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株式会社の設立
第25条
条文
第25条(株式会社 設立 総則)
① 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。
一 次節から第8節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法
二 次節、第3節、第39条及び第6節から第9節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法
② 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。
① 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。
一 次節から第8節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法
二 次節、第3節、第39条及び第6節から第9節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法
② 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。
過去問・解説
(H19 司法 第38問 ア)
募集設立の場合、発起人は、自ら株式を引き受けてはならず、株主の募集を行って申込人に株式を割り当てなければならない。
募集設立の場合、発起人は、自ら株式を引き受けてはならず、株主の募集を行って申込人に株式を割り当てなければならない。
(正答)✕
(解説)
25条1項2号は、募集設立について、「発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法」と定義している。したがって、募集設立の場合、発起人は、自らも株式を引き受けなければならない。
なお、同条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。」と規定しているから、募集設立の場合であっても、発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならず、1株も引き受けないことは許されない。
25条1項2号は、募集設立について、「発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法」と定義している。したがって、募集設立の場合、発起人は、自らも株式を引き受けなければならない。
なお、同条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。」と規定しているから、募集設立の場合であっても、発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならず、1株も引き受けないことは許されない。
(H23 共通 第38問 イ)
発起人が2名以上ある場合、そのうちの発起人1名が設立時発行株式の全てを引き受け、他の発起人は、設立時発行株式を引き受けないことができる。
発起人が2名以上ある場合、そのうちの発起人1名が設立時発行株式の全てを引き受け、他の発起人は、設立時発行株式を引き受けないことができる。
(正答)✕
(解説)
25条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。」と規定している。
25条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。」と規定している。
(R28 予備 第16問 ウ)
発起人のうちの1人が設立時発行株式の株主となる権利を全て失った場合であっても、他の発起人がその引き受けた設立時発行株式について出資の履行をした財産の価額が定款に記載された設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を満たしているときは、株式会社の設立の無効事由とはならない。
発起人のうちの1人が設立時発行株式の株主となる権利を全て失った場合であっても、他の発起人がその引き受けた設立時発行株式について出資の履行をした財産の価額が定款に記載された設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を満たしているときは、株式会社の設立の無効事由とはならない。
(正答)✕
(解説)
25条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。」と規定している。会社の設立の無効事由(828条1項1号参照)は設立手続の重大な瑕疵に限られるところ、25条2項違反は無効事由に当たると解されている。
25条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。」と規定している。会社の設立の無効事由(828条1項1号参照)は設立手続の重大な瑕疵に限られるところ、25条2項違反は無効事由に当たると解されている。
(R2 予備 第16問 ア)
各発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。
各発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。
(正答)〇
(解説)
25条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。」と規定している。
25条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。」と規定している。
(R6 予備 第16問 ア)
発起人は、設立時取締役になるか否かにかかわらず、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。
発起人は、設立時取締役になるか否かにかかわらず、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。
(正答)〇
(解説)
25条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。」としている。
25条2項は、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。」としている。
総合メモ
第26条
条文
第26条(定款の作成)
① 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
② 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
① 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
② 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
過去問・解説
(H30 予備 第16問 1)
発起人が2人以上ある場合において、そのうちの1人を発起人総代に選定したときは、定款には、当該発起人総代のみの署名又は記名押印があれば足りる。
発起人が2人以上ある場合において、そのうちの1人を発起人総代に選定したときは、定款には、当該発起人総代のみの署名又は記名押印があれば足りる。
(正答)✕
(解説)
26条1項は、「株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。」と規定している。したがって、発起人が2人以上ある場合において、そのうちの1人を発起人総代に選定したときであっても、定款には、発起人の全員の署名又は記名押印が必要である。
26条1項は、「株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。」と規定している。したがって、発起人が2人以上ある場合において、そのうちの1人を発起人総代に選定したときであっても、定款には、発起人の全員の署名又は記名押印が必要である。
(R4 予備 第16問 ア)
定款の作成及び認証は、発起人による出資の履行がされた後に行わなければならない。
定款の作成及び認証は、発起人による出資の履行がされた後に行わなければならない。
(正答)✕
(解説)
26条1項は、定款の作成時期について規定していないところ、会社法上、定款の作成及び認証は、発起人による出資の履行がされる前に行われることが予定されている(27条4号参照)。
26条1項は、定款の作成時期について規定していないところ、会社法上、定款の作成及び認証は、発起人による出資の履行がされる前に行われることが予定されている(27条4号参照)。
総合メモ
第27条
条文
第27条(定款の記載又は記録事項)
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五 発起人の氏名又は名称及び住所
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五 発起人の氏名又は名称及び住所
過去問・解説
(H18 司法 第38問 1)
株式会社の原始定款には、事業目的を記載し、又は記録しなければならない。
株式会社の原始定款には、事業目的を記載し、又は記録しなければならない。
(正答)〇
(解説)
27条1号は、定款の絶対的記載事項の一つとして、事業「目的」を掲げている。
27条1号は、定款の絶対的記載事項の一つとして、事業「目的」を掲げている。
(H24 共通 第37問 ア)
株式会社の本店の所在地は、設立する際の定款で定めなければならない。
株式会社の本店の所在地は、設立する際の定款で定めなければならない。
(正答)〇
(解説)
27条3号は、定款の絶対的記載事項の一つとして、「本店の所在地」を掲げている。
27条3号は、定款の絶対的記載事項の一つとして、「本店の所在地」を掲げている。
(H24 共通 第37問 イ)
株式会社の公告方法は、設立する際の定款で定めなければならない。
株式会社の公告方法は、設立する際の定款で定めなければならない。
(正答)✕
(解説)
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、会社の公告方法は掲げられていない。
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、会社の公告方法は掲げられていない。
(H25 司法 第47問 ア)
株式会社を設立する際に作成すべき定款には、資本金の額を記載し、又は記録しなければならない。
株式会社を設立する際に作成すべき定款には、資本金の額を記載し、又は記録しなければならない。
(正答)✕
(解説)
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、資本金の額は掲げられていない。
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、資本金の額は掲げられていない。
(H26 司法 第38問 2)
株式会社の支店の所在地は、定款の絶対的記載事項である。
株式会社の支店の所在地は、定款の絶対的記載事項である。
(正答)✕
(解説)
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、支店の所在地は掲げられていない。
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、支店の所在地は掲げられていない。
(H29 予備 第26問 5)
株式会社の公告方法は、定款の絶対的記載事項である。
株式会社の公告方法は、定款の絶対的記載事項である。
(正答)✕
(解説)
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、会社の公告方法は掲げられていない。
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、会社の公告方法は掲げられていない。
(R5 予備 第16問 イ)
発起人は、成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額を定款に記載又は記録しなければならない。
発起人は、成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額を定款に記載又は記録しなければならない。
(正答)✕
(解説)
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額は掲げられていない。
27条各号は、定款の絶対的記載事項を掲げているが、成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額は掲げられていない。
総合メモ
第28条
条文
第28条(定款の記載又は記録事項)
株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第26条第1項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第32条第1項第1号において同じ。)
二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)
株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第26条第1項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第32条第1項第1号において同じ。)
二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)
過去問・解説
(H26 司法 第38問 4)
定款の認証の手数料は、定款に定めがなくても、成立後の株式会社が負担する。
定款の認証の手数料は、定款に定めがなくても、成立後の株式会社が負担する。
(正答)〇
(解説)
28条4号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「株式会社の負担する設立に関する費用」を掲げているが、括弧書において「定款の認証の手数料」を除外している。
28条4号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「株式会社の負担する設立に関する費用」を掲げているが、括弧書において「定款の認証の手数料」を除外している。
(H30 予備 第16問 2)
株式会社の成立により発起人が受ける報酬は、定款に定めがない場合であっても、成立後の株式会社が負担する。
株式会社の成立により発起人が受ける報酬は、定款に定めがない場合であっても、成立後の株式会社が負担する。
(正答)✕
(解説)
28条3号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「株式会社の成立により発起人が受ける報酬」を掲げている。
28条3号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「株式会社の成立により発起人が受ける報酬」を掲げている。
(R3 予備 第16問 ア)
定款の認証の手数料は、定款に記載又は記録がない場合でも、成立後の株式会社が負担する。
定款の認証の手数料は、定款に記載又は記録がない場合でも、成立後の株式会社が負担する。
(正答)〇
(解説)
28条4号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「株式会社の負担する設立に関する費用」を掲げているが、括弧書において「定款の認証の手数料」を除外している。
28条4号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「株式会社の負担する設立に関する費用」を掲げているが、括弧書において「定款の認証の手数料」を除外している。
(R5 予備 第16問 オ)
発起人Cが、割当てを受ける設立時発行株式について、金銭ではなく暗号資産を出資する場合には、Cの氏名、当該暗号資産及びその価額並びにCに対して割り当てる設立時発行株式の数を定款に記載又は記録する必要がある。
発起人Cが、割当てを受ける設立時発行株式について、金銭ではなく暗号資産を出資する場合には、Cの氏名、当該暗号資産及びその価額並びにCに対して割り当てる設立時発行株式の数を定款に記載又は記録する必要がある。
(正答)〇
(解説)
28条1号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数」を掲げている。
28条1号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数」を掲げている。
(R6 予備 第16問 ウ)
株式会社の成立により発起人が受ける報酬についての定めは、株式会社を設立する際の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
株式会社の成立により発起人が受ける報酬についての定めは、株式会社を設立する際の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
(正答)〇
(解説)
28条3号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「株式会社の成立により発起人が受ける報酬」を掲げている。
28条3号は、定款の相対的記載事項の一つとして、「株式会社の成立により発起人が受ける報酬」を掲げている。
総合メモ
第30条
条文
第30条(定款の認証)
① 第26条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。
② 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。
① 第26条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。
② 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。
過去問・解説
(H26 司法 第38問 5)
公証人による認証を受けた定款を株式会社の成立後に変更する場合には、改めて公証人による認証を受ける必要はない。
公証人による認証を受けた定款を株式会社の成立後に変更する場合には、改めて公証人による認証を受ける必要はない。
(正答)〇
(解説)
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定し、公証人の認証を受けた定款を会社の成立前に変更することを制限しているが、会社の成立後に変更することは制限していない。したがって、公証人による認証を受けた定款を会社の成立後に変更する場合には、改めて公証人による認証を受ける必要はない。
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定し、公証人の認証を受けた定款を会社の成立前に変更することを制限しているが、会社の成立後に変更することは制限していない。したがって、公証人による認証を受けた定款を会社の成立後に変更する場合には、改めて公証人による認証を受ける必要はない。
(H30 予備 第23問 1)
合名会社の設立に際して作成した定款は、公証人の認証を受けることを要しない。
合名会社の設立に際して作成した定款は、公証人の認証を受けることを要しない。
(正答)〇
(解説)
30条1項は、株式会社の設立について、「第26条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。」と規定している。他方で、合同会社については、このような規定は存在しない(575条~579条参照)。したがって、合名会社の設立に際して作成した定款は、公証人の認証を受けることを要しない。
30条1項は、株式会社の設立について、「第26条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。」と規定している。他方で、合同会社については、このような規定は存在しない(575条~579条参照)。したがって、合名会社の設立に際して作成した定款は、公証人の認証を受けることを要しない。
(R4 予備 第16問 ウ)
株式会社において、公証人による定款の認証を受けた後に、複数の発起人のうち1人を交代させる場合には、再度、定款を作成し、公証人の認証を受けなければならない。
株式会社において、公証人による定款の認証を受けた後に、複数の発起人のうち1人を交代させる場合には、再度、定款を作成し、公証人の認証を受けなければならない。
(正答)〇
(解説)
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定しているところ、複数の発起人のうち1人を交代させる場合は、「第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合」に当たらないから、株式会社の成立前は、定款を変更することができない。したがって、公証人による定款の認証を受けた後に、複数の発起人のうち1人を交代させる場合には、再度、定款を作成し(26条1項)、公証人の認証を受けなければならない(30条1項)。
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定しているところ、複数の発起人のうち1人を交代させる場合は、「第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合」に当たらないから、株式会社の成立前は、定款を変更することができない。したがって、公証人による定款の認証を受けた後に、複数の発起人のうち1人を交代させる場合には、再度、定款を作成し(26条1項)、公証人の認証を受けなければならない(30条1項)。
総合メモ
第31条
条文
第31条(定款の備置き及び閲覧等)
① 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。
② 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。
一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
③ 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第2号又は第4号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
④ 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第2項第3号及び第4号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第1項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。
① 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。
② 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。
一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
③ 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第2号又は第4号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
④ 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第2項第3号及び第4号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第1項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。
総合メモ
第32条
条文
第32条(設立時発行株式に関する事項の決定)
① 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数
二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項
② 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第1号の設立時発行株式が第108条第3項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。
① 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数
二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項
② 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第1号の設立時発行株式が第108条第3項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。
過去問・解説
(H30 予備 第16問 4)
発起人が2人以上ある場合において、株式会社の設立に際して、定款に記載又は記録しないで、成立後の株式会社の資本金の額に関する事項を定めようとするときは、その過半数の同意を得れば足りる。
発起人が2人以上ある場合において、株式会社の設立に際して、定款に記載又は記録しないで、成立後の株式会社の資本金の額に関する事項を定めようとするときは、その過半数の同意を得れば足りる。
(正答)✕
(解説)
32条1項3号は、「発起人…の全員の同意を得なければならない」設立時発行株式に関する事項の一つとして、「成立後の株式会社の資本金」を掲げている。したがって、発起人が2人以上ある場合において、株式会社の設立に際して、定款に記載又は記録しないで、成立後の株式会社の資本金の額に関する事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
32条1項3号は、「発起人…の全員の同意を得なければならない」設立時発行株式に関する事項の一つとして、「成立後の株式会社の資本金」を掲げている。したがって、発起人が2人以上ある場合において、株式会社の設立に際して、定款に記載又は記録しないで、成立後の株式会社の資本金の額に関する事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
(R3 予備 第16問 ウ)
発起人が2人以上ある場合において、定款に記載又は記録しないで、各発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数を定めようとするときは、発起人の過半数の同意を得れば足りる。
発起人が2人以上ある場合において、定款に記載又は記録しないで、各発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数を定めようとするときは、発起人の過半数の同意を得れば足りる。
(正答)✕
(解説)
32条1項1号は、「発起人…の全員の同意を得なければならない」設立時発行株式に関する事項の一つとして、「発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数」を掲げている。したがって、発起人が2人以上ある場合において、定款に記載又は記録しないで、各発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
32条1項1号は、「発起人…の全員の同意を得なければならない」設立時発行株式に関する事項の一つとして、「発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数」を掲げている。したがって、発起人が2人以上ある場合において、定款に記載又は記録しないで、各発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
総合メモ
第33条
条文
第33条(定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任)
① 発起人は、定款に第28条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第30条第1項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。
② 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
③ 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
④ 第2項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
⑤ 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第2項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
⑥ 第2項の検査役は、第4項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
⑦ 裁判所は、第4項の報告を受けた場合において、第28条各号に掲げる事項(第2項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。
⑧ 発起人は、前項の決定により第28条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後1週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
⑨ 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第7項の決定の確定後1週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。
⑩ 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。
一 第28条第1号及び第2号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が500万円を超えない場合 同条第1号及び第2号に掲げる事項
二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第1項に規定する有価証券をいい、同条第2項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第28条第1号又は第2号に掲げる事項
三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和23年法律第103号)第16条の2第5項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第28条第1号又は第2号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。)
⑪ 次に掲げる者は、前項第3号に規定する証明をすることができない。
一 発起人
二 第28条第2号の財産の譲渡人
三 設立時取締役(第38条第1項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第3項第2号に規定する設立時監査役をいう。)
四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第1号から第3号までに掲げる者のいずれかに該当するもの
① 発起人は、定款に第28条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第30条第1項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。
② 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
③ 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
④ 第2項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
⑤ 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第2項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
⑥ 第2項の検査役は、第4項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
⑦ 裁判所は、第4項の報告を受けた場合において、第28条各号に掲げる事項(第2項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。
⑧ 発起人は、前項の決定により第28条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後1週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
⑨ 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第7項の決定の確定後1週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。
⑩ 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。
一 第28条第1号及び第2号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が500万円を超えない場合 同条第1号及び第2号に掲げる事項
二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第1項に規定する有価証券をいい、同条第2項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第28条第1号又は第2号に掲げる事項
三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和23年法律第103号)第16条の2第5項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第28条第1号又は第2号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。)
⑪ 次に掲げる者は、前項第3号に規定する証明をすることができない。
一 発起人
二 第28条第2号の財産の譲渡人
三 設立時取締役(第38条第1項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第3項第2号に規定する設立時監査役をいう。)
四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第1号から第3号までに掲げる者のいずれかに該当するもの
過去問・解説
(H18 司法 第39問 3)
株式会社を設立しようとする場合において、現物出資財産が不動産であるときは、価額の相当性に関する弁護士の証明と不動産鑑定士の鑑定評価があれば、検査役の調査は不要である。
株式会社を設立しようとする場合において、現物出資財産が不動産であるときは、価額の相当性に関する弁護士の証明と不動産鑑定士の鑑定評価があれば、検査役の調査は不要である。
(正答)〇
(解説)
確かに、株式会社を設立しようとする場合において、現物出資をするときは、原則として、検査役の調査が必要である(33条1項、2項)。しかし、「現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士…の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価…)を受けた場合」には、検査役の調査は不要である(33条10項3号)。
確かに、株式会社を設立しようとする場合において、現物出資をするときは、原則として、検査役の調査が必要である(33条1項、2項)。しかし、「現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士…の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価…)を受けた場合」には、検査役の調査は不要である(33条10項3号)。
(H25 司法 第48問 ア)
合同会社を設立しようとする場合において、定款で定めた社員の出資の目的が金銭以外の財産であるときは、社員になろうとする者は、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。
合同会社を設立しようとする場合において、定款で定めた社員の出資の目的が金銭以外の財産であるときは、社員になろうとする者は、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。
(正答)✕
(解説)
33条1項は、「発起人は、定款に第28条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第30条第1項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。」と規定しているが、これは株式会社に関するものであり、合同会社の設立については、同様の規定は存在しない(575条~579条参照)。
33条1項は、「発起人は、定款に第28条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第30条第1項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。」と規定しているが、これは株式会社に関するものであり、合同会社の設立については、同様の規定は存在しない(575条~579条参照)。
(R4 予備 第16問 オ)
株式会社を設立しようとする場合において、現物出資をした有価証券について検査役による調査が必要なときでも、設立時取締役は、当該有価証券について定款に記載又は記録された価額の相当性を調査しなければならない。
株式会社を設立しようとする場合において、現物出資をした有価証券について検査役による調査が必要なときでも、設立時取締役は、当該有価証券について定款に記載又は記録された価額の相当性を調査しなければならない。
(正答)✕
(解説)
確かに、株式会社を設立しようとする場合において、現物出資をするときは、原則として、検査役の調査が必要である(33条1項、2項)。しかし、「現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券…について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合」には、「当該有価証券についての第28条第1号又は第2号に掲げる事項」について検査役の調査は不要である(33条10項2号)。
確かに、株式会社を設立しようとする場合において、現物出資をするときは、原則として、検査役の調査が必要である(33条1項、2項)。しかし、「現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券…について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合」には、「当該有価証券についての第28条第1号又は第2号に掲げる事項」について検査役の調査は不要である(33条10項2号)。
総合メモ
第35条
条文
第35条(設立時発行株式の株主となる権利の譲渡)
前条第1項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
前条第1項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
過去問・解説
(R5 予備 第16問 エ)
設立時発行株式の引受人から、その株主となる権利を譲り受けた者がいる場合には、成立後の株式会社は、当該譲受人を株主として取り扱うことはできない。
設立時発行株式の引受人から、その株主となる権利を譲り受けた者がいる場合には、成立後の株式会社は、当該譲受人を株主として取り扱うことはできない。
(正答)✕
(解説)
35条は、「出資の履行…をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。」と規定している。もっとも、同条は「対抗することができない」と規定するにとどまり、成立後の会社が自ら当該譲受人を株主として取り扱うことは自由である。したがって、設立時発行株式の引受人から、その株主となる権利を譲り受けた者がいる場合であっても、成立後の株式会社は、当該譲受人を株主として取り扱うことができる。
35条は、「出資の履行…をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。」と規定している。もっとも、同条は「対抗することができない」と規定するにとどまり、成立後の会社が自ら当該譲受人を株主として取り扱うことは自由である。したがって、設立時発行株式の引受人から、その株主となる権利を譲り受けた者がいる場合であっても、成立後の株式会社は、当該譲受人を株主として取り扱うことができる。
総合メモ
第37条
条文
第37条(発行可能株式総数の定め等)
① 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
② 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。
③ 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。
① 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
② 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。
③ 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。
過去問・解説
(H18 司法 第39問 1)
株式会社が発行することのできる株式の総数は、会社成立時までには定款に定めておかなければならない。
株式会社が発行することのできる株式の総数は、会社成立時までには定款に定めておかなければならない。
(正答)〇
(解説)
37条1項は、「発起人は、…発行可能株式総数…を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。」と規定している。
37条1項は、「発起人は、…発行可能株式総数…を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。」と規定している。
(H19 司法 第38問 イ)
設立する会社が会社法上の公開会社である場合には、設立に際して発行可能株式総数の4分の1以上の株式を発行しなければならないが、設立する会社が会社法上の公開会社でない場合には、この限りではない。
設立する会社が会社法上の公開会社である場合には、設立に際して発行可能株式総数の4分の1以上の株式を発行しなければならないが、設立する会社が会社法上の公開会社でない場合には、この限りではない。
(正答)〇
(解説)
37条3項は、本文において「設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。」と規定する一方で、但書において「ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。」と規定している。
37条3項は、本文において「設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。」と規定する一方で、但書において「ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。」と規定している。
(H20 司法 第37問 オ)
会社が発行することのできる株式の総数は、公証人の認証を受ける時に定款に記載され、又は記録されている必要はないが、会社成立の時までには定款で定めなければならない。
会社が発行することのできる株式の総数は、公証人の認証を受ける時に定款に記載され、又は記録されている必要はないが、会社成立の時までには定款で定めなければならない。
(正答)〇
(解説)
37条1項は、「発起人は、…発行可能株式総数…を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。」と規定している。
37条1項は、「発起人は、…発行可能株式総数…を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。」と規定している。
(H24 司法 第40問 オ)
自己株式を消却することにより、発行可能株式総数は、減少する。
自己株式を消却することにより、発行可能株式総数は、減少する。
(正答)✕
(解説)
「発行株式総数」は「株式会社が発行することができる株式の総数」を意味し(37条1項)、「発行済株式」とは「株式会社が発行している株式」を意味する(2条31号括弧書)。したがって、自己株式を消却することにより、自己株式が消滅することにより、発行済株式総数は減少するが、発行可能株式総数は減少しない。
「発行株式総数」は「株式会社が発行することができる株式の総数」を意味し(37条1項)、「発行済株式」とは「株式会社が発行している株式」を意味する(2条31号括弧書)。したがって、自己株式を消却することにより、自己株式が消滅することにより、発行済株式総数は減少するが、発行可能株式総数は減少しない。
(H28 予備 第16問 イ)
会社法上の公開会社でない株式会社を設立する場合には、発行可能株式総数を定款で定めなければならないが、発行可能株式総数は、設立時発行株式の総数の4倍を超えてもよい。
会社法上の公開会社でない株式会社を設立する場合には、発行可能株式総数を定款で定めなければならないが、発行可能株式総数は、設立時発行株式の総数の4倍を超えてもよい。
(正答)〇
(解説)
37条3項は、本文において「設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。」と規定する一方で、但書において「ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。」と規定している。
37条3項は、本文において「設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。」と規定する一方で、但書において「ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。」と規定している。
(R4 予備 第16問 エ)
公証人の認証を受けた定款に定めた発行可能株式総数の変更は、その変更後に出資される財産の価額が当該定款に定めた設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を下回らないのであれば、発起人全員の同意によってすることができ、再度、定款を作成し、公証人の認証を受ける必要はない。
公証人の認証を受けた定款に定めた発行可能株式総数の変更は、その変更後に出資される財産の価額が当該定款に定めた設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を下回らないのであれば、発起人全員の同意によってすることができ、再度、定款を作成し、公証人の認証を受ける必要はない。
(正答)〇
(解説)
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定しており、37条2項は、「発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。」と規定している。したがって、公証人の認証を受けた定款に定めた発行可能株式総数の変更は、発起人全員の同意によってすることができ、再度、定款を作成し、公証人の認証を受ける必要はない。
他方で、公証人の認証を受けた定款に定めた発行可能株式総数の変更により、その変更後に出資される財産の価額が当該定款に定めた設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を下回るのであれば、原始定款の絶対的記載事項である「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」(27条4号)の変更も伴うため、再度、定款を作成し(26条1項)、公証人の認証を受けなければならない(30条1項)。
以上より、公証人の認証を受けた定款に定めた発行可能株式総数の変更は、その変更後に出資される財産の価額が当該定款に定めた設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を下回らないのであれば、発起人全員の同意によってすることができ、再度、定款を作成し、公証人の認証を受ける必要はない。
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定しており、37条2項は、「発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。」と規定している。したがって、公証人の認証を受けた定款に定めた発行可能株式総数の変更は、発起人全員の同意によってすることができ、再度、定款を作成し、公証人の認証を受ける必要はない。
他方で、公証人の認証を受けた定款に定めた発行可能株式総数の変更により、その変更後に出資される財産の価額が当該定款に定めた設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を下回るのであれば、原始定款の絶対的記載事項である「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」(27条4号)の変更も伴うため、再度、定款を作成し(26条1項)、公証人の認証を受けなければならない(30条1項)。
以上より、公証人の認証を受けた定款に定めた発行可能株式総数の変更は、その変更後に出資される財産の価額が当該定款に定めた設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を下回らないのであれば、発起人全員の同意によってすることができ、再度、定款を作成し、公証人の認証を受ける必要はない。
総合メモ
第38条
条文
第38条(設立時役員等の選任)
① 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。
② 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
③ 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。
一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。)
二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。)
三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。)
④ 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。
① 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。
② 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
③ 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。
一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。)
二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。)
三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。)
④ 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。
過去問・解説
(H23 共通 第38問 ウ)
定款で設立時取締役として定められた者は、その定款について公証人の認証を受けた時に、設立時取締役に選任されたものとみなされる。
定款で設立時取締役として定められた者は、その定款について公証人の認証を受けた時に、設立時取締役に選任されたものとみなされる。
(正答)✕
(解説)
38条4項は、「定款で設立時取締役…として定められた者は、出資の履行が完了した時に、…設立時取締役…に選任したものとみな。」と規定している。
38条4項は、「定款で設立時取締役…として定められた者は、出資の履行が完了した時に、…設立時取締役…に選任したものとみな。」と規定している。
(R4 予備 第16問 イ)
発起人による出資の履行に先立って、発起人の過半数の賛成により設立時役員等を選任しなければならない。
発起人による出資の履行に先立って、発起人の過半数の賛成により設立時役員等を選任しなければならない。
(正答)✕
(解説)
38条1項は、「発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役…を選任しなければならない。」と規定している。
38条1項は、「発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役…を選任しなければならない。」と規定している。
総合メモ
第39条
条文
第39条(設立時役員等の選任)
① 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、3人以上でなければならない。
② 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、3人以上でなければならない。
③ 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、3人以上でなければならない。
④ 第331条第1項(第335条第1項において準用する場合を含む。)、第333条第1項若しくは第3項又は第337条第1項若しくは第3項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。
⑤ 第331条の2の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。
① 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、3人以上でなければならない。
② 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、3人以上でなければならない。
③ 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、3人以上でなければならない。
④ 第331条第1項(第335条第1項において準用する場合を含む。)、第333条第1項若しくは第3項又は第337条第1項若しくは第3項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。
⑤ 第331条の2の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。
過去問・解説
(H23 共通 第38問 ア)
設立時取締役は、発起人であることを要しない。
設立時取締役は、発起人であることを要しない。
(正答)〇
(解説)
39条4項において設立時取締役となることが出来ない者が挙げられているが、設立時取締役が発起人であることを要する旨の定めはない。
39条4項において設立時取締役となることが出来ない者が挙げられているが、設立時取締役が発起人であることを要する旨の定めはない。
(H28 予備 第16問 ア)
法人は、発起人及び設立時取締役のいずれにもなることができない。
法人は、発起人及び設立時取締役のいずれにもなることができない。
(正答)✕
(解説)
331条1項1号は、取締役の欠格事由として「法人」を掲げており、39条4項は「第331条第1項…の規定により成立後の株式会社の取締役…となることができない者は、…設立時取締役…となることができない。」と規定している。したがって、法人は、設立時取締役になることができない。他方で、発起人についてはこのような規定は存在せず、法人も発起人になることができる(田中亘「会社法」第5版605頁)。
331条1項1号は、取締役の欠格事由として「法人」を掲げており、39条4項は「第331条第1項…の規定により成立後の株式会社の取締役…となることができない者は、…設立時取締役…となることができない。」と規定している。したがって、法人は、設立時取締役になることができない。他方で、発起人についてはこのような規定は存在せず、法人も発起人になることができる(田中亘「会社法」第5版605頁)。
(R3 予備 第16問 オ)
発起人でない者も、設立時取締役になることができる。
発起人でない者も、設立時取締役になることができる。
(正答)〇
(解説)
39条4項は、設立時取締役となることができない者として、発起人でない者を掲げていない。したがって、設立時取締役は、発起人であることを要しない。
39条4項は、設立時取締役となることができない者として、発起人でない者を掲げていない。したがって、設立時取締役は、発起人であることを要しない。
総合メモ
第42条
条文
第42条(設立時役員等の解任)
発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第38条第4項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。
発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第38条第4項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。
過去問・解説
(H21 司法 第37問 1)
発起設立において、発起人は、公証人の認証を受けた定款で定められて選任されたものとみなされた設立時取締役を会社の成立の時よりも前に解任することができない。
発起設立において、発起人は、公証人の認証を受けた定款で定められて選任されたものとみなされた設立時取締役を会社の成立の時よりも前に解任することができない。
(正答)✕
(解説)
42条は、「発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第38条第4項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。」と規定しており、38条4項は、「定款で設立時取締役…として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役…に選任されたものとみなす。」と規定している。したがって、発起設立において、発起人は、公証人の認証を受けた定款で定められて選任されたものとみなされた設立時取締役を会社の成立の時よりも前に解任することができる。
42条は、「発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第38条第4項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。」と規定しており、38条4項は、「定款で設立時取締役…として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役…に選任されたものとみなす。」と規定している。したがって、発起設立において、発起人は、公証人の認証を受けた定款で定められて選任されたものとみなされた設立時取締役を会社の成立の時よりも前に解任することができる。
(R1 予備 第16問 1)
公証人の認証を受けた定款で設立時取締役として定められ、設立時取締役に選任されたものとみなされたものは、発起人の全員の同意によっても解任することができない。
公証人の認証を受けた定款で設立時取締役として定められ、設立時取締役に選任されたものとみなされたものは、発起人の全員の同意によっても解任することができない。
(正答)✕
(解説)
42条は、「発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第38条第4項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。」と規定しており、43条1項は、「設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数…をもって決定する。」と規定している。したがって、公証人の認証を受けた定款で設立時取締役として定められ、設立時取締役に選任されたものとみなされたものは、発起人の議決権の過半数によって解任することができる。
42条は、「発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第38条第4項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。」と規定しており、43条1項は、「設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数…をもって決定する。」と規定している。したがって、公証人の認証を受けた定款で設立時取締役として定められ、設立時取締役に選任されたものとみなされたものは、発起人の議決権の過半数によって解任することができる。
総合メモ
第46条
条文
第46条(設立時取締役等による調査)
① 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
一 第33条第10項第1号又は第2号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
二 第33条第10項第3号に規定する証明が相当であること。
三 出資の履行が完了していること。
四 前3号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
② 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。
③ 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第1項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第48条第1項第3号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。
① 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
一 第33条第10項第1号又は第2号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
二 第33条第10項第3号に規定する証明が相当であること。
三 出資の履行が完了していること。
四 前3号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
② 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。
③ 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第1項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第48条第1項第3号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。
過去問・解説
(H23 共通 第38問 エ)
設立時取締役は、その選任後遅滞なく、設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。
設立時取締役は、その選任後遅滞なく、設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。
(正答)〇
(解説)
46条1項は、柱書において「設立時取締役…は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。」と規定した上で、4号において調査事項として「株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。」を掲げている。
46条1項は、柱書において「設立時取締役…は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。」と規定した上で、4号において調査事項として「株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。」を掲げている。
(R1 予備 第16問 2)
設立時取締役は、その選任後遅滞なく、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならず、法令又は定款に違反する事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。
設立時取締役は、その選任後遅滞なく、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならず、法令又は定款に違反する事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。
(正答)〇
(解説)
46条1項は、柱書において「設立時取締役…は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。」と規定した上で、4号において調査事項として「株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。」を掲げている。また、46条2項は、「設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。」と規定している。
46条1項は、柱書において「設立時取締役…は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。」と規定した上で、4号において調査事項として「株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。」を掲げている。また、46条2項は、「設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。」と規定している。
総合メモ
第47条
条文
第47条(設立時代表取締役の選定等)
① 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。
② 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。
③ 前2項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
① 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。
② 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。
③ 前2項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
過去問・解説
(R6 予備 第16問 イ)
発起人は、設立時代表取締役を選定しなければならない。
発起人は、設立時代表取締役を選定しなければならない。
(正答)✕
(解説)
47条は、1項において「設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社…である場合には、設立時取締役…の中から…設立時代表取締役…を選定しなければならない。」と規定した上で、3項において「前2項の規定による設立時代表取締役の選定…は、設立時取締役の過半数をもって決定する。」と規定している。
したがって、設立時代表取締役は設立時取締役の過半数の決定によって選定されるものであり、かつ、設立時代表取締役を選定しなければならないのは「設立しようとする株式会社が取締役会設置会社…である場合」に限られる。
47条は、1項において「設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社…である場合には、設立時取締役…の中から…設立時代表取締役…を選定しなければならない。」と規定した上で、3項において「前2項の規定による設立時代表取締役の選定…は、設立時取締役の過半数をもって決定する。」と規定している。
したがって、設立時代表取締役は設立時取締役の過半数の決定によって選定されるものであり、かつ、設立時代表取締役を選定しなければならないのは「設立しようとする株式会社が取締役会設置会社…である場合」に限られる。
総合メモ
第48条
条文
第48条(設立時委員の選定等)
① 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。
一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。
イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者
ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者
ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者
二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。
三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。ただし、設立時執行役が1人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。
② 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。
③ 前2項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
① 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。
一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。
イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者
ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者
ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者
二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。
三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。ただし、設立時執行役が1人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。
② 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。
③ 前2項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
過去問・解説
(H22 司法 第37問 3)
指名委員会等設置会社を設立する場合には、創立総会の決議によって設立時執行役を選任しなければならない。
指名委員会等設置会社を設立する場合には、創立総会の決議によって設立時執行役を選任しなければならない。
(正答)✕
(解説)
48条1項は、柱書において「設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。」と規定した上で、2号において「設立時執行役…を選任すること」を掲げている。また、同条3項は、「前2項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。」と規定している。したがって、指名委員会等設置会社を設立する場合には、創立総会の決議ではなく、設立時取締役の過半数をもって、設立時執行役を選任しなければならない。
48条1項は、柱書において「設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。」と規定した上で、2号において「設立時執行役…を選任すること」を掲げている。また、同条3項は、「前2項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。」と規定している。したがって、指名委員会等設置会社を設立する場合には、創立総会の決議ではなく、設立時取締役の過半数をもって、設立時執行役を選任しなければならない。
総合メモ
第49条
条文
第49条(株式会社の成立)
株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
過去問・解説
(H23 司法 第49問 エ)
設立会社は、新設分割計画に新設分割がその効力を生ずる日を定めたときは、その日に、成立する。
設立会社は、新設分割計画に新設分割がその効力を生ずる日を定めたときは、その日に、成立する。
(正答)✕
(解説)
49条は、株式会社は、その本店の所在地において「設立の登記」をすることによって成立すると規定している。なお、814条1項に特則があるが、49条はそこに挙げられておらず、特則の適用はない。
49条は、株式会社は、その本店の所在地において「設立の登記」をすることによって成立すると規定している。なお、814条1項に特則があるが、49条はそこに挙げられておらず、特則の適用はない。
(H25 司法 第37問 オ)
株式会社は、定款又は創立総会の決議により定められた設立の効力発生日に成立する。
株式会社は、定款又は創立総会の決議により定められた設立の効力発生日に成立する。
(正答)✕
(解説)
49条は、「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。」と規定している。
49条は、「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。」と規定している。
総合メモ
第50条
条文
第50条(株式の引受人の権利)
① 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。
② 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
① 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。
② 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
過去問・解説
(H18 司法 第39問 2)
発起人であると発起人以外の株式引受人であるとを問わず、それらの者が株主となるのは、その払込みをした時である。
発起人であると発起人以外の株式引受人であるとを問わず、それらの者が株主となるのは、その払込みをした時である。
(正答)✕
(解説)
50条1項は、「発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。」と規定している。
50条1項は、「発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。」と規定している。
(H28 司法 第16問 エ)
設立時募集株式の引受人は、設立時募集株式の払込金額の全額の払込みをする前に設立時募集株式の株主となる権利を譲渡した場合には、当該譲渡を成立後の株式会社に対抗することができないが、当該払込みをした後に設立時発行株式の株主となる権利を譲渡した場合には、当該譲渡を成立後の株式会社に対抗することができる。
設立時募集株式の引受人は、設立時募集株式の払込金額の全額の払込みをする前に設立時募集株式の株主となる権利を譲渡した場合には、当該譲渡を成立後の株式会社に対抗することができないが、当該払込みをした後に設立時発行株式の株主となる権利を譲渡した場合には、当該譲渡を成立後の株式会社に対抗することができる。
(正答)✕
(解説)
50条は、1項において「発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。」と規定した上で、2項において「前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。」と規定している。したがって、設立時募集株式の引受人は、設立時募集株式の払込金額の全額の払込みをする前に設立時募集株式の株主となる権利を譲渡した場合のみならず、当該払込みをした後に設立時発行株式の株主となる権利を譲渡した場合であっても、当該譲渡を成立後の株式会社に対抗することができない。
50条は、1項において「発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。」と規定した上で、2項において「前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。」と規定している。したがって、設立時募集株式の引受人は、設立時募集株式の払込金額の全額の払込みをする前に設立時募集株式の株主となる権利を譲渡した場合のみならず、当該払込みをした後に設立時発行株式の株主となる権利を譲渡した場合であっても、当該譲渡を成立後の株式会社に対抗することができない。
(R3 予備 第16問 エ)
発起人は、引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込んだ時に、当該設立時発行株式の株主となる。
発起人は、引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込んだ時に、当該設立時発行株式の株主となる。
(正答)✕
(解説)
50条1項は、「発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。」と規定している。
50条1項は、「発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。」と規定している。
総合メモ
第52条
条文
第52条(出資された財産等の価額が不足する場合の責任)
① 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
② 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第28条第1号の財産を給付した者又は同条第2号の財産の譲渡人を除く。第2号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。
一 第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合
二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
③ 第1項に規定する場合には、第33条第10項第3号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第1項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
① 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
② 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第28条第1号の財産を給付した者又は同条第2号の財産の譲渡人を除く。第2号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。
一 第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合
二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
③ 第1項に規定する場合には、第33条第10項第3号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第1項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
過去問・解説
(H18 司法 第39問 4)
現物出資財産の価額の相当性について証明をした弁護士は、無過失であったことを証明すれば、不足額のてん補責任を免れる。
現物出資財産の価額の相当性について証明をした弁護士は、無過失であったことを証明すれば、不足額のてん補責任を免れる。
(正答)〇
(解説)
52条3項は、現物出資財産等の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合の責任について、本文において「第1項に規定する場合には、第33条第10項第3号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第1項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。」と規定する一方で、但書において「ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。」と規定している。したがって、現物出資財産の価額の相当性について証明をした弁護士は、無過失であったことを証明すれば、不足額のてん補責任を免れる。
52条3項は、現物出資財産等の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合の責任について、本文において「第1項に規定する場合には、第33条第10項第3号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第1項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。」と規定する一方で、但書において「ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。」と規定している。したがって、現物出資財産の価額の相当性について証明をした弁護士は、無過失であったことを証明すれば、不足額のてん補責任を免れる。
(H20 司法 第37問 ウ)
発起人は、自らが行った現物出資の目的財産の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合でも、職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明すれば、会社に対して当該不足額を支払う義務を免れることができる。
発起人は、自らが行った現物出資の目的財産の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合でも、職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明すれば、会社に対して当該不足額を支払う義務を免れることができる。
(正答)✕
(解説)
52条2項2号は、現物出資財産等の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合の責任における、発起人の免責事由の一つとして「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」を挙げている。しかし他方で、52条2項柱書は、免責余地のある「発起人」から「第28条第1号の財産を給付した者」を除外している。したがって、発起人は、自らが行った現物出資の目的財産の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合には、職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明しても、会社に対して当該不足額を支払う義務を免れることができない。
52条2項2号は、現物出資財産等の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合の責任における、発起人の免責事由の一つとして「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」を挙げている。しかし他方で、52条2項柱書は、免責余地のある「発起人」から「第28条第1号の財産を給付した者」を除外している。したがって、発起人は、自らが行った現物出資の目的財産の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合には、職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明しても、会社に対して当該不足額を支払う義務を免れることができない。
(H27 予備 第16問 1)
発起人の1人からの財産引受けに係る契約が締結された場合において、会社の成立の時におけるその目的財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは、その財産引受けに関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経たときでも、他の発起人は、会社に対し、その不足額を支払う義務を負う。
発起人の1人からの財産引受けに係る契約が締結された場合において、会社の成立の時におけるその目的財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは、その財産引受けに関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経たときでも、他の発起人は、会社に対し、その不足額を支払う義務を負う。
(正答)✕
(解説)
52条2項1号は、現物出資財産等の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合の責任における、他の発起人の免責事由の一つとして「第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合」を挙げている。したがって、発起人の1人からの財産引受けに係る契約が締結された場合において、会社の成立の時におけるその目的財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときであっても、その財産引受けに関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経たときは、他の発起人は、会社に対し、その不足額を支払う義務を負わない。
52条2項1号は、現物出資財産等の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合の責任における、他の発起人の免責事由の一つとして「第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合」を挙げている。したがって、発起人の1人からの財産引受けに係る契約が締結された場合において、会社の成立の時におけるその目的財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときであっても、その財産引受けに関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経たときは、他の発起人は、会社に対し、その不足額を支払う義務を負わない。
(R1 予備 第16問 3)
株式会社の成立の時における現物出資財産の価額が当該現物出資財産について定款に記載された価額に著しく不足するときであっても、定款に記載された現物出資に関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経た場合には、設立時取締役は、当該株式会社に対し、当該不足額を支払う義務を負わない。
株式会社の成立の時における現物出資財産の価額が当該現物出資財産について定款に記載された価額に著しく不足するときであっても、定款に記載された現物出資に関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経た場合には、設立時取締役は、当該株式会社に対し、当該不足額を支払う義務を負わない。
(正答)〇
(解説)
52条2項1号は、現物出資財産等の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合の責任における、設立時取締役の免責事由の一つとして「第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合」を挙げている。株式会社の成立の時における現物出資財産の価額が当該現物出資財産について定款に記載された価額に著しく不足するときであっても、定款に記載された現物出資に関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経た場合には、設立時取締役は、当該株式会社に対し、当該不足額を支払う義務を負わない。
52条2項1号は、現物出資財産等の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合の責任における、設立時取締役の免責事由の一つとして「第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合」を挙げている。株式会社の成立の時における現物出資財産の価額が当該現物出資財産について定款に記載された価額に著しく不足するときであっても、定款に記載された現物出資に関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経た場合には、設立時取締役は、当該株式会社に対し、当該不足額を支払う義務を負わない。
総合メモ
第52条の2
条文
第52条の2(出資の履行を仮装した場合の責任等)
① 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。
一 第34条第1項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払
二 第34条第1項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)
② 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
③ 発起人が第1項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
④ 発起人は、第1項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第2項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第65条第1項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。
⑤ 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
① 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。
一 第34条第1項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払
二 第34条第1項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)
② 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
③ 発起人が第1項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
④ 発起人は、第1項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第2項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第65条第1項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。
⑤ 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
過去問・解説
(R2 予備 第16問 ウ)
発起人がその出資に係る金銭の払込みを仮装することに関与した設立時取締役が、株式会社に対し、払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払をしたときは、出資に係る金銭の払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができる。
発起人がその出資に係る金銭の払込みを仮装することに関与した設立時取締役が、株式会社に対し、払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払をしたときは、出資に係る金銭の払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができる。
(正答)✕
(解説)
52条の2第4項は、出資の履行を仮装した場合の責任等として、「発起人は、第1項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第2項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主…及び株主の権利を行使することができない。」と規定しているが、「第1項各号…に定める支払若しくは給付又は第2項の規定による支払」がされた後に「出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができる」のは、発起人であり、設立時取締役ではない。
52条の2第4項は、出資の履行を仮装した場合の責任等として、「発起人は、第1項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第2項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主…及び株主の権利を行使することができない。」と規定しているが、「第1項各号…に定める支払若しくは給付又は第2項の規定による支払」がされた後に「出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができる」のは、発起人であり、設立時取締役ではない。
(R6 予備 第16問 エ)
発起人がその引き受けた設立時発行株式の払込金額の払込みを仮装した場合には、当該発起人から当該設立時発行株式を譲り受けた者は、善意でかつ重大な過失がないときであっても、当該設立時発行株式についての株主の権利を行使することができない。
発起人がその引き受けた設立時発行株式の払込金額の払込みを仮装した場合には、当該発起人から当該設立時発行株式を譲り受けた者は、善意でかつ重大な過失がないときであっても、当該設立時発行株式についての株主の権利を行使することができない。
(正答)✕
(解説)
52条の2第5項は、本文において「設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。」と規定する一方で、但書において「ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。」と規定している。したがって、発起人がその引き受けた設立時発行株式の払込金額の払込みを仮装した場合には、当該発起人から当該設立時発行株式を譲り受けた者は、善意でかつ重大な過失がないときは、当該設立時発行株式についての株主の権利を行使することができる。
52条の2第5項は、本文において「設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。」と規定する一方で、但書において「ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。」と規定している。したがって、発起人がその引き受けた設立時発行株式の払込金額の払込みを仮装した場合には、当該発起人から当該設立時発行株式を譲り受けた者は、善意でかつ重大な過失がないときは、当該設立時発行株式についての株主の権利を行使することができる。
総合メモ
第55条
条文
第55条(責任の免除)
第52条第1項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第52条の2第1項の規定により発起人の負う義務、同条第2項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第53条第1項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
第52条第1項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第52条の2第1項の規定により発起人の負う義務、同条第2項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第53条第1項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
過去問・解説
(H27 予備 第16問 3)
発起人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったことにより第三者に生じた損害を賠償する責任を負うときは、総株主の同意によっても、これを免れることができない。
発起人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったことにより第三者に生じた損害を賠償する責任を負うときは、総株主の同意によっても、これを免れることができない。
(正答)〇
(解説)
55条は、総株主の同意により免除することができる責任として、
53条2項は、「発起人、…がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人…は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定しており、55条は、総株主の同意により免除することができる責任として、53条2項に基づく責任を掲げていない。したがって、発起人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったことにより第三者に生じた損害を賠償する責任を負うときは、総株主の同意によっても、これを免れることができない。
55条は、総株主の同意により免除することができる責任として、
53条2項は、「発起人、…がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人…は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定しており、55条は、総株主の同意により免除することができる責任として、53条2項に基づく責任を掲げていない。したがって、発起人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったことにより第三者に生じた損害を賠償する責任を負うときは、総株主の同意によっても、これを免れることができない。
総合メモ
第56条
条文
第56条(株式会社不成立の場合の責任)
株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。
株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。
過去問・解説
(H27 予備 第16問 4)
会社が成立しなかった場合において、発起人がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、その発起人は、会社の設立に関して支出した費用を負担しない。
会社が成立しなかった場合において、発起人がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、その発起人は、会社の設立に関して支出した費用を負担しない。
(正答)✕
(解説)
56条は、株式会社不成立の場合の責任について、「株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。」と規定しているところ、この責任は無過失責任である。したがって、会社が成立しなかった場合において、発起人がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときであっても、その発起人は、会社の設立に関して支出した費用を負担しなければならない。
56条は、株式会社不成立の場合の責任について、「株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。」と規定しているところ、この責任は無過失責任である。したがって、会社が成立しなかった場合において、発起人がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときであっても、その発起人は、会社の設立に関して支出した費用を負担しなければならない。
(R1 予備 第16問 4)
株式会社が成立しなかったときは、設立時取締役は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。
株式会社が成立しなかったときは、設立時取締役は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。
(正答)✕
(解説)
56条は、株式会社不成立の場合の責任について、「発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い…」と規定するにとどまるから、設立時取締役は責任を負わない。
56条は、株式会社不成立の場合の責任について、「発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い…」と規定するにとどまるから、設立時取締役は責任を負わない。
総合メモ
第60条
条文
第60条(設立時募集株式の割当て)
① 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第3項第2号の数よりも減少することができる。
② 発起人は、第58条第1項第3号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。
① 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第3項第2号の数よりも減少することができる。
② 発起人は、第58条第1項第3号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。
過去問・解説
(H25 司法 第37問 ア)
設立時募集株式の数を超える数の引受けの申込みがあった場合には、発起人は、各申込者に対し、申込みに係る株式の数の割合に応じて、設立時募集株式を割り当てなければならない。
設立時募集株式の数を超える数の引受けの申込みがあった場合には、発起人は、各申込者に対し、申込みに係る株式の数の割合に応じて、設立時募集株式を割り当てなければならない。
(正答)✕
(解説)
60条1項は、前段において「発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。」と規定した上で、後段において「この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第3項第2号の数よりも減少することができる。」と規定しており、後段は割当自由の原則にに従った規定である。したがって、設立時募集株式の数を超える数の引受けの申込みがあった場合には、発起人は、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、引き受けようとする設立時募集株式の数よりも減少することができるのであって、各申込者に対し、申込みに係る株式の数の割合に応じて、設立時募集株式を割り当てなければならないわけではない。
60条1項は、前段において「発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。」と規定した上で、後段において「この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第3項第2号の数よりも減少することができる。」と規定しており、後段は割当自由の原則にに従った規定である。したがって、設立時募集株式の数を超える数の引受けの申込みがあった場合には、発起人は、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、引き受けようとする設立時募集株式の数よりも減少することができるのであって、各申込者に対し、申込みに係る株式の数の割合に応じて、設立時募集株式を割り当てなければならないわけではない。
総合メモ
第61条
条文
第61条(設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則)
前2条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
前2条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
過去問・解説
(H29 予備 第16問 5)
設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合であっても、発起人は、その者に対し、設立時募集株式に関する事項等を通知しなければならない。
設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合であっても、発起人は、その者に対し、設立時募集株式に関する事項等を通知しなければならない。
(正答)✕
(解説)
59条1項は、「発起人は、第57条第1項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。」と規定する一方で、61条は、設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則として、「前2条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。」としている。したがって、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合は、発起人は、その者に対し、設立時募集株式に関する事項等を通知する必要はない。
59条1項は、「発起人は、第57条第1項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。」と規定する一方で、61条は、設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則として、「前2条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。」としている。したがって、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合は、発起人は、その者に対し、設立時募集株式に関する事項等を通知する必要はない。
総合メモ
第63条
条文
第63条(設立時募集株式の払込金額の払込み)
① 設立時募集株式の引受人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
② 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
③ 設立時募集株式の引受人は、第1項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。
① 設立時募集株式の引受人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
② 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
③ 設立時募集株式の引受人は、第1項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。
過去問・解説
(H21 司法 第37問 4)
設立時募集株式の引受人は、出資の履行期日又は期間内に出資に係る金銭の払込み又は金銭以外の財産の給付をしなければ、株主となることができない。
設立時募集株式の引受人は、出資の履行期日又は期間内に出資に係る金銭の払込み又は金銭以外の財産の給付をしなければ、株主となることができない。
(正答)✕
(解説)
34条1項は、発起人の出資について「その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部」と規定しているの対し、63条1項は、設立時取締役の出資について「設立時募集株式の払込金額の全額」と規定するにとどまるから、設立時取締役については、現物出資は認められていない。本肢は、設立時取締役の出資について、金銭以外の財産の給付という現物出資を認めている点において、誤っている。
34条1項は、発起人の出資について「その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部」と規定しているの対し、63条1項は、設立時取締役の出資について「設立時募集株式の払込金額の全額」と規定するにとどまるから、設立時取締役については、現物出資は認められていない。本肢は、設立時取締役の出資について、金銭以外の財産の給付という現物出資を認めている点において、誤っている。
(H24 共通 第37問 ウ)
設立時募集株式の引受人が所定の期日又は期間内に設立時募集株式の払込金額の全額の払込みをしなかった場合には、その引受人は、その払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。
設立時募集株式の引受人が所定の期日又は期間内に設立時募集株式の払込金額の全額の払込みをしなかった場合には、その引受人は、その払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。
(正答)〇
(解説)
63条1項は、「設立時募集株式の引受人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。」と規定し、同条3項は、「設立時募集株式の引受人は、第1項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。」と規定している。
63条1項は、「設立時募集株式の引受人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。」と規定し、同条3項は、「設立時募集株式の引受人は、第1項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。」と規定している。
(H29 予備 第16問 2)
募集設立においては、設立時募集株式の引受人であっても、定款で定めることにより、現物出資をすることができる。
募集設立においては、設立時募集株式の引受人であっても、定款で定めることにより、現物出資をすることができる。
(正答)✕
(解説)
34条1項は、発起人の出資について「その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部」と規定しているの対し、63条1項は、設立時取締役の出資について「設立時募集株式の払込金額の全額」と規定するにとどまるから、設立時取締役については、現物出資は認められていない。したがって、募集設立においては、設立時募集株式の引受人は、定款で定めたとしても、現物出資をすることができない。
34条1項は、発起人の出資について「その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部」と規定しているの対し、63条1項は、設立時取締役の出資について「設立時募集株式の払込金額の全額」と規定するにとどまるから、設立時取締役については、現物出資は認められていない。したがって、募集設立においては、設立時募集株式の引受人は、定款で定めたとしても、現物出資をすることができない。
(R2 予備 第16問 イ)
設立時募集株式の引受人が払込期日又は払込期間内に設立時募集株式の払込金額の全額の払込みをしていないときは、発起人は、当該払込みをしていない設立時募集株式の引受人に対して、期日を定め、その期日までに当該払込みをしなければならない旨を通知しなければならない。
設立時募集株式の引受人が払込期日又は払込期間内に設立時募集株式の払込金額の全額の払込みをしていないときは、発起人は、当該払込みをしていない設立時募集株式の引受人に対して、期日を定め、その期日までに当該払込みをしなければならない旨を通知しなければならない。
(正答)✕
(解説)
63条1項は、「設立時募集株式の引受人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。」と規定し、同条3項は、「設立時募集株式の引受人は、第1項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。」と規定している。
63条1項は、「設立時募集株式の引受人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。」と規定し、同条3項は、「設立時募集株式の引受人は、第1項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。」と規定している。
総合メモ
第64条
条文
第64条(払込金の保管証明)
① 第57条第1項の募集をした場合には、発起人は、第34条第1項及び前条第1項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
② 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第34条第1項若しくは前条第1項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
① 第57条第1項の募集をした場合には、発起人は、第34条第1項及び前条第1項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
② 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第34条第1項若しくは前条第1項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
過去問・解説
(H20 司法 第37問 イ)
発起設立の場合において、発起人は、払込みの取扱いをした銀行に対し、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
発起設立の場合において、発起人は、払込みの取扱いをした銀行に対し、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
(正答)✕
(解説)
64条1項は、募集設立について、「第57条第1項の募集をした場合には、発起人は、第34条第1項及び前条第1項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。」と規定しているが、発起設立については、このような規定は存在しない。会社法の下では、旧商法下における発起設立における払込金保管証明制度が廃止されている(田中亘「会社法」第5版614頁)。
64条1項は、募集設立について、「第57条第1項の募集をした場合には、発起人は、第34条第1項及び前条第1項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。」と規定しているが、発起設立については、このような規定は存在しない。会社法の下では、旧商法下における発起設立における払込金保管証明制度が廃止されている(田中亘「会社法」第5版614頁)。
(H22 司法 第37問 5)
発起人によって払込みの取扱いの場所として定められた銀行は、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書を発起人に交付した場合、当該証明書の記載が事実と異なることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
発起人によって払込みの取扱いの場所として定められた銀行は、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書を発起人に交付した場合、当該証明書の記載が事実と異なることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
(正答)〇
(解説)
64条1項は、募集設立における払込金保管証明書の交付請求について規定し、同条2項は、「前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第34条第1項若しくは前条第1項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。」と規定している。
64条1項は、募集設立における払込金保管証明書の交付請求について規定し、同条2項は、「前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第34条第1項若しくは前条第1項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。」と規定している。
(H25 司法 第37問 イ)
発起人は、払込みの取扱いをした銀行に対し、設立時募集株式のみならず、発起人が引き受けた設立時発行株式についても、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
発起人は、払込みの取扱いをした銀行に対し、設立時募集株式のみならず、発起人が引き受けた設立時発行株式についても、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
(正答)〇
(解説)
64条1項は、募集設立について、「第57条第1項の募集をした場合には、発起人は、第34条第1項及び前条第1項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。」と規定している。
64条1項は、募集設立について、「第57条第1項の募集をした場合には、発起人は、第34条第1項及び前条第1項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。」と規定している。
総合メモ
第65条
条文
第65条(創立総会の招集)
① 第57条第1項の募集をする場合には、発起人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第50条第1項又は第102条第2項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
② 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。
① 第57条第1項の募集をする場合には、発起人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第50条第1項又は第102条第2項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
② 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。
総合メモ
第73条
条文
第73条(創立総会の決議)
① 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。
② 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。
③ 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第107条第1項第3号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。
④ 創立総会は、第67条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。
① 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。
② 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。
③ 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第107条第1項第3号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。
④ 創立総会は、第67条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。
過去問・解説
(H22 司法 第37問 2)
設立時取締役を選任する創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の過半数をもって行う。
設立時取締役を選任する創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の過半数をもって行う。
(正答)✕
(解説)
73条1項は、「創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。」と規定している。
73条1項は、「創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。」と規定している。
(H25 司法 第37問 ウ)
設立の廃止については、創立総会の招集に際して創立総会の目的である事項として定められていなくても、創立総会において、決議をすることができる。
設立の廃止については、創立総会の招集に際して創立総会の目的である事項として定められていなくても、創立総会において、決議をすることができる。
(正答)〇
(解説)
73条4項は、本文において「創立総会は、第67条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。」と規定する一方で、但書において「ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。」と規定している。したがって、設立の廃止については、創立総会の招集に際して創立総会の目的である事項として定められていなくても、創立総会において、決議をすることができる。
73条4項は、本文において「創立総会は、第67条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。」と規定する一方で、但書において「ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。」と規定している。したがって、設立の廃止については、創立総会の招集に際して創立総会の目的である事項として定められていなくても、創立総会において、決議をすることができる。
総合メモ
第88条
条文
第88条(設立時取締役等の選任)
① 第57条第1項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
② 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
① 第57条第1項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
② 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
過去問・解説
(H21 司法 第37問 3)
募集設立において、会社法上の公開会社の設立時取締役の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
募集設立において、会社法上の公開会社の設立時取締役の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
(正答)〇
(解説)
88条1項は、募集設立の場合について、「第57条第1項の募集をする場合には、設立時取締役…の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。」と規定している。
88条1項は、募集設立の場合について、「第57条第1項の募集をする場合には、設立時取締役…の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。」と規定している。
(H29 予備 第16問 1)
募集設立においては、設立時取締役は、定款で定めている場合を除き、発起人が選任する。
募集設立においては、設立時取締役は、定款で定めている場合を除き、発起人が選任する。
(正答)✕
(解説)
88条1項は、募集設立の場合について、「第57条第1項の募集をする場合には、設立時取締役…の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。」と規定している。
88条1項は、募集設立の場合について、「第57条第1項の募集をする場合には、設立時取締役…の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。」と規定している。
総合メモ
第96条
条文
第96条(創立総会における定款の変更)
第30条第2項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
第30条第2項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
過去問・解説
(H22 司法 第37問 4)
定款は、公証人の認証を受けた後であっても、創立総会の決議によって変更することができる。
定款は、公証人の認証を受けた後であっても、創立総会の決議によって変更することができる。
(正答)〇
(解説)
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定する一方で、96条は、「第30条第2項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。」と規定している。したがって、定款は、公証人の認証を受けた後であっても、創立総会の決議によって変更することができる。
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定する一方で、96条は、「第30条第2項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。」と規定している。したがって、定款は、公証人の認証を受けた後であっても、創立総会の決議によって変更することができる。
(H25 司法 第37問 エ)
公証人による定款の認証を受けた後に、創立総会の決議により定款を変更した場合には、改めて公証人の認証を受ける必要はない。
公証人による定款の認証を受けた後に、創立総会の決議により定款を変更した場合には、改めて公証人の認証を受ける必要はない。
(正答)〇
(解説)
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定する一方で、96条は、「第30条第2項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。」と規定している。したがって、公証人による定款の認証を受けた後に、創立総会の決議により定款を変更した場合には、改めて公証人の認証を受ける必要はない。
30条2項は、「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。」と規定する一方で、96条は、「第30条第2項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。」と規定している。したがって、公証人による定款の認証を受けた後に、創立総会の決議により定款を変更した場合には、改めて公証人の認証を受ける必要はない。
総合メモ
第102条
条文
第102条(設立手続等の特則)
① 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第31条第2項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第2号又は第4号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。
② 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第63条第1項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。
③ 設立時募集株式の引受人は、第63条第1項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第1項又は第103条第2項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。
④ 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
⑤ 民法第93条第1項ただし書及び第94条第1項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第61条の契約に係る意思表示については、適用しない。
⑥ 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
① 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第31条第2項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第2号又は第4号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。
② 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第63条第1項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。
③ 設立時募集株式の引受人は、第63条第1項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第1項又は第103条第2項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。
④ 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
⑤ 民法第93条第1項ただし書及び第94条第1項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第61条の契約に係る意思表示については、適用しない。
⑥ 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
過去問・解説
(H19 司法 第38問 エ)
設立時募集株式の引受人は、会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会において議決権を行使した後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの無効を主張することはできない。
設立時募集株式の引受人は、会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会において議決権を行使した後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの無効を主張することはできない。
(正答)〇
(解説)
102条6項は、「設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。」と規定する。
102条6項は、「設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。」と規定する。
(H29 予備 第16問 3)
設立時募集株式の引受人は、設立時募集株式の払込金額の払込みを仮装した場合には、会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払がされる前であっても、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができる。
設立時募集株式の引受人は、設立時募集株式の払込金額の払込みを仮装した場合には、会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払がされる前であっても、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができる。
(正答)✕
(解説)
102条3項は、「設立時募集株式の引受人は、第63条第1項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第1項又は第103条第2項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。」と規定している。
102条3項は、「設立時募集株式の引受人は、第63条第1項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第1項又は第103条第2項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。」と規定している。
(H30 予備 第16問 5)
設立時募集株式の引受人は、創立総会においてその議決権を行使した後であっても、株式会社の成立前であれば、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができる。
設立時募集株式の引受人は、創立総会においてその議決権を行使した後であっても、株式会社の成立前であれば、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができる。
(正答)✕
(解説)
102条6項は、「設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。」と規定する。
102条6項は、「設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。」と規定する。
総合メモ
第102条の2
条文
第102条の2(払込みを仮装した設立時募集株式の引受人の責任)
① 設立時募集株式の引受人は、前条第3項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。
② 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
① 設立時募集株式の引受人は、前条第3項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。
② 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
総合メモ
第103条
条文
第103条(発起人の責任等)
① 第57条第1項の募集をした場合における第52条第2項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第1号に」とする。
② 第102条第3項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第1項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
③ 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
④ 第57条第1項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前3項の規定を適用する。
① 第57条第1項の募集をした場合における第52条第2項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第1号に」とする。
② 第102条第3項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第1項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
③ 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
④ 第57条第1項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前3項の規定を適用する。
過去問・解説
(H21 司法 第37問 2)
募集設立において、会社の成立の時における検査役の調査を経ていない財産引受けの目的財産の価額が定款に記載され、又は記録された価額に著しく不足するときは、発起人は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合でも、当該不足額を支払う義務を免れることができない。
募集設立において、会社の成立の時における検査役の調査を経ていない財産引受けの目的財産の価額が定款に記載され、又は記録された価額に著しく不足するときは、発起人は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合でも、当該不足額を支払う義務を免れることができない。
(正答)〇
(解説)
発起設立においては、財産価額塡補責任について、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責が認められている(52条2項2号)。これに対し、募集設立においては、52条2項各号のうち1号のみが準用されるにとどまるため、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責は認められない(103条1項)。
発起設立においては、財産価額塡補責任について、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責が認められている(52条2項2号)。これに対し、募集設立においては、52条2項各号のうち1号のみが準用されるにとどまるため、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責は認められない(103条1項)。
(H22 司法 第37問 1)
発起人以外の者であっても、募集の広告に自己の氏名及び株式会社の設立を賛助する旨を記載することを承諾したものは、発起人とみなされ、発起人の責任に関する会社法の規定の適用を受ける。
発起人以外の者であっても、募集の広告に自己の氏名及び株式会社の設立を賛助する旨を記載することを承諾したものは、発起人とみなされ、発起人の責任に関する会社法の規定の適用を受ける。
(正答)〇
(解説)
103条4項は、「第57条第1項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前3項の規定を適用する。」と規定している。これを疑似発起人の責任をという。
103条4項は、「第57条第1項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前3項の規定を適用する。」と規定している。これを疑似発起人の責任をという。
(H27 予備 第16問 2)
募集設立において発起人の一人が現物出資をした場合において、会社の成立の時における現物出資財産の価格が定款に記載された価格に著しく不足するときでも、他の発起人は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、会社に対し、その不足額を支払う義務を負わない。
募集設立において発起人の一人が現物出資をした場合において、会社の成立の時における現物出資財産の価格が定款に記載された価格に著しく不足するときでも、他の発起人は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、会社に対し、その不足額を支払う義務を負わない。
(正答)✕
(解説)
発起設立においては、財産価額塡補責任について、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責が認められている(52条2項2号)。これに対し、募集設立においては、52条2項各号のうち1号のみが準用されるにとどまるため、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責は認められない(103条1項)。
発起設立においては、財産価額塡補責任について、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責が認められている(52条2項2号)。これに対し、募集設立においては、52条2項各号のうち1号のみが準用されるにとどまるため、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責は認められない(103条1項)。
(H29 予備 第16問 4)
募集設立においては、発起人でない者であって、設立時発行株式を引き受ける者の募集の広告に自己の氏名又は名称及び会社の設立を賛助する旨を記載することを承諾したものは、現物出資に関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経た場合を除き、当該会社の成立の時における現物出資財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは、当該会社に対し、当該不足額を支払う義務を負う。
募集設立においては、発起人でない者であって、設立時発行株式を引き受ける者の募集の広告に自己の氏名又は名称及び会社の設立を賛助する旨を記載することを承諾したものは、現物出資に関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経た場合を除き、当該会社の成立の時における現物出資財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは、当該会社に対し、当該不足額を支払う義務を負う。
(正答)〇
(解説)
52条2項は、発起設立における財産価額塡補責任の免責事由として、「第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合」(1号)と「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」(2号)を挙げている。これに対し、募集設立においては、52条2項各号のうち1号のみが準用されるにとどまるため、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責は認められない(103条1項)。
したがって、募集設立においては、発起人でない者であって、設立時発行株式を引き受ける者の募集の広告に自己の氏名又は名称及び会社の設立を賛助する旨を記載することを承諾したものは、現物出資に関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経た場合を除き、当該会社の成立の時における現物出資財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは、当該会社に対し、当該不足額を支払う義務を負う。
52条2項は、発起設立における財産価額塡補責任の免責事由として、「第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合」(1号)と「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」(2号)を挙げている。これに対し、募集設立においては、52条2項各号のうち1号のみが準用されるにとどまるため、「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」による免責は認められない(103条1項)。
したがって、募集設立においては、発起人でない者であって、設立時発行株式を引き受ける者の募集の広告に自己の氏名又は名称及び会社の設立を賛助する旨を記載することを承諾したものは、現物出資に関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経た場合を除き、当該会社の成立の時における現物出資財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは、当該会社に対し、当該不足額を支払う義務を負う。