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株主総会及び種類株主総会

第295条

条文
第295条(株主総会の権限)
① 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。
② 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
③ この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。
過去問・解説
(H25 司法 第43問 オ)
会社は、定款の定めにより、会計参与を取締役会の決議によって選任するものとすることができる。

(正答)

(解説)
329条1項は、会計参与を含む役員について、「株主総会の決議によって選任する。」と規定している。そして、295条3項は、「この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、・・・株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。」と規定している。
したがって、株主総会の決議事項である会計参与の選任を、取締役会の決議によってするものとする定款の定めは効力を有しない。
よって、会社は、定款の定めにより、会計参与を取締役会の決議によって選任することができない。

(H28 予備 第21問 エ)
取締役会設置会社においては、株主総会は、会社法に規定する事項及び定款に定めた事項に限り、決議をすることができるが、取締役会設置会社でない会社においては、株主総会は、会社に関する一切の事項について決議をすることができる。

(正答)

(解説)
295条は、1項において、「株主総会は、…株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。」と規定し、2項において、「前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。」と規定している。
したがって、取締役会設置会社においては、株主総会は、会社法に規定する事項及び定款に定めた事項に限り、決議をすることができるが、取締役会設置会社でない会社においては、株主総会は、会社に関する一切の事項について決議をすることができる。

(H29 予備 第19問 イ)
取締役会設置会社においては、株主総会は、会社法に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる、という規定は、会社支配の公正維持を目的とするものである。

(正答)

(解説)
取締役会設置会社において、株主総会の権限が限定されているのは、株主が会社の業務執行に日常的に携わることはコスト・能力の観点から現実的なく、会社の経営を取締役に委ねるのが合理的であり、株主の意思にも合致するものと考えれることによる(奥島孝康ほか編「新基本法コンメンタール 会社法2」第2版8-9頁〔後藤元執筆〕)。
したがって、取締役会設置会社において、株主総会は、会社法に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる、という規定は、会社支配の公正維持を目的とするものではなく、会社経営の合理性ないし、推定的な株主意思の尊重を目的とするものである。
総合メモ

第296条

条文
第296条(株主総会の招集)
① 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
② 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。
③ 株主総会は、次条第4項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。
過去問・解説
(R3 予備 第20問 エ)
定時株主総会は、毎事業年度の終了後3か月以内に招集しなければならない。

(正答)

(解説)
296条1項は、「定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。」と規定するにとどまっており、「一定の時期」について、具体的な権限は法定していない。
したがって、定時株主総会は、毎事業年度の3か月以内に招集する必要はない。
総合メモ

第297条

条文
第297条(株主による招集の請求)
① 総株主の議決権の100分の3(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。       
② 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。
③ 第1項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。
④ 次に掲げる場合には、第1項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。
 一 第1項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 
 二 第1項の規定による請求があった日から8週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合
過去問・解説
(H25 司法 第42問 ア)
株主が取締役に対し適法に株主総会の招集を請求したにもかかわらず、遅滞なく招集の手続が行われない場合には、その株主は、裁判所の許可を得て、自ら株主総会を招集することができる。

(正答)

(解説)
297条4項1号は、株主が裁判所の許可を得ることで自ら株主総会を招集することができる場合の1つとして、「請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合」を掲げている。
したがって、株主が取締役に対し適法に株主総会の招集を請求したにもかかわらず、遅滞なく招集の手続が行われない場合には、その株主は、裁判所の許可を得て、自ら株主総会を招集することができる。

(H26 司法 第44問 2)
会社法所定の要件を満たす株主は、取締役に対し、代表取締役を取締役から解任することを議題とすること及びその理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。

(正答)

(解説)
297条1項は、会社法所定の要件を満たす株主について、「取締役に対し、株主総会の目的である事項…及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。」と規定している。  
したがって、会社法所定の要件を満たす株主は、取締役に対し、代表取締役を取締役から解任することを議題とすること及びその理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。

(H27 予備 第17問 4)
定款に別段の定めがない限り、取締役に対し株主総会の招集を請求した株主の有する議決権が総株主の議決権の100分の3に満たないときは、取締役は、その請求を拒むことができるとの規定は、株主平等原則の例外としてふさわしくない。

(正答)

(解説)
297条1項は、「総株主の議決権の100分の3…以上の議決権を…有する株主は、…株主総会の招集を請求することができる。」と規定している。
そして、取締役に対し株主総会の招集を請求した株主の有する議決権が総株主の議決権の100分の3に満たないときは、取締役は、その請求を拒むことができるとの規定は、株主総会の開催には一定のコストがかかることから、一定量以上の利害関係を有する株主に権利行使を限定し、零細すぎる株主により頻繁に株主総会が招集されてしまうことを防ぐという目的に基づくものである(奥島孝康ほか編「新基本法コンメンタール 会社法2」第2版12頁〔後藤元執筆〕)。
したがって、本肢の規定は合理的な理由に基づくものであり、株主平等原則の例外としてふさわしくないとはいえない。
総合メモ

第298条

条文
第298条(株主総会の招集の決定)
① 取締役(前条第4項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第302条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。        
 一 株主総会の日時及び場所
 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項
 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
② 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第302条までにおいて同じ。)の数が1000人以上である場合には、前項第3号に掲げる事項を定めなければならない。ただし、当該株式会社が金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。        
③ 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第2号に掲げる事項」とする。        
④ 取締役会設置会社においては、前条第4項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第1項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。        
過去問・解説
(H18 司法 第49問 1)
取締役会設置会社の代表取締役が取締役会決議に基づかないで株主総会を招集し、決議がされた場合には、株主は、株主総会決議取消しの訴えを提起することができる。

(正答)

(解説)
831条1項1号は、株主が株主総会決議取消しの訴えを提起することができる場合の1つとして、「株主総会等の招集の手続…が法令…に違反し株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。」を掲げている。そして、298条4項は、取締役会設置会社において、株主総会の招集は、「取締役会の決議によらなければならない。」と規定しているため、取締役会の決議に基づかない株主総会の招集は、831条1項1号の「株主総会の招集の手続が法令…に違反し」たときにあたる。
したがって、取締役会設置会社の代表取締役が取締役会決議に基づかないで株主総会を招集し、決議がされた場合には、株主は、株主総会決議取消しの訴えを提起することができる。

(H20 司法 第40問 ウ)
株主総会は、定款に別段の定めがある場合を除き、本店の所在地又はこれに隣接する地に招集しなければならない。

(正答)

(解説)
株主総会の場所を、本店の所在地又はこれに隣接する地としなければならない、とする規定は存在しない。
したがって、株主総会は、定款に別段の定めがある場合を除き、本店の所在地又はこれに隣接する地に招集しなければならないとはいえない。 

(H21 司法 第41問 エ)
株主総会において議決権を行使することができる株主の数が1000人以上である場合であっても、定款に定めがない限り、株主総会に出席しない株主は、書面によって議決権を行使することができない。

(正答)

(解説)
298条は、1項3号において、株主総会の招集の際に定めなければならない事項について、「株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨」を掲げており、2項において、「取締役は、株主…の数が1000人以上である場合には、前項第3号に掲げる事項を定めなければならない。」として、株主が1000人以上である場合には、書面による議決権行使について定めなければならないことを規定している。
したがって、株主総会において議決権を行使することができる株主の数が1000人以上である場合には、定款の定めの有無にかかわらず、株主総会に出席しない株主は、書面によって議決権を行使することができる。

(H21 司法 第41問 オ)
株主総会に先立って議決権行使書面をあらかじめ会社に提出した株主は、当該株主総会に出席して議決権を行使することができない。

(正答)

(解説)
書面による議決権行使の効力が生ずるのは、株主が株主総会に出席しない時であり、株主が会社に議決権行使書面を提出した場合であっても、株主が当該株主総会に出席して議決権を行使することは妨げられないと解されている。
したがって、株主総会に先立って議決権行使書面をあらかじめ会社に提出した株主は、当該株主総会に出席して議決権を行使することができる。

(H23 共通 第42問 イ)
大会社においては、株主の数が1000人未満でも、株主総会を招集する場合には、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めなければならない。

(正答)

(解説)
298条は、1項3号において、株主総会の招集の際に定めなければならない事項について、「株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨」を掲げており、2項において、「取締役は、株主…の数が1000人以上である場合には、前項第3号に掲げる事項を定めなければならない。」として、株主が1000人以上である場合には、書面による議決権行使について定めなければならないことを規定している。
もっとも、当該会社が大会社である場合においては、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとしなければならないという規定は存在しない。
したがって、大会社においては、株主の数が1000人未満でも、株主総会を招集する場合には、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めなければならないとはいえない。

(H26 司法 第42問 ア)
株主総会は、会社の本店の所在地において招集しなければならない。

(正答)

(解説)
会社法上、株主総会は、会社の本店の所在地において招集しなければならない、とする規定は存在しない。
したがって、株主総会は、会社の本店の所在地において招集しなければならないとはいえない。

(H27 予備 第19問 エ)
大会社においては、株主総会の招集に際して、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めなければならない。なお、いわゆる全員出席総会が成立する場合及び招集手続の省略について株主全員の同意がある場合は、考慮しないものとする。

(正答)

(解説)
298条は、1項3号において、株主総会の招集の際に定めなければならない事項について、「株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨」を掲げており、2項において、「取締役は、株主…の数が1000人以上である場合には、前項第3号に掲げる事項を定めなければならない。」として、株主が1000人以上である場合には、書面による議決権行使について定めなければならないことを規定している。
もっとも、大会社の定義に株主の人数は規定されていないため、大会社であっても株主が1000人以上であるとは限らない。
また、会社法上、当該会社が大会社である場合においては、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとしなければならないという規定は存在しない。
したがって、大会社においては、株主総会の招集に際して、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めなければならないとはいえない。

(H28 予備 第20問 3)
株主は、必要な事項を記載した議決権行使書面を株式会社に提出した場合には、同一の議案について、代理人によってその議決権を行使することができない。

(正答)

(解説)
書面による議決権行使の効力が生ずるのは、株主が株主総会に出席しないときであり、株主が会社に議決権行使書面を提出した場合であっても、株主や、その代理人が当該株主総会に出席して議決権を行使することは妨げられないと解されている。
したがって、株主は、必要な事項を記載した議決権行使書面を株式会社に提出した場合においても、同一の議案について、代理人によってその議決権を行使することができる。

(R1 予備 第19問 エ)
株主総会において議決権を行使することができる株主の数が1000人以上である株式会社において、株主総会に出席しない株主が電磁的方法による議決権の行使をすることができる旨を定めたときは、当該株主が書面による議決権の行使をすることができる旨を定めることを要しない。

(正答)

(解説)
298条は、1項3号において、株主総会の招集の際に定めなければならない事項について、「株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨」を掲げており、2項において、「取締役は、株主…の数が1000人以上である場合には、前項第3号に掲げる事項を定めなければならない。」として、株主が1000人以上である場合には、書面による議決権行使について定めなければならないことを規定している。
そして、株主が電磁的方法による議決権の行使をすることができる旨を定めたときであっても、同項の適用は排除されない。
したがって、株主総会において議決権を行使することができる株主の数が1000人以上である株式会社において、株主総会に出席しない株主が電磁的方法による議決権の行使をすることができる旨を定めたときであっても、当該株主が書面による議決権の行使をすることができる旨を定める必要がある。

(R5 予備 第19問 イ)
株式会社は、株主総会の場所に存しない株主を、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、当該株主総会に出席させることはできない。

(正答)

(解説)
株主総会を招集する際には、「株主総会の…場所」を定めなければならない(298条1項1号)から、物理的な「場所」の定めのないバーチャルオンリー型総会は認められない。もっとも、物理的な会場において株主総会を開催しつつ、会場出席をしない株主はインターネット等の通信手段を用いて参加(傍聴)又は出席するハイブリッド型バーチャル総会は、会社法の下でも認められると解されている(江頭憲治郎「株式会社法」第9版252頁)。したがって、株式会社は、株主総会の場所に存しない株主を、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、当該株主総会に出席させることもできる。
総合メモ

第299条

条文
第299条(株主総会の招集の通知)
① 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の2週間(前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、1週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。        
② 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。        
 一 前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合
 二 株式会社が取締役会設置会社である場合
③ 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。        
④ 前2項の通知には、前条第1項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。        
過去問・解説
(H20 司法 第40問 ア)
会社法上の公開会社でない取締役会設置会社においては、株主総会に出席しない株主が書面又は電磁的方法によって議決権を行使することができることとする旨を定めたときを除き、株主総会の招集通知は、当該株主総会の日の1週間前までに、発しなければならない。

(正答)

(解説)
299条1項は、「株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の2週間前(前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、1週間…)前までに、株主に対してその通知を発しなければならない」と規定している。そして、298条1項3号は、「株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするとき」を掲げており、同項4号は、「株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするとき」を掲げている。
したがって、会社法上の公開会社でない取締役会設置会社においては、株主総会に出席しない株主が書面又は電磁的方法によって議決権を行使することができることとする旨を定めたときを除き、株主総会の招集通知は、当該株主総会の日の1週間前までに、発しなければならない。

(H21 司法 第41問 ア)
株主総会の招集通知を受けなかった株主は、当該株主総会に出席しても、議決権を行使することができない。

(正答)

(解説)
株主総会の招集通知は、株主に株主総会への出席と準備の機会を与えるためのものであり、これを受けなかったからといって、当該株主が株主総会に出席し、議決権を行使することができなくなるものではない。
したがって、株主総会の招集通知を受けなかった株主も、当該株主総会に出席し、議決権を行使することができる。

(H21 司法 第41問 イ)
株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとする旨を定めた場合、会社法上の公開会社でない会社であっても、株主総会の招集通知の発出の日から株主総会の日までの期間を1週間に短縮することはできない。

(正答)

(解説)
299条1項は、「株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の2週間前(前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、1週間…)前までに、株主に対してその通知を発しなければならない」と規定している。そして、298条1項3号は、「株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするとき」を掲げており、同項4号は、「株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするとき」を掲げている。
したがって、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとする旨を定めた場合、会社法上の公開会社でない会社であっても、株主総会の招集通知の発出の日から株主総会の日までの期間を1週間に短縮することはできない。

(H21 司法 第41問 ウ)
取締役会設置会社において、株主総会の招集通知は、書面で、又は電磁的方法によりしなければならない。

(正答)

(解説)
299条は、2項2号において、株主総会の招集通知を書面によってしなければならない場合の1つとして、「株式会社が取締役会設置会社である場合」を掲げている。また、3項において、「取締役会は、前項の書面による通知の発出に代えて…電磁的方法により通知を発することができる。」と規定している。
したがって、取締役会設置会社においては、株主総会の招集通知は、書面で、又は電磁的方法によりしなければならない。

(H23 共通 第42問 ウ)
会社法上の公開会社においては、株主総会の招集通知は、株主総会の日の2週間前までに株主に対して発しなければならず、定款でこれより短い期間を定めることはできない。

(正答)

(解説)
299条1項は、「株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の2週間(前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、1週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。」と規定しており、取締役会設置会社においては、定款による期間の短縮を認めていない。
したがって、会社法上の公開会社においては、株主総会の招集通知は、株主総会の日の2週間前までに株主に対して発しなければならず、定款でこれより短い期間を定めることはできない。

(H25 司法 第41問 ア)
株主総会の招集の通知は、その株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主に対しては、することを要しない。

(正答)

(解説)
298条2項本文括弧書は、株主について、「株主総会において決議することができる全部の事項につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第302条までにおいて同じ。」と規定している。
そして、299条1項は「株主総会の招集するには…株主に対してその通知を発しなければならない。」と規定している。
したがって、株主総会の招集通知が必要な「株主」に株主総会において決議することができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主は含まれない。

(H26 司法 第42問 イ)
会社法上の公開会社でない取締役会設置会社においては、株主総会の招集通知は、口頭ですることができる。

(正答)

(解説)
299条2項2号は、株主総会の招集通知を書面でしなければならない場合として、「株式会社が取締役会設置会社である場合」を掲げている。
したがって、会社法上の公開会社でない取締役会設置会社においては、株主総会の招集通知は、口頭ですることができない。

(H27 予備 第19問 ア)
取締役会設置会社でない会社においては、株主総会に出席しない株主が書面又は電磁的方法によって議決権を行使することができる旨を定めない場合には、株主総会の目的である事項を定めたときでも、その事項を招集通知に記載することを要しない。なお、いわゆる全員出席総会が成立する場合及び招集手続の省略について株主全員の同意がある場合は、考慮しないものとする。

(正答)

(解説)
299条2項1号は、株主総会の招集通知を書面によってしなければならない場合の1つとして、「前条1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合」を掲げており、これは、「株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするとき」(3号)と、「株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするとき」(4号)を指す。
そして、299条2項2号は、上記に加え、「株式会社が取締役会設置会社である場合」も掲げている。
したがって、株主総会に出席しない株主が書面又は電磁的方法によって議決権を行使することができる旨を定めず、かつ、株式会社が取締役会非設置会社である場合、当該株式会社は、株主総会の招集通知を書面で行う必要がない。
よって、取締役会設置会社でない会社においては、株主総会に出席しない株主が書面又は電磁的方法によって議決権を行使することができる旨を定めない場合には、株主総会の目的である事項を定めたときでも、その事項を招集通知に記載することを要しない。

(H27 予備 第19問 イ)
取締役会設置会社においては、会社法上の公開会社であるか否かにかかわらず、株主総会の招集通知は、株主総会の日の2週間前までに発しなければならない。なお、いわゆる全員出席総会が成立する場合及び招集手続の省略について株主全員の同意がある場合は、考慮しないものとする。

(正答)

(解説)
299条1項は、「株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の2週間前(前条1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、1週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。」と規定している。
したがって、取締役会設置会社においては、非公開会社の場合、株主総会の招集通知は、株主総会の1週間前までに発しなければならない。

(H27 予備 第19問 ウ)
会社法上の公開会社においては、株主総会の招集通知は、口頭ですることができない。なお、いわゆる全員出席総会が成立する場合及び招集手続の省略について株主全員の同意がある場合は、考慮しないものとする。

(正答)

(解説)
299条2項2号は、株主総会の招集通知を書面によってしなければならない場合の1つとして、「株式会社が取締役会設置会社である場合」を掲げている。そして、公開会社は、取締役会設置会社である(327条1項1号)。
したがって、会社法上の公開会社においては、株主総会の招集通知は、口頭ですることができない。

(R1 予備 第19問 イ)
取締役会設置会社でない株式会社が当該株式会社の譲渡制限株式の相続人に対し、当該譲渡制限株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することを議案とする株主総会を招集する場合には、当該相続人である株主に対しては当該株主総会の招集の通知を発することを要しない。

(正答)

(解説)
298条は、1項3号において、株主総会の招集の際に定めなければならない事項について、「株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨」を掲げており、2項において、「取締役は、株主…の数が1000人以上である場合には、前項第3号に掲げる事項を定めなければならない。」として、株主が1000人以上である場合には、書面による議決権行使について定めなければならないことを規定している。
もっとも、同項括弧書は、株主について、「株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。」と規定している。
したがって、譲渡制限株式を相続した者は、株式の売渡請求について決議する株主総会において議決権を行使することができないが(175条2項本文参照)、株主総会で決議することができる事項の全部につき議決権が行使できないわけではないから、株式会社は当該株主にも招集通知を発しなければならない。
よって、取締役会設置会社でない株式会社が当該株式会社の譲渡制限株式の相続人に対し、当該譲渡制限株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することを議案とする株主総会を招集する場合には、当該相続人である株主に対しては当該株主総会の招集の通知を発することを要しない。

(R3 予備 第20問 ア)
公開会社でない取締役会設置会社においては、定款の定めによっても、株主総会の招集の通知を発する時期を株主総会の日の1週間前よりも短縮することはできない。

(正答)

(解説)
299条1項は、「株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の2週間(…公開会社でない株式会社にあっては、1週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。」と規定している。
そのため、非公開会社であって、かつ、取締役会設置会社においては、株主総会の招集通知は、株主総会の1週間前までに発しなければならず、定款でこれを短縮することはできない。
したがって、公開会社でない取締役会設置会社においては、定款の定めによっても、株主総会の招集の通知を発する時期を株主総会の日の1週間前よりも短縮することはできない。
総合メモ

第300条

条文
第300条(招集手続の省略)
 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第298条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
過去問・解説
(H28 予備 第20問 5)
株主の全員の同意を得て、招集の手続を経ることなく株主総会を開催するときは、株主の同意は、書面又は電磁的記録によりしなければならない。

(正答)

(解説)
300条本文は、「株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。」と規定しており、株主の同意について書面又は電磁的記録によりしなければならないという限定はない。
したがって、株主の全員の同意を得て、招集の手続を経ることなく株主総会を開催するときは、書面又は電磁的記録によって株主の同意をする必要はない。

(H30 予備 第19問 1)
株主総会は、会社法上の公開会社でない株式会社に限り、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。

(正答)

(解説)
300条本文は、「株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。」と規定しており、株主総会の招集通知の省略できる主体を会社法上の公開会社に限定していない。
したがって、株式会社は、会社法上の公開会社でない株式会社に限らず、株主の全員の同意があるときは、株主総会の招集の手続を経ることなく株主総会を開催することができる。
総合メモ

第301条

条文
第301条(株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)
① 取締役は、第298条第1項第3号に掲げる事項を定めた場合には、第299条第1項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
② 取締役は、第299条第3項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。
過去問・解説
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総合メモ

第302条

条文
第302条(株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)
① 取締役は、第298条第1項第4号に掲げる事項を定めた場合には、第299条第1項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。
② 取締役は、第299条第3項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。
③ 取締役は、第1項に規定する場合には、第299条第3項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。
④ 取締役は、第1項に規定する場合において、第299条第3項の承諾をしていない株主から株主総会の日の1週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。
過去問・解説
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総合メモ

第303条

条文
第303条(株主提案権)
① 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。
② 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の100分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は300個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。この場合において、その請求は、株主総会の日の8週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。
③ 公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。
④ 第2項の一定の事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。
過去問・解説
(H19 司法 第40問 イ)
株主は、単元未満株式について、議決権を行使することはできないが、株主提案権を行使することはできる。

(正答)

(解説)
189条1項は、「単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。」と規定している。また、303条1項は、「株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。」として、株主の議案提案権について、限定をしている。
したがって、株主は、単元未満株式について、議決権を行使することができず、株主提案権を行使することもできない。

(H25 司法 第42問 イ)
会社法上の公開会社は、株主が取締役に対し一定の事項を株主総会の議題とすることを請求するためには、その請求は株主総会の日の3か月前までにしなければならない旨を定款で定めることができる。

(正答)

(解説)
327条1項1号は、取締役会の設置が必要となる場合の1つとして、「公開会社」を掲げている。そして、303条2項後段は、取締役会設置会社における議題提案権の行使について、「請求は、株主総会の日の8週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。」と規定している。
したがって、会社法上の公開会社は、株主が取締役に対し一定の事項を株主総会の議題とすることを請求するためには、その請求は株主総会の日の3か月前までにしなければならない旨を定款で定めることができない。

(H25 司法 第42問 ウ)
取締役の選任に関する議案に限り株主総会において議決権を行使することができる旨の定款の定めがある議決権制限株式の株主は、取締役に対し、剰余金の配当を株主総会の議題とすることを請求することができない。

(正答)

(解説)
303条1項は、「株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。」として、株主の議案提案権について、限定をしている。
したがって、取締役の選任に関する議案に限り株主総会において議決権を行使することができる旨の定款の定めがある議決権制限株式の株主は、取締役に対し、剰余金の配当を株主総会の議題とすることを請求することができない。
総合メモ

第304条

条文
第304条(株主提案権)
 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第1項において同じ。)につき議案を提出することができる。ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の10分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りでない。
過去問・解説
(H20 司法 第40問 エ)
株主は、株主総会において、自らが議決権を行使することができない事項については、当該株主総会の目的である事項につき議案を提出することができない。

(正答)

(解説)
304条本文は、「株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第1項において同じ。)につき議案を提出することができる。」と規定しており、株主が議案を提出することができる事項について、限定をしている。
したがって、株主は、株主総会において、自らが議決権を行使することができない事項については、当該株主総会の目的である事項につき議案を提出することができない。

(H23 共通 第42問 エ)
取締役会設置会社においては、取締役の解任が株主総会の目的である事項となっていない場合でも、株主は、その株主総会において、取締役の解任の議案を提出することができる。

(正答)

(解説)
304条本文は、「株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項…につき議案を提出することができる。」と規定している。
したがって、取締役会設置会社においては、取締役の解任が株主総会の目的である事項となっていない場合に、株主が、その株主総会において、取締役の解任の議案を提出することはできない。

(H25 司法 第42問 エ)
特定の議案につき株主総会において会社法所定の議決権の割合以上の賛成を得られなかった場合には、その日から5年を経過しない限り、株主は、株主総会において、その議案と実質的に同一の議案を提出することができない。

(正答)

(解説)
304条は、本文において、「株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項…につき議案を提出することができる。」と規定する一方、但書において、「実質的に同一の議案につき株主総会において総株主…の議決権の10分の1…以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合」と規定している。
したがって、特定の議案につき株主総会において会社法所定の議決権の割合以上の賛成を得られなかった場合には、その日から5年ではなく3年を経過しない限り、株主は、株主総会において、その議案と実質的に同一の議案を提出することができない。

(H30 予備 第19問 2)
株主が、株主総会において、株主総会の目的である事項につき議案を提出するには、株式会社に対し、株主総会の日の3日前までに、当該議案を提出する旨及びその理由を通知しなければならない。

(正答)

(解説)
会社法上、株主が、株主総会において、株主総会の目的である事項につき議案を提出する場合について、株式会社に対し、事前に当該議案を提出する旨と理由について通知をしなければならないという規定は存在しない。

(R5 予備 第20問 ア)
議案Aと実質的に同一の議案Bが2年前の株主総会において総株主(議案Bについて議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の5分の1の賛成を得られたにとどまるときは、株主は、株主総会において、議案Aを提出することができない。

(正答)

(解説)
304条は、本文において、「株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項…につき議案を提出することができる。」と規定する一方、但書において、「実質的に同一の議案につき株主総会において総株主…の議決権の10分の1…以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合」と規定している。
そして、本肢における議案Bが2年前の株主総会において総株主の議決権の5分の1の賛成を得られたにとどまるときは、但書に当たらない。
したがって、議案Aと実質的に同一の議案Bが2年前の株主総会において総株主(議案Bについて議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の5分の1の賛成を得られたにとどまるときは、株主は、株主総会において、議案Aを提出することができる。

(R5 予備 第20問 ウ)
会社法上の公開会社においては、総株主の議決権の100分の1以上の議決権又は300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主に限り、株主総会において、株主総会の目的である事項につき議案を提出することができる。

(正答)

(解説)
304条本文は、「株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第1項において同じ。)につき議案を提出することができる。」と規定しており、株主総会において、株主総会の目的である事項につき議案を提出することができる主体について、「株主」と規定するにとどまり、それ以上の限定はしていない。
したがって、会社法上の公開会社において、総株主の議決権の100分の1以上の議決権又は300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主に限らず、広く株主が、株主総会において、株主総会の目的である事項につき議案を提出することができる。
総合メモ

第305条

条文
第305条(株主提案権)
① 株主は、取締役に対し、株主総会の日の8週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第299条第2項又は第3項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の100分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は300個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。        
② 公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。        
③ 第1項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。        
④ 取締役会設置会社の株主が第1項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前3項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。        
 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。
 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。
 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。
 四 定款の変更に関する2以上の議案 当該2以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。
⑤ 前項前段の10を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。ただし、第1項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする2以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。        
⑥ 第1項から第3項までの規定は、第1項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の10分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合には、適用しない。        
過去問・解説
(R5 予備 第20問 イ)
監査役会設置会社の株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知することを請求する場合には、当該請求との関係では、監査等委員会を設置する旨の定款変更の議案と監査役及び監査役会を廃止する旨の定款変更の議案は、1つの議案とみなされる。

(正答)

(解説)
305条4項4号は、「役員等の解任に関する議案」について、「2以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを1の議案とみなす。」と規定している。
そして、監査等委員会と監査役は同時に設置することができない(327条4項)ため、監査等委員会を設置する旨の定款変更の議案と監査役及び監査役会を廃止する旨の定款変更の議案は、「議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合」に当たる。
したがって、監査役会設置会社の株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知することを請求する場合には、当該請求との関係では、監査等委員会を設置する旨の定款変更の議案と監査役及び監査役会を廃止する旨の定款変更の議案は、1つの議案とみなされる。

(R5 予備 第20問 エ)
株主が提出しようとする複数の取締役の選任に関する議案の要領を株主に通知することを請求する場合には、当該請求との関係では、当該議案は、候補者の数にかかわらず1つの議案とみなされる。

(正答)

(解説)
305条4項1号は、議案の数の計数方法について、「取締役…の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを1の議案とみなす。」と規定している。
したがって、株主が提出しようとする複数の取締役の選任に関する議案の要領を株主に通知することを請求する場合には、当該請求との関係では、当該議案は、候補者の数にかかわらず1つの議案とみなされる。

(R5 予備 第20問 オ)
10を超える数の議案の要領を株主に通知することを請求した株主が当該請求と併せて当該議案相互間の優先順位を定めている場合であっても、取締役は、その裁量により、当該通知の対象から除外する議案を定めることができる。

(正答)

(解説)
305条5項は、「10を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。ただし、…株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする2以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。」と規定している。
したがって、10を超える数の議案の要領を株主に通知することを請求した株主が当該請求と併せて当該議案相互間の優先順位を定めている場合、取締役は、当該優先順位に従い、議案を定めなければならない。
総合メモ

第306条

条文
第306条(株主総会の招集手続等に関する検査役の選任)
① 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の100分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
② 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第298条第1項第2号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第298条第1項第2号に掲げる事項」とする。
③ 前2項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
④ 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
⑤ 第3項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
⑥ 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第3項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
⑦ 第3項の検査役は、第5項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
過去問・解説
(H20 司法 第40問 イ)
会社は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。

(正答)

(解説)
306条1項は、「株式会社…は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。」と規定している。

(H25 司法 第42問 オ)
会社は、総株主の議決権の100分の1以上の議決権を有する株主の同意がある場合に限り、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、その株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。

(正答)

(解説)
306条1項は、「株式会社…は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。」と規定しており、検査役を選任する際に、株主の同意を要求していない。
したがって、会社は、株主の同意なく、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、その株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
総合メモ

第307条

条文
第307条(裁判所による株主総会招集等の決定)
① 裁判所は、前条第5項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。        
 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。
 二 前条第5項の調査の結果を株主に通知すること。
② 裁判所が前項第1号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第5項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。        
③ 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第5項の報告の内容を調査し、その結果を第1項第1号の株主総会に報告しなければならない。        
過去問・解説
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総合メモ

第308条

条文
第308条(議決権の数)
① 株主(株式会社がその総株主の議決権の4分の1以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式1株につき1個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、1単元の株式につき1個の議決権を有する。
② 前項の規定にかかわらず、株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。
過去問・解説
(H18 司法 第42問 イ)
株式会社は、その保有する自己株式について、議決権を有しない。

(正答)

(解説)
308条2項は、「株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。」と規定している。

(H24 共通 第40問 ア)
株式会社は、自己株式について、株主総会における議決権を有しない。

(正答)

(解説)
308条2項は、「株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。」と規定している。

(H24 司法 第40問 ア)
株式会社は、自己株式について、株主総会における議決権を有しない。

(正答)

(解説)
308条2項は、「株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。」と規定している。

(H29 予備 第19問 ウ)
会社は、自己株式については、株主総会における議決権を有しないという規定は、会社支配の公正維持を目的とする。

(正答)

(解説)
308条2項は、「株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。」と規定している。これは、仮に、会社が自己株式について議決権を有するとすると、当該議決権を行使する取締役は、自らは株主でないにもかかわらず、取締役の選任等、会社の経営事項に一定の影響力を有することになり、これが会社支配の公正の趣旨から望ましくため定められたと解されている。(奥島孝康ほか「新基本法コンメンタール 会社法2」第2版38頁〔高橋英治執筆〕)。
したがって、会社が自己株式については、株主総会における議決権を有しないという規定は、会社支配の公正維持を目的とするものである。

(H29 予備 第19問 オ)
A株式会社(以下「A社」という。)がその株主であるB株式会社(以下「B社」という。)の議決権の総数の4分の1以上を有する場合には、B社は、A社の株主総会において、議決権を有しないが、これは会社支配の公正維持を目的とするものである。

(正答)

(解説)
308条1項本文括弧書は、議決権の行使を認めない者として、「株式会社がその総株主の議決権の4分の1以上を有する…株主」を掲げている。これは、相互保有を行う会社において、取締役が自己の地位を会社に出資することなしに保持できる現象である、「議決権行使の歪曲化」を防止するための規定であり、ひいては、会社支配の公正維持を目的とするものである(奥島孝康ほか「新基本法コンメンタール 会社法2」第2版37頁〔高橋英治執筆〕)。
したがって、A社がその株主であるB社の議決権の総数の4分の1以上を有する場合には、B社は、A社の株主総会において、議決権を有しないが、これは会社支配の公正維持を目的とするものである。

(R1 予備 第17問 イ)
会社法上の公開会社は、当該種類の株式の株主が1株につき複数個の議決権を有することを内容とする種類の株式を発行することができる。

(正答)

(解説)
308条1項は、「株主…は、株主総会において、その有する株式1株につき1個の議決権を有する。」と規定している。
本規定は、公開会社においては強行規定であるため、公開会社は、定款の定めをもっても、1株の株式につき複数個の議決権を有する種類の株式を発行することができない。   
したがって、会社法上の公開会社は、当該種類の株式の株主が1株につき複数個の議決権を有することを内容とする種類の株式を発行することができる。 

(R5 予備 第18問 イ)
株式会社は、自己株式について、株主総会における議決権、剰余金の配当を受ける権利及び募集株式の割当てを受ける権利のいずれも有しない。

(正答)

(解説)
308条2項は、「株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。」と規定している。
また、自己株式は、剰余金の配当を受ける権利及び募集株式の割当てを受ける権利も有しない(453条括弧書、186条2項)。
したがって、株式会社は、自己株式について、株主総会における議決権、剰余金の配当を受ける権利及び募集株式の割当てを受ける権利のいずれも有しない。
総合メモ

第309条

条文
第309条(株主総会の決議)
① 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
② 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
 一 第140条第2項及び第5項の株主総会
 二 第156条第1項の株主総会(第160条第1項の特定の株主を定める場合に限る。)
 三 第171条第1項及び第175条第1項の株主総会
 四 第180条第2項の株主総会
 五 第199条第2項、第200条第1項、第202条第3項第4号、第204条第2項及び第205条第2項の株主総会
 六 第238条第2項、第239条第1項、第241条第3項第4号、第243条第2項及び第244条第3項の株主総会
 七 第339条第1項の株主総会(第342条第2項から第5項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。)
 八 第425条第1項の株主総会
 九 第447条第1項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。)
  イ 定時株主総会において第447条第1項各号に掲げる事項を定めること。
  ロ 第447条第1項第1号の額がイの定時株主総会の日(第439条前段に規定する場合にあっては、第436条第3項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。
 十 第454条第4項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第1号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)
 十一 第6章から第8章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
 十二 第5編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
③ 前2項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
 一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会
 二 第783条第1項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第3項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。)
 三 第804条第1項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。)
④ 前3項の規定にかかわらず、第109条第2項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の4分の3(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
⑤ 取締役会設置会社においては、株主総会は、第298条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第316条第1項若しくは第2項に規定する者の選任又は第398条第2項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。
過去問・解説
(H24 共通 第41問 イ)
会社法上の公開会社である大会社の株主総会について、会社は、定款の定めにより、剰余金の配当に関する株主総会決議の定足数を排除することができない。

(正答)

(解説)
309条1項は、「株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。」と規定している。
この定足数要件は、定款によって排除できると解されている。
したがって、会社法上の公開会社である大会社の株主総会において、会社は、定款の定めにより、剰余金の配当に関する株主総会決議の定足数を排除することができる。

(H19 司法 第39問 ア)
会社法上の公開会社でない取締役会設置会社が募集株式を発行する場合には、株主に株式の割当てを受ける権利を与えるときであって、かつ、定款に決定機関を取締役会とする定めがあるときを除き、株主総会の特別決議を要する。

(正答)

(解説)
199条2項は、株式会社が募集株式を発行する場合に定める事項の決定について、「株主総会の決議によらなければらない。」と規定しており、309条2項5号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第199条第2項」を掲げている。
そのため、公開会社や公開会社でない取締役会設置会社が、株主に割当てを受ける権利を与えるときであって、かつ定款に決定機関を取締役会とする定めがあるときは、決定機関は取締役会となるが(201条1項前段、202条2項2号参照)、それ以外の場合は、株主総会の特別決議が必要になる。
したがって、会社法上の公開会社でない取締役会設置会社が募集株式を発行する場合には、株主に株式の割当てを受ける権利を与えるときであって、かつ、定款に決定機関を取締役会とする定めがあるときを除き、株主総会の特別決議を要する。

(H19 司法 第44問 イ)
監査役は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う株主総会決議で解任される。

(正答)

(解説)
339条1項は、「役員は…いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。」と規定しており、309条2項7号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第339条第1項の株主総会」と規定している。
したがって、監査役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株主総会の普通決議ではなく特別決議によって解任される。

(H27 予備 第22問 オ)
監査役を解任する株主総会の決議は、定款に別段の定めがない限り、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。

(正答)

(解説)
339条1項は、「役員は…いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。」と規定しており、309条2項7号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第339条第1項の株主総会」と規定している。
したがって、監査役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株主総会の普通決議ではなく特別決議によって解任される。

(H19 司法 第36問 3)
「定款又は組合契約を変更するには、構成員の全員の同意が必要である。」という説明は、合同会社及び民法上の組合には当てはまるが、株式会社には当てはまらない。

(正答)

(解説)
合同会社及び民法上の組合において、定款や組合契約を変更するには、構成員の全員の同意が必要である(637条、民法667条1項)。
他方で、466条は、「株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。」と規定している。そして、309条2項11号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第6章から第8章までの規定により株主総会の決議を必要とする場合における当該株主総会」を掲げており、466条はこれに含まれる。
したがって、「定款又は組合契約を変更するには、構成員の全員の同意が必要である。」という説明は、合同会社及び民法上の組合には当てはまるが、株式会社は、株主総会の特別決議によって定款を変更できるため、当てはまらない。

(H22 司法 第42問 1)
取締役(累積投票によって選任された取締役を除く。)の解任の決議と、監査役の解任の決議とは、決議要件が同じである。

(正答)

(解説)
339条1項は、「役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。」と規定しており、309条2項7号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第339条1項の株主総会の決議」を掲げている。もっとも、同号の括弧書は、特別決議が必要なのは、監査役や累積投票によって選出された取締役を解任する場合に限ると規定している。
したがって、取締役(累積投票によって選任された取締役を除く。)の解任は普通決議で足りるが、監査役の解任には特別決議が必要であり、両者の決議要件は同じではない。

(H22 司法 第42問 2)
事業の全部の譲渡に係る契約の承認の決議と、吸収分割株式会社においてする吸収分割契約の承認の決議とは、決議要件が同じである。

(正答)

(解説)
467条1項柱書は、事業の全部の譲渡について、「株式会社は、株主総会の決議によって…契約の承認を得なければならない」と規定しており、309条2項11号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第6章から第8章までの規定により株主総会の決議を要する場合における株主総会」を掲げており、467条1項柱書の「株主総会」はこれに含まれる。
したがって、事業の全部の譲渡に係る契約の承認の決議は、特別決議である。
また、783条1項は、「株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。」と規定しており、309条2項12号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第5編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会」と規定しており、783条1項の「株主総会」はこれに含まれる。
したがって、吸収分割契約の承認の決議も、特別決議である。
よって、事業の全部の譲渡に係る契約の承認の決議と、吸収分割株式会社においてする吸収分割契約の承認の決議は、決議要件が同じである。

(H22 司法 第42問 3)
会社の解散の決議と、吸収合併消滅株式会社においてする吸収合併契約の承認の決議とは、決議要件が同じである。

(正答)

(解説)
471条1項3号は、会社解散の1場合として、「株主総会の決議」を掲げている。309条2項11号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第6章から第8章までの規定により株主総会の決議を要する場合における株主総会」を掲げており、471条1項3号の「株主総会」はこれに含まれる。
したがって、会社の解散の決議は、特別決議である。
他方で、783条1項は、「株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。」と規定している。309条2項12号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第5編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会」と規定しており、783条1項の「株主総会」はこれに含まれる。
したがって、吸収合併契約の承認の決議も特別決議である。
よって、会社の解散の決議と、吸収合併消滅株式会社においてする吸収合併契約の承認の決議は、決議要件が同じである。

(H22 司法 第42問 4)
株式の併合をしようとするときの決議と、株式の分割をしようとするときの決議とは、決議要件が同じである。

(正答)

(解説)
180条2項は、「株式会社は、株式の併合をしようとするときは…株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。」と規定しており、309条2項4号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第180条第2項」を掲げている。
他方で、183条2項は、「株式会社は、株式の分割をしようとするときは、…株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。」と規定しており、ここにいう「株主総会」は普通決議のことである。
したがって、株式併合の決議は特別決議であるものの、株式分割の決議は普通決議又は取締役会決議であるから、両者の決議要件が同じではない。

(H22 司法 第42問 5)
株式会社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款変更の決議と、会社法上の公開会社でない株式会社において、剰余金配当を受ける権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨の定款の定めを設ける定款変更の決議とは、決議要件が同じである。

(正答)

(解説)
309条3項1号は、議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主総会の議決権の3分の2以上にあたる多数もってする特殊決議が必要な場合の1つとして、「発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款変更を行う株主総会」を掲げている。
そして、109条2項1号は、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合に定款に記載しなければならない事項について規定しており、309条4項は、総株主の半数以上であって、総株主の4分の3以上にあたる多数をもってする特殊決議が必要な場合の1つとして、「第109条第2項の規定による定款の定めについての定款変更を行う株主総会」を掲げている。
したがって、株式会社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款変更の決議と、会社法上の公開会社でない株式会社において、剰余金配当を受ける権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨の定款の定めを設ける定款変更の決議とは、決議要件が同じではない。

(H23 司法 第49問 ア)
分割会社は、株主総会の普通決議によって、新設分割計画の承認を受けなければならない。

(正答)

(解説)
804条1項は、「消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。」と規定している。そして、309条2項12号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第5編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会」を掲げており、804条1項の「株主総会」はこれに含まれる。
したがって、分割会社は、株主総会の普通決議ではなく特別決議によって、新設分割計画の承認を受けなければならない。

(H25 司法 第38問 ア)
会社が、定款を変更して、その発行する全部の株式の内容として、譲渡による当該株式の取得について会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける場合には、総株主の同意を得なければならない。

(正答)

(解説)
309条3項1号は、議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主総会の議決権の3分の2以上にあたる多数もってする特殊決議が必要な場合の1つとして、「発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款変更を行う株主総会」を掲げている。
したがって、会社が、定款を変更して、その発行する全部の株式の内容として、譲渡による当該株式の取得について会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける場合には、総株主の同意ではなく、株主総会の特殊決議を経ればよい。

(H28 予備 第21問 オ)
取締役会設置会社においては、株主総会は、会社法に別段の定めがある場合を除き、当該株主総会の目的とされた事項以外の事項については、決議をすることができないが、取締役会設置会社でない会社においては、株主総会は、当該株主総会の目的とされた事項以外の事項についても、決議をすることができる。

(正答)

(解説)
309条5項本文は、「取締役会設置会社においては、株主総会は第298条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。」と規定しており、298条1項2号は、「株主総会の目的である事項」を掲げている。
したがって、取締役会設置会社においては、株主総会は、会社法に別段の定めがある場合を除き、当該株主総会の目的とされた事項以外の事項については、決議をすることができないが、取締役会設置会社でない会社においては、そのような規定はなく、株主総会は、当該株主総会の目的とされた事項以外の事項についても、決議をすることができる。

(R1 予備 第23問 エ)
株式会社が剰余金の額を減少して、資本金の額を増加するには、株主総会の特別決議によらなければならない。

(正答)

(解説)
450条2項は、株式会社が剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することについて、「株主総会の決議によらなければならない。」と規定している。ここでいう「株主総会の決議」とは、普通決議である。
したがって、株式会社が剰余金の額を減少して、資本金の額を増加するには、株主総会の特別決議ではなく普通決議で足りる。

(H24 司法 第41問 イ)
会社は、定款の定めにより、剰余金の配当に関する株主総会決議の定足数を排除することができない。

(正答)

(解説)
309条1項は、「株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。」と規定している。
この定足数要件は、定款によって排除できると解されている。
したがって、会社は、定款の定めによって、剰余金の配当に関する株主総会決議の定足数を排除することができる。

(H26 司法 第42問 ウ)
譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨の定款の定めは、株主総会の特別決議により、廃止することができる。

(正答)

(解説)
466条は、「株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。」と規定している。そして、309条2項11号は、株主総会の特別決議が必要な場合の1つとして、「第6章から第8章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会」を掲げており、466条の「株主総会」はこれに含まれる。
したがって、譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨の定款の定めは、株主総会の特別決議により、廃止することができる。

(R6 予備 第25問 ウ)
株式会社は、定款を変更して、その発行する全部の株式の内容として、譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けようとする場合には、株主全員の同意を得なければならない。

(正答)

(解説)
309条3項1号は、議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主総会の議決権の3分の2以上にあたる多数もってする特殊決議が必要な場合の1つとして、「発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款変更を行う株主総会」を掲げている。
したがって、会社が、定款を変更して、その発行する全部の株式の内容として、譲渡による当該株式の取得について会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける場合には、総株主の同意ではなく、株主総会の特殊決議を経ればよい。
総合メモ

第310条

条文
第310条(議決権の代理行使)
① 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。        
② 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。        
③ 第1項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。        
④ 株主が第299条第3項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。        
⑤ 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。        
⑥ 株式会社は、株主総会の日から3箇月間、代理権を証明する書面及び第3項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。        
⑦ 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第4項及び第312条第5項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。        
 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求
 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
⑧ 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。        
 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第2号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
 四 請求者が、過去2年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第2号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
過去問・解説
(H28 予備 第20問 1)
株式会社は、株主が代理人によってその議決権を行使することができない旨を定款で定めることができない。

(正答)

(解説)
310条1項前段は、「株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。」と規定している。
本規定は強行規定であると解されており、本規定に反する内容の定款を定めることはできない。
したがって、株式会社は、株主が代理人によってその議決権を行使することができない旨を定款で定めることができない。

(R4 予備 第19問 ウ)
株主総会において決議事項の全部について議決権を行使することができない株主は、当該株主総会について提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写をすることができない。

(正答)

(解説)
会社法310条7項は、柱書前段において、「株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第4項及び第312条第5項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。」と規定し、1号において、「代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求」を掲げている。
したがって、株主総会において決議事項の全部について議決権を行使することができない株主は、同条項括弧書により、当該株主総会について提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写をすることができない。
総合メモ

第311条

条文
第311条(書面による議決権の行使)
① 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。        
② 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。        
③ 株式会社は、株主総会の日から3箇月間、第1項の規定により提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない。        
④ 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、第1項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。        
⑤ 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。        
 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
 三 請求者が第1項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
 四 請求者が、過去2年以内において、第1項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
過去問・解説
(H19 司法 第43問 ア)
書面による議決権行使として会社に提出された議決権行使書面は、法定の備置期間内における営業時間内に、裁判所の許可を得ることなく、株主及び会社債権者が当該書面又はその写しの閲覧請求権を行使することができる。

(正答)

(解説)
311条4項前段は、「株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、…提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。」と規定している。他方で、会社債権者が同書面を閲覧できる旨の規定は存在しない。
したがって、書面による議決権行使として会社に提出された議決権行使書面は、法定の備置期間内における営業時間内に、裁判所の許可を得ることなく、株主に限って当該書面又はその写しの閲覧請求権を行使することができる。

(H25 司法 第41問 イ)
株主は、議決権行使書面によって議決権を行使した場合には、その議決権行使に係る議題について株主総会に出席することができない。

(正答)

(解説)
311条1項は、「書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。」と規定している。
議決権行使書面を提出した株主が株主総会に出席して議決権を行使した場合には、議決権行使書面は撤回されたものとみなされると解されている(奥島孝康ほか「新基本法コンメンタール 会社法2」第2版44頁〔高橋英治執筆〕)。
したがって、株主は、議決権行使書面によって議決権を行使した場合であっても、その議決権行使に係る議題について株主総会に出席することができる。

(H28 予備 第20問 2)
株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとする旨を定めたときは、株主総会を開催することを要しない。

(正答)

(解説)
311条1項は、「書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。」と規定している。
書面による議決権の行使は、株主総会に出席しない株主に議決権行使の機会を与えるための制度であって、書面による議決権行使を認めた場合であっても、株主総会は開催されなければならない。
したがって、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとする旨を定めたときであっても、株主総会を開催する必要がある。
総合メモ

第312条

条文
第312条(電磁的方法による議決権の行使)
① 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社に提供して行う。        
② 株主が第299条第3項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。        
③ 第1項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。        
④ 株式会社は、株主総会の日から3箇月間、第1項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。        
⑤ 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。        
⑥ 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。        
 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
 四 請求者が、過去2年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
過去問・解説
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第313条

条文
第313条(議決権の不統一行使)
① 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。
② 取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の3日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。
③ 株式会社は、第1項の株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。
過去問・解説
(R2 予備 第19問 1)
株式会社は、株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が株主総会においてその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。

(正答)

(解説)
313条3項は、「株式会社は、…株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が…その有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。」と規定している。
したがって、株式会社は、株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が株主総会においてその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。

(H25 司法 第41問 ウ)
株主は、その有する議決権を統一しないで行使することはできない。

(正答)

(解説)
313条1項は、「株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。」と規定している。

(R6 予備 第20問 4)
取締役会設置会社でない株式会社の株主は、株主総会の日の前に当該株式会社に対して通知をすることなく、その有する議決権を統一しないで行使することができる。

(正答)

(解説)
313条は、1項において、「株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。」と規定し、2項において、「取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の3日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。」と規定している。
したがって、取締役会設定会社でない株式会社の株主は、当該株式会社に通知することなく、議決権を統一しないで行使することができる。
総合メモ

第314条

条文
第314条(取締役等の説明義務)
 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。
過去問・解説
(H23 共通 第42問 オ)
取締役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合でも、その事項が株主総会の目的である事項に関しないものであるときは、その説明をすることを要しない。

(正答)

(解説)
314条は、「取締役…は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合…は、この限りでない。」と規定している。

(H28 予備 第20問 4)
株主が当該株主総会において実質的に同一の事項について繰り返して説明を求める場合には、取締役は、当該事項について説明をすることを要しない。

(正答)

(解説)
314条は、「取締役…は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、…正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。」と規定している。そして、会社法施行規則71条3号は、法務省令で定める場合の1つとして、「株主が当該株主総会において実質的に同一の事項について繰り返して説明を求める場合」を掲げている。
したがって、株主が当該株主総会において実質的に同一の事項について繰り返して説明を求める場合には、取締役は、当該事項について説明をすることを要しない。

(R2 予備 第19問 2)
取締役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものであるときであっても、当該事項について必要な説明をしなければならない。

(正答)

(解説)
314条は、「取締役…は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合…は、この限りでない。」と規定している。
したがって、取締役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものであるときであれば、当該事項について説明する必要はない。
総合メモ

第315条

条文
第315条(議長の権限)
① 株主総会の議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する。
② 株主総会の議長は、その命令に従わない者その他当該株主総会の秩序を乱す者を退場させることができる。
過去問・解説
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第316条

条文
第316条(株主総会に提出された資料等の調査)
① 株主総会においては、その決議によって、取締役、会計参与、監査役、監査役会及び会計監査人が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。
②  第297条の規定により招集された株主総会においては、その決議によって、株式会社の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。
過去問・解説
(H24 共通 第41問 ウ)
株主総会においては、その決議によって、取締役がその株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。

(正答)

(解説)
316条1項は、「株主総会においては、その決議によって、取締役…が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。」と規定している。

(H24 司法 第41問 ウ)
株主総会においては、その決議によって、取締役がその株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。

(正答)

(解説)
316条1項は、「株主総会においては、その決議によって、取締役…が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。」と規定している。
総合メモ

第317条

条文
第317条(延期又は続行の決議)
 株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第298条及び第299条の規定は、適用しない。
過去問・解説
(H24 共通 第41問 エ)
株主総会においてその延期の決議があった場合、後日開催されるその株主総会につき、改めて株主に対する招集通知を発しなければならない。

(正答)

(解説)
317条は、「株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、…第299条の規定は、適用しない。」と規定しており、299条は、株主総会の招集の通知について規定している。
したがって、株主総会においてその延期の決議があった場合、後日開催されるその株主総会につき、改めて株主に対する招集通知を発する必要はない。

(H24 司法 第41問 エ)
株主総会においてその延期の決議があった場合、後日開催されるその株主総会につき、改めて株主に対する招集通知を発しなければならない。

(正答)

(解説)
317条は、「株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、…第299条の規定は、適用しない。」と規定しており、299条は、株主総会の招集の通知について規定している。
したがって、株主総会においてその延期の決議があった場合、後日開催されるその株主総会につき、改めて株主に対する招集通知を発する必要はない。
総合メモ

第318条

条文
第318条(議事録)
① 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。        
② 株式会社は、株主総会の日から10年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。        
③ 株式会社は、株主総会の日から5年間、第1項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第2号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。        
④ 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。        
 一 第1項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求
 二 第1項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
⑤ 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第1項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。        
過去問・解説
(H19 司法 第43問 イ)
株主総会議事録については、法定の備置期間内における営業時間内に、裁判所の許可を得ることなく、株主及び会社債権者が当該書面又はその写しの閲覧請求権を行使することができる。

(正答)

(解説)
318条は、1項において、「株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。」と規定し、4項1号において、株主及び債権者が株式会社の営業時間中に請求できる事項の1つとして、「第1項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求」を掲げている。
したがって、株主総会議事録については、法定の備置期間内における営業時間内に、裁判所の許可を得ることなく、株主及び会社債権者が当該書面又はその写しの閲覧請求権を行使することができる。

(R3 予備 第20問 オ)
監査役設置会社において、株主が株主総会の議事録を閲覧又は謄写するためには、裁判所の許可を得る必要がある。

(正答)

(解説)
318条は、1項において、「株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。」と規定し、4項1号において、株主及び債権者が株式会社の営業時間中に請求できる事項の1つとして、「第1項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求」を掲げている。そして、本規定は、監査役設置会社にも適用される。
したがって、監査役設置会社においても、株主が株主総会の議事録を閲覧又は謄写するために、裁判所の許可を得る必要はない。
総合メモ

第319条

条文
第319条(株主総会の決議の省略)
① 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。        
② 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から10年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。        
③ 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。        
 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求
 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
④ 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第2項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。        
⑤ 第1項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。        
過去問・解説
(H23 司法 第45問 1)
株主総会の決議については、取締役が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、その提案につき株主(その事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の決議があったものとみなされる。

(正答)

(解説)
319条1項は、「取締役…が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。」と規定している。
総合メモ

第320条

条文
第320条(株主総会への報告の省略)
 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。
過去問・解説
(H23 司法 第45問 2)
株主総会への報告については、取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、その事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面により同意の意思表示をしたときは、その事項の報告があったものとみなされる。

(正答)

(解説)
320条は、「取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。」と規定している。
総合メモ

第321条

条文
第321条(種類株主総会の権限)
 種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
過去問・解説
(H24 司法 第38問 オ)
会社法に規定する事項以外の一定の事項について、種類株主総会で決議をすることができる旨は、定款で定めることができる。

(正答)

(解説)
321条は、「種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議することができる。」と規定している。
したがって、会社法に規定する事項以外の一定の事項について、種類株主総会で決議をすることができる旨は、定款で定めることができる。
総合メモ

第322条

条文
第322条(ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会)
① 種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が2以上ある場合にあっては、当該2以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。                
 一 次に掲げる事項についての定款の変更(第111条第1項又は第2項に規定するものを除く。)        
  イ 株式の種類の追加
  ロ 株式の内容の変更
  ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加
 一の二 第179条の3第1項の承認        
 二 株式の併合又は株式の分割        
 三 第185条に規定する株式無償割当て        
 四 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第202条第1項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)        
 五 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第241条第1項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)        
 六 第277条に規定する新株予約権無償割当て        
 七 合併        
 八 吸収分割        
 九 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継        
 十 新設分割        
 十一 株式交換        
 十二 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得        
 十三 株式移転        
 十四 株式交付        
② 種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。                
③ 第1項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。ただし、第1項第1号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。                
④ ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第2項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。                
過去問・解説
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第323条

条文
第323条(種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合)
 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第478条第8項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
過去問・解説
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第324条

条文
第324条(種類株主総会の決議)
① 種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。                
② 前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。                
 一 第111条第2項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第108条第1項第7号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。)        
 二 第199条第4項及び第200条第4項の種類株主総会        
 三 第238条第4項及び第239条第4項の種類株主総会        
 四 第322条第1項の種類株主総会        
 五 第347条第2項の規定により読み替えて適用する第339条第1項の種類株主総会        
 六 第795条第4項の種類株主総会        
 七 第816条の3第3項の種類株主総会        
③ 前2項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。                
 一 第111条第2項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第108条第1項第4号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。)        
 二 第783条第3項及び第804条第3項の種類株主総会        
過去問・解説
(H18 司法 第41問 ウ)
株式の発行後に定款を変更して当該株式について譲渡を禁止する定めを設けようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。

(正答)

(解説)
324条3項1号は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う場合の1つとして、「第111条第2項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第108条第1項第4号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。)」と規定しており、株式の発行後に定款を変更して当該株式について譲渡を禁止する定めを設けようとする場合はこれにあたる。
したがって、株式の発行後に定款を変更して当該株式について譲渡を禁止する定めを設けようとするときは、上記の決議を経れば足り、当該株式を有する株主全員の同意を得る必要はない。
総合メモ

第325条

条文
第325条(株主総会に関する規定の準用)
 前款(第295条第1項及び第2項、第296条第1項及び第2項並びに第309条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。この場合において、第297条第1項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第308条第1項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第318条第4項及び第319条第3項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。
過去問・解説
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第325条の2

条文
第325条の2(電子提供措置をとる旨の定款の定め)
 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第911条第3項第12号の2及び第976条第19号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。        
 一 株主総会参考書類
 二 議決権行使書面
 三 第437条の計算書類及び事業報告
 四 第444条第6項の連結計算書類
過去問・解説
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第325条の3

条文
第325条の3(電子提供措置)
① 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第299条第2項各号に掲げる場合には、株主総会の日の3週間前の日又は同条第1項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後3箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。        
 一 第298条第1項各号に掲げる事項
 二 第301条第1項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項
 三 第302条第1項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項
 四 第305条第1項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領
 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第437条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項
 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第444条第6項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項
 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項
② 前項の規定にかかわらず、取締役が第299条第1項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。        
③ 第1項の規定にかかわらず、金融商品取引法第24条第1項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第1項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第27条の30の2に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。        
過去問・解説
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第325条の4

条文
第325条の4(株主総会の招集の通知等の特則)
① 前条第1項の規定により電子提供措置をとる場合における第299条第1項の規定の適用については、同項中「2週間(前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、1週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「2週間」とする。        
② 第299条第4項の規定にかかわらず、前条第1項の規定により電子提供措置をとる場合には、第299条第2項又は第3項の通知には、第298条第1項第5号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。この場合において、当該通知には、同項第1号から第4号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。        
 一 電子提供措置をとっているときは、その旨
 二 前条第3項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨
 三 前2号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
③ 第301条第1項、第302条第1項、第437条及び第444条第6項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第299条第1項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。        
④ 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第305条第1項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第325条の2に規定する電子提供措置をとる」とする。        
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第325条の5

条文
第325条の5(書面交付請求)
① 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第299条第3項(第325条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第325条の3第1項各号(第325条の7において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。
② 取締役は、第325条の3第1項の規定により電子提供措置をとる場合には、第299条第1項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第124条第1項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。
③ 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。
④ 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から1年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第2項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。ただし、催告期間は、1か月を下ることができない。
⑤ 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。
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第325条の6

条文
第325条の6(電子提供措置の中断)
 第325条の3第1項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第7号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。        
 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。
 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の10分の1を超えないこと。
 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の10分の1を超えないこと。
 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。
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第325条の7

条文
第325条の7(株主総会に関する規定の準用)
 第325条の3から前条まで(第325条の3第1項(第5号及び第6号に係る部分に限る。)及び第3項並びに第325条の5第1項及び第3項から第5項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。この場合において、第325条の3第1項中「第299条第2項各号」とあるのは「第325条において準用する第299条第2項各号」と、「同条第1項」とあるのは「同条第1項(第325条において準用する場合に限る。次項、次条及び第325条の5において同じ。)」と、「第298条第1項各号」とあるのは「第298条第1項各号(第325条において準用する場合に限る。)」と、「第301条第1項」とあるのは「第325条において準用する第301条第1項」と、「第302条第1項」とあるのは「第325条において準用する第302条第1項」と、「第305条第1項」とあるのは「第305条第1項(第325条において準用する場合に限る。次条第4項において同じ。)」と、同条第2項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第325条の6までにおいて同じ。)」と、第325条の4第2項中「第299条第4項」とあるのは「第325条において準用する第299条第4項」と、「第299条第2項」とあるのは「第325条において準用する第299条第2項」と、「第298条第1項第5号」とあるのは「第325条において準用する第298条第1項第5号」と、「同項第1号から第4号まで」とあるのは「第325条において準用する同項第1号から第4号まで」と、同条第3項中「第301条第1項、第302条第1項、第437条及び第444条第6項」とあるのは「第325条において準用する第301条第1項及び第302条第1項」と読み替えるものとする。
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