・解説
(H27 予備 第18問 オ)
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、株式を2以上の者が共同して相続し、そのうちの1人が共有者として株主総会決議不存在確認の訴えを提起する場合において、その株式に係る権利を行使する者の指定及び会社に対する通知を欠くときは、特段の事情がない限り、原告適格は認められない。
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、株式を2以上の者が共同して相続し、そのうちの1人が共有者として株主総会決議不存在確認の訴えを提起する場合において、その株式に係る権利を行使する者の指定及び会社に対する通知を欠くときは、特段の事情がない限り、原告適格は認められない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平2.12.4)は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、…株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、…権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない…。」としている。
判例(最判平2.12.4)は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、…株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、…権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない…。」としている。
(R3 予備 第19問 オ)
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、株式を相続により共有するに至った共同相続人は、株主としての地位に基づき株主総会決議不存在確認の訴えを提起する場合であっても、権利行使者の指定及び通知がされていないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない。
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、株式を相続により共有するに至った共同相続人は、株主としての地位に基づき株主総会決議不存在確認の訴えを提起する場合であっても、権利行使者の指定及び通知がされていないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平2.12.4)は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、…株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、…権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない…。」としている。
判例(最判平2.12.4)は、「株式を相続により準共有するに至った共同相続人は、…株主総会の決議不存在確認の訴えを提起する場合も、…権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない…。」としている。
総合メモ
会社法106条の趣旨 最一小判平成27年2月19日
概要
①共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において、当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない。
②共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条1項により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられる。
②共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条1項により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられる。
判例
事案:共有に属する株式について、①会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま権利が行使された場合に、同条ただし書の株式会社の同意が有効か、②議決権の行使の決定方法をどうすべきかが問題となった。
判旨:①「会社法106条本文は、『株式が2以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。』と規定しているところ、これは、共有に属する株式の権利の行使の方法について、民法の共有に関する規定に対する『特別の定め』(同法264条ただし書)を設けたものと解される。その上で、会社法106条ただし書は、『ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。』と規定しているのであって、これは、その文言に照らすと、株式会社が当該同意をした場合には、共有に属する株式についての権利の行使の方法に関する特別の定めである同条本文の規定の適用が排除されることを定めたものと解される。そうすると、共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において、当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではないと解するのが相当である。」 ②「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるものと解するのが相当である。」
判旨:①「会社法106条本文は、『株式が2以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。』と規定しているところ、これは、共有に属する株式の権利の行使の方法について、民法の共有に関する規定に対する『特別の定め』(同法264条ただし書)を設けたものと解される。その上で、会社法106条ただし書は、『ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。』と規定しているのであって、これは、その文言に照らすと、株式会社が当該同意をした場合には、共有に属する株式についての権利の行使の方法に関する特別の定めである同条本文の規定の適用が排除されることを定めたものと解される。そうすると、共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において、当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではないと解するのが相当である。」 ②「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H27 予備 第18問 エ)
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、その株式に係る権利を行使する者の指定及び会社に対する通知を欠く場合には、共有者全員が議決権を共同して行使するときでも、会社から議決権の行使を認めることは許されない。
株式が2以上の者の共有に属する場合に関し、判例によれば、その株式に係る権利を行使する者の指定及び会社に対する通知を欠く場合には、共有者全員が議決権を共同して行使するときでも、会社から議決権の行使を認めることは許されない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平27.2.19)は、権利行使者の指定及び通知を欠く権利行使について、「当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない…。」とした上で、「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるもの…。」としている。
したがって、権利行使者の指定及び通知がなくても、権利の行使が民法252条1項に従ったものであれば、会社から議決権の行使を認めることが許される。
判例(最判平27.2.19)は、権利行使者の指定及び通知を欠く権利行使について、「当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない…。」とした上で、「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるもの…。」としている。
したがって、権利行使者の指定及び通知がなくても、権利の行使が民法252条1項に従ったものであれば、会社から議決権の行使を認めることが許される。
(R3 予備 第19問 ウ)
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、権利行使者の指定及び通知を要する旨の会社法の規定は、民法の共有の規定に対する特別の定めに当たる。
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、権利行使者の指定及び通知を要する旨の会社法の規定は、民法の共有の規定に対する特別の定めに当たる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平27.2.19)は、「会社法106条本文は、…共有に属する株式の権利の行使の方法について、民法の共有に関する規定に対する『特別の定め』(同法264条ただし書)を設けたものと解される。」としている。
判例(最判平27.2.19)は、「会社法106条本文は、…共有に属する株式の権利の行使の方法について、民法の共有に関する規定に対する『特別の定め』(同法264条ただし書)を設けたものと解される。」としている。
(R3 予備 第19問 エ)
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、各共有者の持分の価格に従い、その過半数を有する株式の共有者は、権利行使者の指定及び通知がされなければ、その株式会社の同意があっても、取締役選任決議の議決権を行使することはできない。
共有に属する株式についての権利行使者の指定及び株式会社に対するその通知(以下「権利行使者の指定及び通知」という。)に関し、判例の趣旨によれば、各共有者の持分の価格に従い、その過半数を有する株式の共有者は、権利行使者の指定及び通知がされなければ、その株式会社の同意があっても、取締役選任決議の議決権を行使することはできない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平27.2.19)は、権利行使者の指定及び通知を欠く権利行使について、「当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない…。」とした上で、「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるもの…。」としている。
したがって、権利行使者の指定及び通知がなくても、権利の行使が民法252条1項に従ったものであり、株式会社による会社法106条ただし書の同意がある場合には、取締役選任決議の議決権を行使することができる。
判例(最判平27.2.19)は、権利行使者の指定及び通知を欠く権利行使について、「当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法となるものではない…。」とした上で、「共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文(現:252条1項)により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられるもの…。」としている。
したがって、権利行使者の指定及び通知がなくても、権利の行使が民法252条1項に従ったものであり、株式会社による会社法106条ただし書の同意がある場合には、取締役選任決議の議決権を行使することができる。
総合メモ
株式を譲り受けるための対価を供与する行為の利益供与該当性 最二小判平成18年4月10日
概要
会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、120条1項にいう「株主の権利の行使に関し」利益を供与する行為に当たる。
判例
事案:会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為が、120条1項にいう「株主の権利の行使に関し」利益を供与する行為に当たるかが問題となった。
判旨:「株式の譲渡は株主たる地位の移転であり、それ自体は『株主ノ権利ノ行使』とはいえないから、会社が、株式を譲渡することの対価として何人かに利益を供与しても、当然には商法294条の2第1項(現:会社法120条1項)が禁止する利益供与には当たらない。しかしながら、会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、上記規定にいう『株主ノ権利ノ行使ニ関シ』利益を供与する行為というべきである。」
判旨:「株式の譲渡は株主たる地位の移転であり、それ自体は『株主ノ権利ノ行使』とはいえないから、会社が、株式を譲渡することの対価として何人かに利益を供与しても、当然には商法294条の2第1項(現:会社法120条1項)が禁止する利益供与には当たらない。しかしながら、会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、上記規定にいう『株主ノ権利ノ行使ニ関シ』利益を供与する行為というべきである。」
過去問・解説
(H25 司法 第39問 ア)
判例によれば、会社から見て好ましくない株主が議決権を行使することを回避する目的で、会社が、自己の計算において、第三者に対してその株主から株式を譲り受けるための対価を供与した場合には、株主の権利の行使に関する利益の供与に該当する。
判例によれば、会社から見て好ましくない株主が議決権を行使することを回避する目的で、会社が、自己の計算において、第三者に対してその株主から株式を譲り受けるための対価を供与した場合には、株主の権利の行使に関する利益の供与に該当する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平18.4.10)は、「会社が、株式を譲渡することの対価として何人かに利益を供与しても、当然には商法294条の2第1項(現:会社法120条1項)が禁止する利益供与には当たらない。しかしながら、会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、上記規定にいう『株主ノ権利ノ行使ニ関シ』利益を供与する行為というべきである。」としている。
判例(最判平18.4.10)は、「会社が、株式を譲渡することの対価として何人かに利益を供与しても、当然には商法294条の2第1項(現:会社法120条1項)が禁止する利益供与には当たらない。しかしながら、会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、上記規定にいう『株主ノ権利ノ行使ニ関シ』利益を供与する行為というべきである。」としている。