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訴訟(株主総会決等の決議の取消しの訴え)
株主総会決議の日から3か月を経過した後に新たな取消事由を追加主張することの可否 最二小判昭和51年12月24日
概要
株主総会決議取消しの訴えにおいて、831条1項柱書所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することは、許されない。
判例
事案:株主総会決議取消しの訴えにおいて、831条1項柱書所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することが許されるかが問題となった。
判旨:「株主総会決議取消しの訴えを提起した後、商法248条1項(現:会社法831条1項柱書)所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することは許されないと解するのが相当である。けだし、取消しを求められた決議は、たとえ瑕疵があるとしても、取り消されるまでは一応有効のものとして取り扱われ、会社の業務は右決議を基礎に執行されるのであって、その意味で、右規定は、瑕疵のある決議の効力を早期に明確にさせるためその取消しの訴えを提起することができる期間を決議の日から3カ月と制限するものであり、また、新たな取消事由の追加主張を時機に遅れない限り無制限に許すとすれば、会社は当該決議が取り消されるのか否かについて予測を立てることが困難となり、決議の執行が不安定になるといわざるを得ないのであって、そのため、瑕疵のある決議の効力を早期に明確にさせるという右規定の趣旨は没却されてしまうことを考えると、右所定の期間は、決議の瑕疵の主張を制限したものと解すべきであるからである。」
判旨:「株主総会決議取消しの訴えを提起した後、商法248条1項(現:会社法831条1項柱書)所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することは許されないと解するのが相当である。けだし、取消しを求められた決議は、たとえ瑕疵があるとしても、取り消されるまでは一応有効のものとして取り扱われ、会社の業務は右決議を基礎に執行されるのであって、その意味で、右規定は、瑕疵のある決議の効力を早期に明確にさせるためその取消しの訴えを提起することができる期間を決議の日から3カ月と制限するものであり、また、新たな取消事由の追加主張を時機に遅れない限り無制限に許すとすれば、会社は当該決議が取り消されるのか否かについて予測を立てることが困難となり、決議の執行が不安定になるといわざるを得ないのであって、そのため、瑕疵のある決議の効力を早期に明確にさせるという右規定の趣旨は没却されてしまうことを考えると、右所定の期間は、決議の瑕疵の主張を制限したものと解すべきであるからである。」
総合メモ
他の株主に生じた招集手続の瑕疵を理由として提起する株主総会決議取消の訴えの可否 最一小判昭和42年9月28日
総合メモ
有限会社社員の提起した会社解散の訴、社員総会決議取消しの訴え及び同無効確認の訴えと右社員の死亡による訴訟承継の成否 最大判昭和45年7月15日
概要
有限会社社員の提起した会社解散の訴え、社員総会決議取消しの訴え及び同無効確認の訴えの係属中に当該社員が死亡した場合には、相続により持分を取得した相続人がその訴訟の原告たる地位を承継する。
判例
事案: 有限会社社員の提起した会社解散の訴え、社員総会決議取消しの訴え及び同無効確認の訴えの係属中に当該社員が死亡した場合に、相続人がその訴訟の原告たる地位を承継するかが問題となった。
判旨:「会社解散請求権、社員総会決議取消請求権、同無効確認請求権のごときも、持分の譲渡または相続により譲受人または相続人に移転するものと認められる。その理は、…社員が社員たる資格に基づいて会社解散の訴、社員総会決議の取消または無効確認の訴を提起したのち持分の譲渡または相続が行なわれた場合においても、異なるところはない。…社員が右のような訴を提起したのちその持分を譲渡した場合には、譲受人は会社解散請求権、社員総会決議取消請求権および同無効確認請求権のごときは取得するけれども、譲渡人の訴訟上における原告たる地位までも承継するものとはいえない。これに反して、相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、持分の取得により社員たる地位にともなう前記のごとき諸権利はもとより、被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになるのである。もし、原告たる被相続人の死亡により同人の提起した訴訟が当然に終了するものとするならば、本件の社員総会決議取消の訴におけるように提訴期間の定め(有限会社法41条、商法248条1項(現:会社法831条1項柱書))がある場合において、被相続人の死亡当時すでにその提訴期間を経過しているときは、相続人は新たに訴を提起することができず、原告たる被相続人の死亡なる偶然の事情により、社員がすでに着手していた社員総会決議のかしの是正の途が閉ざされるという不合理な結果となるのを免れないのである。」
判旨:「会社解散請求権、社員総会決議取消請求権、同無効確認請求権のごときも、持分の譲渡または相続により譲受人または相続人に移転するものと認められる。その理は、…社員が社員たる資格に基づいて会社解散の訴、社員総会決議の取消または無効確認の訴を提起したのち持分の譲渡または相続が行なわれた場合においても、異なるところはない。…社員が右のような訴を提起したのちその持分を譲渡した場合には、譲受人は会社解散請求権、社員総会決議取消請求権および同無効確認請求権のごときは取得するけれども、譲渡人の訴訟上における原告たる地位までも承継するものとはいえない。これに反して、相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、持分の取得により社員たる地位にともなう前記のごとき諸権利はもとより、被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになるのである。もし、原告たる被相続人の死亡により同人の提起した訴訟が当然に終了するものとするならば、本件の社員総会決議取消の訴におけるように提訴期間の定め(有限会社法41条、商法248条1項(現:会社法831条1項柱書))がある場合において、被相続人の死亡当時すでにその提訴期間を経過しているときは、相続人は新たに訴を提起することができず、原告たる被相続人の死亡なる偶然の事情により、社員がすでに着手していた社員総会決議のかしの是正の途が閉ざされるという不合理な結果となるのを免れないのである。」
過去問・解説
(H25 予備 第26問 イ)
判例の趣旨によれば、株主総会の決議の取消しの訴えに係る訴訟の係属中に原告である株主が死亡した場合には、訴訟は、これにより終了する。
判例の趣旨によれば、株主総会の決議の取消しの訴えに係る訴訟の係属中に原告である株主が死亡した場合には、訴訟は、これにより終了する。
(正答)✕
(解説)
判例(最大判昭45.7.15)は、株主総会決議取消しの訴えの係属中に原告である株主が死亡した事案において、「相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、…被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになる…。」としている。
判例(最大判昭45.7.15)は、株主総会決議取消しの訴えの係属中に原告である株主が死亡した事案において、「相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、…被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになる…。」としている。
(H30 予備 第17問 オ)
株主の提起した株主総会の決議の取消しの訴えの係属中当該株主が死亡した場合には、相続により株式を取得した相続人はその訴訟の原告たる地位を承継せず、その訴訟は当然に終了する。
株主の提起した株主総会の決議の取消しの訴えの係属中当該株主が死亡した場合には、相続により株式を取得した相続人はその訴訟の原告たる地位を承継せず、その訴訟は当然に終了する。
(正答)✕
(解説)
判例(最大判昭45.7.15)は、株主総会決議取消しの訴えの係属中に原告である株主が死亡した事案において、「相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、…被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになる…。」としている。
したがって、訴訟は当然に終了するのではなく、相続人が株主の原告適格をも承継し、継続することになる。
判例(最大判昭45.7.15)は、株主総会決議取消しの訴えの係属中に原告である株主が死亡した事案において、「相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、…被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになる…。」としている。
したがって、訴訟は当然に終了するのではなく、相続人が株主の原告適格をも承継し、継続することになる。
(R4 予備 第24問 4)
株主総会決議の取消しを請求する訴訟の係属中、株主である原告が死亡した場合には、株主の株主総会決議取消請求権などの共益権は一身専属的権利であるため、当該訴訟は、原告の死亡によって終了し、相続により株式を取得した相続人が承継することはない。
株主総会決議の取消しを請求する訴訟の係属中、株主である原告が死亡した場合には、株主の株主総会決議取消請求権などの共益権は一身専属的権利であるため、当該訴訟は、原告の死亡によって終了し、相続により株式を取得した相続人が承継することはない。
(正答)✕
(解説)
判例(最大判昭45.7.15)は、株主総会決議取消しの訴えの係属中に原告である株主が死亡した事案において、「相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、…被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになる…。」としている。
判例(最大判昭45.7.15)は、株主総会決議取消しの訴えの係属中に原告である株主が死亡した事案において、「相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、…被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになる…。」としている。
総合メモ
役員選任の株主総会決議取消しの訴えの係属中に当該役員が退任した場合の訴えの利益の有無 最一小判昭和45年4月2日
概要
役員選任の株主総会決議取消しの訴えの係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了により退任し、その後の株主総会の決議によって取締役ら役員が新たに選任されたときは、特別の事情のない限り、当該決議取消しの訴えは、訴えの利益を欠くこととなる。
判例
事案:役員選任の株主総会決議取消しの訴えの係属中に当該役員が退任した場合に、訴えの利益があるかが問題となった。
判旨:「形成の訴は、法律の規定する要件を充たすかぎり、訴の利益の存するのが通常であるけれども、その後の事情の変化により、その利益を欠くに至る場合がある…。しかして、株主総会決議取消の訴は形成の訴であるが、役員選任の総会決議取消の訴が係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了により退任し、その後の株主総会の決議によって取締役ら役員が新たに選任され、その結果、取消を求める選任決議に基づく取締役ら役員がもはや現存しなくなったときは、右の場合に該当するものとして、特別の事情のないかぎり、決議取消の訴は実益なきに帰し、訴の利益を欠くに至るものと解するを相当とする。」
判旨:「形成の訴は、法律の規定する要件を充たすかぎり、訴の利益の存するのが通常であるけれども、その後の事情の変化により、その利益を欠くに至る場合がある…。しかして、株主総会決議取消の訴は形成の訴であるが、役員選任の総会決議取消の訴が係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了により退任し、その後の株主総会の決議によって取締役ら役員が新たに選任され、その結果、取消を求める選任決議に基づく取締役ら役員がもはや現存しなくなったときは、右の場合に該当するものとして、特別の事情のないかぎり、決議取消の訴は実益なきに帰し、訴の利益を欠くに至るものと解するを相当とする。」
過去問・解説
(H30 予備 第19問 4)
判例の趣旨によれば、取締役選任の株主総会決議取消の訴えの係属中、その決議に基づいて選任された取締役が全て任期満了により退任しその後の株主総会の決議によって取締役が新たに選任されたときは特別の事情のない限り、当該決議取消の訴えは、訴えの利益を欠くこととなる。
判例の趣旨によれば、取締役選任の株主総会決議取消の訴えの係属中、その決議に基づいて選任された取締役が全て任期満了により退任しその後の株主総会の決議によって取締役が新たに選任されたときは特別の事情のない限り、当該決議取消の訴えは、訴えの利益を欠くこととなる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭45.4.2)は、「役員選任の総会決議取消の訴が係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了により退任し、その後の株主総会の決議によって取締役ら役員が新たに選任され、その結果、取消を求める選任決議に基づく取締役ら役員がもはや現存しなくなったときは、…特別の事情のないかぎり、決議取消の訴は実益なきに帰し、訴の利益を欠くに至る…。」としている。
判例(最判昭45.4.2)は、「役員選任の総会決議取消の訴が係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了により退任し、その後の株主総会の決議によって取締役ら役員が新たに選任され、その結果、取消を求める選任決議に基づく取締役ら役員がもはや現存しなくなったときは、…特別の事情のないかぎり、決議取消の訴は実益なきに帰し、訴の利益を欠くに至る…。」としている。
総合メモ
計算書類等承認の株主総会決議取消の訴えの係属中、その後の決算期の計算書類等の承認がされた場合の訴えの利益 最三小判昭和58年6月7日
概要
計算書類等承認の株主総会決議取消しの訴えの係属中、その後の決算期の計算書類等の承認がされた場合であっても、当該計算書類等につき承認の再決議がされたなどの特別の事情がない限り、当該決議の取消しを求める訴えの利益は失われない。
判例
事案:計算書類等承認の株主総会決議取消しの訴えの係属中、その後の決算期の計算書類等の承認がされた場合に、当該決議の取消しを求める訴えの利益が失われないかが問題となった。
判旨:「株主総会決議取消の訴えのような形成の訴えは、法律に規定のある場合に限って許される訴えであるから、法律の規定する要件を充たす場合には訴えの利益の存するのが通常であるけれども、その後の事情の変化により右利益を喪失するに至る場合のあることは否定しえないところである。しかして、被上告人らの上告人に対する本訴請求は、昭和45年11月28日に開催された上告会社の第42回定時株主総会における『昭和45年4月1日より同年9月30日に至る第42期営業報告書、貸借対照表、損益計算書、利益金処分案を原案どおり承認する』旨の本件決議について、その手続に瑕疵があることを理由として取消を求めるものであるところ、その勝訴の判決が確定すれば、右決議は初めに遡って無効となる結果、営業報告書等の計算書類については総会における承認を欠くことになり、また、右決議に基づく利益処分もその効力を有しないことになって、法律上再決議が必要となるものというべきであるから、その後に右議案につき再決議がされたなどの特別の事情かない限り、右決議取消を求める訴えの利益が失われることはないものと解するのが相当である。
そこで、叙上の見地に立って、本件につきかかる特別の事情が存するか否かについて検討する。この点に関し、論旨は、本件決議が取り消されたとしても、右決議ののち第43期ないし第54期の各定時株主総会において各期の決算案は承認されて確定しており、右決議取消の効果は、右第43期ないし第54期の決算承認決議の効力に影響を及ぼすものではないから、もはや本件決議取消の訴えはその利益を欠くに至ったというのであるが、株主総会における計算書類等の承認決議がその手続に法令違反等があるとして取消されたときは、たとえ計算書類等の内容に違法、不当がない場合であっても、右決議は既往に遡って無効となり、右計算書類等は未確定となるから、それを前提とする次期以降の計算書類等の記載内容も不確定なものになると解さざるをえず、したがって、上告会社としては、あらためて取消された期の計算書類等の承認決議を行わなければならないことになるから、所論のような事情をもって右特別の事情があるということはできない。」
判旨:「株主総会決議取消の訴えのような形成の訴えは、法律に規定のある場合に限って許される訴えであるから、法律の規定する要件を充たす場合には訴えの利益の存するのが通常であるけれども、その後の事情の変化により右利益を喪失するに至る場合のあることは否定しえないところである。しかして、被上告人らの上告人に対する本訴請求は、昭和45年11月28日に開催された上告会社の第42回定時株主総会における『昭和45年4月1日より同年9月30日に至る第42期営業報告書、貸借対照表、損益計算書、利益金処分案を原案どおり承認する』旨の本件決議について、その手続に瑕疵があることを理由として取消を求めるものであるところ、その勝訴の判決が確定すれば、右決議は初めに遡って無効となる結果、営業報告書等の計算書類については総会における承認を欠くことになり、また、右決議に基づく利益処分もその効力を有しないことになって、法律上再決議が必要となるものというべきであるから、その後に右議案につき再決議がされたなどの特別の事情かない限り、右決議取消を求める訴えの利益が失われることはないものと解するのが相当である。
そこで、叙上の見地に立って、本件につきかかる特別の事情が存するか否かについて検討する。この点に関し、論旨は、本件決議が取り消されたとしても、右決議ののち第43期ないし第54期の各定時株主総会において各期の決算案は承認されて確定しており、右決議取消の効果は、右第43期ないし第54期の決算承認決議の効力に影響を及ぼすものではないから、もはや本件決議取消の訴えはその利益を欠くに至ったというのであるが、株主総会における計算書類等の承認決議がその手続に法令違反等があるとして取消されたときは、たとえ計算書類等の内容に違法、不当がない場合であっても、右決議は既往に遡って無効となり、右計算書類等は未確定となるから、それを前提とする次期以降の計算書類等の記載内容も不確定なものになると解さざるをえず、したがって、上告会社としては、あらためて取消された期の計算書類等の承認決議を行わなければならないことになるから、所論のような事情をもって右特別の事情があるということはできない。」
過去問・解説
(R6 予備 第24問 4)
ある事業年度に係る計算書類の承認についての株主総会の決議の取消しの訴えに係る訴訟が係属している間に、その次の事業年度に係る計算書類が株主総会において承認された場合には、特別の事情がない限り、当該決議の取消しを求める訴えの利益が失われることとなる。
ある事業年度に係る計算書類の承認についての株主総会の決議の取消しの訴えに係る訴訟が係属している間に、その次の事業年度に係る計算書類が株主総会において承認された場合には、特別の事情がない限り、当該決議の取消しを求める訴えの利益が失われることとなる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭58.6.7)は、本肢と同種の事案において、「その後に右議案につき再決議がされたなどの特別の事情かない限り、右決議取消を求める訴えの利益が失われることはない…。」としている。
したがって、計算書類等承認の株主総会決議取消しの訴えの係属中、その後の決算期の計算書類等の承認がされた場合であっても、当該計算書類等につき承認の再決議がされたなどの特別の事情がない限り、当該決議の取消しを求める訴えの利益は失われない。
判例(最判昭58.6.7)は、本肢と同種の事案において、「その後に右議案につき再決議がされたなどの特別の事情かない限り、右決議取消を求める訴えの利益が失われることはない…。」としている。
したがって、計算書類等承認の株主総会決議取消しの訴えの係属中、その後の決算期の計算書類等の承認がされた場合であっても、当該計算書類等につき承認の再決議がされたなどの特別の事情がない限り、当該決議の取消しを求める訴えの利益は失われない。
総合メモ
役員退職慰労金贈呈の株主総会決議取消しの訴えの係属中に当該決議と同一の内容の決議がされた場合の訴えの利益 最一小判平成4年10月29日
概要
役員退職慰労金贈呈の株主総会決議(第1の決議)取消しの訴えの係属中、第1の決議と同一の内容を持ち、第1の決議の取消判決が確定した場合には遡って効力を生じるものとされている決議(第2の決議)が有効に成立し、それが確定したときは、特別の事情がない限り、第1の決議取消しの訴えの利益は、失われる。
判例
事案:役員退職慰労金贈呈の株主総会決議(第1の決議)取消しの訴えの係属中、第1の決議と同一の内容を持ち、第1の決議の取消判決が確定した場合には遡って効力を生じるものとされている決議(第2の決議)が有効に成立し、それが確定したときに、第1の決議取消しの訴えの利益が失われないかが問題となった。
判旨:「仮に第1の決議に取消事由があるとしてこれを取消したとしても、その判決の確定により、第2の決議が第1の決議に代わってその効力を生ずることになるのであるから、第1の決議の取消しを求める実益はな…い。」
判旨:「仮に第1の決議に取消事由があるとしてこれを取消したとしても、その判決の確定により、第2の決議が第1の決議に代わってその効力を生ずることになるのであるから、第1の決議の取消しを求める実益はな…い。」
過去問・解説
(R4 予備 第24問 3)
取締役に対する退職慰労金支給の株主総会決議(第一決議)の取消しを請求する訴訟の係属中、第一決議と同一の内容を持ち、かつ、第一決議の取消しが確定した場合に遡って効力を生ずるとされる株主総会決議(第二決議)がされた場合において、第二決議について株主総会決議取消しの訴えの提起等がなく有効であることが確定したときは、特段の事情のない限り、第一決議の株主総会決議取消しの訴えは、訴えの利益を欠く。
取締役に対する退職慰労金支給の株主総会決議(第一決議)の取消しを請求する訴訟の係属中、第一決議と同一の内容を持ち、かつ、第一決議の取消しが確定した場合に遡って効力を生ずるとされる株主総会決議(第二決議)がされた場合において、第二決議について株主総会決議取消しの訴えの提起等がなく有効であることが確定したときは、特段の事情のない限り、第一決議の株主総会決議取消しの訴えは、訴えの利益を欠く。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平4.10.29)は、本肢と同種の事案において、「仮に第1の決議に取消事由があるとしてこれを取消したとしても、その判決の確定により、第2の決議が第1の決議に代わってその効力を生ずることになるのであるから、第1の決議の取消しを求める実益はな…い。」としている。
判例(最判平4.10.29)は、本肢と同種の事案において、「仮に第1の決議に取消事由があるとしてこれを取消したとしても、その判決の確定により、第2の決議が第1の決議に代わってその効力を生ずることになるのであるから、第1の決議の取消しを求める実益はな…い。」としている。
総合メモ
取締役の選任を目的とする株主総会につきその決議の取消しの訴えが提起された場合において取締役が当該訴訟に共同訴訟参加することの可否 最二小判昭和36年11月24日
概要
取締役の選任を目的とする株主総会につき、その決議の取消しの訴えが提起された場合において、取締役が当該訴訟に共同訴訟参加することはできない。
判例
事案:取締役の選任を目的とする株主総会につき、その決議の取消しの訴えが提起された場合に、取締役が当該訴訟に共同訴訟参加することができるかが問題となった。
判旨:「第三者が同条(現:民事訴訟法52条1項)の規定により訴訟に参加することが許されるためには、当該訴訟の目的が当事者の一方および第三者について合一にのみ確定すべき場合であることのほか、当該訴訟の当事者となりうる適格を有することが要件となっていることは、同条(現:民事訴訟法52条1項)の法意に徴し、明らかである。すなわち、上告人の本件参加の申出が許されるためには、上告人は本件訴訟の被告となりうる適格を有しなければならないのである。ところが、本件訴訟の被告となりうる者は、その性質上、被上告人会社に限られると解するのが相当であるから、上告人が本件訴訟の被告となる適格を有しないことは自明の理である。」
判旨:「第三者が同条(現:民事訴訟法52条1項)の規定により訴訟に参加することが許されるためには、当該訴訟の目的が当事者の一方および第三者について合一にのみ確定すべき場合であることのほか、当該訴訟の当事者となりうる適格を有することが要件となっていることは、同条(現:民事訴訟法52条1項)の法意に徴し、明らかである。すなわち、上告人の本件参加の申出が許されるためには、上告人は本件訴訟の被告となりうる適格を有しなければならないのである。ところが、本件訴訟の被告となりうる者は、その性質上、被上告人会社に限られると解するのが相当であるから、上告人が本件訴訟の被告となる適格を有しないことは自明の理である。」
過去問・解説
(H25 予備 第26問 ウ)
判例の趣旨によれば、取締役の選任を目的とする株主総会につきその決議の取消しの訴えが提起された場合には、その決議により選任された取締役は、会社の共同訴訟人としてその訴訟に参加することができる。
判例の趣旨によれば、取締役の選任を目的とする株主総会につきその決議の取消しの訴えが提起された場合には、その決議により選任された取締役は、会社の共同訴訟人としてその訴訟に参加することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭36.11.24)は、「上告人の本件参加の申出が許されるためには、上告人は本件訴訟の被告となりうる適格を有しなければならないのである。ところが、本件訴訟の被告となりうる者は、その性質上、被上告人会社に限られると解するのが相当であるから、上告人が本件訴訟の被告となる適格を有しないことは自明の理である。」としている。
したがって、取締役の選任を目的とする株主総会で選任された取締役は、会社の共同訴訟人として当該株主総会の取消訴訟に参加することができない。
判例(最判昭36.11.24)は、「上告人の本件参加の申出が許されるためには、上告人は本件訴訟の被告となりうる適格を有しなければならないのである。ところが、本件訴訟の被告となりうる者は、その性質上、被上告人会社に限られると解するのが相当であるから、上告人が本件訴訟の被告となる適格を有しないことは自明の理である。」としている。
したがって、取締役の選任を目的とする株主総会で選任された取締役は、会社の共同訴訟人として当該株主総会の取消訴訟に参加することができない。